瑞鳳(艦隊これくしょん)
ずいほう
航空母艦、概要。推して参ります!
初期レアリティは「金」(改造後はホロ)と「赤城」や「瑞鶴」に並び、軽空母の中では最もレア度が高い。
建造・ドロップともにするものの、出現率は低く遭遇するのはなかなか困難である。
※瑞鳳狙いだと思ったら姉妹艦の祥鳳が建造で出てくることがある。そのため一部の瑞鳳提督が祥鳳を「ハズレ」呼ばわりするなどの叩きや中傷行為が目立つが、祥鳳ファンの不快感を煽り、且つ瑞鳳や瑞鳳提督の印象を悪くするだけなので、瑞鳳が出ないからといって八つ当たり気味に祥鳳叩きをする発言は書き込むべきではない。(※祥鳳だけに限った話ではないが)
この事態には瑞鳳本人も苦言を呈している。
祥鳳型の2番艦だが、祥鳳と一緒に行動した期間がほぼ無いせいか祥鳳との絡みは薄い。それよりも史実では瑞鶴との縁が深かったりする。
そもそも祥鳳型(瑞鳳型?)は公式類別(書類上の型)では空母化した千歳・千代田も含まれている。
更に龍鳳という姉(妹?)もいるなど、元の艦の形が違う改造空母が一番先に改装した瑞鳳をネームシップに「瑞鳳型」と書類上一つにまとめられていたという事情により、ある意味義理の姉妹のような扱いなのかもしれない。ただし進水・改装でいえば龍鳳は年上の後輩といった認識のほうが近いか。
そんなこんなで瑞鳳型一番艦(=長女)となった彼女だが、その体形の所為で公式四コマでは吹雪に「長女?」と疑問符を持たれてしまった。
ちなみに史実では鳳翔、千歳、千代田は三航戦で、翔鶴と瑞鶴とは一航戦の同僚でもあった。
なお、書類上の祥鳳型の中では唯一、(建造中に他艦種の工程を経てはいるものの)竣工後に改装された艦ではなく、生まれながらの空母となる。
だからというわけではないだろうが、祥鳳型(瑞鳳型)唯一の貧乳でもある……。
??「きっと潜水母艦にならなかったから飛行甲板要素が強いんでち!」(※公式4コマ63話)
また、・・・・・
「天山はー…って、あれ?んっ、提督?格納庫まさぐるの止めてくれない?
んっ。っていうか、邪魔っ」
という風に艦娘へのセクハラに定評のある提督から、ひときわ激しいセクハラを受けているらしく、かなり声もエロい。
おかげで思わず夜戦突入してしまう提督も多いとか。
初見では誰の事かわかりづらいが、これは後述の改造後のもんぺに記されている文字が由来であり、史実では瑞鳳の艦尾に描かれた着艦時の為の識別記号である。
旧仮名でも表記は「づ」は使わない「ずいほう」なのだが、「艦これ」ではフラットな正規空母と紛らわしくならないようにするためなのだろうか。
ちなみに正午の時報は「あの台詞は10回以上リテイクした魂の台詞」と2013年8月の提督人事最終報告書で書かれている。
彼女がいる提督は一度聞いてあげよう。
容姿の本当の力、見せてやりましょ!
