概要
これまでプリキュアと敵対していた勢力「闇の魔法つかい」に代わり、第27話から本格的に始動したプリキュアの敵対勢力の暫定的な呼び名。
彼らは自らのことをデウスマストと呼ばれる存在の眷属だと自称している。
第22話から眷属の一人であるラブーが登場していたが、第26話までは闇の魔法つかいの残党であるヤモーを利用して暗躍していたため物語には直接関わってこなかった。
第26話でそのヤモーがプリキュアに倒されたため、それ以降からはプリキュアを妨害する敵組織として表舞台に出てきた。
デウスマストとは、いつの日か天から降臨して地上に破壊と混沌をもたらすと予言された根源的災厄である。
現代に復活した眷属達はその降臨の日はもうすぐであると述べており、「全ての大地と命が混沌に帰り、新たな混沌の糧となる」「もうすぐ君たちの世界がめちゃくちゃになる」と物騒なことを宣言している。
なお、デウスマストの眷属達は魔法界とナシマホウ界を「繋がった一つの世界」のようにみているという特徴があり、彼らが作中で「この世界」などという場合はその話の舞台になった世界という意味ではなく、魔法界とナシマホウ界の双方を含んだ言い方になる。
デウスマストの眷族は、デウスマストを敬称を付けず呼び捨てにする。
ただ、名前が判明する前ラブーが「あのお方」と呼称していたことからも解るように、主を敬う心に欠けていたり、幹部裏切りを画策してあえて呼び捨てているわけではない。
眷属の間には上下関係というものはなく、チームを統率するリーダー格の役割を担う者もいない。
俗っぽい名誉欲にこだわる連中ではないので、仲間を出し抜いて手柄を独り占めみたいな考え方をするものはいない。その一方で、彼らは仲間と協力して物事に立ち向かうという概念自体がない。万能の力を持つ彼らは一人でなんでもできるのが当たり前なのだ。
そのため、他の同志がやることに干渉はしないことが紳士協定のように根付いており、仲が悪いわけではないがかなりビジネスライクな関係。
構成員
終わりなき混沌
デウスマストの眷属
デウスマストに仕える12人の眷属。いずれもデウスマストの力から生まれた分身で構成されている。
下記の4人以外にも7人の眷属(この内1人はダークマター)がいるが、いずれも完全復活には至らず、本編では思念体としての姿でしか登場しない。彼らは第47話にて、ベニーギョによって吸収される。
ラブー(声:龍田直樹) |
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デウスマストに仕えるランプの精のような男性怪人。第22話から登場し、ヤモーを復活させて暗躍する。第27話以降は活動を本格化させるが、第31話でプリキュアに浄化されて消滅した。 |
シャーキンス(声:速水奨) |
デウスマストに仕える烏天狗のような男性怪人。ベニーギョと共に目覚め、殉職したラブーに替わって第32話から活動を開始する。第42話でプリキュアに浄化されて消滅した。 |
ベニーギョ(声:井上喜久子) |
デウスマストに仕える雷神のような女性怪人。シャーキンスと共に目覚め、殉職したラブーに替わって第33話から活動を開始する。第47話でデウスマストによって吸収された。 |
オルーバ(声:杉山紀彰) |
デウスマストに仕える青年男性で、本来は堕天使の姿。第34話からチクルンと共に登場する。闇の魔法つかいを生み出した元凶。第45話でプリキュアに浄化されて消滅した。 |
オルーバの協力者
チクルン(声:ニーコ) |
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オルーバに仕えるハチの妖精。元々は魔法界の「妖精の里」出身だが、オルーバに脅迫されて現在に至る。プリキュアやモフルンとの出会いで改心し、第42話でプリキュア側へと寝返る。 |
