概要
アニメ「おそ松さん 第2期」の第13話。テレ東の本放送は2017年12月25日深夜(26日)。
前半は表題の「年末」。第5話「夏のおそ松さん」以来の短編回だが、今回は季節に合った回となっている。
後半の「戦力外通告2017 クビを宣告された末っ子」は、配信時のタイトル表記によれば「年末」とは別のパート。
第1話から1クールが過ぎ、これまでのOP・EDの出番は今回までとなるが、そのOP(君氏危うくも近うよれ)の映像にちょっとしたしかけがある。
EDは遅松66バージョン。予告の担当はチョロ松。
「年末」
あらすじ(ネタバレ注意)
タイトル | あらすじ |
---|---|
「よいお年を」 | アバン。今年を振り返るおそ松とチョロ松だが…… |
「年末ジャンボ」 | 兄に宝くじを買おうと誘われた一松は…… |
「ニューイヤーフェス」 | 「トト子 魂の弁論!」(壁の貼り紙より) |
「餅つき」 | デカパンとダヨーンが餅つきをするが…… |
「雪遊び①」 | おそ松と十四松が雪で作る物は…… |
「雪遊び②」 | カラ松が雪で作る物は…… |
「かさじぞう」 | 昔話風。笠を売りに行くハタ坊が地蔵を見つけるが…… |
「年賀状」 | チョロ松が「年賀状を書け」と兄弟に言う。彼らの書いた年賀状は…… |
「よいお年を」(アバン)
こたつで温まりながら今年1年を振り返っていたおそ松とチョロ松。寝て起きてご飯を食べてパチンコや競馬、銭湯に行ったり、麻雀をやったり、酒を飲んで酔っ払ったり、アレをして寝る幸せな毎日だったとまとめたが、結局何も変わらず前に進んでいない事に気付き我に返ったチョロ松は、情緒不安定のあまりこたつをひっくり返してしまう。
「俺さぁ、子供の頃この年齢になった人達はもっと大人だと思ってたよ……意外といくつになっても子供のままなんだなぁ、駄目な奴ってずっと駄目なんだろうなぁ」と嘆いたチョロ松だったが、おそ松は「大丈夫だよ。まだ間に合うって」と彼の肩に手を添え、「だって、今年が終わるまでまだちょっと時間あるだろ?今から急いで良い事やれば、今年1年は良い年だったなって事になるんだよ」と元気づけ、彼もその事に納得する。
"終わり良ければ全て良し"という考えで悩んだ末、彼らが思い付いて実行した良い事…………それは、晴天の雪山で「世の中のクズな人間を一人でも」減らすと決意したおそ松がとばっちりのイヤミをぶん投げ、彼とチョロ松はイヤミの入った雪玉を息ぴったりの動きで転がし、彼を崖へと運んで下へ落とした事であった。
その後2人も「あとは自分達ー!」と言いながら崖下へ真っ逆さまに身を投げた。
「年末ジャンボ」
年末の宝くじを買おうとおそ松に誘われた一松。「当たらない」と否定する彼におそ松は「当たる!」と言って売り場に貼られた公告についても挙げるが、一松は「皆には当たってもおれには当たらない」と拒否して去ってしまう。
その後今度は道中でカラ松と出会い、彼の誘いで森の奥へ付いていく事になる。森はやがて大きな茸や胞子が漂う魔境に。彼らが辿り着いた最深部にあった物とは、何故かある宝くじ売り場だった(売り子はハタ坊)。
「ああいう場所なら当たるんじゃないか?」とカラ松が言い、一松もそんな気がしてくる。意気投合した2人は売り場に向かって走り出すが、辿りつく前に食虫植物にぱくりと食われてしまった。
「ニューイヤーフェス」
登場人物:トト子
今年のクリスマスは何とか乗り切ったにもかかわらず、何故今度はニューイヤーフェスで世間が盛り上がるのかと家の2階からメガホンを使って異論を唱えるトト子。彼女の両親を含む周りの大人達は、そんな彼女の様子に驚きながら延々と続く彼女の演説を聞いているのであった。
「餅つき」
とある空き地で仲良く餅つきをしていたデカパンとダヨーン。最初は調子が良かったものの、次第に餅をつくスピードは速くなっていき、ダヨーンの持つ杵がデカパンの手を打ってしまう。しかし、目をつぶって一心不乱に餅をつくダヨーンはそれに気付かず……?