セミロングの茶髪を一房だけポニーテール状にまとめ、紅白縞模様の鉢巻をし、オレンジ色がかったキリッとした目が特徴。髪を縛っている紅白の布が鉢巻と同じ種類の布であるため、鉢巻とそのままつながっているのか長年謎であったが、2016年9月発売のフィギュアによってこれらは別の布であることが確認された。
身長は公式4コマなどメディアミックスを見る限り、祥鳳や鳳翔より下で、龍驤や大鳳と同じくらい。
駆逐艦娘よりは少し高いくらいだろうか。いや、同じかもしれない。
上の服装は縁沿って朱い飾りの付いたノースリーブの白い弓道着を身につけ、振り袖を肩口で紺色の糸のようなもので数カ所縫い付けており、意図的に肩口あたりを露出している。とはいえ縁にある朱飾りのお陰で地肌そのものはほとんど露出していない。また袖先には肩の糸と同じ色の紺色の網目模様が入っている。
胸には少し大きめの胸当てを薄水色の紐で胴に括りつけている。
下半身は丈の短い赤に白のラインが入ったもんぺを空母仲間の間では彼女だけが着用している。ちなみに太もものあたりに金具があり、それで裾を縛っている。
足は白い足袋と、鉢巻同様の紅白縞模様のぽっくりを履いている。
配色など、全体的に巫女服を彷彿させるデザインの服装となっている。
艤装は腰に史実で装備していた噴進砲と思われるものを装備し、艦載機を矢のように挿した矢筒を背負い、手には瑞鳳の飛行甲板に見立てた紅白縞模様の弓を持っている。また右手には弓道などで用いる茶色い手袋「ゆがけ」をつけている。
正規空母・軽空母問わず大艦巨乳主義な艦娘が多い空母組の中にあって、RJに次ぐ(あるいは並ぶ)貧乳っぷりを誇るが、先に手に入るだろうRJのお陰でネタにされることは少ない。全くないわけではないが(ZHいじめ・RJZHいじめ)。
だが、公式4コマではネタにされてしまった。合掌。
姉の祥鳳はそれなりに大きいのだが……同じ軽空母姉妹でもあっちと違ってお揃いとはいかなかったようだ。
その起伏の乏しい容姿に低身長も相まって当初はガチロリ疑惑が掛けられていたが、時報では提督に「半舷上陸で呑みに行っちゃう?」と声を掛けているあたり、成人疑惑もあり、たびたび議論の的になっていた。だが新実装家具の「鎮守府カウンターバー」では夜中まで清酒や焼酎を飲んでいることが判明し、幼い容姿に反して意外といける口であることが判明すると同時に、飲酒適正年齢であることがほぼ確定した。
ちなみに、大鳳の就役後に三航戦に復帰した彼女だが、その際の同僚は千歳と千代田であった。
合掌。
瑞鳳改
改造すると白が淡い緑に、朱が白に変更され、迷彩塗装ver.になる。
具体的には上着が薄緑色、もんべは暗緑色、朱色の飾りは白色となっており、ぽっくりは赤に一色になった。また艤装や胸当てには補給艦に似せるための緑色の偽装迷彩が施され、上着には所々白いラインが走り、もんべの端には「づほ」の文字が白で入っている。
ちなみに弓と鉢巻は以前同様に紅白縞模様のものを使用している。
これは史実でのエンガノ岬沖海戦での迷彩塗装化に合わせたもの。
そうね、性格しちゃいますか!
凛々しい立ち絵に対して性格は結構フランクで、非常に明るく朗らか。
一応秘書艦としては生真面目なほうで、不真面目な提督に代わってしっかりと仕事を処理している。
またMVPを取ると「やったぁ!」と声を上げて喜ぶなど、外見通り素直で幼いところもあるようだ。
さりげなく「戦績とかいつ見るの? 今でっ…」とか流行語を言ってるあたり、ノリも良いご様子。
だからと言ってこれはどうなのか(笑)
航空機マニア(または艦爆の足について言及していることから足フェチ)の気があり、航空機に関する言及が非常に多い。
なお彼女が可愛いと評している九九艦爆の着陸脚には、白と赤にカラーリングされた、丸っこいカバーがつけられており、ガッチリとした機体とのギャップも相まって、たしかに可愛らしい。
