人物
ティターンズの女性モビルスーツパイロット。搭乗機はサイコガンダム。
その正体は、地球連邦軍・ムラサメ研究所(日本)で調整を受けた強化人間。
名前は「ムラサメ」研究所の4(four)番目の被験体である事からナミカー・コーネルにより便宜的に名付けられたもので、本名ではない。 小説版「機動戦士Zガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に… 」によれば元々は一年戦争による戦災孤児だったとされ、不良少女として感化院に入れられたらしい。感化院時代の呼び名は「キョウ」とだけ呼ばれていて当時の彼女自身も本当の名前は知らないと言う。少なくとも極東1の大都市「トーキョー」と呼ばれる大都市の近くに住んでいた事から日系人、もしくは日本人だと言う事が解る。
どのような流れかは不明だが感化院から研究所に送られたと言う。
ナミカー・コーネルが単なる思い付きで言った「フォウ」と言う名前、そしてムラサメ博士より新たな苗字を与えられ「フォウ・ムラサメ」を名乗らされる事になったという。
これが彼女が求めて止まなかった失った記憶だと言う。
精神調整や体の強化の他に記憶も操作されており、自身の本当の名前や家族、過去の一切を失っているため、「自分が誰なのかわからない」事に悩み、記憶を取り戻したいと苦しんでいる。
幼少のハサウェイ・ノアの飛ばした玩具の飛行機を拾ってあげたりするなど、優しい一面も覗かせた。
劇中での活躍
機動戦士Ζガンダム
サイコガンダムと共に実戦参加した際に「功績を上げれば自身の記憶を返す」と言い包められ、ティターンズに出向。ホンコン・シティでカミーユ・ビダンに接触し、心を通わせるも、自身の記憶を求めてカミーユと交戦。
しかし戦いながらも心の底から素直になれたカミーユの直向きな言葉が届き、カミーユが宇宙に戻らなければならない事を知ると、ガルダ級大型輸送機スードリに搭載されていたシャトル用ブースターを独断で射出、宇宙へと送る。
そしてスードリの爆発に巻き込まれ死亡したと思われたが、エゥーゴとカラバによるキリマンジャロ基地の攻撃作戦の際、地上に降りてきたカミーユの前に、サイコガンダムの2号機と共に現れる。
以前よりも更なる強化が成されており、カミーユの説得に応じつつも戦火を目の当たりにして豹変。
サイコガンダムに乗り戦闘を始めるが、カミーユの必死の説得によって心を取り戻す。
しかし、Ζガンダムを狙ってジェリド・メサの乗るバイアランが攻撃してきた際、カミーユを庇い盾となり戦死してしまう。
最終回では、パプテマス・シロッコとの最終対決においてカミーユの呼びかけに応じ、彼と同化した死者の思念として登場した。
劇場版において
『新訳』と銘打たれ、2005年に公開された劇場版「機動戦士Ζガンダム A New Translation」では、ブースター射出を止めようとしたベン・ウッダーの銃撃で死亡。
キリマンジャロでカミーユと再会するシーンは描かれなかった。
機動戦士ガンダムΖΖ
「機動戦士ガンダムΖΖ」では、最終回で主人公であるジュドー・アーシタとハマーン・カーンの一騎打ちの際に思念体で登場。
戦闘の途中でZZガンダムの合体を解除したためにピンチに陥ったジュドーを守ろうとするカミーユ(の思念)などと共に再び登場し、ΖΖを再び合体させ、ジュドーを助けた。
その他の作品
「ガンダムブレイカーバトローグ」でAIデータにて登場する。設定は新訳Ζのものを使用しているため、絵柄やCVも新訳と同様。
搭乗機はウイングガンダムゼロ(TV版)のカスタマイズ機ウイングガンダムスカイゼロ。
高い機動性とユウ・カジマの陸戦型ガンダム市街地戦仕様との連携攻撃で奏海高校ガンプラ部とミサを苦しめるが、陽動作戦にはまって放たれたガンダムヘリオスのダブルサテライトキャノンの直撃を受けて破れる。
その後カドマツに修正ワクチンプログラムを投入されたことで奏海高校ガンプラ部とミサに加勢しガンダムバルバタウロス討伐に協力した。
エピソード・逸話
- 登場話数は少ないが、当時のアニメ誌の人気投票で1位になるなど絶大な人気を誇ったキャラクターで、「ニュータイプ」誌の付録となった北爪宏幸描き下ろしのフルヌードポスターも、当時大変な話題となった。
- 『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイはフォウにインスパイアされて造形されたキャラクターである。
- 2005年には「サイケガンダム~逆襲のフォウ」というトリビュートCDのカバーを単独で飾るなど、根強い支持を誇るガンダムヒロインの一人である。
- 劇場版が公開された2005年はたまたま持ち芸が「フォー!」の芸人がピークを迎えていた時期でもあり、当時はレイ・ザ・バレルと並んでネタにされた。
名台詞
- 今の施設で4番目だったから、フォウなの。ナンバー・フォウ。
- 思い出なんか…記憶なんか…消えてしまえ!!
