……ふむ、今回は幾分早いか
ついにお戻りになられましたか……!信長公!
プロフィール
※ このプロフィールは本百科の推測であり公式によるものではないため注意。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。
イベント『ぐだぐだ帝都聖杯奇譚』での立ち絵のみのNPC専用キャラ。
トップ絵のようなストライプのワイシャツに、特徴的な模様が刺繍されたネクタイや陣羽織を彷彿とさせる黒コートを着こなしている。髪型も独特。初登場時にはサングラスをかけていた。
何かしらの理由で現界後、奄美の偽名を用いて帝都のある組織(陸軍?)に所属し、少将の階位にまでついている。帝都東京で勃発している「聖杯戦争」の仕掛け人だが、自らは事態を傍観しており、聖杯研究所を根城としてある計画を企んでいる。言葉からして冷静沈着に思えたが、劇中で「織田信長」が現界したと報告を受けた際には狂気じみた喜びの笑いを上げた。
真名
織田信長の重臣で、後に本能寺の変で謀反を起こし覇道に終止符を打った武将、「明智光秀」。
ゲーム内で真名が明らかになったのは終盤だが、彼のベストとネクタイに刺繍されているのも明智家の家紋である桔梗紋なので、多少知識のあるユーザーからはバレバレだった。
日本における「裏切り者」の代名詞のようにされているが、なぜ裏切ったのかその事情は今だによく解っておらず、様々な説が存在する。そうした一方で、多くの学問に深く通じた教養人にして和歌や茶道を好んだ文化人でもあり、内政手腕に優れ領民を愛し、治めた領地では善政を布いて人々に慕われていたとされ、現在でも彼の遺徳を偲ぶ地域が数多く存在する。
史実では謀反の後、山崎の戦いで羽柴秀吉に敗れた末に命を落としたと言われる。しかし実は生き延びており、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての天台宗の僧侶であり慈眼大師と呼ばれた「南光坊天海」の正体という異説も存在する。世代のズレなどから現実味に乏しい説なのだが、本作ではこの設定が取り入れられている。キャスターの適性を持つのもその逸話が原因だろう(『コハエース』によると、本来は火縄銃使いのアーチャーまたはガンナーに設定されていた模様)。
本人の発言などを踏まえるとイベントに登場した彼はサーヴァントではない可能性がある。信長復活の野望のため、生身のまま数百年を生き続けた存在であったともとれる描写がされている。
人物
一人称は「私(わたし)」。
ごま塩頭をした慇懃な印象の壮年男性。相性は「ミッチー」。
その本性は「信長様の理解者は自分だけでいい」とまで言い切る信長の狂信的な信奉者。サルと出会ったことで自分の理想像からかけ離れていく信長に失望して本能寺の変を起こした。
以前からマテリアルにおいて、ノッブの「カリスマ」スキルは効き目にバラつきがあり、サルこと秀吉には抜群だが、家康にはそもそも効かず、タヌキことミッチーには「変な効き方をする」と言及されていたが―――ホントに変な効き方をしていた。
イベントでの動向(ネタバレ注意)
ぐだぐだ帝都聖杯奇譚
帝都聖杯を用いて「あらゆる関連から断絶された帝都」という特異点を作り出し、そこで「聖杯戦争」を幾度となく繰り返すことで、聖杯への魔力貯蔵と織田信長の召喚を試み続けていた。
分かりやすく言うなら、蠱毒と呼ばれる外法の呪術そのもの。
そして果てなき聖杯戦争の果てに、醸造された大量の魔力と召喚された信長(ノッブ)の肉体を利用し、織田信長を「神」に昇華させ、日本を信長という神の下に統治された理想国家へと創り替えることを目論んだ。当然だがノッブには理解されず、憐れみの情と共に計画の破壊を宣言される。すると発狂した彼は目の前のノッブの存在を否定し、自分が「真の織田信長(=神)」となるという破綻した発想に至って完全に暴走し始める。
ぐだぐだファイナル本能寺
次回作である今イベントでも登場。白と紫を基調とした陣羽織風の新衣装も披露した。
「秀吉の話をしない」という条件で魔王信長に従っており、忠実な腹心として振る舞っていた。
驚くべきことに、今回のイベントでは一度も暴走せず、裏切らず、ちゃんと信長の忠臣としての光秀が見られる。有能なところも健在で、一度は消滅してしまった柴田勝家を再び召喚するなど魔術絡みの手腕も確か(妄想の中で秀吉にマウントを取って高笑いとかもしていたが)。
最期は黒幕の企みを阻止し、信長、勝家と連れ立って本能寺の炎の中に消えていった。
徳川廻天迷宮 大奥