スパルダ(声:小林ゆう)、ガメッツ(声:中田譲治) |
かつてドクロクシーに仕えていた闇の魔法つかいで、オルーバの力で復活する。当初はオルーバに従っていたが、不満を募らせる形で反旗を起こす。 |
魔物
元構成員
ダークマター(声:浪川大輔) |
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映画版のキャラクター。魔法つかいを消滅させようと目論む熊男。「クマタ」という妖精に変身する。モフルンに情が湧いてプリキュア側へと寝返った後、ダークマターの魔力が具現化した「シャドウマター」がプリキュアの前に立ちはだかる。 |
目的
デウスマストが地上に降臨するまでに邪魔者を「お掃除」することが、目覚めた眷属に与えられている使命である。
その邪魔者とは「デウスマストに立ち向かえる意志と力を持つ者」、つまりは魔法つかいプリキュアのキュアミラクル、キュアマジカル、キュアフェリーチェのことである。
なお、デウスマストの眷属達は目覚めるまでプリキュアという存在について聞いたことさえなく、リンクルストーンやリンクルスマホンのことさえ知らなかった。
プリキュアを排除対象と認定したのは、この現代で目覚めてプリキュアの活躍を実際に目の当たりにした結果である。
その意味では、プリキュアたち以上にプリキュア伝説やリンクルストーンのことに造詣が深かかった闇の魔法つかいとは対極をなす。
また、闇の魔法つかいがリンクルストーンの力を強く欲してプリキュアを付け狙っていたのに対して、デウスマストの眷属達は自らこそが最強と信じて疑わないので、「全ての願いが叶う」とされる「リンクルストーン・エメラルド」さえ別に欲しがることはない。
ただし、オルーバはリンクルストーンを「厄介そうなもの」とは感じている。
重要な点として、眷属達は「プリキュアがデウスマストを脅かす」ことは全く考えていないことがある。
眷属達がプリキュアを危険視しているのは、万が一降臨までにプリキュアを倒せなければ自分達の沽券に関わるというプライド故であり、眷属達がプリキュアに全員やられても、そのプリキュアは結局はデウスマストの降臨によって混沌に帰されるというのが眷属達の大前提である。
眷属達は、降臨したデウスマストに愚かで醜いものを見せるのは失礼に値するので、それらを「お掃除」しているにすぎない。
眷属達が一番嫌っているのは、デウスマストが降臨してもなんとかできると信じてしまうような勇気と力ある連中であり、無意味で無駄な努力をするものを最も蔑視する。
しかし最終決戦にて、この慢心振りが結果として命取りとなっている。
マザー・ラパーパとの因縁
太古の昔、デウスマストとその眷属たちは「花の海」と呼ばれる世界に侵攻し、その世界を守護していた「マザー・ラパーパ」という全ての命の母とも言える存在と激しい攻防をしていた。
激闘の末、マザー・ラパーパの強大な能力によってデウスマストは宇宙の彼方へと追放され、デウスマストの眷属達は封印されるという結果になる。
しかし、デウスマスト達との激しい攻防の影響によって花の海は2つの世界に分離してしまい、その1つは後に「魔法界」となり、もう1つは後に「ナシマホウ界」(人間界)となる。
花の海が2つの世界に分離した際、封印されたデウスマストの眷属たちはナシマホウ界の方に置かれることになった。
ラブーは砂漠地帯の古代遺跡にあったランプ、シャーキンスは洞窟にあった道祖神のような石像、ベニーギョは博物館にあった土偶のような土器に封印されていた。
また、作中に登場している眷属以外にも多くの同胞がいるらしいが、まだ封印状態とのこと。
第36話の時点で、まだ目覚めていない眷族が最低でも7人いることが判明している(雪山の頂上、氷山に近い海中、滝が流れている川、洞窟の中の氷、スフィンクスの内部、パルテノン神殿風の遺跡、溶岩溜りの岩石などに封印されている)。
