概要
AKB48のシングル曲の選抜メンバーは通常、劇場の運営が決めるが、2009年から年1回ファン投票により決定されて行われている。開催時期は第1回のみ7月に開催され、第2回以降は毎年6月に開催されている。これは梅雨時で行楽需要を見込めない時期であり、他の行事との兼ね合いが小さく、人(メンバー、スタッフ、関係者など)を適度に集めやすい時期だからである。第4回までは、出馬メンバーは特別な理由がない限り国内の48グループ全員となっていた(SDN48を除く)。しかし、第5回からは立候補制となり、国内の48グループに加えて海外グループの移籍メンバー、48グループに4年以上在籍していたOGも対象となった(2013年のみ)。
2014年以降、開票日に『AKB48 SHOW!』(NHK BSプレミアム)が選抜総選挙スペシャルが生放送され、1位になったメンバーが生出演。
選抜総選挙またはじゃんけん大会のいずれか両方で優勝すると48グループ二大タイトルホルダーとなる。2019年以降は行われていない(詳細は後述)。
投票有資格者
- その選挙でセンターを決めるシングルの一つ前の通常版の購入者
- AKB48オフィシャルファンクラブ「二本柱の会」会員
- AKB48・SKE48・NMB48・HKT48のLIVE!! ON DEMAND月額見放題会員
- AKB48・SKE48・NMB48・HKT48のMobile会員
- AKB48 公式スマートフォンアプリ会員
開票の結果、第1~3回では、第1~21位までのメンバーが選抜メンバー、内第1~12位までのメンバーはメディア選抜、第22~40位(第1回は第30位まで)のメンバーは「アンダーガールズ」として、そのシングルのカップリング曲を歌うことになるという型式だった。
しかし、第4回からは第1~16位のメンバーが選抜メンバー=メディア選抜、第17~32位のメンバーはアンダーガールズ、第33~48位のメンバーはネクストガールズ、第49~64位のメンバーはフューチャーガールズ、第65~80位のメンバーはアップカミングガールズ(2014年から)となる。以下に、これまでの選抜メンバーを表で紹介する。
順位 | 第1回(「言い訳MayBe」選抜) | 第2回(「ヘビーローテーション」選抜) | 第3回(「フライングゲット」選抜) | 第4回(「ギンガムチェック」選抜) | 第5回(「恋するフォーチュンクッキー」選抜) | 第6回(「心のプラカード」選抜) | 第7回選抜(「ハロウィン・ナイト」選抜) |
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1位 | 前田敦子 | 大島優子 | 前田敦子 | 大島優子 | 指原莉乃 | 渡辺麻友 | 指原莉乃 |
2位 | 大島優子 | 前田敦子 | 大島優子 | 渡辺麻友 | 大島優子 | 指原莉乃 | 柏木由紀 |
3位 | 篠田麻里子 | 篠田麻里子 | 柏木由紀 | 柏木由紀 | 渡辺麻友 | 柏木由紀 | 渡辺麻友 |
4位 | 渡辺麻友 | 板野友美 | 篠田麻里子 | 指原莉乃 | 柏木由紀 | 松井珠理奈 | 高橋みなみ |
5位 | 高橋みなみ | 渡辺麻友 | 渡辺麻友 | 篠田麻里子 | 篠田麻里子 | 松井玲奈 | 松井珠理奈 |
6位 | 小嶋陽菜 | 高橋みなみ | 小嶋陽菜 | 高橋みなみ | 松井珠理奈 | 山本彩 | 山本彩 |
7位 | 板野友美 | 小嶋陽菜 | 高橋みなみ | 小嶋陽菜 | 松井玲奈 | 島崎遥香 | 宮脇咲良 |
8位 | 佐藤亜美菜 | 柏木由紀 | 板野友美 | 板野友美 | 高橋みなみ | 小嶋陽菜 | 宮澤佐江 |