劇中にて天海の名が言及され、同イベントではまさかの裏の立役者の1人となっていた。この一件で、プレイヤー達からは「ノッブと関わらなければ有能」と彼の評価が改められることとなった。
……ちなみに、今回の黒幕は「第六天魔王」そのものの疑似サーヴァントなのだが……彼の性格を知っているマスターたちは、「信長公以外の第六天魔王とか解釈違い」という理由で黒幕と敵対するに至ったのではないかと考えている。また春日局はかつて光秀の重臣だった斎藤利三の娘に当たるため、彼女に対しても思うところがあったのかもしれない。
更に第六天魔王を焼き殺した光秀という点は、カーマを焼き殺したシヴァという構図と見事に符合するため、「光秀はカーマの概念的な天敵になる」とか、第六天魔王を名乗るノッブのみならずその原典とも敵対したため、「解釈違いで公式に二回凸した男」とネタにされていた。
なお、何の因果か、このイベントの次に開催されたのは『ぐだぐだ帝都聖杯奇譚』のライト版復刻だった。直前のイベントで株を大きく上げたが、復刻によりまた下がるという状況は、誰が言ったか「リアル三日天下」……といろいろ言われていたのだが、2021年12月1日の竹箒日記にて、Fate世界とぐだぐだ世界は設定が異なる部分があり、その1つとして「信長まわりの設定」があげられており、大奥の天海とぐだぐだ世界の天海(光秀)が別人である可能性が浮上した。
ぐだぐだ龍馬危機一髪!
本能寺の変に纏わる回想シーンにて登場。見えない何かと会話しているシーンがあり、劇中の黒幕に唆されて謀反を起こした可能性が示唆されている。
関連人物
生前
己がかつて仕えていた武将。
彼女をとても尊敬し、誠心誠意仕えていたが、彼がいう「あ奴」と出会ってから変わってしまったという。自分の理想と離れていく主君に失望して謀反し暗殺したが、殺してしまって初めて信長のいない世の中に耐えられない自分に気付き、その復活を画策する。
かつての主の弟君だが、光秀が織田家に仕え始めたのは信勝の死後なので面識はない。
作中では「どちらがより織田信長を理解しているのか」で張り合っていた。
余談だが彼の息子である津田信澄は光秀の娘を正室にしている。
生前の同僚。本能寺の変で主君・信長を討ったために彼からは憎悪されているが、光秀も彼の事を嫌っており、「禿ネズミ」と呼んでいる。しかし、一説では互いに低い身分から信長に見出され、成り上がった者同士であることから親しかったとも言われ、実際に2人で連携し助け合いながら播磨と丹波の平定を成功させたことがある。
Fate/Grand Order
様々な面で似たもの同士なキャスター。
違う点は「殺されて病んじゃった」ジルと「病んで殺しちゃった」光秀、といった所か。
こちらも様々な面で似た者同士。
尤も、こちらの場合は「女も人間も愛も世界も人理も嫌い」という救いようのないくらいに精神的に追い詰められている所であり、ある意味で光秀よりも酷い。
光秀と肩を並べる「裏切り者の代名詞」である英霊。
さながら「質(天下人を裏切ったたった一回が後世に残り悪名となった)の光秀」と「量(度重なる裏切りにより後世に残る悪名となった)の呂布」と言った所である。
その他
原作『帝都聖杯奇譚』に登場した帝都のキャスター。
天海は彼とはまったく別の人物だが、黒幕であることや衣装・サングラスといったデザイン面でオマージュされたキャラクター造型となっている。
余談
イベント開始は2018年の6月13日だが、この日付には皮肉にも彼が秀吉に討たれた山崎の合戦であるという説がある。プレイアブルキャラとして実装されなかったため、絵師が誰なのか暫く不明であったが、本人のツイートにより判明した。ちなみに奄美を別の漢字にすると「天海」であり、天海の要素を併せ持った存在である事もすぐに判る。
あだ名は「ミッチー」、叱られるときは「キンカン」。
後者は「金柑頭」と呼ばれていた事に由来するが、実際に主からこう呼ばれていたという歴史資料は見つかっていない。ほとんどは江戸時代の講談での挿話や、それを取り入れたと思しき司馬遼太郎の歴史小説で流布したと思われる。そもそも金柑は江戸時代後期まで日本では自生していない。
金柑頭とは、丸くて禿げた頭を指しており、さらに金柑の実から発想して「硬い」「そのまま食べても美味くない」という点から、「頑固で旧弊を捨てきれない半端者」という揶揄も含まれる。
キャスタークラスにはマスターを裏切ったサーヴァントが何人もいるため、彼に関しては「主君を裏切った事でキャスターの適性を得た」と皮肉交じりに言われることもある。