概要
空母に酷似している巨大な艦船。後甲板に相当する部分には学校を中心とした都市が広がる。
艦船といっても一般の船とは大きく異なり、内部はフロート構造となっている。まず複数の小型艦を建造し、それらをブロックのように組み合わせて艦船を形成、その上に甲板やブリッジを載せて完成する。もっともこの世界には、マクロスのような超巨大な艦を一から建造する技術はないらしい(オーバーテクノロジーもないのに無茶言うな)。
学園艦には学校のほかに大小の住宅(生徒・先生用の寮)やコンビニ等の商業施設があり、それ以外にも山や川など自然の環境も存在する。工場や農園なども艦内に存在し、そこで加工・生産などを行うことも可能。ただしそこで生産できないものは寄港するか連絡船を利用して物資を調達する。配達物はヘリコプターもしくはパラシュートを用いて配達される。
それぞれの学園艦には専用の港があり、長期休暇や物資補充の際に寄港する。陸に下りる際には車両用のエレベーターを使用。
上記の通りフロート構造のため、内部からのエリア移動は出来ず、エリア間を移動するには甲板の上を通るしかない。その独立したエリア内部にも住居エリア(小型ブロック艦施設の名残か)が存在し、そこを寝床にする生徒も存在する。中には独自の施設を所有するエリアもある。
基本的に学園艦は学園の生徒によって管理・運行される(整備など重要なセッションを除く)。大型艦ではあるがあくまで学校であるため、運用は生徒の手で行うのが伝統なのだろう。
小学校は陸の上にある。それは、小学生では船は操れず早くから親元を離れるのは良くないためである。中高校も学校によっては陸に残っているものもある(学園艦の運用には多額の資金が必要なため、資金不足で艦を建造できない学校も少なくない)。OVA「愛里寿・ウォー」では、大学も陸にあることが判明し、学園艦に慣れていない島田愛里寿は船酔いを起こしていた。
最小のものでも全長5kmもある巨大な船であるため、莫大な維持費が必要で、オーバーホールできないまま老朽化している学園艦も少なくない。そのため、文科省は学校統合という理由で生徒数の少ない学園艦数隻を廃校(解体)する計画を立てていた。
歴史
昔はどの学校も陸の上にあったのだが、来るべき国際化社会ために広い視野を持ち大きく世界に羽ばたく人材の育成と、生徒の自主独立心を養い高度な学生自治を行うために、これからの教育は海上で行うべしと唱えた人物がいた。
その人が私費で最初の学園艦を造船する。教育の効果は良好で様々な災害に強いという結果が出たことにより、次々と学園艦が造られた。
他にも産業育成の名目もあり、重厚長大産業(鉄鋼や造船のこと)が国の主力だった時代があり、世界不況でこれらの産業が落ち込んでいたため、それらを救うためにも教育と連携した。
海外では大航海時代から続く学園艦が存在し、400年の伝統がある学園艦もあるためその歴史は長い。
登場する学園艦
県立大洗女子学園
- 西住みほが現在在籍している学園艦。形状は瑞鶴。茨城県大洗町。20年ぶりに戦車道が復活する。人員を集めるために戦車道履修者には特典として「食堂の食券100枚」「通常授業の3倍の単位」「高級学生寮への入寮」「遅刻見逃し200日」「74アイスクリーム食べ放題券20回分」という待遇が与えられる。文科省によって、運用コストがかかる学園艦の統廃合政策が推し進められることになり、近年生徒数も減少し、これといった活動実績もなかった当校は、真っ先に廃校となる危機に瀕し、廃校を免れるために艦内各所に眠っていたドイツや日本などの戦車5輌(後に4輌追加)とともに第63回戦車道全国高校生大会で優勝を目指す。イメージは日本。
聖グロリアーナ女学院
- ダージリン、オレンジペコ、アッサムが在籍している学園艦。神奈川県。形状はアーク・ロイヤル。大洗女子学園に比べて全長が約2倍、体積は約8倍ある。かつて戦車道全国高校生大会で準優勝したこともある強豪校。イメージはイギリス。名前の由来はイングランドの女王・エリザベス1世の通称である「グロリアーナ」(「栄光ある女人」)。
サンダース大学付属高校
- ケイ、ナオミ、アリサが在籍している学園艦。形状はニミッツ級空母。長崎県。戦車の保有台数は全国一位で、チームは1軍から3軍まで存在する。その有り余る資金力でC-5M輸送機まで保有したり、カール自走臼砲を戦車道で使おうとしたが大会側に却下された。イメージはアメリカ。
