概要を説明しよう!
1975年10月の「タイムボカン」から始まった、ギャグバトルアニメのシリーズ。男女のコンビもしくは男1人の正義のヒーローと、1人の女をボスとする三悪が対決するという流れが基本。
SFテイストを入れたり戦闘ロボットが多数登場するが、デザインはギャグテイストが濃い。
また「イタダキマン」までは殆ど三悪の女ボスがお色気担当となっており、服を破られてパンティ一枚になったり、パンモロを披露することもよくあった。但し「怪盗きらめきマン」以降は時代的に自主規制が厳しくなったためお色気成分は抑えられている。
昭和時代は「イタダキマン」までの7作が作られ、フジテレビで放送された。その後インターバルを置きつつ新作やリメイク作、実写作品が作られている。
シリーズ一覧を解説しよう!
タイムボカン
シリーズ第1作。1975年10月4日~76年12月25日まで放送。シリーズの基礎を作った作品。
一作目という事もあり、唯一ヒーローが活躍するアニメではない(この作品は、どちらかというと冒険アニメ)。
ヤッターマン
シリーズ第2作。1977年1月1日~79年1月27日まで放送。
ここから、タイトルに「タイムボカンシリーズ」の名が冠された。
シリーズの代表作であり、放送期間が最も長く、放送終了後に最も復活回数が多い作品でもあり、現在でも人気が高い。
意外と気付かれてないが、二作目でありながらいきなりタイムトラベルがテーマではない。
ゼンダマン
シリーズ第3作。1979年2月3日~80年1月26日まで放送。
この作品から、主題歌や劇判の作曲を担当した山本正之が声優として参加。
シリーズはこの作品から4年間、毎年約50話のペースで放送されるようになった。
オタスケマン
シリーズ第4作。1980年2月2日~81年1月31日まで放送。正式タイトルは「タイムパトロール隊 オタスケマン」。
この作品以降のシリーズは、ストーリーが進むにつれてシリアスな展開なる内容となっており、それまで作品よりもキャラクターの深みが増した作品。シリーズのターニングポイントとなった。
ヤットデタマン
シリーズ第5作。1981年2月7日~82年2月2日まで放送。
この作品から次々作まで善玉の変身ヒーローが男女2人組から男性一人になった。
また、本作の善玉ロボはこれまでの動物型ロボに代わり人型巨大スーパーロボット「大巨神」が登場。
三悪のデザインも女性リーダーを除き大幅に変更され、後のOVA『タイムボカン王道復古』でも唯一顔が違う事をネタにされていた(スピンオフ作『夜ノヤッターマン』を加えるならば唯一ではなくなった)。
逆転イッパツマン
シリーズ第6作。1982年2月13日~83年3月26日まで放送。
本作では主人公がそれまでの少年から成人した青年になり、その主人公の声を歴代シリーズでナレーターを担当した富山敬が担当する事から本作では鈴置洋孝がナレーターとして登板した。
善玉メカは前作から引き続き人型巨大スーパーロボットであるが、前期主役機「逆転王」は前作の大巨神と違い人格は無くコミカルな描写は抑えられる、後半主役機「三冠王」は人格こそあるがギャグ描写は殆ど無くデザインもややリアルロボット寄りになる、シリーズで初めて悪玉が完全勝利する(第30話)、終盤にかけてのシリーズ随一のシリアス展開などマンネリを打開する展開が盛り込まれファンからの人気も高い。
その人気から、当初全52話予定だったものが6話延長され全58話となり、『ヤッターマン(1作目)』『タイムボカン』に次いで3番目に長い放送期間となった。
イタダキマン
シリーズ第7作。1983年4月9日~同年9月24日まで放送。
本作は突然放送時間が変更された事や、急激にコミカル路線に戻された事などが裏目に出てしまい、超低視聴率となり、シリーズごと打ち切られた不遇な作品。
