『Absorb Queen』
『Fusion Jack』
概要
物語後半より登場する、BOARD製仮面ライダーの強化フォームの一つ。
通常時のカテゴリーAに加え、さらにカテゴリーJとQの、2体の上級アンデッドの力をその身に宿した状態であり、必殺技の際にはこれらの3体に加え、コンボに用いる2~3体のアンデッドの力までも含めた、最大6体ものアンデッドの力を発揮・行使することさえ可能である。
また単純な戦闘能力の強化だけに留まらず、新たに付加された飛行能力により機動力も大幅に上昇。より立体的な戦い方が出来るようになった。
作中には、仮面ライダーブレイドとギャレンの2つのジャックフォームが登場しているが、派生展開によっては仮面ライダーレンゲルのジャックフォームが登場する場合もある。
共通アイテム
ジャックフォームへの変身に必要なパワーアップツール。
左腕に装着した状態でカテゴリーQのカードをセットし、さらにカテゴリーJのカードをラウズすることで、これらのカードの本来の効果を引き出し強化変身を行う。
より詳細な機能や原理については当該記事も参照。
ブレイド ジャックフォーム
「反撃の翼が、今開く!!」(玩具CMナレーションより)
スペック(ブレイド)
身長 | 201cm |
---|---|
体重 | 111kg |
パンチ力 | 350AP(3.5t) |
キック力 | 550(5.5t) |
ジャンプ力 | ひと跳び133m |
走力 | 100mを4.6秒 |
初期AP(※) | 7,400 |
(※ APは攻撃力を示す「アタックポイント」を指す。後述のギャレンのものも同様である)
特徴(ブレイド)
作中で最初に登場したジャックフォームであり、スペードのカテゴリーJ(フュージョンイーグル)とカテゴリーQ(アブゾーブカプリコーン)の力を宿している。
そのことを現すかのように、胸部アーマー(オリハルコンブレスト)の中央部には「ハイグレイドシンボル」と呼ばれる、カテゴリーJのカードの絵柄と同様の紋章が浮かび上がっており、それも含めた胸部アーマー前面や顔面など一部のパーツは、超金属「ディアマンテゴールド」へと変質し金色の輝きを放つようになった。
この装甲材質の変化により、最大180tもの衝撃にも耐えられる(※1)ようになり、肩部での体当たりは理論上、3m厚の鋼鉄さえも粉砕するほどの威力を発揮する。
背面には、「オリハルコンウイング 」と呼ばれる3枚一対の翼が新たに出現。鷲の羽を思わせるこの両翼は、展開することで自由自在な飛行を可能とし、その飛行時の速度は実に300km/h、高度は何と10kmを記録する。
さらに武器である醒剣ブレイラウザーにも、その刀身の先端に「ディアマンテエッジ」と呼ばれる鋭い刃が追加され、通常の1.5倍もの威力を発揮できるようになった。
(※1 分かりやすいところで言えば、アルティメットフォーム(『仮面ライダークウガ』)のキック力(100t)はもちろん、ムテキゲーマー(『仮面ライダーエグゼイド』)のそれ(128t)さえも凌ぐ数値である)
ラウズカード(ブレイド)
ここではジャックフォームへの変身時に使うものについて取り扱う。
フュージョンイーグル(♠J)
鷲の祖・イーグルアンデッドを封印。ブレイドに飛行能力を与える。
アブゾーブカプリコーン(♠Q)
ヤギの祖・カプリコーンアンデッドを封印。ブレイドの強化変身に必要。
必殺技(ブレイド)
ライトニングスラッシュ(「スラッシュ」「サンダー」)
通常フォームでも使用されていたコンボ技であるが、ジャックフォームでの使用時には高速飛行による加速と、強化されたラウザーの威力とが上乗せされ、威力も上級アンデッドの一人であるエレファントアンデッドを一撃のもとに打ち破るほどにまで高まっている。
作中では、ジャックフォームのギャレンに対してもこの技を使用したことがあり、同じフォーム同士のぶつかり合いとなりながらもブレイド(=剣崎)の潜在能力により、想定以上の性能を発揮して勝負を制したこともあった。
ギャレン ジャックフォーム
スペック(ギャレン)
身長 | 200cm |
---|---|
体重 | 114kg |
パンチ力 | 330AP(3.3t) |
キック力 | 520(5.2t) |
ジャンプ力 | ひと跳び118m |
走力 | 100mを4.2秒 |
初期AP | 7,900 |
特徴(ギャレン)
ブレイドに続けて登場した2つ目のジャックフォームで、ダイヤのカテゴリーJ(フュージョンピーコック)とカテゴリーQ(アブゾーブサーペント)の力を宿している。
こちらも一部装甲材質の変質や、「ハイグレイドシンボル」「オリハルコンウイング」の追加など、基本的な変更点はブレイドのジャックフォームに準じたものとされている。