提督に対しては世話を焼く一方、「朝ご飯作って?」や「スイーツ食べたいなぁー…」というなど甘える上手な面もあり、その気安く親密な様子から二次では提督LOVE勢や良妻空母の一人とされている。
幼そうな外見も相まって、一部からは幼妻とまで呼ばれている。
また最近卵焼き作りに凝っている模様。
正午の時報の他にも、14/12/1に追加されたケッコン母港ボイスにおいてもふるまってくれるようになる。
そのチョー甘々なやりとりは必聴。多くのづほ嫁提督を虜にした。
「お昼です!提督、お弁当広げましょ♪私の作った玉子焼き、食べるぅ?」
と同時に残念な提督たちをも量産してしまったようだ。
このボイス、開発スタッフのこだわりで10回以上のリテイクを経て完成した“魂のボイス”とのこと。
ある意味、スタッフの期待通りになったわけだが、その感染力まではさすがに予想外だろうか?(汗)
さらには2014年のクリスマス限定ボイスにおいては「クリスマス風玉子焼き」、新年限定ボイスにおいても今度は「伊達巻」を作ってくれるなど、玉子焼きプッシュが続いている。
その反動なのか、過剰な玉子焼き推しから逆に「実は玉子焼きしか料理できないんじゃ?」という疑惑まで持たれてしまっている。
一応、節分ボイスでは豆を煎っていたため、玉子焼き以外が作れないというわけではないと予測される。
まぁ、そもそもお弁当もおそらく瑞鳳のお手製だろうから、特に玉子焼きに気合を入れているといったところなのだろう。ちなみに大日本帝国海軍でも、玉子焼きは「巻焼き(まきやき)」と称され、兵士に提供されていた。
なお、史実では玉子焼き名人として彼女の名前があがっていたりするが……
なお、中破時に温泉に入りたがるのは実在の温泉ホテルに引っかけたもの。
2014年5月に放送された某TVバラエティーにて「ホテル瑞鳳(仙台市)」が紹介された際に、ホテルの公式HPが深夜過ぎまで陥落する。という珍事が発生したが、決してこの娘の所為じゃないと信じたい……
と思っていたら、2015年1月、ホテル瑞鳳のツイッターで艦これの話題が…リツイートが一気に伸び、中の人もその反応に驚くことに。
他の艦娘との関係
彼女がある状態の時に、姉の名を言及することがある。そのセリフには、どこか切ないものがあり、二人揃って運用する人も少なくない。→瑞祥
姉以外では、史実で共に戦った瑞鶴や翔鶴と仲が良いとされることが二次創作内で多い。→新一航戦、瑞瑞
大戦序盤の護衛艦であった三日月と親子のように描かれることもたまに見られる。
ライトノベルやアンソロジーでは、加賀さんと共演することもしばしば。この場合、加賀が瑞鳳を見守る姉のような立ち位置についていることが多い。
性能、決めます!
史実での戦果を反映してか運の値が改造前で30もあり、改造すると更に高い40となる。
改造後でいうと、雪風改(60)、時雨改二/伊58/飛龍改二/雪風(改造前)(50)、瑞鶴改(42)、榛名改二(41)に次いで全艦中8位(同値では飛龍改、綾波改二)。
ステータス的には祥鳳型のそれである為、艦載機の搭載数、防御力ともに若干頼りない感はあるが、運の高さによってクリティカル率・被クリティカル率に有利な補正が働くとされているため、見た目以上の実力を発揮する、かもしれない。
艦載数は姉同様に、改造前で【18/9/3/(装備不可)】・改造後で【18/12/12/6】と、分かりやすく偏っている。
そのため、戦略に合わせて艦戦・艦爆・艦攻を載せ換え、最も少ない第四スロットに偵察機や副砲を積んで補強するといった戦略が立てやすい。
なお、空母系艦娘の中では、改造時に天山を初期装備として持参してくる珍しい娘だったりする。(瑞鳳以外だと改造前の大鳳ぐらい)
飛び抜けて高性能ではないかもしれないが、T字有利や同航戦の状況であれば、大和や武蔵を一撃で大破に追い込む事も可能だったりする。
関連作品
- 「艦これRPG」