他にもスタッフの変更など内部事情もややこしく、ファン内でも意見が割れている。
それが直接の原因となり、タツノコプロは2年後の1985年に、フジテレビと絶縁した。
結果としてこの作品を最後に、シリーズはフジを離れる事になってしまった。
また、この直後にメインスポンサーだった玩具メーカー「タカトクトイス」も倒産してしまった。
タイムボカン王道復古
OVA作品。1993年11月26日と1994年1月1日に発売。
シリーズの悪玉トリオが共演するなどファンは必見の作品。
事実上シリーズにおける富山敬の遺作。
・平成タイムボカン
ラジオドラマ作品。のちにCDで発売。1996年4月~同年9月、1996年10月~97年3月の2度に渡って放送。主役はドロンボーの三人組。
怪盗きらめきマン
シリーズ第8作。2000年4月5日~同年9月27日まで放送。正式タイトルは「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」。
現状、唯一テレビ東京系列で放送された作品かつシリーズ初のステレオ放送。
主人公と敵の善悪の立場が逆転しているのが本作の特徴(やっている事自体はこれまでと大差ない)。
それに加え、『オタスケマン』までのヒーローは男性が1号で女性が2号であったが本作では女性が1号で男性が2号になっている。
ファンの復活要望の声が大きいながらも、『イタダキマン』の打ち切りがスポンサー獲得を困難にしていた同シリーズにあって、玩具メーカースポンサーなしの強行発車、昭和期とは視聴環境が変わった事やテレビ東京系列故にネット局が少ないのが災いし全体的な視聴率こそ低空飛行ではあったが打ち切られる事無く予定通り全26話完走を実現。シリーズの域をつないだ。
スタッフに於いてもテレビシリーズでは『逆転イッパツマン』以来となる小山高生や山本正之が復帰した事や各話ゲストキャラのキャストもこれまでのシリーズにレギュラーやゲスト出演経験のあるキャストが多く登板した。
なお、時勢の変化やコンプライアンスの問題によりお色気表現は大幅に抑えられた他、シリーズの売りの一つでもあるアドリブは完全に禁止されている。
ヤッターマン(新)
事実上のシリーズ第9作。2008年1月14日~09年9月27日まで放送。リメイクであるためかタイトルに「タイムボカンシリーズ」が冠されていない。
制作局は読売テレビで、キーステーションは日本テレビ。放送休止がかなり多かった事で有名。
また、放映期間中に、アニメ映画や実写版映画(また違ったストーリーラインで)も公開された。
事実上シリーズにおける滝口順平・たてかべ和也・八奈見乗児の遺作。
夜ノヤッターマン
2015年冬アニメ。2015年1月11日~同年3月29日まで放送(これは東京都の「TOKYO MX」におけるもの)。スピンオフであるためか、やはりタイトルに「タイムボカンシリーズ」は冠されていない。
遠い未来の世界はなんとヤッターマンに支配された『ディストピア』だった!そんな中ドロンボー一味たちの子孫が反旗を翻す。
本作に登場する三悪のキャストは以降のシリーズ作品や過去作のパチンコなどでも引き継がれ事実上の二代目となった。
タイムボカン24 / タイムボカン 逆襲の三悪人
2016年秋アニメ。2016年10月1日~2017年3月18日放送。2017年10月7日から2018年3月24日にはタイトルを変更し第2期が放送。
タツノコプロの創立55周年記念作品で、『妖怪ウォッチ』などで知られるレベルファイブと共同製作。
第一作目のリメイクという触れ込みだが登場人物などは一新されている。
お蔵入りした作品を説明せねばなるまい!
