トップ画像は陰謀論の対象とされることが多いアポロ計画。
トップ画像は陰謀論の対象とされることが多いアポロ計画。
概要
概要
陰謀とは、他人に知られないように練る計画や戦略であり、陰謀論とは、「何らかの事象に対し事実は特定の存在(たいていは有力な団体や個人)により隠蔽、あるいはプロパガンダされており、真実は別に存在する」という考え方。
陰謀を「謀略」と呼ぶことがあるように、陰謀論を「謀略論」と呼ぶこともある。
陰謀論と真実
なお、「陰謀論」として扱われていたことがその後の調査等により、まさかの真実であったり、あたらずとも遠からずという……場合もまれにある( 「明らかになった主な陰謀」を参照 )ものの、実際にはそのような「不都合な真実」は一般的にはそう容易には見つからないものであり、陰謀論が依拠する仮説が部分的には正しい面があるとしても、不確かな憶測に憶測を重ねることで現実離れしたものになってしまう。
陰謀論の濫用
陰謀によって情報が隠されていると説明する事で、根拠の弱い意見を補強することができる。情報が少ない場合にこそ"ツジツマ"はあってしまうため、人は陰謀の存在を信じてしまう。
仮説と陰謀論の相違
仮説と陰謀論の相違
仮説とは | 陰謀論とは |
---|---|
情報に基づいている | 憶測に基づいている |
可能性を論じる | 結論を断じる |
批判に反論を試みる | 批判を無視、あるいは曲解する |
都合のよいゴシップを排除する | 都合のよいゴシップは組み込む |
都合の悪い検証結果を精査する | 都合の悪い検証結果は陰謀と信じる |
事実を探求している | "事実"を定義しようとしている |
説の補強や更新が存在する | 補強や更新が存在せず、年月を経ても内容に変化がない(例外もあるが) |
陰謀論の分類
陰謀論の分類
事例
この項目で具体例を挙げて説明を行うと膨大なものとなり、このページでは収まりがつかなくなる可能性が高いため、以下にいくつかのパターンを記す。また、この複合をなすことがある。
歴史系
「~という事件では~と説明されているが、実は~により~されたのが真実である」
事件系
「~という不可解な事件があるが、実際は~により隠蔽されているだけで真実は~である」
「~事件の犯人は~とされているが、実は冤罪であり、~がかかわっている」
※現実の裁判でも警察などが無理やり自白を引き出すなどの不正捜査による冤罪事件、国鉄三大ミステリー事件や帝銀事件など、無理やり誰かを犯人に仕立てたと思しき事件がいくつか存在し、そのことが事件系陰謀論をもっともらしくしてしまっている。
科学系
「~は既にに実用化の段階にあるが、利権団体等の圧力により発売できない」
「~は~が研究するふりをしているが、それは見せ掛けだけであり、実際には実現不可能である」
「~という現象が発生しており、国はそれを試験しているが、その事実は明らかにされていない」
「~は~の状態であるが、国はそれを故意に隠しており、~であるという誤った情報、あるいは限定された情報を述べている」
明らかになった主な陰謀
明らかになった主な陰謀
これらは一時期は陰謀論でありとるに足らないものである、と片づけられていたものの、のちに真実であることが明らか、あるいは通説となった事例である。
事件 | 事実 |
---|---|
柳条湖事件 | 当初日本は中国軍の仕業と発表したが関東軍の謀略だった |
日本人拉致問題 | 北朝鮮によるものであると北朝鮮自身が認めた |
戦後におけるCIAから自民党・民社党などの有力者への資金提供 | 2006年の外交史料集に明記されていた |
戦後におけるソ連から日本社会党などの有力者への資金提供 | ソ連崩壊後秘密文書の流出で明らかになった |
トンキン湾事件 | 実際には攻撃を受けても仕方のない任務に遂行しており、2日後の事件は完全なでっち上げだった |
タバコ産業から反喫煙運動批判への資金提供 | 大手タバコ会社、たとえばJTなどが行っていたことがWHOにより明らかにされた |
エシュロン | アメリカ合衆国を中心とする通信傍受ネットワーク、欧州議会の最終報告書に存在が断定的に記載 |
ロッジP2事件 | イタリアにおいて政府転覆をもくろんだフリーメーソンを隠れ蓑とした反共組織。破門された後も秘密結社として活動 |
また、実際はソ連の仕業でありながらナチスの仕業にされていたカティンの森事件のような例(発見・告発(というかプロパガンダ)したのはナチス・ドイツ)もある。
無論、これらの事例があるからと言って、あなたの信じている陰謀論が正しいとは限らない。