武器である醒銃ギャレンラウザーに、ディアマンテエッジが追加されるのもやはり同様であるが、こちらは銃口下部から伸びる形とされ、さながら銃剣のようなフォルムとなっているのが特徴である。劇場版『MISSING_ACE』では、このフォルムを活かしてエッジで相手を刺し貫き、その状態から零距離射撃を食らわせるという戦法を取ったこともあった(※3)。
他方で、前掲のスペックからも分かる通り、ブレイドに比べると各種能力の強化の度合いは必ずしも高いものではなく、ジャンプ力に至っては通常形態の頃から逆転され、翼が生えているにもかかわらずブレイドに優っているのは走力と初期APぐらいである。
このスペックの差は、前述した融合係数の高さも関係していると見られるが、いずれにせよ作中でもブレイドのジャックフォームと比べると、活躍の機会に恵まれなかった感はあり、最後の出番となったギラファアンデッド戦でも相手のバリアに攻撃を阻まれた上に、地上へと叩き落され通常フォームに戻るという、(最終的に通常フォームで封印に持ち込んだとはいえ)不名誉な敗北を喫してしまう格好となった。
基本的に、作中でギャレンが活躍する場面自体がそこまで多い訳でない上に、その殆どが(前述のギラファ戦も含めて)通常フォーム時であることも相まって、ファンからは「弱(じゃく)フォーム」「フュージョン弱」「ク弱」などとありがたくない呼ばれ方をされることすらある。さらに言えば、ギャレンこと橘朔也を演じた天野浩成までもが、後年「あんまり強くならなかったジャックフォーム」と、当時を振り返って言及している始末である(※4)。
(※3 後に天野が語るところによれば、この強化型ギャレンラウザーはアクション監督にさえ扱いが難しく、どうすれば良いかわからないとまで言わしめた代物であったようで、散々悩んだ末にこの戦法を考案、劇場版にて活かされたという経緯がある)
(※4 2020年公開の『CSMギャレンバックル&ラウズアブゾーバー&ギャレンラウザー』のスペシャルムービーより)
ラウズカード(ギャレン)
ここではジャックフォームへの変身時に使うものについて取り扱う。
フュージョンピーコック(♦J)
クジャクの祖・ピーコックアンデッドを封印。飛行能力を与える。
アブゾーブサーペント(♦Q)
ウミヘビの祖・サーペントアンデッドを封印。ギャレンの強化変身に必要。
必殺技(ギャレン)
バーニングショット(「バレット」「ラピッド」「ファイア」)
高空に飛び上がり、ラウザーから火炎弾を連射する。
作中ではブレイドのキングフォーム、それにワイルドカリスに次ぐ、6体のアンデッドの力を行使しての技なのだが、前述のブレイドとのジャックフォーム同士での対決ではあっさり防がれた挙句、カウンター同然に繰り出されたライトニングスラッシュで黒星を喫するなど、こちらも微妙な扱いに留まっている。
バーニングスマッシュ(「ドロップ」「ファイア」)
天空から急降下し、両足蹴りを放つ。
レンゲル ジャックフォーム
BOARD製ライダーシステムの流れを汲むレンゲルであるが、元々TVシリーズにおいて強化フォームを登場させる予定がなかったことから、ジャックフォームを含めた強化形態は公式に設定されていない。作中で彼にのみ、ラウズアブゾーバーが用意されなかったのもそうした事情に起因したものである。
他方で、雑誌『ホビージャパン」にて連載された「S.I.C HERO SAGA」の一編「SPECIAL EDITION -FOUR CARDS-」では、TVシリーズには終ぞ登場することのなかったレンゲルのジャックフォームも登場し、誌上において作例と設定が公開された。
東映公式の作品ではないとはいえ、後に誌上限定販売という形で商品化までされるなど、この手のif設定的な存在としては比較的恵まれた存在であるとも言える。
特徴(レンゲル)
クラブのカテゴリーJ(フュージョンエレファント)とカテゴリーQ(アブゾーブタイガー)の力を宿すレンゲルのジャックフォームは、陸生動物である象の始祖の力を得た結果、鳥類の始祖と融合したブレイドやギャレンとは異なり、単純に攻撃力・防御力の両面が強化された形態となっている。
胸にエレファントアンデッドの紋章が刻まれる点は他のジャックフォームとも共通であるが、レンゲルの場合は既に通常フォームの時点で装甲の色が金色であり、ジャックフォームとなってもその点については特に変わらない。
もっとも、外見上の変化が胸部の紋章だけかと言えば勿論そうではない。レンゲルのジャックフォームには背面のオリハルコンウイングの代わりに、象の牙を模した「オリハルコンタスク」を備えた、大型の肩アーマーが装着され、さらに前腕にも象の足を模した巨大な手甲が備わるなど、(S.I.C.故のアレンジもあるとはいえ)シルエット上の変化だけで言えば他のジャックフォームよりも際立ったものとなっている。
武器の醒杖レンゲルラウザーにも、後端部に「ディアマンテエッジ」が追加され、さながら斧槍(ハルバード)のような形状へと変化している他、エレファントアンデッドが使用していた武器を思わせる、棘付きの大型の鉄球が新たに左腕に備わっている。