- なら、敵になるのをやめて!私に優しくしてよ!
- お互いの居場所に戻りましょう、ここはあなたにはふさわしくない
- これで...忘れないで済むというもの...
- カミーユ、宇宙へ…さよなら…
- カミーユ…悲しまないで、これであたしはいつでも貴方に逢えるわ。本当に貴方の中に入る事が出来るんだから…
外部作品
スーパーロボット大戦シリーズでは、スパロボ補正によって生存する事が多くなっており
場合によってはカミーユを巡ってファとの三角関係になる事も。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄編においても初代におけるフォウの生存フラグ成立が正史となっており、
中盤で途中参戦するのだが、彼女のエースボーナスは平たく言うと、「スキルの「強化人間」が「ニュータイプ(しかもスキルレベルが+1される)」に変更される」というものである。
まさかのニュータイプ覚醒となった。元々の強化人間のスキルレベルが高めなのでニュータイプ覚醒に伴い下手をするとアムロやカミーユをスキルレベルを上回ってしまうこともある。
しかも参戦するあたりでクシャトリヤのパイロットのマリーダが離脱してしまうので
(フラグを立てておかないとクシャトリヤごと離脱してしまうが)クシャトリヤに代わりに乗せられる様になる。
ちなみに条件を満たすとリ・ガズィの代わりにバイアラン・カスタムに搭乗。
天獄篇ではα・アジールやバンシィ・ノルンといった強力なNT専用機が手に入るため
特に拘りが無ければこちらを与えてみるのもいいだろう。
ガンダムvs.Zガンダムの宇宙世紀モード、エゥーゴサイドのカミーユルートではやはりキリマンジャロ基地の戦いがターニングポイントとなっており、フォウのサイコガンダムを撃墜せずにクリアするとフォウ生存ルートが出現する。
更にティターンズサイドのフォウ生存ルートでは、ロザミア・バダムと同じ道を辿ってしまうこととなる。
ガンダム無双2では、記憶を求めて戦う自分と決別するミッションがある。
SDガンダムシリーズでは乗機がガンダムタイプだったためかアムロ、カミーユ、ジュドーに並ぶポジションとして描かれている。
ガンダムチームの紅一点枠だろう。
関連イラスト
僕を見つめてた蒼い瞳 ある日突然に消えてしまう
関連タグ
カップリングタグ
ガンダムシリーズで似たポジションのキャラクター
ステラ・ルーシェ……『敵軍の主人公と心を通わせる強化人間の少女』という「悲劇のヒロイン」ポジション、搭乗する機体がMSとMAの二形態に変形出来る巨大MS、その機体で都市を蹂躙したという多くの共通点を持つ。精神性では同じ強化人間のロザミア・バダムに酷似。シン・アスカと共に、カミーユ・ビダンとの関係をオマージュしたようなキャラクター。
エラン・ケレス……こちらも似たような色のガンダムに登場する。しかも4番目の強化人間である。