リプレイ「願いは海を越えて」では声帯の妖精さんがプレイヤーとして担当。初期個性のフリー取得分で《不思議》を取得したため、プレイ中に入手した天山を《不思議》な力で動かすことになり、それでもエーテルエンジン駆動程度では案外《不思議》ではないと言われてしまう。
第2話ではイベント内で、《スタイル》による判定を要求される。その結果妖精さんの尽力で《スタイル》は長所として取得できた。それを受けてか、正規空母並みのスタイルを得た瑞鳳の挿絵が描かれている。
- 「鶴翼の絆」
脇役ではあるが1巻から登場。瑞鶴に対しては敬語を使っている。
- 「瑞の海、鳳の空」
ついにメインヒロイン抜擢。「九九艦爆をこよなく愛する」瑞鳳と、堅物だがまっすぐな気質の青年提督とのラブコメ作品であり、作中では提督との嬉し恥ずかしい恋愛模様や、メガネをかけながら航空機プラモ作りに勤しむ姿など、瑞鳳ファンなら一度は読んでみたい内容となっている。
登場するときは、祥鳳や空母の仲間達と一緒にいることが多い。
・・・が、胸部装甲ネタでいじられるのがほとんど。彼女もまた「高崎」と呼ばれる事を嫌う。
大鯨や潜水艦娘と仲よしと言われているが、伊58に貧乳呼ばわりされてる。
史実ネタは結構あるはずなのだが、なぜか出番は少なめ。むしろ大鯨や祥鳳の方が多い気も・・・
史実
旧日本海軍はワシントン海軍軍縮条約による空母の保有制限から逃れる為に、戦時に空母に迅速に改造できる艦船を企画した。
その案により1935年に建造される事になったのが、「瑞鳳」の前身である「高崎」であり、当初は給油艦として設計された。
その後、建造途中で軍縮条約から脱退した為、より空母に改造しやすい潜水母艦に1938年に計画変更され、更に1940年に潜水母艦から空母へと計画を再変更、艦名も「瑞鳳」として竣工した。
祥鳳型としては二番艦だが、祥鳳・龍鳳・千歳型など給油艦や潜水母艦からの改装軽空母を一纏めにした書類上の型「瑞鳳型」では一番改装が早かったために一番艦となった。
太平洋戦争開戦当初は最前線に出る事は無く、試験航海も兼ねて本土・台湾間の航空機輸送作戦に従事していた。
1942年4月、米空母「ホーネット」が放ったB-25部隊が日本本土を初空襲する「ドーリットル空襲」が発生。瑞鳳は、空襲を終えて撤退する米機動部隊に逆襲するべく向かったが、発見する事が出来ず仕方なく帰投した。
1942年6月5日、米国との一大決戦でもある「ミッドウェー海戦」に軽空母「鳳翔」とともに参戦。ただし主力空母はあくまで「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」の4隻で、「瑞鳳」と「鳳翔」は旧式機ばかり搭載した予備空母戦力の扱いであった。ところがこの戦いによって主力空母4隻を一挙に失ってしまったため急遽、控えだった第三航空戦隊に攻撃の命令が下る。瑞鳳隊の航空機は本格的な戦闘を想定していなかったため魚雷を搭載していなかったが、それでも敵襲に備えて発艦準備を整えるが、結局そのまま海戦が終わってしまった。続く9日、残存の攻略部隊は北方へと向かい、陽動のためアリューシャン方面の米軍拠点ダッチハーバーを空襲していた「龍驤」・「隼鷹」と合流。大湊へ帰投した。帰投後、艦隊司令の「山本五十六」より感状を承っている。
この戦いによって第一・第二航空戦隊が纏めて消滅してしまったため、1942年7月14日に慌てて再編成が行われた。これにより空母不足の穴を埋めるべく軽空母の「瑞鳳」も最前線へ投入される事になり、なんと「瑞鳳」は「翔鶴」「瑞鶴」の正規空母とともに栄えある第一航空戦隊へと配属された。太平洋戦争中、空母のエース部隊である一航戦の一翼を担ってアメリカ機動部隊と戦った軽空母は瑞鳳だけである。
