- 「機動戦士ガンダム00」で、主人公ら(=「ガンダム」)が所属する私設武装組織。
- 同作に登場する、小惑星をベースとした巨大宇宙船(外宇宙航行船)。
- 同作・劇場版冒頭で登場する劇中劇タイトル。
地球で生まれ育ったすべての人類に報告させていただきます。
私たちはソレスタルビーイング。機動兵器ガンダムを所有する私設武装組織です。
私たちソレスタルビーイングの活動は、この世界から戦争行為を根絶することにあります。
私たちは自らの利益のために行動はしません。戦争根絶という大きな目的のために私たちは立ち上がったのです。
只今を持ってすべての人類に向けて宣言します。領土、宗教、エネルギー、どのような理由があろうとも私たちはすべての戦争行為に対して武力による介入を開始します。戦争を幇助する国、組織、企業なども我々の武力介入の対象になります。
私たちはソレスタルビーイング。この世から戦争を根絶するために創設された武装組織です。
(イオリア・シュヘンベルグの演説)
概要
英語表記は「Celestial Being」そのため「CB」という略称で呼ばれることが多い。
直訳すると「天上人」「天上の存在」。創設者はイオリア・シュヘンベルグ。
イオリアの演説にもあるように、機動兵器ガンダムを所有する私設武装組織であり、紛争行為をするもの、引き起こす又は拡大する原因を作るもの、幇助するものすべてに対して武力をもって介入する存在。
そのため、各国首脳部からは「はた迷惑なテロリスト」扱いで、一般人からの評価も賛否両論。グラハム曰く、「存在自体が矛盾している」。
メンバーは主にヴェーダが見出した人材をエージェントらがスカウトする形で加入させている。目的と組織の機密保持の為、天涯孤独あるいはそれに近い身の上の人間が選ばれる事が多い。戦争で家族や友人を失った者も多く、紛争根絶の願いを強く持っている。なお、メンバーとなった者はその時点でヴェーダによって世界全土にあるすべてのデータベースからパーソナルデータが抹消され、「公的には存在しない人間」として扱われる。
1期では世界からの反発を受けながらも統一へと導いたが、リボンズ・アルマークの介入によりイオリアの計画が加速された為に歪みを内包したまま統一され、アレハンドロ・コーナーによる監視者の抹殺や国連軍との交戦での実働部隊の壊滅によって一度組織は崩壊した。
2期はその歪みを正すために行動を開始する。
2期最終回以降は、依然敵に回せば危険な存在であると言う認識はあるようだが、アロウズの悪行が露呈した事で、活躍が映画化されるなど世間的な評価はだいぶ見直されているようである。
ただし、そのアロウズを操っていたリボンズも元はソレスタルビーイングのガンダムマイスターであった上に、ヴェーダを掌握されてしまうという大失態を犯してしまい、そしてソレスタルビーイングとアロウズの戦いも、ソレスタルビーイングの関係者同士による世界中の人間達を巻き込んだ内輪揉めという事実の一面がある事を踏まえると、決して褒められた物では無いとも言えるが。
余談
ソレスタルビーイングそのものは作中時間軸から200年も以前に結成された秘密結社にルーツを持つ。この結社にはイオリア・シュヘンベルグのような科学者から当時の大企業や国連の重役、政財界の大物が参画し、人類が破滅しないよう世界を監視したりコントロールする活動を行っていたらしい。
そんな壮大なバックボーンがあるため、「00」世界のあらゆる通信端末にはヴェーダがアクセスできるバックドアが仕込まれており、こと電子機器においては世界のあらゆる情報を掌握可能としている。また、脳量子波を介してヴェーダと繋がるイノベイドが自覚・無自覚を問わず各地に潜伏しているため、通信インフラが整っていない地域であってもその監視の目を逃れる事はない。
武力介入以前から水面下で活動を続けたソレスタルビーイングは化石燃料の枯渇が目前に迫った時代において、持ち前の工作力で核エネルギーの封印に成功し、代替としてイオリアの発明した太陽光発電と軌道エレベーター技術を普及。その折に国連を介して石油輸出を停止させたことや、軌道エレベーターを建設できる赤道付近の地政学を変化させ太陽光紛争を引き起こす。これによって世界の枠組みが大幅に変わり、大まかに三つの経済ブロックに分けられる集権化が進んだ。その後、三大国に対する武力介入(といっても、それらの実働チーム自体がソレスタルビーイングの末端もいいところだが)を行い世界を地球連邦発足に誘導するのはアニメ作中で描かれたとおりである。
既に「人間の善性」に見切りを付けていたイオリアの計画上では、「個別の国家や組織では対処出来ない敵」を創る事で「否応無しに全世界が協力しなければならない」状況を生み出す為だけの組織であり、「世界が一つにまとまった」成果として討たれる存在であった。ただし建前だけの「紛争根絶」という理念に殉じようとする存在にも希望を残しており、人類の可能性に一筋の期待を抱いていた節もある。