これらの屈辱的な経緯があるため、デウスマストの眷属たちはマザー・ラパーパおよび彼女の強大な能力を最大限に警戒しており、オルーバはマザー・ラパーパの力とプリキュアの力は関連性があるとして危惧している。
オルーバ、ラブー、シャーキンス、ベニーギョが封印から脱出できたのは、第21話で闇の魔法つかい・ドクロクシーの「闇の魔法」の力が世界を飲み込もうとした時に、その闇の魔法の力が4人の封印にダメージを与えたためである。
さらに、闇の魔法が封印を弱めたというのは偶然ではなく、オルーバが封印される前に復活のための種を撒いた結果でもある。
そして、第45話にて、オルーバが浄化され消滅する間際に自身の残された全ての力を使って、未だ封印状態にある眷族達の力を活性化させる事に成功し、いよいよ他の者達も復活の兆しを見せ始める。
その結果第46話で残りのメンバーも復活を遂げたようだが、オルーバの力が殆ど力を使い果たしていた事もあり、意識だけが覚醒しているという中途半端な状態での復活となってしまった。
ムホウ(ムホー)
デウスマストの眷属達は魔法は使わないが、その代わりに「ムホウ」と呼ばれる混沌の力を行使することができる。
呪文の詠唱も魔法の杖も必要なく、ただ指パッチンなど簡単なジェスチャーだけで世界の法則を歪めて不可能を可能にする脅威の能力である。
魔法とは修練を重ねる事で習得できる専門技術であるが、ムホウはデウスマストの眷属ならば生まれながらに備わっている才能である。
そのため、ムホウは魔法と言った学問的なものではなく、一種の超能力に近いものと言える。
眷属達はムホウの能力を発動することで魔物・ドンヨクバールを生み出して使役している。このドンヨクバールは、ドクロクシーの手下達が闇の魔法で生み出す怪物・ヨクバールと酷似している。
実のところ、ドクロクシーの手下達が使用していた「闇の魔法」とは、ムホウを魔法で再現することを目指して開発された魔術体系であり、従来の魔法と呪文などが大きく異なったのはそのためであると思われる。
闇の魔法はデウスマストの眷属でなくても習得および使用ができる反面、本家本元であるムホウと比べてその能力面および利便性が著しく劣る。
ドクロクシーの手下たちは普通の魔法つかいを「くだらない魔法しか使えない愚かな連中」と見下していたが、一方でデウスマストの眷属達はその闇の魔法を「ムホウの真似ごと」と称して見下している。
ナシマホウ界の人間から見ると魔法もムホウも超自然の力として似たようなものだが、ムホウが魔法と大きく異なるところは「守るべきルールがない」ことである。
本作における魔法は体系的な学習が必要な技術であり、ルールに則って使わないと失敗する。
また、魔法とは「周囲のエネルギーに対してお願いをする対話」のような物であるため、世界そのものの意思が望まぬ使い方もできない。
さらに言えば、魔法で簡単に出来ることだとしても魔法を使わず自分の力でやることも大切だという倫理と規範がある。
後期エンディングテーマの一番の歌詞にある ♪「自由はステキといっても ルールはあります お約束」♪ のフレーズは、本作の魔法のあり方を小さい子供たちにストレートに伝えているのだ。
ところが、ムホウの使い手は一切のしがらみや制約に縛られずに力を振るうことができる。
ラブー曰く、ムホウとは“地上のあらゆる道理を超え、強大なエネルギーを自在に操る力”であるらしい。力づくで自然法則に干渉するムホウの力は世界の意思が望まぬ事象も起こせるようだ。
また、デウスマストの眷族達は生まれつきムホウの能力を行使できるため使い方のルールを学ぶ必要がなく、勉強しないと使えない「魔法」というものを“無駄な努力をして習得する脆弱な力”と完全に見下している。