「蒸気機関車と超近代的なメカを融合させたタイムマシン「タイムエクスプレスH.G」が完成し、観光と研究を兼ねた初飛行が始まった。乗車出来るのは高額な乗車賃を払った大富豪と国の依頼で乗り込んだ研究員だけのはずだったが、その中に場違いの三悪トリオの姿があった。彼らも謎のスポンサー「ソンデモンデ」によって条件付きで搭乗していた。その条件とは、世界中の財宝と富とを自由に操ることができる“悪魔の蹄鉄”を探し出すことだった。三人は手を組み、メカ内部に秘密基地を完成させるが、家族の前では態度を変えねばならない上に、探偵やルポライターの目もあってなかなか自由に動けない。そこでソンデモンデは、乗客をマインドコントロールして操り、様々な事件を引き起こすが、そこに謎のヒーロー「ダレダマン」が登場する。」というストーリーで、タイムボカンシリーズの8作目として企画されてたが、シリーズの打ち切りにより、お蔵入りとなる。
「科学者のナンデーモ・マニア博士が、実験中に偶然発見した動物縮小液「チジマール」をめぐる争奪戦。主人公の「サッパリマン」こと「札間イモ吉」は、勉強や運動がサッパリであるどころか、悪とも戦わない。敵に遭遇すると『ヒーロープロジェクト』と呼ばれる組織に連絡が入り、アミダコンピューターで選ばれた歴代のボカンシリーズのヒーローが助っ人としてやってくる。」というストーリーで、タイムボカンシリーズの9作目として企画されてたが、「ダレダマン」と同じ運命をたどる。
・ヤッターマン(1998年版)
実はヤッターマンは20世紀末にテレビ東京系列でリメイクアニメが企画されたが、ポケモンショック等の影響で敢え無くお蔵入りとなる。その代わりサンライズ製作のGEAR戦士電童の放送延期の穴埋めに、怪盗きらめきマンが製作された。
・タイムボカン(2005年版)
2005年にタイムボカン24とは別にタイムボカンのリメイクアニメが企画されたが、スポンサーを予定していたタカラが、まだ時期尚早過ぎた電気自動車事業に手を出して失敗し、経営状態が悪化、この為トミーと合併した(継承法人格はトミー)ことから、敢え無くお蔵入りとなる。
本日のびっくりどっきり関連作品~!
・戦国武将列伝 爆風童子ヒッサツマン
ボカンシリーズのスタッフが集結して制作したOVA作品。制作プロデューサーはヤッターマン制作時にタツノコプロ企画室にいたアートミックの鈴木敏充。
タツノコプロ制作のテレビアニメ。脚本はシリーズを手掛けた小山高生氏。敵ボスの担当は八奈見氏。
善悪が普段は知己でありながら互いの正体に気付かないのは『オタスケマン』を彷彿させる。
同じくタツノコプロ制作のテレビアニメ。脚本は小山高生氏の弟子であるあかほりさとる氏。
葦プロ製作のタイムトラベルをテーマにしたギャグアニメ。ある意味葦プロ版タイムボカンと言える。
同じく葦プロ製作であかほりさとる氏が脚本を担当したテレビアニメ。コミカルなノリは本作と共通している。
あかほりさとる氏が脚本を担当。あかほり氏いわく「シリーズ第7.5作」。
タツノコプロ50周年記念OVA(2012年)。監督笹川ひろし&メカデザイナー大河原邦男の最強タッグが、タツノコらしい世界観で彩ります。
敵キャラの中の人が完全に三悪である彩京のシューティングゲーム。実は設定監修とアニメパートの制作がアートミック。
タイムボカンシリーズの中でヤッターマンと逆転イッパツマンが参戦。
・嵐
実写映画『ヤッターマン』で櫻井翔がヤッターマン1号を演じ、主題歌に「Believe」が使用されたことで、曲のプロモーション映像の中で、他のメンバーも大野智がタイムボカンの丹平くん、相葉雅紀がオタスケマン1号、二宮和也がヤットデタマン、松本潤がゼンダマン1号にそれぞれ変身してドロンボー3人組と闘うアニメが作られた。
関連タグだコロン
小原乃梨子、八奈見乗児、たてかべ和也 - リメイク版ヤッターマンまでの三悪のキャスト。三悪の声優といえばこの3名であった。
喜多村英梨、平田広明、三宅健太 - 夜ノヤッターマンではヤッターマンの三悪の子孫としてのキャスティングだったが、タイムボカン24以降は正式に二代目三悪の声優となった。
シリーズに関係する他作のタグだべぇ~
ロケット団(ムサシ、コジロウ、ニャース) - アニメ「ポケットモンスター」シリーズの悪役トリオであるこの3人組は、三悪のオマージュである。後に、ソーナンスが+αに加わった。
カメさんチーム - アニメガールズ&パンツァー」に登場する生徒会の女子3人組。実はこの3人のメンバー構成は、三悪が事実上のモデルとなっている。