CV:緑川光
概要
『新幹線超進化研究所 東日本指令室 大宮支部指令長』であり、シンカリオンの指令、発車権限、その他運用全般の総責任者。
速杉ホクトや本庄アカギ、三原フタバの上司に当たる。公式設定で身長が180cm。一人称が「私」であり、眼鏡、オールバック、何時も眉間に皺を寄せるなど典型的な堅物、もしくは温室育ちを思わせる容姿をしている。若くして指令長となっている理由については特に明かされていない。
だが、前職はJR東日本に所属する車掌として様々な現場での経験を積んでおり、新幹線の運転士をしていたホクトとはよく組んで仕事をしていた。彼とは同じ大学の先輩で、所属していたサークル繋がりで知り合ったと明かしている。第名古屋支部に向かう新幹線の中で、ハヤトに対して大学時代は落語研究会や歴史研究サークルだと話していたが、過去挿話で旅行研究会と明かされている。
超進化研究所に入所したのは11年前で、出水の方が一週間早いが、ホクトの方が大学の先輩なので当初は「速杉先輩」と呼び、研究室の室長となっているヒビキと入った当時から「イズッペ」「ヒビヤン」とあだ名で呼び合う程に親しい間柄である。他のスタッフには伏せているような極秘事項でも彼女には協力者として作戦の本来の意図を明かしている。運転士達の適合率に関して鉄分の解析や、極小怪物体出現の際にはあらかじめダミーデータの用意を依頼している。
10年前に無数の巨大怪物体が出現した際「ファーストエネミー」と命名。開発初期にはキントキが居るジャンク置き場へホクトと毎回赴き、意見や助言も取り入れ、二人してジャンクパーツを磨きながら試行錯誤を繰り返していた。関係者と共に第一回超進化速度到達実験にも立ち会い、上司である八代所長と清洲主任を目の前で失い。その後、遅延したシンカリオン開発の目処が立った頃に指令系統へ異動となった。
時折シミュレーション総数を「百万回」と指示し、シンカリオン・シムの高得点を出したプレイヤー探しにハヤトを秋田に行かせる理由を「類は友を呼ぶ」と例え真面目一辺倒ではなく、ウィットに富んだ会話もする。また、本庄やフタバら部下に対しては色々と試練を与える事も多く「人使いが荒い」と言われているが、彼等の成長を促す目的が理解されない場合が多い。
シンカリオン運転士達の連携を強化する為、フタバと共に特別メニューを新たに組み込み各支部との合同演習を定期的に行う。最初の頃はリュウジが他の運転士を前線から遠ざけ、一人だけ背負おうとしている事を危惧する一方で、彼の母カエデの容態が急変した時には「俺が行っても容態が変わる訳でもないし命に別状がない」という言葉に対し「こういう時はお母さんのそばにいてあげなさい。これは命令だ、いいね」と諭す気遣いも見せる。ハヤトの誕生日にはE5はやぶさのグランクラスで運転士みんなで乗るプレゼントを用意し、E3つばさが片腕破損で出動出来なかったシノブに対しE3つばさアイアンウイングをサプライズプレゼントと言い譲渡したりもした。ゲンブと仲良くなったハヤト達が結果としてソウギョクの罠から倒す事になり少なからず心に傷を負った件については、指令長としての責任を感じた。
ハヤトとシャショット、E5はやぶさの関係を寿司ネタで例える、出張先にマイ醤油を持ち歩き、タカトラが用意した鍋料理の出汁を一口飲んだだけで種別を全て言い当てた等、料理に関して拘る様子が窺える。
運転士達への指導に悩むフタバの相談を受け温泉旅行や海水浴、キャンプ、運動会、東西日本の運転士の交流を深める目的で手巻き寿司パーティなどを企画して実行する行動力の持ち主でもある。温泉を好み秘湯巡りを趣味としており、それをカモフラージュにエージェント達との接触を図った。
適合率を96%も叩き出したハヤトの実力を称賛しながら、組織に加えるか否かを頭の固い上層部に釘を刺しては思案を巡らし、彼らなりの覚悟と決断を汲み取った上でシンカリオン・シムの全国導入と適合者探しで負担の減少を提示。秋田県のアキタの家族や石川県金沢市のツラヌキ本人とシンカリオン運転士への直接交渉へ赴き、必要があれば他支部の指令長や指導長らと協力して作戦を実行し、『シンカリオン・ドクターイエロー』の開発に携わると色々な仕事をこなす。
リュウジに空手修行をつけてもらうというハヤトにフタバと一緒に同行して東海支部へ赴いており、ビャッコと言葉のない対話をする作戦に対して羽島に協力を依頼。