「雪遊び①・②」
家の前に溜まっていた雪を夢中で集めるおそ松と十四松。丁度その時通りかかったチビ太は彼らの子供じみた行動に呆れていたが、後で復路として戻ってきた時には、大きなトト子の雪像が完成していた。
その胸に飛びつく彼らを見たチビ太もトト子像に夢中になり、スカートの中にスライディングで突っ込んだので雪像は崩壊した。
② 登場人物:カラ松、一松
家の前に溜まった雪を丁寧に積み上げていたカラ松は、自分自身の雪の像が出来て満足げだった。
そこに真顔の一松がトラックを運転して猛スピードで向かってきた。
トラックはカラ松の雪像に突っ込んで、カラ松ごと跳ね飛ばした。
「かさじぞう」
登場人物:ハタ坊、イヤミ、おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松
何とかして年越しを贅沢に過ごす為、「予め作っておいた笠を町に売りに行け」とお婆さんのイヤミによって外に放り出されたお爺さんのハタ坊。その道中、彼は5体のお地蔵さんを見つけるが最初は特に気にせず通り過ぎようとした。
しかし、「笠を被せればきっと良い事がある」という彼らの声を聞いたハタ坊は、1体1体に売り物として用意していた笠をそっと被せてあげたのであった。
その後、何とか笠が売れた事でお金も儲かり、お爺さんのハタ坊は帰路へと向かったが、笠を与えられたお地蔵さん達は傲慢な態度と共にさらなる供え物を求め、彼を執拗に狙う。ハタ坊が逃げても「地蔵は心のなか読んでくる!」と先回りして立ち塞がった。
最終的に老夫婦の家の食料をたらふく食べて出て行き、彼らを破滅させてしまったのであった。
「年賀状」
登場人物:おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松
年の瀬が迫る中、まだ年賀状を書いていた4人を見かけたチョロ松。何だか卑猥だと連想させる物を描いたおそ松、他人ではなく自分宛に作っていたカラ松、来年の戌年にもかかわらず何故かケルベロスを描いた一松、魚拓ならぬ顔拓をしていた十四松の年賀状に彼は呆れていた。
しかし、おそ松が当のチョロ松の年賀状を見た所、そこには「就職ができました」と嘘が書かれていて衝撃を受ける。この事を兄弟から非難されたチョロ松の反応は…………?