9位 | 柏木由紀 | 宮澤佐江 | 指原莉乃 | 松井珠理奈 | 小嶋陽菜 | 高橋みなみ | 島崎遥香 |
10位 | 河西智美 | 松井珠理奈 | 松井玲奈 | 松井玲奈 | 宮澤佐江 | 須田亜香里 | 横山由依 |
11位 | 小野恵令奈 | 松井玲奈 | 宮澤佐江 | 宮澤佐江 | 板野友美 | 宮脇咲良 | 北原里英 |
12位 | 秋元才加 | 河西智美 | 高城亜樹 | 河西智美 | 島崎遥香 | 宮澤佐江 | 渡辺美優紀 |
13位 | 北原里英 | 高城亜樹 | 北原里英 | 北原里英 | 横山由依 | 横山由依 | 高柳明音 |
14位 | 宮澤佐江 | 峯岸みなみ | 松井珠理奈 | 峯岸みなみ | 山本彩 | 生駒里奈 | 松村香織 |
15位 | 佐藤由加理 | 小野恵令奈 | 峯岸みなみ | 横山由依 | 渡辺美優紀 | 柴田阿弥 | 柴田阿弥 |
16位 | 峯岸みなみ | 北原里英 | 河西智美 | 梅田彩佳 | 須田亜香里 | 川栄李奈 | 武藤十夢 |
17位 | 浦野一美 | 秋元才加 | 秋元才加 | ||||
18位 | 宮崎美穂 | 佐藤亜美菜 | 佐藤亜美菜 | ||||
19位 | 松井珠理奈 | 指原莉乃 | 横山由依 | ||||
20位 | 多田愛佳 | 仲川遥香 | 増田有華 | ||||
21位 | 倉持明日香 | 宮崎美穂 | 倉持明日香 |
順位 | 第8回選抜(「LOVETRIP」選抜) | 第9回選抜(「#好きなんだ」選抜) | 第10回選抜(「センチメンタルトレイン」選抜) |
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1位 | 指原莉乃 | 指原莉乃 | 松井珠理奈 |
2位 | 渡辺麻友 | 渡辺麻友 | 須田亜香里 |
3位 | 松井珠理奈 | 松井珠理奈 | 宮脇咲良 |
4位 | 山本彩 | 宮脇咲良 | 荻野由佳 |
5位 | 柏木由紀 | 荻野由佳 | 岡田奈々 |
6位 | 宮脇咲良 | 須田亜香里 | 横山由依 |
7位 | 須田亜香里 | 横山由依 | 武藤十夢 |
8位 | 島崎遥香 | 惣田紗莉渚 | 大場美奈 |
9位 | 兒玉遥 | 岡田奈々 | 矢吹奈子 |
10位 | 武藤十夢 | 北原里英 | 田中美久 |
11位 | 横山由依 | 高橋朱里 | 惣田紗莉渚 |
12位 | 北原里英 | 白間美瑠 | 高橋朱里 |
13位 | 向井地美音 | 本間日陽 | 向井地美音 |
14位 | 岡田奈々 | 古畑奈和 | 吉田朱里 |
15位 | 高橋朱里 | 高柳明音 | 古畑奈和 |
16位 | にゃんにゃん仮面 | 吉田朱里 | 本間日陽 |
第1回及び第3回優勝者:前田敦子
第2回及び第4回優勝者:大島優子
第5・7・8・9回優勝者:指原莉乃
第6回優勝者:渡辺麻友
※第5回までの優勝者3名はいずれも太田プロダクションの所属。第6回の渡辺はプロダクション尾木所属。
地上波生放送
第4回以降、フジテレビ系列で生中継され、第5回以降は宮根誠司が司会を担当。また、個々の理由で不出馬の選抜常連メンバーがゲスト出演。
開催日(放送日) | ゲスト | |
第4回 | 2012年6月6日 | 前田敦子 |
第5回 | 2013年6月8日 | |
第6回 | 2014年6月7日 | 大島優子 |
第7回 | 2015年6月6日 | 小嶋陽菜 |
第8回 | 2016年6月18日 | 高橋みなみ(※) |
第9回 | 2017年6月17日 | 小嶋陽菜(※) |
第10回 | 2018年6月16日 | 指原莉乃 |
(※)開催された年の4月にAKBを卒業。
