《辜郁サ頑姶髫》
「イクツニ見エル?イクツニ見エル?」
データ
身長/190cm
体重/228kg
スキン/蒸気機関車
概要
シロクマ宅配便のパート従業員・磯野さなえの「もっと若く見られたい」と言う欲望を叶える為に誕生した、烈車モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が、スキン“蒸気機関車”を身に纏った姿で、頭部は煙突とライト部分が変化した一つ目の兜を被った物に変化。また両肩のパットが蒸気機関車の動輪部になっていて、さながらベニツ鬼が機関車を後ろから外側へと拉げて鎧にしたかの様にも見える。
変貌する際に「辜郁サ頑姶髫」(烈車戦隊)の文字化けと、烈車戦隊トッキュウジャーのクレスト「TQG」が浮かび上がる。
他者の若さを奪って特急のスピードで宿主をどんどん若返らせる能力を持ち、更に宿主の欲望が高まって暴走すると「イクツニ見エル?」と口裂け女のように呟きながら身体よりレールを出して人々を胸部にある煙室へ取り込み、直接若さを搾取する。
戦闘でも身体からのレールで相手の身動きを封じる技や煙室からの火炎ビームを使えるも、宿主の意識が欲望と感情の暴走とで混乱しているからか適切な行動は取れない様子。
活躍
若さを求めるさなえの感情に引き寄せられ、トイレの手洗い場で嘆いていた彼女に憑依。誰も知らぬ間にアンチエイジングを行って、宿主を40代の頃まで若返らせる。
日を跨いで若返ったさなえは普段の様に職場へ弁当を差し入れし、同僚達を驚かせるも嘘を付けない桃井タロウが実年齢をまた言ったのにショックを受け、「もっと若くならなければ、もっと…」との執着心から欲望が更に募り、烈車鬼を活性化させる。
その後、羅生ノ宮にあるショップモール内で赤いドレスに職場の上着を着た姿で現れたさなえは、「ああっ、もっと若く…、もっと若くっ…!」と呟きながら彷徨うも、そこで鬼頭はるかと出会い頭にぶつかる。しかし彼女から「おばさん」と呼ばれたのが刺激になって更に若返り、20代の姿へ変貌。
「“おばさん”……!?ああっ、うああーーっ!!もっと若ク、若クゥゥゥーー!!!」
はるか(ええーっ!? この人、変だ…!?)
異変に気付いたはるかがサングラスを掛けた事で烈車鬼の存在を視認するも、丁度そこに配達業務中のタロウが居たのでさなえは三度同じ質問をタロウへするも、彼から返された答えはまた同じだった。
そしてタロウがワゴン車で立ち去った瞬間、遂にさなえの欲望と執着心は爆発。身体中から伸ばしたレールで周りの女性達から若さ(生命エネルギー)を吸収しながらヒトツ鬼化。人を超えたアンチエイジングの鬼となり、レールで身動きを封じた女性達を体内に吸収し始める。
その行為をはるか/オニシスターが止める中、脳人が出現。シスター諸共自らをレールで縛っていたところで、ソノイに斬られそうになるのをシスターに庇われたが、ふらりと現れたソノザにシスターが釘付けにされた事で改めてソノイの攻撃を受け始める。
しかし駆け付けたキジブラザーとイヌブラザーがシスターに加勢、ソノザの呼び出したアノーニ達との乱戦になる中、タロウがドンモモタロウにチェンジして参上。ソノイとソノザをあしらいつつザングラソードで斬り掛かって来たのを鬼険棒を取り出して応戦するも、難無く押される。
すると、ドンモモはアルターチェンジを使用して脳人らを翻弄、この場から追い払う。これで相手が実質一組になった事で勢い付いて、一転して4人に襲い掛かるも、アルターを解除して元の身体に戻ったドンモモがシスターに負ぶさる体勢から両足を伸ばして烈車鬼の首根っこを押さえ込み、そのまま投げられて転ばされる。
そして最期は、ドンモモ中心で繰り出された合体技「桃代無敵・アバター乱舞」を胸部からのビームで向かえ撃つも、ドンブラスターを構えた3人のお供たちの射撃で相殺され、相手の高速斬撃は、逆に自身があっと言う間に滅多切りへされて敗北・爆散した。
しかし、さなえの欲望が更に暴走し脳人レイヤーへ積み重なった事で、烈車鬼ングへと変貌してしまう。
磯野さなえ
演:松浦佐知子→若返り時:結城さなえ(40代)、黒木百花(20代)
桃井タロウの職場での同僚である女性パート従業員。毎日職場の同僚に手作り弁当(ただし栄養重視の為見た目が茶色主体)を差し入れる気前の良い68歳だが、本人は若く見られたいと思っている為、最近歳を取って来た事を気にしていて、ふとした事で嘘の付けないタロウに自分の歳を聞き、彼よりお世辞無しのストレートな返事を受けたのを切っ掛けに前述の欲望が湧き出した結果、ヒトツ鬼を引き寄せその宿主へなってしまった。