小ネタ
- 今回、前半では末弟のトド松の出番が無い。「かさじぞう」や「年賀状」では5人の兄達は登場するが、彼だけ唯一登場しない上、話題にも浮上していない。
- アイキャッチはラグラン松パーカーを着た兄弟(長男→次男→三男→四男→五男)→お地蔵さん5体。なお本編の服装は、「よいお年を」「雪遊び」が旧パーカーにどてら、「年末ジャンボ」「餅つき」「年賀状」がジャージだった。
- 「ニューイヤーフェス」にてトト子の話を聞いているモブの中で、某作品の主婦とこれもまた某作品の主婦に似たような人が一緒に映っている。
- 「雪遊び②」にて一松が乗っていたトラックの車種はUDトラックス・カゼット。また、荷台の6と横線が書かれた模様はセブンイレブンの配送トラックが元ネタ。
「かさじぞう」
- 元ネタは有名な昔話の1つである『笠地蔵』。原作ではお地蔵さん達が老夫婦に食料や小判を持って来て恩返しをした事で夫婦は無事に年を越せたという展開だが、この回では真逆のオチとなっている。
- 原作では登場するお地蔵さんは7体で、お爺さんがそれを見つけたのは笠が売れずに諦めて帰路についていた道中である。そして6体には笠を被せたが、残りの1体はそれが足りなかった為に自らの手ぬぐいを巻いてあげて、何も持たずに帰宅した。
- ハタ坊が二度目にお地蔵さん達に置いていった物は某食品のパロディ。因みにお地蔵さんの1人の中の人は以前その食品のCMに出演していた。
「戦力外通告2017 クビを宣告された末っ子」
話の展開はドキュメンタリーのような形式で、ナレーションはチョロ松が担当している。
元ネタはTBS系で年末にテレビ放送されてきた「プロ野球戦力外通告-クビを宣告された男達-」である。
あらすじ(ネタバレ注意)
橋の下でポツンと過ごしていたトド松(年俸は推定で0円)。
彼はドラフト6位で松野家に入団し、類いまれなるあざとさや計算高さ、ドライさといった他の5人とは異なるクズっぷりを期待された生え抜きの末っ子であり、デビュー当時は安定の腹立つ加減で良い仕事をし、今までの回の中で見せたツッコミの演技も冴えた物であった。
しかし、最近のトド松が夏のビーチでは女子と普通に写真撮影や連絡先を交換したり、合コンを開ける人脈や女子と至近距離でも普通に喋れる行動力を身に付けている事、挙句の果てには普通にデートしていた事は、ニート童貞である事が一番の特徴である筈の松野家の6つ子として実にあるまじき悪行とされた。
「これが童貞と呼べるのか、もはやただのイケてる男子なのではないか」というフロント(家族)の即決な判断の結果、松野家から戦力外通告を受け自由契約となってしまった。
その後、次の末弟のポジションを埋める助っ人外国人としてマイコマツ(CV:東地宏樹)が新メンバーに迎え入れられた。彼はメジャーでバリバリ活躍する末っ子で、充分な実績を持っていた。
この事を知りこのままではいられないと決意したトド松は、最後の砦である松野家2軍練習場で後日のトライアウトに向けて自主トレーニングを始める事にする。
果たして彼は、再び松野家末っ子のポジションに返り咲く事は出来るのだろうか………?
結末
兄5人に再会するも冷たくあしらわれたトド松は、トライアウトの打席に立ったが球を打とうとせず、突如として乱闘を始める。そして観客席の兄達に襲いかかった。
結局、試合放棄により入団は叶わず、トド松は松野家の前でホームレスを続けていた。しかし、そんな彼にアメリカのアニメ作品から電話がかかってくる。再挑戦のチャンスを得たトド松は「いつかあいつら(兄)を殺しますよ!」と宣言して日本を旅立った。
ED後のパートでマイコマツはフロリダに帰ってしまい(両親曰く「日本食が口に合わなかったとか、神のお告げがあった」)、結局トド松は帰国して再び松野家の末っ子として戻る事になった。
帰ってきた彼の髪型はモヒカンになっており、タクシードライバーのような雰囲気で「皆殺しじゃあああ!!!」と狂いながら5人の兄に銃を乱射しまくった。
戦力外末っ子
前半にトド松の出番が無かったのはそういうわけである。更に、OPのラストをよく見ると立ち絵まで省かれている。