最初は敵対関係にありながら紆余曲折にブラックシンカリオンと共闘するに至ったが、数ヶ月間に渡る経緯に付いては総合指令室には詳細に報告しておらず、総指令長の東に対して何を伝えれば良いか迷走するが、彼自身素でハヤトと同類で、偶然東京駅にて邂逅し意気投合していたのを知らずにいる。
トラメ撃退後、セイリュウとブラックシンカリオンが正式に所属となってからは彼についても時には親身になって対応。
地底世界の「ドクター・イザ」と嘗ての上司が同一人物だと判明してからホクトと出水は直接対話を望むも、それぞれ重責の立場からの拠点不在は困難であり、総合指令室からも却下されるが、本庄らの働きにより500こだまに搭乗しホクトと共に地底世界へ赴く事になる。
当初の作戦はソウギョクに裏をかかれ失敗するも、2度目はイザとの対話を達成してシンカリオンとルクスヴェテに関する話を問いただすが、別れ際に語った「キリン」の存在にもう一波乱起きる事を危惧する。
続編ではヒビキ達の様な準レギュラーの立ち位置の人物達のは大半が新生大宮支部の一員になっていたが、前作の主人公であるハヤトは元より、フタバといった「主要人物寄りの人物」は再登場時点でもその処遇が不明のままだった。
その後もリュウジ、ゲンブ、セイリュウ達が続々と再登場する中、彼らが再登場した事自体は喜びつつもあまりの遅々とした対応に前作から視聴していたファン達のフラストレーションは溜まる一方であった。
しかし2クール目で再登場し、東の後任として既に総指令長になっていたのが、明確に判明している(28話の時点で一瞬Suicaのペンギンが立っていた場面も挿入されており、この時点で「出水は『左遷どころか大出世』したのでは?」と考察する視聴者も少なくなかった)。
岩手・遠野からソウギョクと直接対話が出来ず北海道へ帰還するメーテルに、Zギア越しから声を発し彼女を労う。偶発的に会ったのではなく、彼女の趣味であるアマチュア通信の傍受により『劇場版』から超進化研究所とシンカリオンの存在を直に知らされたのを契機に、シンカリオン・シムでのエントリーテストを受けさせて彼女を候補生として迎え入れていた。
しかし、挿話後のEDテロップでは字幕で(出水)と出ていたにもかかわらず、役名が「出水シンペイ」ではなく 「Zギア」となっており、Twitterでは「出水指令長の全記憶と思考をZギアに閉じ込めて再現したのか?」と考察する視聴者もいた。
…というのは杞憂で、後日挿話にて横顔の口元アップと後ろ姿だけではあるが本人がZギアを持ち、「頼んだぞ、メーテル」と呟いていたシーンから、本人は健在なのが確認された。つまり、ED表記は彼の再登場を視聴者に匂わせる布石と推測される。
なお、ダークシンカリオンとの東京駅中央迎撃システムの三度目の発動時点で総指令長になっていたことが判明。つまり総指令本部にいたのは代理ではなく正真正銘の総指令長だったからである。
『テオティ』との戦闘激化の際には因縁有るソウギョクが関わっていたのを知ると、対話での対応を打診させていたが、無理強いはせずにZ・H5の初陣を総司令本部にて静かに見守り続けた。
苗字の「出水」は鹿児島県出水市から、名前の「シンペイ」はJR九州肥薩線の観光列車いさぶろう・しんぺい号(吉松行きが「いさぶろう」で熊本・人吉行きが「しんぺい」となる)からと思われる。
演者について
- 「電車にまつわる過去作」としては、TVシリーズは「勇者特急マイトガイン」の雷張ジョー役、特撮では巨大な列車が変形合体するロボか登場する「救急戦隊ゴーゴーファイブ」(同作も本作と同じく渡辺俊幸氏が劇伴担当)の龍皇子サラマンデス役、「劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事」における仮面ライダーネガ電王ことネガタロス役も演じていた。
- 2019年2月9日に行われた『超進化研究所がおくる!冬のシンカリオン感謝祭』の生アフレコに於いて、ブラックコーヒーを好み、かなりのガノタである事が示唆された(後者に関しては、そもそも緑川氏自身がガノタどころか「ガンダムの操縦者そのもの」であるヒイロ・ユイ役でもある)。
- また、出水役の緑川光がパーソナリティを務める『うたの☆プリンスさまっ♪』の「HE★VENS RADIO~Go to heaven~ #11」でゲストが杉田智和であり、別作品のWebラジオながらシンカリオンに関する話題が一部出ていた。
関連タグ
後藤喜一…初期設定イメージ。切れ者、腹のそこが解らないその1。
室井慎次…初期からの肉付けで追加されたイメージ。腹のそこが解らないその2。