10月26日、南太平洋海戦では「翔鶴」「瑞鶴」とともに機動部隊を編成しソロモン方面へ進出。しかしその戦闘で第一次攻撃隊発艦直後に、偵察のドーントレス急降下爆撃機2機の奇襲に遭う。「瑞鳳」側は敵襲に全く気づいておらず、しかもその時の飛行甲板には発艦準備中の第二次攻撃隊が所狭しと並べられていた。下手すれば、ミッドウェーの悪夢再来となりかねない最悪の状況であったが、ドーントレスが投じた爆弾は運良く航空機の無い艦尾に命中、引火による大爆発は避けられた。ただ、このダメージで「瑞鳳」は中破してしまい、艦載機の発進こそ辛うじて可能だったが着艦が困難になってしまった。そのため「瑞」鳳は戦闘開始早々に空母として艦載機運用能力を喪失してしまうのだった。そのため、以後は発進だけ行い、帰還した艦載機は無傷の「瑞鶴」に受け入れられることとなった。
その後、艦隊はさらに米空母「ホーネット」より飛来した攻撃隊の空襲を受ける。これに対し「瑞鳳」は迎撃のため14機の零戦隊を出撃させ、ドーントレス2機を撃墜した。しかしこの攻撃で「翔鶴」は爆弾を6発被弾。手傷を負った「翔鶴」と一緒に瑞鳳は戦場を離脱した。
ちなみにドーントレス急襲前に発艦した「瑞鳳」の航空隊(「日高盛康」大尉以下零戦21型9機)は第一次攻撃隊として「翔鶴」「瑞鶴」の航空隊とともに、米機動部隊へ向けて飛行した。すると前方より米空母「ホーネット」から発進した敵の攻撃隊が近づく。しかし両者ともに手出しはせず、素通り。これが後に「翔鶴」を被弾させた部隊である。
そして次に遭遇した空母「エンタープライズ」の攻撃隊(F4Fワイルドキャット8機、SBDドーントレス3機、TBFアヴェンジャー8機)とすれ違った時、第一次攻撃隊の最後尾に付いていた「瑞鳳」の零戦隊が反転攻撃。敵航空隊5機(雷撃隊の指揮官機を含む)を撃墜。他にも1機の無線と機銃を破壊してエンタープライズへ撤退させた。しかし空戦で零戦2機が撃墜され、帰投方向を見失った零戦2機も瑞鳳に帰り着く事無く失われた。誘導機として零戦隊を率いていた九九艦爆も未帰還となった。またこの瑞鳳隊の反転離脱によって三艦合わせて21機の攻撃部隊護衛戦闘機は12機のみとなり、敵直掩戦闘機の迎撃を受けた第二次攻撃隊は艦爆が20機中17機未帰還、艦攻が20機中16機未帰還となり、攻撃隊長で雷撃の神様と謳われた「村田重治」少佐も戦死するという惨憺たる結果となってしまった
幸い、第一次攻撃隊は米空母「ホーネット」を発見。3発の爆弾を飛行甲板に撃ち込み、最終的に撃沈へと追い込んだので一矢報いたといえる。しかし瑞鳳隊は道中で敵航空隊に反転攻撃をしたためこの攻撃には参加できなかった。
その後、佐世保工廠で修復した「瑞鳳」は大型艦載機運用のために飛行甲板を180m→195mに「鳳翔」同様無理矢理引き延ばした。その結果、バランスが悪いことで定評のあった軽空母「龍驤」のように甲板の下についている改装後の「瑞鳳」の艦橋は、目の前のでかい「ひさし」が更に巨大にされたため視界は最悪となってしまった。
1943年、ガダルカナル島撤退作戦の支援や硫黄島付近の索敵、南方の日本軍拠点への航空機輸送作戦等に従事。硫黄島付近は潜水艦など危険が多い海域となっていたが瑞鳳は被弾する事なく作戦を完遂させ、横須賀・トラック間の輸送任務にも従事した。
同年3月、「い号作戦」により瑞鳳航空隊の一部を南方の陸上基地へ派遣。またラエ基地に輸送する兵員と物資を載せた輸送船団を護衛するため瑞鳳所属の零戦15機を派遣している。しかしこのビスマルク海海戦ではすでに制空権はほぼ損失していた上、米軍の新戦術「反跳爆撃」により輸送船団は護衛の駆逐艦もろとも壊滅するという手痛い敗北を喫している。
1944年4月8日、第一航空戦隊所属だった「瑞鳳」は期待に新型装甲空母「大鳳」の完成を以って古巣の第三航空戦隊へと配置換えとなった。
