概要
赤塚不二夫のギャグ漫画『おそ松くん』およびその派生作品に登場する六つ子の四男。
他の六つ子とは一卵性六つ子の関係であり、誕生日は共通して5月24日(双子座)、血液型も共通してA型である。名前の由来は模様の種類である「市松模様」から。
小学5年生の設定である『おそ松くん』と成人後の設定である2015年10月のアニメ作品『おそ松さん』では性格が異なるが、ここでは合わせて紹介する。
本名は通常設定では松野一松である(初期設定やパラレルでは異なる場合がある)。
担当キャスト
一作目(白黒):北浜晴子
三作目『おそ松さん』:福山潤
おそ松くんでの人物像
「一松でございやす。」
「一」がついているが四男であり、またよく名前を「市松」と間違われることが不満らしい。
連載当時のキャラ紹介では「粋でいなせな一松」と称している。
キャラ紹介通り、基本的には他の兄弟同様に悪ガキだがスマートで要領のいいところを見せている。
おそ松くんにおいては印象の薄いキャラであるが、後述の「チビ太のおもりはチビしいよ」では六つ子(おそ松くん)内で一番の体力を見せ、貯金も六つ子の中では一番多く、「せいぞろいスモッグ一家」では他の兄弟が苦戦したりくすぐり攻撃をしている中、一人でロードローラーを運転し相手をひき潰して完勝する、大人になったおそ松くんでは大企業の二代目社長になるなど、大物感のある描写がいくつか見られる。
また他兄弟の破天荒な行動を「つまらないと思います」などとバッサリ切り捨て、理不尽な行動をされた時には実力行使も辞さない描写がある。
おそ松くん当時は前述のようにそつがなくスマートな印象だが、学力がずば抜けて他の兄弟より良いということは決してなく、クラスでビリである。(六人共)
「チビ太のおもりはチビしいよ」において、他の兄弟が手を焼くわがままな子供キャラとして登場したチビ太と、対話を試みようとしたこともある。近所の叔母さんの子設定のチビ太の世話を六人で頼まれた際、皆でやんちゃなチビ太に振り回され、七階建てのビルに逃げられチビ太を追いかけて疲れている兄弟(サボっているおそ松を除く)が次々とバテてへたり込んで脱落して行く中、自分は最後まで残り六階まで上がるものの、「だらしないぞ一松」と言って自分の頭を棒で叩きバテるという、兄弟内で一番意志が強く体力がある面を見せた。自他共両面に厳しい傾向も見られる。
おそ松さんでの人物像
「みんなよくやるよね、まわりに合わせてさ。 友達? 仲間? 俺には一生いらない」
(5話B『エスパーニャンコ』)
マイペースな皮肉屋で、とにかくしれっと毒を吐くことが多い(1クール目公式サイト)。
徹底的に斜に構えた薄暗い雰囲気の人物。
卑屈であり、自分のことをやたら「クズ」「ゴミ」と述べる。
2クール目からは公式サイトの記述が「マイペースでぼそぼそとしゃべるアブナイ奴。ネコが友達」となった。
TVシリーズでは一貫して根暗で卑屈でダウナーでマイペースに単独行動を好む大人しいイメージと、猫と一緒に飛び回ったり十四松らによくプロレス技をかけて締め上げたり麻雀の卓返し等で暴れる等の子供っぽい面、切れた時やピンチに追い込まれた時の他兄弟を圧倒する爆発力および迅速かつエネルギッシュな行動を見せるという意外性のギャップがユニークなキャラであり、よりインパクトを高めていった。
2016年5月11日発売の『anan』No.2003掲載の松原秀による監修の記事でもチョロ松に「壊れた時の爆発力が最高」と評されている。
基本設定
上映イベントで明かされた「好みの酒」はアルコールですらないドクペ。好みのつまみは手羽先。ドクペを飲みながら延々と手羽先を食べ続けるらしい。
イメージカラーは紫。一人称は「おれ(俺)」が基本だが、エスパーニャンコが零した本音や前期ED曲では「ぼく(僕)」となっている。
なお「フェス松さん」のパンフや「an・an」等では六つ子の一人称の表記がそれぞれ書き分けられており、一松はひらがな表記の「おれ」になっている。
外見の特徴は、他の兄弟よりぼさぼさな髪と眠たげな半目、そして猫背。全体的に気怠げな雰囲気。アホ毛は二本。ただし半目については他の兄弟も普通にすることが多く、一松自身もごくたまに瞼を全開することがあるため、特徴的なボサ髪の方で見分けると判別しやすい。
おそ松に並んで松パーカーで過ごす時間が多く、マスクを着用している姿も見られる。着ている服が他の兄弟より大きめの印象を受けるが、サイズが大きいのか猫背のためなのかは不明。
松パーカー姿では、一本ラインの入ったジャージを穿き、つっかけのサンダルを着用。他の兄弟が靴下着用の中、彼だけは裸足でいる率が高い。ポケットにはネコジャラシが入っていたりする。
