概要
ガンダムにおける、MA形態(主に航空形態)への可変機構を持つガンダムの散々な扱いの事である。
本来可変機はギミックを多く含んでいる為、ガンプラやアクションフィギュアとして見ればプレイバリューが高い。
しかし、その一方で劇中での活躍においてはロクな活躍を与えてもらえないまま大破・破棄される事が何故か多い。
主な原因としてはパイロットに恵まれない事が挙げられる。
一概にパイロットが弱いからという訳では無く、パイロットの性格が大きく影響している事がほとんどである。
メカニック面でも「複雑なため量産化に向かない」「ピーキーで操縦が難しい」という設定が他の主役機やワンオフ機に比べて顕著という点が挙げられる。
この様に不遇な扱いを受けている事から機体そのものの商品としてのプレイバリューは高いにもかかわらずメカとしては人気が獲得しにくく、商品化しても変形ギミックの再現およびそれとプロポーション・強度・可動範囲・他キットからのパーツ流用との両立が難しく、どうしても非可変機より劣る面が出てしまう。
そんな中でも作中で最も活躍が著しかったガンダムAGE-2は数少ないジンクスを打ち破った希有な例だと言える。
やはり、主人公機は伊達ではない。
また、21世紀に入ってからはムラサメの登場を筆頭に可変機が量産化される作品が増え、量産機ファンの人気を集めている上に、印象的な活躍もしばしば見せる様に為っている。
商品化の面でも、バンダイがガンプラの関節を統一化する事で組み換えの効率化やコスト削減を意識した「オールガンダムプロジェクト」を立ち上げ、変形ギミックと高い可動範囲を両立したキットも登場し始め、変形ギミック自体も初期ほど複雑なものは登場しなく為りつつある為、この問題はやや改善されつつある。
具体例(の一部)
- 元祖可変ガンダムであるΖガンダムは『機動戦士Ζガンダム』の後期主役機ではあるが、続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』ではメインパイロットのカミーユ・ビダンを精神崩壊で失われてジュドー・アーシタに金目当てで盗まれそうに為ったのが全ての始まりだったり、頭を破壊された際はザクの頭部を応急的に付けられて同士討ちされそうに為ったりと不遇な扱いをされ始め、ΖΖガンダムに主役機の座を譲る事になった。
- 厳密には可変ガンダムと言いにくい所はあるが、Zガンダムの量産化を目指して開発されたリ・ガズィは、可変機構がオミットされて戦闘機形態からMS形態へと変形すると同時に二度と変形出来ないバック・ウェポン・システム (BWS)というオプションパーツが用意される半可変試作MSだとされ、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の序盤での一度目の出撃は主役のアムロ・レイが搭乗するもののシャア・アズナブルのサザビーの前では歯が立たず、二度目の出撃はケーラ・スゥが搭乗するもののギュネイ・ガスのヤクト・ドーガに苦戦を強いられて右腕をビームサーベルごと破損される程の中破に追い込まれた。
- また、『機動戦士ガンダムUC』に登場する可変機デルタプラスも、OVA版ではガルダ級での戦いにて半ば錯乱したプルトゥエルブに捕捉され、「お前もガンダムか!」の叫びと共にバンシィのアームド・アーマーVNで右半身を原形を留めない程に引き裂かれてしまった。なお、小説版ではダカールでの戦いにてバンシィのビームマグナムを受けて右手首を破壊されただけで済み、その後の消息が語られること無く物語からフェードアウトして行った。
- 尤もこれらのケースは新型への乗り換えイベントがある関係上仕方がない部分はあるし、『ΖΖ』の場合は序盤がコミカルな内容だった事も在る。
- またΖガンダムはΖΖ登場後もジュドーが度々搭乗しており、地球降下作戦時には誤って大気圏に突入してしまったエルピー・プルのキュベレイMk-Ⅱを助け、地上では「ΖΖより小回りが利く」という理由で使う事も在った為、全く不遇という訳では無かった。
- アンクシャ:アニメや外伝作品では活躍や出番はそれなりにあるが、原作ではバンシィのタクシー程度しか出番がない。
- ウイングガンダム:前期主人公機だがパイロットのヒイロから不遇すぎる扱いを受けた。ただし、後継機は曰くつきであるものの、最後まで活躍した。
- ガンダムエアマスターバースト:ブリトヴァとの交戦中にガロードから本機の高機動性を頼りに「餌になってくれ!」と言われたため、視聴者から「餌マスター」という不名誉な愛称をつけられた。
- カオスガンダム:強奪直後の戦闘では活躍シーンも多かったが、地球に降下してからは「下記のセイバーガンダムと延々と追いかけっこしかしてない」「一番の特徴であるドラグーンも機動力低下のデメリットのせいで全く使われない」「最後は量産機三機に圧倒されて大破」等まともな見せ場も与えらずに出番終了。
- セイバーガンダム:パイロットのアスランとの機体と能力が噛み合っておらず、劇中でも目立った活躍もなく、フリーダムガンダムによって瞬時に五体バラバラに分解されて大破、以上出番終了。
- G-アルケイン:劇中では一度も変形しなかった。(表向きはアイーダ自身が「自分の美意識に反する」だが、裏向きは監督である富野由悠季が「アルケインが可変機であることを忘れていた」。)
- アリオスガンダム:→GN電池
- イモータルジャスティスガンダム:→ジャスティスだったから負けたんだ
スパロボ大戦でも
第3次スーパーロボット大戦αでバルキリー系のユニットのガウォーク形態の変形がオミットされた(戦闘アニメ演出では攻撃のために変形はしている)のを皮切りにZシリーズ以降機体の特殊能力の変形がオミットされたユニット(主に敵側のユニット)が多数出て、VF-19改に至っては第3次Zでは常にファイター形態のみの運用を強いられる。