ガッツ星人さん
がっつせいじんさん
概要
『ウルトラセブン』に登場した、「いかなる戦いにも負けたことのない無敵のガッツ星人」を、ニトロプラス所属のイラストレーター:猫缶まっしぐら氏が可愛らしい女の子へとリデザインしたことで誕生した擬人化キャラ。
ガッツ星人自体が(顔をのぞけば)人間と近い体型をした宇宙人であったこともあり、然程違和感のない仕上がりとなっている。鳥のような顔は、特徴的な目は髪飾りに、嘴のような形の口は額に一房だけ垂れ下がった前髪に……と言う形でそれぞれうまく処理されている。あまり注目されることはないが、頭頂部に生えたアホ毛もチャームポイント。
見事なお胸の持ち主であり、後述する漫画版においてもよくネタにされている。
また、脚もグンバツであり、C87で配布された『怪獣大図鑑』では「蹴られた上にかかとでグリグリされたら、その手の属性の人はノックダウン必至」とまで書かれていた。
発表されたデザイン画では無表情で、どちらかと言えばどこか大人しそうな印象だった。
そのため、初期に描かれたファンアートでも、原作同様の冷徹な侵略者、あるいは単なるモブキャラとして描かれることが多かった。
しかし、そんな彼女のイメージは、後述する漫画版にて(良くも悪くも)裏切られることになる。
漫画版での活躍……もとい暴走
それらを部活動という名目で 追い掛け回して撮りまくっていいのよ!?」
コミカライズ作品では怪獣図鑑制作部に所属しレギュラーキャラとして登場。
部長のペガッサとは幼馴染で、よく彼女に絡んでいる。当のペガッサは嫌そうな素振りをしているものの、とあるエピソードでは内心ではまんざらでもないと思っていることを示唆する発言をしているため、なんだかんだ言いつつも良き友人関係を築いている様子。
表向きは、どこか飄々とした雰囲気を感じさせる人当たりの良い美少女だが、その実態はかわいい女の子が大好きな変態で、事あるごとに図鑑資料の入手という建前で(盗撮含め)写真を撮りまくっている。しかも、その手法も、ターゲットにした女子を徹底的に尾行してその素性を調べ上げた挙句撮影する(場合によってはマンションの屋上から望遠レンズを使って撮影したり、ドローンを使った空撮まで行っている)という違法行為スレスレのものであり、写真そのものも足やへそ、赤面した顔をドアップで映すなどかなり如何わしいものが多い(当然、これらの写真はすべてペガッサに回収され、破棄されている)。
なお、彼女が内面で抱いている欲望はもっと過激なものらしく(モザイク処理が施されていた)、夢を吸収しようとしたギランボが「普通じゃない!女の子同士なんて普通じゃない!」と取り乱して逃げ出してしまったほど。
それ以外にも笑顔を浮かべながらとんでもないことを言ったりやってのけたりすることがあるため、漫画版のキャラクター解説でも「腹黒少女」ときっぱり書かれてしまっている。
漫画の連載後に刊行された『怪獣図鑑』においても
しかしその知力はもっぱら、他人へのイタズラに使われる。」
と書かれている。
このため、現在では公式作品・ファンアートと共に「頭の良さを最大限悪用してイタズラ(およびセクハラ)を働くトリックスター」という立ち位置を確立している。
そんな彼女だが、お尻が大きいことを気にしているという意外にナイーブな一面も持っていたことが28話で明らかになっている。
単行本第2巻では、後述する人気の高まりを受けてか、単独で表紙を飾っているほか、COMIC ZINの購入特典のイラストカードでは、見事な美脚を披露してくれたり、アニメイトの購入特典の描きおろし漫画にも登場するなど、主人公のゴモラとベムスターを差し置いて破格の待遇を受けている。
「さて! さてさて!
来ました! 私が! ガッツ星人が!