第1期の第13話Cパート「事故?」では、チョロ松がトド松に「お前本当はいらない存在なのに何調子に乗ってんの」と暴言を吐く場面があったが、今回で実現してしまった事になる。
この回では松マークの付いていない無地の灰色パーカーを着て、ぼさぼさの髪や無精ひげなどワイルドな姿になっていた。
トド松のツッコミを振り返るシーンは、1期2話・7話・18話・23話・2期2話・7話の各場面。
トド松が試合中に突如キレたシーンでは「なんだよ戦力外って!なんで野球なんだよ!ずっと俺は何をやらされてるんだぁぁ!」と、(キレ声のためやや聞き取りづらいが)一人称「俺」を使用した貴重なシーンとなった。
それまでも6人全員で「俺達」と言うシーンや、他人のモノマネとして「俺」と言うことはあったが、トッティ自身の単独一人称として「俺」を使うのは『おそ松さん』では初である。
小ネタ
- サブタイトルからお察しの通り、野球ネタが多い。因みに2017年12月30日に元ネタの番組が放送された。
- 戦力外通告を受けた直後にトド松が受けたインタビューのシーンは、ハンカチ王子こと斎藤佑樹選手のインタビューをまねている。
- おそ松さん第2期が放送される前まで、中の人はトド松と境遇は違えど海外留学をしている。
- トド松が過ごしていた橋の下は、かつてイヤミが住んでいた場所である。
- トライアウトのキャッチャーは聖澤庄之助。
- 「よいお年を」ではおそ松がミカンを剥き、ED後のラストシーンもミカンが映る。ミカンに始まりミカンに終わる回とも言える。
モブキャラ
各シーンで登場するモブには何処かで見た事があるようなキャラも含まれている。
松野家2軍練習場では本来の6つ子達にそっくりな偽物達が一杯居るが、その中に第1期で登場した神松や悪松も混じっている。
また、トライアウト当日には何処かで見た事がありそうなアニメの監督達も居合わせている。
余談
本放送は12月26日だが、その週末に遅れて放送するBSジャパンは本来放送する12月31日(30日深夜)には放送せず、何と1週間後の「1月7日(6日深夜)」の放送となった。
BSジャパンしか見れない地域の人が本放送から2週間待たされるだけでなく、新年なのに年末ネタの放送というズレた事になっている(秋に夏の話をしていたのとは事情が違う)。
なお、ニコニコ動画などは通常通りのスケジュールで配信された。
アプリゲームの関連ネタ
- 2018/3/6付で「おそ松さんのへそくりウォーズ」のトド松の姿に今回を元にした「トド松:戦力外通告」が追加された。
- 「にゅ~パズ松さん」(終了)のエピソードでは「年末ジャンボ」の食人植物が猫などの幻覚を六つ子に見せておびきよせていた。宝くじ売り場もあるいは……?
- たび松の2018/3/16~3/25のイベント「春よこいこい花札戦記」のマップの背景に6つ子そっくりのお地蔵さんが並んでいた。ここでは6体いたが、トド松地蔵はラストシーンの顔になっていた。
- また、たび松の2018/10/31~11/10のイベント「ニート鬼退治行くんで四露死苦!!」のトド松は鬼として鬼退治の一行(十四松たち)の前に現れるが、実は鬼ヶ島から戦力外通告を受けて島を出てきた身だった。理由は戦闘で弱いからとも島で仕事をしなかったからとも言われる。この話では同じ鬼の一松がともに来てくれたので多少はましな状況であった。
- また、たび松の2018/11/30~12/10のイベント「戦力外プリンスと氷の塔」はファンタジーのお話だが、マスに止まると出る画像に今回の雪遊びなどの場面も使われた。
- 主役は王子のトド松。氷の国の姫が住む塔を登りきった王子は姫と結婚できるのだが、隣国のトド松が来ると「ニートの国の王子は……戦力外ザンスー!」と執事のイヤミ達が門前払いする。しかしトド松は「僕は戦力外なんかじゃない!」と勝手に侵入した。ちなみに他の兄弟はトド松に役立たずな魔法を授ける妖精の役。
主なスタッフ
脚本 : 松原秀
作画監督 : 渡邊葉瑠
背景 : ヘッドワークス
絵コンテ・演出 : 吉村愛
関連タグ
おそ松さん(各話一覧は「おそ松さん(アニメ)」を参照) 2期 13話