そして当然ながら、彼らは人間社会の倫理や規範なぞ気にせず欲望のままに万能の力を弄ぶ。
混沌(CHAOS)に属する勢力である彼らは、秩序(COSMOS)とは反する存在ということである。
それ故に、魔法によって絆を繋げてきたプリキュアとは相いれることはない。
「守るべきルールや秩序に従わぬ者たち」とはすなわち「無法者」である。「ムホウ」というネーミングはここから取られている。
ムホウの力で召喚されるドンヨクバールにも「ドン」("首領"を意味する単語)というギャングやヤクザがモチーフになっている要素が窺える。
女児向け作品らしかぬ荒いモチーフという点では、初代のプリキュア作品である『ふたりはプリキュア』に登場した敵勢力「ドツクゾーン」のリスペクトかもしれない。
なお、絶対的な力に見えるムホウにもただ1つだけ弱点があり、純粋な強大な力を持つムホウは成長の概念自体が無い為に使い手の思いの力によって力が増大する可能性=成長していく力ともいえる魔法に打ち破られる可能性があるという欠点を持つ。
なお、表記はTV放送上の字幕においては「ムホー」という表記だが、公式サイトや雑誌などでは「ムホウ」という表記になっていることもあり、あまり統一化がなされていない。
本拠地
封印から解放されたデウスマストの眷属達は、見まわす限りの全てが薄暗い雲に覆われている天空の空間に集ってくる。そのため、この空間が眷属達のアジトとも言える。
この空間は本当に鈍色の雲海が続くだけの何もない殺風景な空間であるが、眷属達は人間的な感覚とはかけ離れた存在なので特に何も気にせず、全員が浮遊能力を持つので地面がなくても困りもしない。
この天空の空間が人間界もしくは魔法界の上空にあるのか、それとも亜空間のような場所なのかは不明である。
デウスマストの眷属達は、ムホーによる転移能力でどんな場所からでもこの空間に転移できるし、どんな場所に行くことも可能である。
眷属達が人間界や魔法界に現れる時は、天から降り立つように登場する。そして、自分達以外の存在を「地上の者達」と語る。
モチーフ
デウスマストの眷属達は「伝承に登場する人ならざるもの」を元に設定されており、姿などのモチーフは「神や物の怪」といった存在である。
本作のシリーズディレクターである三塚雅人によると、ラブーは「ランプの精」、シャーキンスは「烏天狗」、ベニーギョは「雷神」をイメージにされているという。オルーバについては明言されていないが最終形態の外見から「堕天使」だと思われる。
名前の由来は諸説あるが、「パワーストーン」から来ているという説が有力である。
例
- ラブー→「ラブラドライト」
- シャーキンス→「アベンチュリンの和名・砂金石」
- ベニーギョ→「カーネリアンの和名・紅玉随」
- オルーバ→「オパール」
因みに、あまねく命の母・マザー・ラパーパの力の象徴である「リンクルストーン」も、ダイヤ、ルビー、サファイア、トパーズ、エメラルド、アレキサンドライトなどのパワーストーンがモチーフになっている。
また、デウスマストの眷属は全部で12人、リンクルストーンも全部で12個という共通点があり、マザー・ラパーパの力の象徴であるリンクルストーンは義のパワーストーン、デウスマストの眷属たちは悪のパワーストーンというイメージがあるのかもしれない。
プリキュアとの関わり
第1部の悪の勢力である闇の魔法つかい・ドクロクシー一派は、「プリキュアの前に立ち塞がる障害にすぎない」というポリシーで演出されており、敵側にどれだけ悲しい事情があっても、それについてプリキュアや視聴者に理解を求めるような演出は抑制的にされていた。
第2部の悪の勢力である終わりなき混沌・デウスマスト一派が登場してからはその傾向はさらに高まっている。