尚、同組織(及び関連組織)の構成員のコードネームには、以下に別けられている節が見られる。
- 対象人物の本名に一切の関係がない単語の列挙(刹那やロックオン等)
- 個人名だけは本名(アレルヤやシャル等)
- 姓だけ本名(モレノが該当)
- 本名をもじっている(レオ・ジークやデル・エルダが該当)
- 本名をそのまま(ヴァスティ家等が該当)
本作における「ガンダム」の定義はGN粒子を用いた機動兵器とされているらしく、ジンクス等の疑似GNドライヴ搭載のガンダムらしさの無い機体も「ガンダム」扱いされている。
そもそも「ガンダム」という名称自体はイオリアが活動していた200年前の時点で確立されており、イオリアによる行動開始声明の中では「機動兵機ガンダム」と称され、当初から人型機動兵器MSとしての名称を想定していたのかは不明。
外宇宙航行艦
2期における最終決戦の舞台となった、ヴェーダの本体がある全長15kmのコロニー型外宇宙航行艦にもこの名がつけられている。なおそのシルエットは組織のエンブレムにも似ており、1回の発射で疑似GNドライヴを60個食いつぶす大出力の主砲を装備している。
アロウズ壊滅後はヴェーダごと連邦正規軍に接収され、劇場版最終局面では地球防衛の要となった。
なお、ヴェーダを含めその全容を連邦が把握しているというわけではないらしい。
劇中劇のタイトル
劇場版では劇中劇映画の題名にもなっている。ちなみに映画の内容は沙慈曰く、TVシリーズの内容を大幅に美化したものとなっており、スーパーロボットアニメの様なノリで話が進む(でも大筋はだいたいあってる)。
また、搭乗してた機体のイメージからなのか、ティエリアが濃ゆいオヤジになってたり、アレルヤが何故か美少女になっている。こんなところでもハブラレルヤ…(というか女性が乗っていたのはGNアーチャーである)。
なお、「ガンダムトライエイジ」のマイスターキャンペーンにおけるカードでの証言(フレーバーテキスト)ではパトリック・コーラサワーが会ったことのないマイスターたちの容姿を想像で語っており、この証言と容姿が一致するためコーラサワーの発言を元にした可能性が示唆されている。
劇中設定では実写映画となっており、監督はソーセージ・ミズシマ、主演はマモー・ミヤノとなっている。MSに関しては、動きに人間的な感情表現を演出する目的で実機やCGではなくスーツアクターによる撮影が採用された。
なお、ヴェーダの記録(という設定のtwitterアカウント)によれば、3時間48分もの長編(間に10分の休憩)らしい。
沙慈は「監督も脚本家も廃業してしまえばいい」と酷評していた。なお自分が出ていないことについては「良かった……」と思っているらしい(一方で「残念がった」とする媒体もある)。
来場者には(実際の劇場版ダブルオーと同じく)キャラクターカードやサイリウム(名前は「光るソレスタライト」)が配布されていたが、(これまた実際の映画と同じく)数の不足で沙慈はもらえなかった。
なおプトレマイオスクルー中でもスメラギ・李・ノリエガとミレイナ・ヴァスティは見に行ったらしい。何気に人気である。
DVD・BDの特典映像として、なんと本作の劇場予告が収録されている。
主題歌は劇場版の特報に使われたUVERworldの「CHANGE」。
同時上映は「CBきゃらtheムービー」。ガンダム00のDVDに特典映像として収録されているミニアニメである。
プレゼント付前売り券の価格はそれぞれ、1300円(一般)、800円(小人)、2500円(一般ペア)となっている。
余談だが、ティエリア役の巨漢・オルソンはガンダムビルドファイターズに(ヘルメット下の設定が描かれていない為かランニングシャツにいつものヘルメットという姿で)カメオ出演している。その時の乗機は役柄繋がりでガンダムヴァーチェ。
更に前日譚であるガンダムビルドファイターズAにもゲスト出演、ザクアメイジングの初陣の相手を務め、ここで初めてヘルメットを脱いだ素顔が描かれた。
スーパーロボット大戦では、劇場版OOが参戦した場合、映画と実際のソレスタルビーイングとの違いをネタにされる事が多い。
人員構成
ガンダムマイスター
グラハム・エーカー(劇場版後に加入)
レティシア・アーデ(劇場版後に加入)
プトレマイオスクルー
チームトリニティ
エージェント
創設者、監視者
メカニック
第1世代ガンダム
第2世代ガンダム
第3世代ガンダム
第4世代ガンダム
※ダブルオー以外は実質、第3.5世代の機体に分類される。
第5世代ガンダム
※ラファエルは、ティエリアがイノベイター勢力のGNZシリーズを母体に開発した機体。
その他
ガンダムデュナメスリペアⅢ