2019年以降行われていない理由
2018年に開催された第10回を最後に行われていないのは、10年の節目を理由としたものである。後述するトラブルが相次いだことや、2019年1月に発覚したNGT48の山口真帆のファンからの暴行事件の影響と考えるファンがいるが、運営は「関係ない」と否定している。2019年に開催中止となった時点で来年以降の開催は未定としていたが、2020年以降は新型コロナウイルスの影響で開催は困難を極めてしまった。
トラブル
第9回総選挙
第9回は3つの大きな事件が重なったため、項目を分けて解説する。
ネット不正投票疑惑
第9回大会の速報発表では、NGT48の荻野由佳が第1位となり、速報100位以内に荻野を含むNGTメンバー11人がランクインしたが、48グループ各公式サイトのネット投票サイトで、同一人物が何度もアクセスすれば推しメンの組織票ができるとネット上で「握手会などの指標を見る限り、ここまで大量にファンがいるとは思えない」「一体誰が投票したのか?」と指摘された。当初、運営は「不正な重複投票を懸念する声が上がりましたので、改めて細部に渡り調査をいたしました結果、そのような事実は一切ございませんでした」と否定していたが、その後、投票サイトを管理するサーバーからの調査で、NGT48を始めとする48各グループ投票サイトで、何回でも投票できるように見えてしまうプログラムミスがあったことを認め、即日修正された。ちなみに運営は、「改めて不正な投票はなかった」として、荻野、本間日陽、高倉萌香の不正投票の票数を修正せず、高倉以外の2人は不正投票の票数を含めた状態で、選抜入りしたという疑惑の声も上がった他、17位でまさかの選抜陥落となった向井地美音や公式ガイドブックで選抜入りの大胆予想がされながらネクストガールズ陥落となったHKT48の朝長美桜と矢吹奈子、さらにオリジナルメンバーが一人もランクインしなかったSTU48のファンからも「NGTのメンバーと運営全員で責任取れ!」と怒りの矛先が向けられた。一部の意見では、不正投票は間違いであり、総選挙に強いと言われていたSKEやHKTのファンがよりフレッシュなNGTに乗り替えた説やNGTと同じソニーミュージック系の坂道シリーズ(乃木坂46および欅坂46)ファンがライバルグループの枠を越えて肩入れしているという説もある。ちなみに翌年の速報発表でも荻野は第1位になったが、この時もネットで不正投票疑惑が上がり、「荻野由佳には企業票の疑いがある」という声もあった。
無観客開票
第9回は沖縄県内の野外特設ステージで開票イベントを開催する予定であったが、記録的大雨により中止となり、近くの豊見城市立中央公民館大ホールで史上初の無観客開票が実施された。また、晴天でも熱中症や脱水症状、後述の大事件により危険だったという声もあった。しかもこの日は沖縄県以外の都道府県の天気はほとんどが晴れや曇りだった。さらに、一部のメンバーから「3年前の大雨の総選挙の経験がいかされていない」と運営の杜撰なイベント計画が批判された。
謝罪する必要がない指原莉乃や横山由依が(横山の場合は総監督としての立場もあって)、スピーチの際に謝罪する始末。
この失態から翌年の総選挙の開催地は総選挙史上初めて、ファンからの公募で条件は数万人規模のスペース、観客を輸送する交通機関、会場に屋根がある条件の3つ及び国内にとどまらず、海外からも募集することになり、別府国際コンベンションセンター、北九州メディアドーム、ナゴヤドームの3つの候補から絞られ、最終的にナゴヤドームでの開催が決定した。
須藤凜々花の結婚発表