例えば、ドクロクシーの手下たちは外見こそは怖いものの、主な任務が「リンクルストーン・エメラルドの捜索」であるためプリキュアとの会話を極力避けることになり、その結果プリキュアに対して「煽り」や「恫喝」などをする描写が少ないために、悪役の中身としての怖さはあまり強調されることはなかった。
しかしデウスマストの眷属たちは外見が怖いのは勿論、主な任務も「邪魔なプリキュアの排除」であるためプリキュアとの会話も必然的に多く、その結果プリキュアの身近な人物を巻き込んでは積極的に「煽り」や「恫喝」も強行するため、外見だけでなく中身も「悪くて怖い絶対悪」という悪役に仕上がっている。
また、ドクロクシーの手下達は多少なりとも仲間意識があることを示唆する描写があったが、デウスマストの眷属達は同胞の殉職にも一切の同情をせずそれどころか罵倒をしたり見下したりするなど、本当の意味で仲間とも慣れ合わない関係を強調されている。
敵キャラクターの退場の仕方についても、ドクロクシー一味はプリキュアによって倒された後に「本来の姿(小動物の姿)に戻される」「魂が解き放たれて成仏する」といったある種の優しいイメージがあったが、デウスマストの眷属であるラブーはプリキュアに倒された時は文字通りの「消滅」という末路を迎えている為、このシリアスな殉職の仕方も原点回帰と言えるだろう。
一方、プリキュアに変身する朝日奈みらい、十六夜リコ、花海ことはは敵に対して同情することは滅多にしないタイプであり、敵を倒すことへの迷いなどは一切見せず悪は悪としてちゃんと倒すという描写が強調されている。
そもそもみらいたちは「プリキュアとしての使命」よりも「自分たちの日常」に重点を置いており、襲撃してくる敵は「邪魔者」以外の何者でもないため、敵に対して興味を持つことはほとんど無い。
実際、みらいはデウスマストの眷属のラブーと初めて対面した際に「あなたが何者だろうと関係ない!」 「みんな(リコとことは)で一緒に楽しもうって決めたから」と強い意志表示を示し、自分達に害を及ぼそうとするラブーをきっぱりと突き放している。
長瀬まゆみが失恋して落ち込んでいる時にシャーキンスが現れた際はみらい、リコ、ことはは全員で無視を決め込んでおり、敵に対しては2の次3の次の扱いをしている。
このように、プリキュア達自身が敵に基本同情せず敵と慣れ合わない姿勢は、現在のプリキュアシリーズでは珍しい方に入るが、初期の作品群(鷲尾天がプロデューサーをしていた頃)ではよく見られていたものでもある。
例
- 大切な日常を何度も邪魔してくるドツクゾーンの戦士・サーキュラスを「もういい加減にしてよねッ!」と激怒したキュアブラックこと美墨なぎさ
- 命を捨てる覚悟で襲撃してきたダークフォールの戦士・カレハーンを「あんたの事情なんか知らない!」と突き放したキュアブルームこと日向咲
- 弱者の夢を煽り傷つけようとしたナイトメアの一員・ギリンマを「最低」 「あんたは悪い人よ!」と言い切ったキュアドリームこと夢原のぞみ
- 自分の価値観を強要してくるエターナルの一員・スコルプを相手にせず華麗に倒したミルキィローズこと美々野くるみ(ミルク)
また、”はるか昔では阻止できる者のいない強力無比な存在だった”というプライドから根本的に彼らの戦い方は”自分達に敵う者などいない”と過信しての力でのゴリ押しが多く、シリーズ他作品の敵幹部が用いるような”姦計を張り巡らしプリキュア達の精神を追い詰めたり同士討ちによる共倒れを狙う搦め手を使う幹部は皆無と言っていい。
それだけなら力の化身と取れなくもないが、今作の迎撃側は歴代最強クラスの装備や環境の持ち主であり、一度も変身が解けてしまうほどのダメージを負ってしまったことが無いうえに「レインボーキャリッジ」という歴代屈指の浄化アイテムが始動してからはプリキュア側が苦戦する描写がどんどん少なくなっていった。