ラウズカード(レンゲル)
ここではジャックフォームへの変身時に使うものについて取り扱う。
フュージョンエレファント(♣J)
ゾウの祖・エレファントアンデッドを封印。作中では封印したブレイド(=剣崎)が長らく所持しており、後に睦月がスパイダーアンデッドの呪縛から解放された際、彼より託された。
アブゾーブタイガー(♣Q)
トラの祖・タイガーアンデッドを封印。レンゲルの強化変身に必要。
ゲームにて
放送当時発売されたプレイステーション2用格闘ゲームでは、ブレイドとギャレンのジャックフォームが登場している・・・のだが、独立したキャラとしては存在しておらず、ノーマルのブレイド、ギャレンの必殺技デモ(ライトニングスラッシュ、バーニングショット)の中でしか登場しない。
ブレイドのジャックフォームは近年のライダーゲームにも登場している。
『クライマックスヒーローズ』シリーズには3作目のオーズから登場。ブレイドのパワーアップ形態のひとつ。
『ライダージェネレーション』では2で必殺技の演出として登場。
『バトライド・ウォー』ではAP消費で一定時間変身が可能。だが、変身の際にAPを最大値の10000使用するのもあり使い勝手はイマイチ。2では燃費が改善され使いやすくなった。
『ガンバライジング』では5弾から登場。ナイスドライブ1弾ではCPで登場し初の高レアとなった。
ギャレンのジャックフォームは『バトライド・ウォー創生』、『シティウォーズ』で登場している。これらのタイトルの発表時点で、ギャレンキングフォームが映像作品に登場していないこともあり、実質的にギャレンの最終フォームとしても扱われている傾向にある。
備考
- ジャックフォームへの変身時に浮かび上がるハイグレイドシンボルについては、それぞれ過去の東映特撮にちなんだモチーフが選ばれており、ブレイドの場合はショッカー(『仮面ライダー』)の大鷲のレリーフ、ギャレンのものは「東映不思議コメディーシリーズ」のうち、『中華魔女』2作に登場する不死鳥がそれに該当する。
- ギャレンのジャックフォームは、後年『仮面ライダーディケイド』でもライダーカード化されているが、「CSMライダーカードセットEXTRA」ではフォームライドに区分され、その後カメンライドに修正されている。
- 本作の仮面ライダーのうち、仮面ライダーカリスはそもそもBOARD製のライダーシステムとは全くの別物であり、専用のラウズアブゾーバーもないことから、レンゲルと同様にジャックフォームは公式に設定されていない。一応、カリスもカテゴリーJのカード(フュージョンウルフ)を使用したことはあるが、その場合もカリスラウザーの仕様上ウルフアンデッドの姿へと変身(擬態)したに過ぎず、この姿になったことでジャックフォームのような強化がもたらされた訳でもない。
関連タグ
仮面ライダーブレイド 仮面ライダーギャレン 仮面ライダーレンゲル
中間フォーム:ブレイド・ギャレンのジャックフォームはこれに該当する
最強フォーム HEROSAGA限定フォーム:(現時点では)レンゲルのジャックフォームがこの両方に該当する
関連・類似キャラクター
- ハイパーガタック:『仮面ライダーカブト』に登場するヒーロー、および強化形態の一つ。こちらもクワガタムシがモチーフの2号ライダーの強化フォームで、飛行可能かつ主役ライダーの強化形態と同じアイテムを使用する、といった複数の共通項を有する
- アクセルブースター:『仮面ライダーW』に登場するヒーロー、および強化形態の一つ。こちらは火属性の赤い2号ライダーの強化形態であり、カラーリングに金色が含まれ、飛行能力が追加されるといった形で共通項が見られる
- タマシーコンボ:『仮面ライダーOOO』に登場するヒーロー、および強化形態の一つ。主役ライダーが変身する、モチーフの一つに「鷲」が含まれた強化形態という点で、ブレイドのジャックフォームとの共通・近似点を持ち合わせている
- タジャドルコンボ サゴーゾコンボ:いずれも『仮面ライダーOOO』に登場する強化形態達。それぞれモチーフの一部に「孔雀」「象」が含まれている点で、ギャレンとレンゲルのジャックフォームとの近似点を有する
- 仮面ライダーエクストリーマー:『仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間』に登場するヒーローの一人。こちらはギャレンのジャックフォームと同様に、羽織ったパーカーが孔雀のように展開するという特徴を持つ
- ゴッドリュウケンドー マグナリュウガンオー:いずれも『魔弾戦記リュウケンドー』に登場するヒーロー、および強化形態達。物語後半にてパワーアップを遂げ、装甲に金色の装飾が追加されるなど複数の近似点が見られる一方、あくまでも中間形態という位置付けで通常形態と使い分けていたジャックフォームに対し、彼等の場合は完全なるモデルチェンジで、登場以降はこちらの姿がデフォルトとなったという相違点も見られる