20位にランクインしたNMB48の須藤凜々花が前代未聞の結婚発表をし、会場を一瞬して地獄絵図にした。ファンのみならず他のメンバーからも驚きや非難が相次ぎ、ファンや現役メンバー、OGも巻き込んだ大騒動になり、翌日のスポーツ紙3紙が一面で掲載され、指原の3連覇や渡辺の卒業発表が有耶無耶にされてしまい、特に渡辺は結婚発表の時のドス顔がネタにされて、人生最大の屈辱を受けてしまい、「おめでとー!」と祝福したNMBメンバーに対しても「ちゃんとまじめにやっていなかったからこう言うことがあっても笑っていられちゃう」と批判した。しかも総選挙の翌日レコード会社側から報道陣に対し、「『指原の扱いが小さくなってしまうので、須藤への取材は行わないでほしい』と通達されたが、その後、運営の判断で、こうした“圧力”は消えた。しかし、週明けの19日は元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾のジャニーズ離脱報道一色となってしまった。
運営は「須藤がステージで話したことは事実です」と回答し、この日に発表することは、須藤自身の意志で、一部の関係者や運営だけが把握していた。この1時間後に、週刊文春公式サイト「文春砲Live」にて、今回の結婚の件については、週刊文春も影で絡んでおり、ファンの一般男性とのお泊まりデートを速報と銘打ってスクープし、「文春砲が発射される前にファンに正直に言いたかったじゃないか」「文春が絡んでたならしょうがない」など同情論も少なからずあった。しかし、一部のアンチファンからは「峯岸事件以降、AKB運営は人気メンバーの文春スキャンダルは完全スルーし、若手メンバーのみ卒業や活動辞退など表向きの理由を付けて文春スキャンダルで次々とクビにした結果、恋愛禁止ルールが完全に乱れて、文春砲被弾前に結婚発表と言う取り返しのつかない大事件に発展した」と批判された他、前述の不正投票と投票期間中に発覚した小嶋真子のジャニーズjr合コン写真流出事件を吹き飛ばすための運営による陰謀説が浮上した。
第10回総選挙
中井りかの文春砲予告事件
第10回総選挙で37位になったNGT48の中井りかが、当選スピーチで「やっちまいました」「おととい木曜の朝に週刊文春記者4人に囲まれて取材を受けまして」とまさかの文春砲を自ら予告。それにより初優勝とじゃんけん大会とリクエストアワーの初三冠を達成した松井珠理奈の話題が有耶無耶になってしまった他、36位にランクインした加藤玲奈も峯岸ほどではないが、ある意味最大の被害者になってしまった。その後、「悪目立ちすればこうなるんだなと身に染みました」「アイドルだっていろいろあるんだよー!」と急に開き直って謝罪した。総選挙終了後の当日深夜の文春公式サイトにて、ファンの男性との半同棲疑惑記事が掲載された。一部ファンからは(岡田奈々の去年のスピーチの一部を引用して)「去年の須藤の結婚事件をマネして這い上がるつもりか」「須藤の事件の経験が活かされていない」など非難が相次ぎ、翌日今村悦朗劇場支配人が中井に変わって謝罪した上で、「アイドルとしての自覚と反省を厳しく促す」と中井本人に対して口頭による厳重注意を行ったことを報告した。また、山本彩も動画配信での実況で「去年の凜々花の件の傷が全然癒えてない」と去年の須藤事件のトラウマを思い出してしまった。
松井珠理奈パワハラ問題
第10回総選挙で1位になったSKE48の松井珠理奈がスピーチでライブ中にHKT48の宮脇咲良に対して「ちゃんと踊って欲しい」とダメ出したことを発言し、態度が悪いという問題になってしまった。
須田亜香里の不正投票疑惑
第10回総選挙で2位になったSKE48の須田亜香里に対して、ネット上で票の不正操作があったとの疑惑が流れ、一部のファンからは「去年のNGTの不正投票疑惑の経験が全く活かされていない」などの批判が相次いだ。