通常の寝間着は兄弟と同じだが、「パジャ松さん」では「DAT」と描かれた紫のトレーナーを着ていた。ちなみにこのトレーナーは外着としても2話で着用しており、ネコとフュージョンするとプリントが「CAT」に変わる。
つなぎ姿ではファスナーを襟元までしめおり、やはりだぼだぼ気味。あと猫背。
闇オーラを漂わせ、何が原因なのかは不明だが、やたらとネガティブで後ろ向き思考を述べる暗い性格。
2話の居酒屋では兄弟たちに「社会には馴染めなさそう」「上司とか殺しちゃいそう」と評されたり、4話での母親との扶養面接では、「誰かと一緒にいないと何をするか分からない」「息子の中から犯罪者が出てもいいのか」などといった、冗談か本気か分からないアブナイ発言をしている。
兄弟との関係性
自虐がデフォルトであるものの、かと言って他の兄弟のことを特別尊敬している節も無い。
1クール目担当EDでは「長男から末弟までそろってクズ」と言い切っていた。はっきりとは明言していないが、自分はその中でも一番のクズ、というのが彼の認識らしい。
「長男から末弟までそろってクズ」と言い切る兄弟の中でも特にカラ松に対しては基本的に見下した態度を取っており、作中内で度々それを裏付ける態度や発言を見せている(2話A他)。カラ松への当たりが強い理由について、シリーズ構成及び脚本を担当する松原秀は「なんでそんなに自信を持ってんの?6つ子なんだから俺とおんなじだよね?」「なんでそんなに真っすぐ楽しめるんだろう」と見ていて引っ掛かるところがあるからと述べている。
カラ松が痛い行動をとった時は容赦なく暴力を奮う一松だが、カラ松に助け舟を出された時は照れながらも内心で感謝するという、弟らしく微笑ましい一面を見せる。
また、十四松とは一緒にいることが多い(1期17話)、チョロ松とは二人きりになると気まずい(2期3話)とのこと。
猫との関係性
兄弟以外の人と行動することの少ない彼は、ネコが友達である。
自宅で飼っているわけではないが、一人出掛けた先の路地裏でネコと戯れたりエサをやったりする他、家の中でも抱いていたり撫でていたりと野良猫の扱いが非常に上手い。「親友」にあげるために美味しい煮干しを部屋にこっそり隠している。
更に、本人はネコ人間になることが可能(→猫松)。どういう原理かは分からないが、路地裏でネコとフュージョンしたのを皮切りに、その後も度々単独でも変身している。変身中でも本人の意識はちゃんとある模様。2クール目のEDでも猫耳を装着した直後にネコ顔に変身していた。なお、ネコ人間の時には人間の耳とネコ耳の両方ともが付いている。
また、完全なネコ人間ではない部分的な変身も可能なようで、10話では一瞬猫耳のみが生えて威嚇したり、16話では通常の一松に猫耳としっぽが生えた姿にもなっていた。
根暗で大人しいキャラとパワフルな爆発面の二面性
アニメ公式WEBラジオ『シェーWAVE』第3回の放送内で、隠れ設定としてキャラクター設定資料に「一松は実はM」と書かれていることが明言された(6話Aパート「おたんじょうび会ダジョー」のオチで一松が喘ぎに近い声を発した件についての視聴者からのお便りに対し、あのセリフはそれを踏まえての担当声優によるアドリブであると回答があった)→M松
一方で、第10話のオチで自分達を騙して大金を巻き上げたイヤミとチビ太を虎の檻に放り込んで黒い笑みを浮かべていたり、14話Aパートでは兄弟にたいして看病と称した調教を行ったり、犬の格好をした十四松に首輪とリードを付けて公衆の面前で散歩させる、同じく裸の十四松を四つん這いにして馬代わりにさせるなど、Mに留まらない二面性も見せている。
「闇人形」「闇松兄さん」と呼ばれるなど、他者に構わない「闇人間」呼ばわりされる彼だが、計算高さや逞しさや実行力や意外な芸人気質など徐々に多彩な面を見せるようになった。
4話「自立しよう」で前述のように言葉巧みに松代を脅して扶養家族の座を勝ち取ったり、16話「一松事変」では突発的なアクシデントに動揺しているのにもかかわらず、機転を利かせてカラ松をホモ扱いしてピンチを切り抜けて自己保身するなど計算高くちゃっかりした生命力や、24話「手紙(おそ松さん)」では波乱の状況の中で一人落ち着き払った態度と行動を示し、25話冒頭でおそ松に呼び出されるまで路地裏で野宿生活を続けたなどたくましさを感じる一面も見せる。