アンツィオ高校
プラウダ高校
- カチューシャ、ノンナが在籍している学園艦。形状はキエフ級空母。青森県。保有戦車も全てソビエト製。第62回戦車道全国高校生大会優勝校。校章は鎌と槌(☭)をモチーフにしたT字定規や指矩(さしがね)と鋏。イメージはソ連。名前の由来は「真実」という意味の旧ソ連共産党機関紙(一般新聞として現存)「プラウダ」から。
黒森峰女学園
- 西住まほ、逸見エリカが在籍している学園艦。形状はグラーフ・ツェッペリン。熊本県。過去に西住みほも在籍していた。校章のモチーフはドイツの鉄十字に「黒森峰」の文字。戦車道では、全国最強をほこる名門。超重戦車マウスやエレファントなどの強力なドイツ戦車を保有している。第61回戦車道全国高校生大会まで9連覇を成し遂げた。その後も2年続けて決勝には進出している。イメージはドイツ。
知波単学園
- 西絹代が在籍している学園艦。形状は赤城と思われる。千葉県。元々は千葉県立短期大学付属高校(千葉短高)という校名だったが、後に知波単学園に改名した。とにかく大和魂で突撃するのが売りでチハを主力に置いてる模様。第63回戦車道全国高校生大会において、黒森峰女学園の一回戦の対戦相手となり、試合は完膚なきまで叩きのめされる。だって、チハだもん・・。イメージは日本。
継続高校
- ミカ、アキ、ミッコが在籍している学園艦。初代学園艦の形状は砕氷船白山丸。石川県。戦車庫に屋根がないほど貧しいためフィンランド戦車以外にもソ連やドイツなとの戦車を運用しているがプラウダ高校にも匹敵する強豪校。史実のフィンランドとソ連の関係と同じく、プラウダ高校とは犬猿の仲である。第63回戦車道全国高校生大会では、黒森峰女学園の二回戦の対戦相手であった。イメージはフィンランド。名前の由来はソ連が枢軸国のフィンランドに侵攻した「継続戦争」から。
BC自由学園
- マリー、押田、安藤が在籍している学園艦。形状はベアルン。岡山県。中高一貫のお嬢様学校だが、中等部から進級した「エスカレーター組」と高等部から入学した「受験組」に分かれており、お互い仲が悪い。第63回戦車道全国高校生大会では、聖グロリアーナ女学院の一回戦の対戦相手であった。イメージはフランス。元々はBC高校と自由学園という別々の高校であったが、文科省に半強制的に合併させられた。名前の由来はナチスドイツの傀儡政権である「ヴィシー政権」と亡命政府である「自由フランス」から。
その他学園艦
- 青師団高校(和歌山県。イメージはスペイン)
- ヴァイキング水産高校(岩手県。イメージはノルウェー)
- コアラの森学園※1.(鳥取県。イメージはオーストラリア)
- ボンプル高校(福井県、かつては神奈川県の陸地の学校だった。イメージはポーランド)
- マジノ女学院※2.(山梨県。イメージはフランス)
- ヨーグルト学園(群馬県。イメージはブルガリア)
- ワッフル学院(兵庫県。イメージはベルギー)
- ベルウォール学園※5.(広島県。イメージはドイツ)
- 西呉王子グローナ学園※5.(広島県、ベルウォール学園と同じ地区にある)
- ギルバート高校※5.(九州のどこか。イメージはアメリカ)
- 楯無高校※5.(山梨県)
- 竪琴高校※5.(鹿児島県。イメージはミャンマー)
- ケバブハイスクール※5.(愛媛県。イメージはトルコ)
- メイプル学園※5.※6.(北海道の苫小牧。イメージはカナダ)
※1.学園艦はインヴィンシブル級空母。
※2.学園艦の形状は潜水艦スルクフ。
※3.全国大会には参加していないが、戦車道連盟加盟校。
※4.戦車道連盟非加盟校。ただし劇場版にて、加盟への動きを匂わせている。
※5.『リトルアーミー』と『リボンの武者』に登場する戦車道を有する高校。
※6.戦車道連盟加盟校の中にある「メイプル高校」と同じ学園艦なのか別なのかは不明確。
この他ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)をモデルにした学園艦の存在も確認されている。
関連タグ
ハンドレッド - 「海上学園都市艦リトルガーデンも、自走式の巨大空母の上に学園や、関係者の居住スペースがあるなど、本作の学園艦と類似する点がみられる。