あなたを倒しに、ね♡」
絶大な人気を誇りながら、第1期では残念ながら未登場に終わった彼女だが、2018年1月から開始される第2期で遂に満を持して登場することが決定した。
2期における主要人物の1人であり、さらに物語の進展に大きく関わるキーパーソンという非常に重要な立ち位置での登場となる。
登場する怪獣娘の中で露出が増えずシルエットも特徴的な部位がないデザインのため、怪獣娘たちが集まると一般人が混ざっているような独特の存在感が生じる。
本名は印南ミコ。
得意の分身能力であらゆる局面に対応できる優秀な隊員だが、見境なく仕事を引き受けてしまうワーカホリックなところがある。劇中でも同僚であるキングジョーやアギラ等から度々そのことを指摘されており、本人も一応自覚はしている様子。
親しい相手からは「ガッツ」と呼んでほしいらしいが、怪獣名が女の子らしくないことは自覚があり、アギラにそのことを指摘されると「言わないで」と止めていた。
「さて」という言葉を繰り返して言う癖があり、「いやっほぅ!」「イェア!!」等と叫んだり、戦闘時はやたらとテンションが高い(演じる松田曰く「アメリカンな感じがする」)。
お調子者としての一面もあり、出動が遅れたことをキングジョーに窘められた際には「主役は遅れてやってくる」と嘯いたり、キングジョーに対して「力任せにするしか能がない」と言ったために彼女を怒らせてしまい、慌てて訂正するという場面も。
切り替えが早いようで、ゴモラのようにベタベタし過ぎず、エレキングのように冷たすぎないサバサバとした振る舞いから、人付き合いのやや苦手なアギラからも「接しやすい」と評されている。
劇中では1話から登場。
キングジョーことクララ・ソーンのイベントでシャドウミストに取りつかれたとあるファンが暴れ出したため、高所から回転して飛び降りながら怪獣娘に変身、上記のやる気に満ちた決め台詞を放った。当初はフルパワーで光線を放とうとしたが、相手が生身の人間であったために出力を抑えた光弾を放って相手を気絶させ、シャドウミストを取り除いた。
実は、新種のシャドウの活動開始と前後して不思議な体調の変化を感じていた。
そして、第3話では遂に彼女の体から謎の分身体:シャドウガッツが出現、それが隊員の1人であるミクラスを襲撃して重傷を負わせるという大事件を引き起こしてしまう。
自分で引き起こした不始末は自分で片を付けると単身分身へと立ち向かうガッツだったが、シャドウガッツは最早ガッツ本人の手にも負えないほどの戦闘力を手に入れており、奮闘空しく敗れ、ソウルライザーを奪われてしまう。
その後、見舞いに訪れたアギラに対して本人が病院で語ったところによると、自分の前世が「いかなる戦いにも負けたことがない怪獣⦅宇宙人⦆」であることを知ったことから、「どんなことにも負けない私でいたい」と思うようになったらしい。
これについては、ベースの怪獣の能力が高かったことから自然と周りから頼られる場面が増え、結果として現在の背負い込む性格が形成されたと推測できる。それを聞いたアギラは「弱いところを見せるのは負けてるってことじゃない!」とガッツを諭すのだった。
シャドウガッツ
「さて … ついでに 駆除 するか ……」
声 - 松田颯水
2期の第3話終盤にて、眠っていたガッツ星人が寝ぼけて変身した後、ベッドの下から湧いて出るように現れた謎の存在で、シャドウの活動と時を同じくして彼女が感じていた体調の変化の正体。
正式名は第9話で明かされ、それ以前はクレジット等でも「ガッツ星人(?)」という表記が用いられていた。
その正体はシャドウミストに憑依されたガッツ星人が完全に身体を乗っ取られる前に無意識に分身能力を使ってシャドウを切り離したことで生まれたもう一人のガッツ星人。
本体とは別の意思を持って行動しており、さらにシャドウに憑りつかれた影響で攻撃力と凶暴性が向上し、本物のガッツ星人よりもはるかに高い戦闘力を持つ(調査を行ったエレキング曰く「5割増し」)。
