ある日、松野家に2体のAIロボットが届く。
これからはAIと共存する時代と言い出すAIだが・・・。
※本作の公式サイトから引用
概要
『おそ松さん』(第3期)に登場するエピソードで、第2話のサブタイトル。初回放送は2020年10月20日(19日深夜)で、AIロボットの初登場回である。
また、諸事情により同日に放送された他のエピソードについてもこちらの記事で記載する。
ストーリー (ネタバレ注意)
※『ぼんくらの時代①』は該当記事を参照。
ハタ坊 EATS
最近巷で話題のとある配達業を始めたハタ坊は、ある日の夕方にチビ太のおでんを届ける仕事が与えられる。しかし、元々の小柄な体格と重過ぎる荷物が仇になって運べない彼の様子を見たおそ松とチビ太は配達用のおでんの一部を食べたり包装を小型化するといったアイデアで、何とか出発させる事が出来た。
しかし、ハタ坊が漕いでいた自転車自体の遅さが災いし実際に到着したのは夜明け前だった。早朝までドブスと一緒に待たされた上に既に干からびたおでんを渡されたイヤミは、怒りのあまり配達物を蹴り飛ばしたのであった。
夜は静かに
ある日の夜、睡眠中の6つ子達の元に松野家の外では偶然そこに通りかかったイチャイチャのカップルの声が聞こえて来る。彼らに敵意を持った6人は、2人に対して終始真顔であらゆる道具を投げ込んだり街中を追いかけ回すといった嫌がらせをしたのであった。
ぼったくりDoctor-T 外科医・弱井トト子
医療業界で働く6つ子達の世界では、労働・努力・疲労を嫌い顔の可愛さだけを武器とする外科医の同僚・トト子が居た。フリーダムな一面にイライラした6人が遅刻常習犯の癖が抜けず人工呼吸が必要な救急の時でも帰ろうとする、手術の時にはヨガをする彼女にその訳を訪ねた所、それぞれ朝に弱い・ファーストキスは好きな人しかしない・血を見るのが怖いという理由であった事が明かされる。
そんな彼女の信念に6つ子達は可愛いと思わずデレデレする傍らで、その病院に運ばれた患者はいつも何らかの理不尽な目に遭うのであった。
三角ポップ&椅子
ある日、コンビニで暇潰しをしていたカラ松と十四松は将来何かをしなければと焦りながら悩む。そんな中、彼らは三角ポップや椅子を通して和気藹々とした会話をしたのであった。
お届け物
前回から紆余曲折を経て主役に返り咲いた6つ子達は、再びニート生活を謳歌する事を決意する。ところが、丁度その時インターホンを押した配達員から双子のAIロボットが送られて来た。
見覚えが無いお届け物でそもそもAIの意味自体が分からない6人が困惑する中、彼らはその言葉の意味や役割も丁寧に教えると同時に人間を幸せにする為にやって来た事とサポートAIである僕達を積極的に使って欲しい事を告げる(一方、当の本人達は情報量の多さで混乱しており、元々昭和から馴染みのある物で何とか覚えていたのはマイコンとファミコンであった)。
それでも、一体何処で誰によって作られたのか分からない不信感でロボット達を信じられなかった6つ子達に彼らは思わず耳を立てた十四松に第3セクターのNPOから送られて来た事を明かすが、4人は相変わらずの怪しさでひとまず帰ってもらおうと考えるようになる。
だが、おそ松と十四松からの「面白そうだし折角だから使ってみるのはどうか」という意見にロボット達が肯定すると同時に、6つ子達は数多くの候補から選ばれた幸運の人達である事を告げる。謎の優遇に嬉しさを覚えた彼らがその理由について聞いてみると、サポートAIが来たのは社会の底辺を這いずり回るヤバイ人達から優先的に助ける判断が下された為である事、そして『被サポート者手帳』での基準で6つ子達のサポートレベルが何も出来ない通常の赤ちゃんより遥かに高い4200の数値を持っていた事が明かされる。
すっかり馬鹿にされた事が癪に触った6人は、「こっちはこっちで楽しくやってるから放っておいてくれ」と即座にロボット達を松野家の外へ追い出し戸を閉めようとする。しかし、「言われた事は何でもやる」という最後の一言に思わず手を止め振り返ったおそ松は、お手並み拝見として2体に母から頼まれていた掃除をやってもらう事を決意する。
そして、彼らは手際の良さで掃除以外にも料理や洗濯、買い物、将棋、競馬予想、ギターライブ、マッサージ、VRと様々な内容をこなした事で評価が一転し可愛がられるようになった。そんな中、2体が充電中の際に「ロボットばかりに何でも頼って良いだろうか」というチョロ松からの一言がきっかけで6つ子達は一時的に揉めてしまうが、突然休止中だった彼らから「ニートの何が駄目なのかと疑問を投げかけられる。
6人が困惑する中、2体はかつての人間が仕事に伴う肉体的や精神的なリスクを減らす為に機械を生み出した事で現在あまり働かなくても良い状況を手に入れた事を語り、その現状について「素晴らしく素敵な事であまり気にしなくても良いのでは?」と告げられる。そして、このフォローによって一松を除く5人はすっかり信頼するようになり、今後も定期的に彼らと交流する事になった。
その後、研究所では夜にとある部屋で松野家から戻って来たAIロボットが、今日集めた6つ子達のデータをチェックしながら「少しずつ、少しずつ・・・・・・」と意味深な一言を呟く。それから数日後、2体は名前を聞かれたチョロ松に元々名前自体が存在しないので付けてほしいと頼んだが、その直後に偶然戻って来たおそ松からおむすびに似た外見とネクタイの色でそれぞれ"シャケ"・"ウメ"と名付けられたのであった。
余談
- 『ぼったくりDoctor-T 外科医・弱井トト子』は2012年からテレビ朝日で放送されているドラマの『Doctor-X 外科医・大門未知子』が元になっている。
- 因みに、『おそ松くん』(第2作目)が放送中だった1989年12月8日にバンダイからアドベンチャーゲームの『おそ松くん バック・トゥ・ザ・ミーの出っ歯の巻』がファミコンで発売された。
- AIロボット達が目にも止まらぬ速さで将棋を打つ様子に対して十四松が言った"千田さん"とは、コンピューターの将棋で特訓する棋士として話題になった千田翔太の事を指している。
- チョロ松が体験していたVRの機械は、1998年にセガから発売された据え置きゲーム機のドリームキャストが元になっている。
- AIロボットに終始不信感を抱いていた一松が別の部屋で作っていた物は、彼のイメージカラーを除く5色(赤・青・緑・黄・ピンク)の折り鶴である。
- 2020年9月25日に開催された『おかえりニートたち!6つ子とトト子のスペシャルパーティー』では、『ぼんくらの時代』〜『椅子』までのエピソードが生配信で先行公開された。
- 次回のエピソード以降の声の出演枠はオムスビ(ウメ/シャケ)と表記される。