同年6月、絶対国防圏の要であるサイパン島に米軍が襲来。これを迎え撃つべく連合艦隊は再建したばかりの機動部隊をマリアナ諸島に送り込み、マリアナ沖海戦が発生。「瑞鳳」も第三航空戦隊としてこの作戦に参加。「千歳」「千代田」とともに前衛部隊を送り出し、「翔鶴」ら本隊が繰り出した航空隊の前面に展開させた。しかし米軍の濃厚な統制砲火と対空網に引っかかり、送り出した航空機の大半が撃墜されてしまっている。俗にいう「マリアナの七面鳥撃ち」である。
さらに米艦隊の反撃によって「翔鶴」「大鳳」「飛鷹」が撃沈され、航空機も300機以上が撃墜されるなど帝国海軍の大敗北に終わったが、「瑞鳳」だけは損害無く帰投した。この時、「瑞鳳」は本隊の前方に展開する前衛艦隊に所属していたのだが、その前衛艦隊の中でも最前列に配置されていた。それでいて損害が無かったのは、ここでも南太平洋海戦同様に瑞鳳の強運が発動したからと思われる。その代わり、後方にいたはずの本隊は米潜水艦の襲撃を許し、虎の子の「翔鶴」と「大鳳」が撃沈される憂き目を見ている。
1944年10月、皇国の喉元であるフィリピンに米軍が迫る。帝國海軍は捷一号作戦を発令、持てる艦隊戦力を全てフィリピン沖へと出撃させた。ここまで生き残っていた「瑞鳳」も小沢機動部隊の一員として作戦に参加。「瑞鶴」「千歳」「千代田」と同じように船体を輸送船に見立てた迷彩で染め、甲板に大量の対空火器を積んだ姿で出撃した。
これら空母群に課せられた任務は米軍の航空兵力を引き寄せて、主力の栗田艦隊のレイテ湾突入を助ける事だった。しかし囮艦隊に与えられた航空機と護衛艦艇は極僅かなもの(総勢15隻)であり、対する米軍は翔鶴と大鳳がまだ健在だと思っていた為、この囮部隊に対して「エンタープライズ」や「アイオワ」を擁する全主力機動部隊(総勢70隻)を派遣。150機に及ぶ爆撃機で攻撃した。
10月24日、まず第一波の80機が襲来。「瑞鳳」の後部甲板に爆弾一発が直撃し、リフトを貫通してリフト機械室が破壊されてしまった。その直後には旗艦「瑞鶴」も被弾し小沢機動部隊は激しい爆弾の驟雨に晒される。爆弾2発を受けた瑞鳳は操舵不能となり、格納庫が炎上。続いて護衛の駆逐艦「秋月」が沈没。軽巡「多摩」が被弾により落伍、艦隊より離れた。戦闘開始から約1時間後、被弾により傾いていた「千歳」が沈没。続く第二波によって「千代田」も被弾。機関に火災が発生し航行不能、以降は漂流。敵は健在であった「瑞鶴」「大淀」「伊勢」に攻撃を集中させ、「瑞鳳」にも攻撃の手が及んだ。踏みとどまる「瑞鳳」は対空砲で反撃し、敵機を撃退。直撃弾を受ける事は無かったが多数の至近弾が飛んできて、破孔が生じる。また、この頃から船体が傾斜し始める。
第三波、「瑞鳳」の船体後部に魚雷が命中し右へ傾斜。さらに至近弾を7発受け第二缶室使用不能、速力は僅か6ノットにまで低下。そして遂に航行不能に陥った。
この攻撃によって旗艦「瑞鶴」が沈没。旗艦沈没後も満身創痍の体で浮いていた「瑞鳳」であったが、約20機の敵機に襲撃され、浸水により船体を真っ二つにして艦尾から沈んで行った。この戦いにおいて、「瑞鳳」は軽空母ながらに最終的に至近弾82発、魚雷2発、爆弾2発の被害を受けたという。
沈没した瑞鳳の乗組員は駆逐艦「桑」に艦長以下847名、戦艦「伊勢」に98名が救助された。
ちなみに普通、軍艦が沈む際には大きな渦が発生し、せっかく海面に脱出した将兵が艦もろとも海中に引き込まれてしまうことに加え、特に空母の場合は破砕口やエレベーター等から広大な格納庫へと大量の海水が流れこむことで、海中どころか艦内へと引きずり込まれてしまう悲劇(翔鶴のエピソードが有名)を起こすことがあるのだが、「瑞鳳」の場合は違った。V字に折れた船体が静かに沈みゆく中、付近の水を外へ外へと押しやり、将兵たちをそっといたわるかのように艦から引き離したという。
上記のように正規空母4隻の損失も相まって軽空母ながら多くの激戦に参加し、日本機動部隊として最後の戦いとなったレイテ沖海戦では囮の一翼まで担って奮戦した殊勲艦であった。