容姿は本物とほぼ同じだが、髪の色が黒っぽくなっており、アホ毛が1本多くなっているのが特徴。
また、不気味なうなり声を上げたり、喋り方が片言だったりと、怪物染みた仕草を見せることも。
実体化した後は密かに怪獣娘たちの様子を監視しており、遂には夜道を歩いていたミクラスを襲って重傷を負わせるなど不穏な動きを見せ始める。
その後、とある路地裏に潜伏していたところをガッツ星人に発見されて戦闘になり、激闘の末にガッツを磔にして勝利を収め、彼女からソウルライザーを強奪する。
さらにたまたま戦闘の様子を目撃してしまっていたウインダム、ザンドリアス、ノイズラーの3人にも襲い掛かろうとするが、突然苦しみだし、その場から姿を消してしまう。
なお、放送開始前にゼットン役で出演している加藤英美里のツイートにこの分身体ガッツ星人がうっかり映り込んでしまうというアクシデントがあった。
本家ウルトラシリーズでいうところのニセウルトラマンに相当する存在だが、善良な個体から分離した悪意の塊のような存在という点では、むしろこっちに近い…と言えるのかも。
グッズ展開
フィギュア化
デザインの秀逸さや、上述した漫画版でのぶっ飛んだ活躍っぷりから人気が出たのか、ゴモラに続いて、サプライズネクスト株式会社よりフィギュアの発売が決定した(2015年9月30日に発売)。
デザイン画のポーズを忠実に再現したものになっており、その完成度は高い……のだが、角度によっては、こちらに向けてお尻を突き出すような大変けしからん構図になってしまう。
SAKURA Ver.
2016年3月28日に行われたニコニコ生放送で、派生版として「SAKURA Ver.」の製作が進行中であることが発表された。
完全受注生産で、2016年4月27日まで申し込みが行われた。
その名の通り、全身が桜色になったガッツ星人さん…なのだが、通常のフィギュアでは星柄になっていたマフラーが桜の花の模様になっていたり、指にピンク色のマニキュアを塗っているなど、細かい違いもあったりする。
これはこれで可愛いという意見がある一方で、「色が変わったことでガッツ星人らしさが失われてしまった」という声もある。
ちなみに、ガッツ星人のデザインを手がけた猫缶まっしぐら氏は、この企画をまったく知らされていなかったらしく、生放送を視聴していたフォロワーのツイートを見て、初めてこのバージョンの存在を知り、大変驚いていた。
アクリルキーホルダー
イラストは猫缶まっしぐら氏の新規描き下ろしになっており、笑顔を浮かべながらジャンプするという何とも微笑ましいものになっている。
サイズが2種類用意されており、通常のサイズは800円とまぁまぁお手軽といえる価格だが、メガアクリルキーホルダーと呼ばれる等身大サイズものは、196,877円という、超プレミア価格になっている。
発表時には、買える人、いるのか……と誰しもが目を疑ったが、いざ先行発売された「Anime Japan 2016」当日になると早速、初日に購入した猛者がいた。しかも現金一括払いで。
予想外の購入に、その購入者はデザインを担当した猫缶まっしぐら氏から直々に謝辞を寄せられることとなった。
さらに、この情報は瞬く間に拡散し、ツイッター上でもちょっとした話題になった。
称賛と驚嘆の声が飛び交う中、購入者は同日ツイッターにて「君は誰かを 愛しているか それは 生きてることなんだ」と満足げに語ったのだった。
人気投票
発表当初よりファンからの人気は高く、2015年2月~3月にかけて行われた第1回原画展での人気投票では3位という好成績を残している。
そして、同年9月~10月にかけて行われた第2回原画展での投票では、上記のフィギュアの発売の前後であったことなどもあってか、遂に堂々の1位に選出!!
