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名君の編集履歴2023/11/19 08:05:09 版
編集者:夜影 ビルケ
編集内容:>中量二脚型AC

解説

専制国家は、君主が聡明な「名君」か、愚昧な「暗君」かによって、国運の隆盛に天地の差が生じる。

名君と言われる君主には「創業」タイプと「中興の祖」タイプがおり、特に「中興の祖」タイプがそう呼ばれやすい。

しかし、たとえ聡明な資質を持っていたとしても年を経ることで名君の誉れ高った君主が暴君暗君へと変貌することがある(名君として即位したが、いつしか暴君となったローマ帝国皇帝ネロ、寵姫・楊貴妃を得たことにより政治に倦み、安史の乱で国を傾かせたの皇帝・玄宗などが有名である)。

また、立場によって君主の評価は変わってしまう。

利権を奪われたり処罰された者にとっては暴君でも、利権を得たり重用された者には名君と評価されることも起こりがちであり、「暴君」評価と「名君」評価が並ぶ君主も珍しいことではない。

君主の変貌や能力的限界に備えるため、多くの君主国では、君主に欠陥があったとしても支配が揺らがないようを制定し、官僚組織を整備することによって、君主は名目上君臨するにとどまるようになっていった(立憲君主制)。

歴史上の名君

暴君の代名詞である紂王は史実では殷王朝の絶頂期を築いており、中国史上唯一の女帝として悪女の汚名を着た則天武后(武則天)も名君説がある。

  • タイ王国:ラーマ5世

欧米列強によるアジア植民地化の魔の手から、巧みな外交と自国の近代化達成のためのさまざまな改革を実行し、独立を守り抜いたことで知られる。

  • その他アジア:モンゴルのオゴタイクビライフビライハーン)。

インドアショーカ王朝鮮世宗チベットダライラマ14世など。

エドワード1世の祖父ジョン欠地王はイングランドでは暗君の代名詞だが、内政面では名君だったことが評価される。

フランス革命に伴って暴君の汚名を着せられたが、実際は民衆想いで政治面でも優れていた人物であったとされる。

十字軍時代のフランスを牽引したカペー朝はフィリップ2世ルイ8世ルイ9世と3代に渡って賢王(名君)を輩出した。

古代最大の大帝国を築いた人物。

強力な独裁政治のもと、東ローマ帝国の最盛期を現出した。

また、父のアレクシオス1世はその基礎を作った中興の祖。

ユリウス・カエサルが後継者として選んだ、初代ローマ皇帝。

ローマ大帝国の繁栄を築いた時期に在位した皇帝。

大航海時代にスペインに「太陽の沈まぬ国」と呼ばれる全盛期をもたらした。

またラス・カサスの懇願を受けて、インディアンに対する非人道的な扱いの撤廃を目指した。

  • スウェーデン:グスタフ・アドルフグスタフ2世アドルフ)。

「北方の獅子」の異名を持つ自ら前線に立つ戦闘王であると同時に、国内の行政や教育、商工業の奨励にも務め、スウェーデンバルト帝国と呼ばれる大国にまで仕上げた文武両道の名君。

行政区画の設置と他教徒に対する寛容さで「メシア(救世主)」「解放者」と讃えられ、ペルシア帝国の礎を築いた。

現在のイラン人はキュロス2世がイランの建国者であると考えており、キュロス大王とも呼ばれる。

    • ダレイオス1世……行政区画を繋ぐ道路の整備や貨幣の鋳造と度量衡の統一などで中央集権化を進め、ペルシア帝国を繁栄させた。

キュロス2世とダレイオス1世、2人の名君が築き上げたペルシア帝国は古代世界で最高の帝国となったが、その栄光は子孫のダレイオス3世がアレクサンドロス大王に敗れることで終わった。

ホラズムムハンマドのように他勢力に敗れたため暗君扱いされた名君候補も多い。

  • ロシア:ピョートル1世エカチェリーナ2世。両者ともロシアの近代化・大国化に大きく貢献し、「大帝」と讃えられた。

ロシアでは苛烈な君主でも歓迎される気風があり、イヴァン雷帝のような暴君と呼んで差し支えない君主でも名君の誉れが高い。

  • インド:シェール・シャーアクバル。16世紀にスール朝を興したシェール・シャーは道路網の整備や通貨ルピー(ルピア)の発行など内政面で多大な功績を残した。

シェール・シャー没後にスール朝を滅ぼしたムガル帝国のアクバルはシェール・シャーの政策を継承するだけでなく、非イスラム教徒に対する人頭税の廃止など国内の宗教的融和の促進にも努め、帝国の絶頂期を築き上げた。

  • ポーランド:カジミェシュ3世。ポーランド王国の歴史では唯一「大王」と呼ばれる。

巧みな外交戦略と軍事的手腕によって領土を倍加させるだけでなく、農民の保護や国内初の大学設置など内政面でも手腕を発揮。

後世の史書で「木造のポーランドに現れて、煉瓦のポーランドを残して去った」とも称された。

ただし、同時期のヨーロッパ各国はポーランドを除いて軒並み黒死病による凄まじい人口減に見舞われていた点を考慮する必要はある。

説話、創作の名君

神々を打倒して地下地上天空の三界を支配したアスラ

神々にとっては敵だが、彼の支配する世界は喜びに溢れ、飢える者はどこにもいなかったという。

後にヴィシュヌ神に退治されるが、その徳の高さに感心したヴィシュヌによって地下世界の王となり、現在でも生きて領民の安寧を願っているとされる。

かつては民を苦しめた暴君だったが、運命の人との出逢いにより改心し名君に成長した半神半人の王。

    • ラーマ……ラーマーヤナの主人公。「ダルマ(徳、正しい法)」の体現者であり、インドにおける理想の君主像であると言われる。

関連タグ

対義語:暴君暗君

国王 天皇

皇帝 君主

藩主 大統領

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