また、7話A、22話Aの二度にわたる脱糞アクションも普段とのギャップと相まって多大なインパクトを残している。どちらもトド松が絡んでおり、後者の脱糞シーンでは前回のスタバァでのトラウマが蘇り怯えきったトド松が白目のまま固まってしまっていた。2016年6月9日開催「フェス松さん’16」で上演された新エピソード朗読劇の「居酒屋」でも一松がトド松に頼まれて脱糞している。同じく2016年5月11日発売の『anan』No.2003では脱糞について「場をうやむやにするための特技」という記述がある。
普段はネガティブと言われているが、22話「ファイナルシェー」では自身のセルフイメージが猫の高級品種のスコティッシュフォールドであるという本音を酔って露呈している。
他、7話A、13話などでのあざといトド松相手に「いや、お前、そんなにルックスいい方じゃないよ。ただあざといだけ。暫くすると飽きるよね。」と相手が言われたくない痛い所を的確にえぐる毒舌を吐きトド松を動揺かつ激怒させ 、14話Aで兄弟全員の有り金をパチンコで使い果たして五人の怒りを買ったおそ松にディープキスをして風邪を移すなど、根暗で口数少ない印象の割に鋭い毒舌や高い攻撃力を見せ、兄弟をはじめ他人をいじることに関してはなかなか積極的な面を見せる。
前述の24話から25話にかけての周囲の騒動を意に介せずマイペースな単独行動、18話「逆襲のイヤミ」でカラ松を崖から蹴落とし全裸になりトト子を撃退してトップに立つものの主役の座の責任の重さを負う気はなく自ら脱落など、ローテンションで常に責任事や面倒事を避ける我関せずの気質を持つ。
しかし決してノリが悪いわけではなく、3話では十四松とプロレスごっこをしたり、7話A、9話アバン、14話Bなど兄弟たちのコントノリに付き合うことも多い。表情も常に眠たげな無表情なわけでもなく、笑ったり焦ったりもする。
エキセントリックなボケが多い彼だが、上記の看病と称した調教も14話Aにおける兄弟の看病で一番まともなものであったり、16話Bではおそ松の行動に内心まともなツッコミを入れていたりする。
ネコ以外に友達が居ない事は自覚があるらしく、別に気にしていない素振りも見せていたが、5話Bパートでは……。
13話ではトド松から5話Bパートでの姿を「闇キャラを装っただけの普通の人間」「ノーマル四男」と揶揄されていた。
また注射は何歳になっても苦手らしく、5話で十四松に捕まえられ注射が行われそうになった場面では普段ぼそぼそしゃべる彼からは想像もつかないくらいの大声で泣き叫んでいた。
音楽における趣味嗜好
4話Bパートでトト子の部屋に呼び出された際には、ビジュアル系バンドマンのような格好で登場した他、5話AパートではGLAYの歌を歌いながら踊ったりと、意外にロック系統への趣味があるのではとファンから推測されている。
体力面
「おそ松くん」時代に兄弟で一番の体力を見せたが、「おそ松さん 春の全国大センバツ上映会」においてカラ松を片手で持ち上げ、「おそ松さんのニートスゴロクぶらり旅」においても真っ先に息が切れるチョロ松を余裕で半ばあきれながら見守るなど、日毎家の内外で猫と遊んだり時には自ら猫化して飛び回っているだけあり、現在でもスタミナは健在であることが垣間見えた。
「小説おそ松さん 後松」でもドラゴンスクリューで投げ飛ばしたカラ松の膝関節がもげかけるという、本編同様プロレス好きの一面を見せた。
ガテン系な一面
なお、厚生労働省のポスターでは何かしらの現場作業員姿で登場。
13話でもダンプで突撃してカラ松の雪像及びカラ松本人を豪快に跳ね飛ばすコミカルな場面がある。
関連イラスト
関連タグ
エスパーニャンコ…5話Bパートのタイトル及びこの話に出てきたキャラクター。一松初メイン回で、彼の本心が明らかに。
ブラックサンタ…11話「クリスマスおそ松さん」の中の話の1つ。
一松事変…16話Bパートのタイトル。これもまた、一松の本心が分かる話。
猫松…猫化した一松。
M松…シェーwaveより。
闇松兄さん…6話Aパートにて、トド松が一松に対して言ったあだ名。
カラ松ボーイズ…16話Bパートより。由来は、カラ松ガールズ。
ティンカーイチ…17話の中の話の1つである十四松パンにて妖精になった一松。
イチゲルゲ、童貞ゴッド…※未放送の3.5話ネタであるため、ネタバレ注意
コンビタグ
パーカー松=おそ松、一松
色松=カラ松、一松
年中松=チョロ松、一松
数字松=一松、十四松
110松=一松、トド松
トリオタグ
偶数松=カラ松、トド松と
扶養合格組=おそ松、トド松と
六つ子問題児組=カラ松、十四松と
グラデ松=おそ松、カラ松と
寒色松=カラ松、チョロ松と
混色松=チョロ松、トド松と
ピタゴラ松=チョロ松、十四松と
円周松=おそ松、チョロ松と
ひよこ松=おそ松、十四松と