「無敵のガッツ星人」の異名は決して伊達ではなかったことをファンに知らしめることになったのだった。
( ↑ 人気投票第1位という結果にご満悦のガッツさん)
しかし、第3回の人気投票ではなぜか6位に転落してしまうという憂き目に遭う…。
アニメ版での活躍などで今後人気の回復を図ることができるだろうか…。
こうした人気の高さもあってか、上記のフィギュアやアクリルキーホルダー、漫画単行本の購入特典など、商品展開でもかなり優遇された扱いを受けており、現在ではゴモラやゼットン、改造ベムスターなどと並ぶ、電撃版擬人化計画の顔とも言える存在になりつつある。
余談
- デザインを担当した猫缶氏は「ゼットンだけではなくガッツ星人にもバニーバージョンのフィギュアを用意してほしい」と話しており、twitter上にて自らデザインしたガッツ星人のバニーバージョンのイラストを公開している。もっとも、人気投票でかなり上位に食い込んでいる上、商業面でも優遇されているため、もしかするともしかするかもしれない…。
- POP版では今のところガッツ星人の擬人化キャラは発表されていないが、風上旬氏執筆の漫画版では、ガッツ星人をモデルにしたガッツ鳥というオリジナルキャラクターが登場する。
- 基本的にPOP氏が擬人化していないキャラはシルエットのような姿で描写することになっているが、風上氏はどうしてもガッツ星人を登場させてストーリーに絡ませたかったため、ガッツ星人とよく似た姿の鳥ならどうか…ということで交渉し、ようやく登場が叶ったらしい。
- 『3大特撮ヒーローフェスティバル ウルトラマン×仮面ライダー×スーパー戦隊』の第2部に登場した、「ガッツ星人ミニット」は、この擬人化ガッツ星人がモデルになっている(イベントに関わった脚本家の小林雄次氏がツイッター上で証言している)。
- アニメ版で声を担当する松田利冴・颯水姉妹は、大の特撮好きとしても有名であり、特撮を扱った番組「松田的超英雄電波(まつだてき・スーパーヒーローラジオ」を配信している(現在はニコ生による配信も行っている)。
- 松田利冴曰く、全盛時に視聴していたウルトラシリーズの作品は平成三部作や『ウルトラマンコスモス』とのこと。また、元々ガッツ星人がかなり好きだったらしく、公式サイトに掲載されたメッセージでは、「おもちゃ売り場でウルトラ怪獣のソフビのコーナーを見つけると真っ先にガッツ星人を探していたほど好きだった」と綴っている(ニコ生に出演した際には「写真を掲載して見せ合うLINEのグループがある」とも発言していたが、真偽は不明)。また、父親が大の『ウルトラセブン』ファンであり、松田がガッツ星人役に決まったことを知らせた際にはとても喜んでくれたそうである。
- 松田颯水の出演は3話放送後まで伏せられていたが、一部では上記の台本に移りこんでいたもう1人のガッツ星人の存在や、これまでにも姉妹揃っての共演が比較的多かったことから、本作でも松田颯水が何らかの形で出演するのではないかという憶測はあった模様。
- アニメ第2話でキングジョーに来るのが遅いと文句を言われた際に「主役は遅れてやってくる」と返すシーンがあり、一部では直前まで放送されていた『ウルトラマンジード』におけるウルトラマンゼロの台詞へのオマージュではないかとも言われたが、芦名監督によると「偶然」「『ジード』は録画していたが、『怪獣娘』の脚本制作がかなり大変で時々しか観ていなかった(録り溜めして後でまとめて観ていたらしい)」とのこと。
- ただ、自信家で調子に乗りやすいところや、戦闘時に割とテンションが高いところ、後輩への面倒見が良いところなど、彼女の性格や言動自体は割とゼロと通じるものが多いのも事実である。先輩キャラとしての設定を考える上で多少なりとも参考にはしたのかもしれない。
- ちなみに、dアニメストアの質問コーナーでは、「ワタシに限界はないよ!」と明らかにゼロを意識したと思われる台詞を述べている。
- また、(経緯は異なるが)偽物が作られ、その偽物に一度こっぴどくやられてしまうという点まで全く同じである。
- ただ、自信家で調子に乗りやすいところや、戦闘時に割とテンションが高いところ、後輩への面倒見が良いところなど、彼女の性格や言動自体は割とゼロと通じるものが多いのも事実である。先輩キャラとしての設定を考える上で多少なりとも参考にはしたのかもしれない。
- 2話でシャドウミストに憑りつかれたJJと戦闘するシーンがあるが、JJのモデルになったジャグラーは劇場版で実際にガッツ星人ドッペルと戦闘したことがある(青柳氏もツイッター上でこのことをネタにしている)。