それに対しての混沌の眷属の見解は”虫けらに負けたのは悔しいが所詮はデウスマストが蘇るまでの悪あがきに過ぎない”というものであり、彼我のパワーバランスに対する認識が著しく甘すぎる傾向があった。
そうやって己を過信し戦ってきた結果、待望のデウスマスト復活の時にはプリキュア側の迎撃準備は完全に完成しており、最終決戦では通常形態を駆使して戦うミラクルやマジカル&決戦用の装いで巨大化したフェリーチェに翻弄された挙句8分(Aパートすら終了していない)で完全に浄化されるという不名誉極まりない記録を打ち立ててしまった。スケールの大きさはともかくそれを活かす思考力が致命的に足りない上によりにもよって今作は迎撃する側の女王ポジが歴代でも類を見ないほど用意周到で有能だったため、殆ど強敵感を出すことが出来なかった。
因みに、本作での悪の勢力を前半(闇の魔法つかい)と後半(終わりなき混沌)とでガラッと変えるという設定は、本作のシリーズディレクターである三塚雅人氏がまだその役職に就いていない時期に鷲尾天プロデューサーが三塚氏に提出した企画書の中に既にあった要素である(『フェブリ』の三塚雅人氏へのインタビューにて)。
勢力名について
「終わりなき混沌」というのは本来はデウスマスト個人に対する称号であり、実際の本編上で組織の名前として呼ばれているわけではない。
そもそも、アニメ本編上でデウスマストの勢力を何らかの名称でまとめて呼ぶことが全くない。プリキュアや校長は「あの人達」「あの者達」としか言わず、デウスマストの眷属たちも自分と同胞をまとめて呼ぶ時は「俺達」「我等」としか言わない。
ABC朝日放送側の公式サイトのキャラクター紹介ページではデウスマストの眷属達は「デウスマストの眷属」というそのまんまの名前のカテゴリにまとめられており、組織名自体が存在しないという扱いになっている。
「謎の敵」と言う表現もされており、元をただせば本作の敵全体はプリキュア達が事前情報が無いので間違った表現でもない。
東映アニメーション側の公式サイトでは10月12日になってからようやく「終わりなき混沌デウスマスト」としてチクルンを含めたラブー達が紹介されている。
Pixivのタグとしてはデウスマストの勢力をまとめて表すのに「終わりなき混沌」がよく使われているので、それでピクシブ百科事典ではそれを便宜上の組織名として記事化している。
余談
勢力としては、エターナル以来の構成員が全滅した勢力である。
(理由はブンビーが本来の構成員では無く、ナイトメアの残党であるから。なお、ドツクゾーンは九条ひかると執事ザケンナーが生存しているため該当しない。)
ただし劇場版に登場した眷属であるダークマターは最終的に生存している。これはマイナーランドや幻影帝国(黒幕含めTVシリーズの幹部は全員生存、劇場版の敵は斃される)とは逆の傾向となった。
また、キャラクタショーにおいては彼らが登場するタイミングで開始した後期においても登場しない。(ただし、ラブーは声だけ出演あり)
関連タグ
悪い妖精…次回作に登場する構成員が多数の敵キャラ。1話おきに戦う敵が交代していたのでこのやり方を採用していれば眷属達全員出られた・・・かもしれない。因みにこちらは最終的に悪意のない妖精に戻っている。
クック…次回作のプリキュア映画の敵キャラ。魔法つかいプリキュアの客演のみならず彼女の正体もドクロクシーと同じ死霊だった事やプリアラのメインの敵であるキラキラルをうばう存在とは悪事の内容も異なり、パリの街に混沌をもたらした事から明言されてはいないもののこちら寄りの敵とも言える。
プリキュアシリーズ以外の類似作品
ジンドグマ…同上にして第1部のラスボスの方が第2部のラスボスより強く感じた点が共通→キュアライダー
プリキュア歴代敵組織
ディスダーク ← 闇の魔法つかい/終わりなき混沌 → キラキラルをうばう存在