なお若い頃は、赤いドレスを好んで着ていたとの事。
事件後は弁当の見た目を色とりどりの物に変えており、タロウの質問の返答も「68歳だけど生き生きとしている。幸せな68に見える」に変化した。
ちなみに、ドン19話に登場する田所新造と同年齢だったりする。
余談
モデルとして使われた戦隊は烈車戦隊トッキュウジャー。全体的なモチーフは主にトッキュウ1号がメインと思われ、これに機関車と一体化した様な外見からハイパートッキュウジャーをモチーフにしていると思われ、一方で機関車部分が現実の物と同じく黒い色なのは、トッキュウジャー終盤で登場した闇のトッキュウ1号も意識した為と考える事が出来る。
また、暗めのシックな体色の無機物を模した容姿で、ライト部分から目が覗いている造形から、シャドーライン及びシャドー怪人の要素も垣間見せている。そのシャドー怪人のデザインもヒトツ鬼と同じ篠原保氏が担当している。
女性の戦隊怪人が登場するのは『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のアラクネーマイナソー以来3年ぶり、言葉を発するタイプは『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のナイーヨ・カパジャー以来4年ぶりとなる。物語序盤で女性怪人が登場するパターンは何名か存在しているが、所謂パイロット枠で登場した女性怪人はこの烈車鬼が初である。
また、トッキュウジャーの初期メンバーの正体(ネタバレ注意)に照らし合わせると若さを求め、且つヒトツ鬼の力で若返るというのはかなり皮肉を効かせた関係と言える。
因みにドンブラザーズが放送された2022年の地点でトッキュウジャー本編から8年経っている。そしてもしドンブラザーズの時系列が2022年だとすると、ドンブラザーズのあるメンバーはトッキュウジャー初期メンバーと同年代という事になる。
関連タグ
大教授ビアス:自分が永遠の若さを我が物にする為に優秀な頭脳を持った若者を収集し、「千点頭脳」に育成した後、脳を抜き取って手に掛けた悪の組織の首領。終盤でドクター・ケンプの脳を手に入れ、12個揃えた「千点頭脳」の力で幼少期にまで若返り過ぎ、ブルードルフィンの「もう一度別の人生をやり直したかったのではないか」と説得する内容の言葉を聞いたケンプや他の千点頭脳の反逆によって力を失って本来の姿である醜い老人の姿と化した。
有明の方:自分のアンチエイジング目的で人々を苦しめようと企んだ女の幹部怪人。
ハチモズー、ドーララドゥーン、モルグモルグ、ウェディングドレスオルグ、ザクロバキューム:若さを奪う能力を持つ先輩方。
サルモズー、PPチープリ、幼化サイマ獣ザイレン、バックトゥ忍者オクト入道、臨獣クレーン拳ルーツ、クロックシャドー、エンビィ・チルダ:特定の者を若返らせた先輩方。
機関車仮面、スチームパンクス、蒸気機関オルグ、SL邪面:歴代蒸気機関車モチーフの怪人。
暴走連結生命体バルギゲニア、デンシャロイド、デンシャロイド2、メガゾードロイド、紅蓮神官サラマズ(究極体)、妖怪ワニュウドウ:歴代鉄道系モチーフの怪人。
フローデワルサ:本家外の戦隊の映画に登場するキャラクター。同様に若さを奪って永遠の美しさを求めていた。同年に2作目が公開された。
アナザー電王:『仮面ライダージオウ』において同じ様に列車を使うヒーローを怪人化した存在。ちなみに元の方はメイン脚本家も『トッキュウジャー』と同じ御仁。また、後に現れた別個体の行動目的も過去へ戻り死んだ姉を護ると「過去へ戻る=時間」の概念も共通している。
アナザーブレイド アナザーキバ:同作登場で造形が男性型でありながら女性が変身する怪人繋がり。
アナザー鎧武:デザイン基となった戦隊と同期作品のヒーローを歪めたデザインとしたライダー怪人。
マンモスゲノム:同時期の列車の形態。
魘夢:列車になった鬼つながり。但し、「巨大化して烈車と化した」彼女に対し魘夢は「列車と一体化する」違いがある。また、この作品の一部の要素の元ネタが元ネタだけにあのストーリーを連想させる。
老いらん:老婆が生命力を吸い取ったことで若さと美しさを手に入れた姿。
マンモスゲノム:同時期の列車の形態
サザエさん:似た名前(正確には「磯野」は旧姓になるが)の主人公がいつまで経っても若いままである作品。また、巻数がサナエの年齢と同じく68である。
クソ喰い爺:若さを求めた老人が鬼と化した姿。
ブロロローム:頭部の形状がそっくり。