注意事項
この記事自体が艦隊これくしょんのレキシントン対して問題を提起する為に作成されたものであり、非常に批判的な内容になっています。
艦これをを純粋に楽しみたい方や、この一連の問題は知っていても特に問題視していない・一連の問題や本記事にそこまで共感出来ないという方はブラウザバックを推奨します。
当記事を閲覧する方々、当記事で初めてこの事件を知る方々は、上記の事を踏まえた上で、閲覧して頂けると幸いです。
2024年8月14日現在、現在進行形で炎上中であり、本記事のコメント欄は炎上する可能性が高いことからコメント欄の使用はお控えください。
編集者に対する注意点
当事件は、様々な意見が飛び交っているため、必ずしも中立性を保っているわけではありません。
編集される方は中立性を持った編集を心がけてください。
概要
艦これレキシントン炎上事件とは、艦隊これくしょん(以降、艦これ)の2024年夏イベント後段である「新MO作戦」で新規実装されたレキシントンの立ち絵が艦これ作風とあまりにも剥離していたため、拒絶反応を起こす提督が多く発生し、一部の過激派が絵師に凸して殺害予告までするリアル事件にまで発展した。
炎上の流れ
艦これの絵師事情
今回の炎上騒動の前に基本情報として艦これの絵師状況について解説する。
艦これは2013年からサービス開始し、この時点で複数のイラストレーターが参加しているが、当初は方向性が安定していなかった影響か艤装デザインはバラバラで、参戦した絵師の中には商業デビューしたばかりの新人も少なくない状況だった。
しかし、年々方向性の安定と絵師の技術向上もあって、艦これのイラストの形が形成されていくことになる。
絵師の中には艦これ運営のお抱え絵師となった人や運営で一から育てたお抱え絵師も登場し、作画の方向性はますます盤石の物となった。
作画は安定し、差異はあれど作風に大きな違和感を与える絵師は近年はいなかった。
事の始まり
艦これのサービス開始から11年が経った2024年8月8日、渾作戦と珊瑚海海戦をモチーフにした後段イベント「新MO作戦」で新実装の艦娘が2隻実装されたが、その内の1隻であるレキシントン級航空母艦「レキシントン (CV-2)」の立ち絵を大御所絵師の麻宮騎亜氏が担当する事を同時発表された。
ここから炎上騒動が始まるのであった。
作風と慣例破り
さて、このツイートの後、レキシントンの画像が出回ることになったのだが、そのイラストを見た提督達は衝撃を受けることになる。
映し出されたレキシントンは、艦これの作風と全く異なる少女が描かれていたからだ。
だが、その問題以上にショックを与えたのは、既に8年前の2016年秋イベで既に実装されていた姉妹艦のサラトガと全く姿が似ても似つかない別物であったことだ。詳しくは後述するが、近年の艦これは艦娘の絵師を姉妹艦で統一させることが慣例である。
絵柄の違いと姉妹艦で全く異なる絵師を担当に充てたことによるダブルパンチを食らったことで、絵柄に拒否反応を見せるファンと姉妹艦で統一した絵が見たかったファンの怒りによる批判が殺到することになった。
暴走と対応
この騒動は多くの提督達に衝撃を与え、多くの意見が発信されることになるのだが、一部が過激化し、麻宮騎亜氏のTwitterに凸して誹謗中傷を行い、しまいには麻宮騎亜氏に対して殺害予告を行う事案まで発生し、危険に感じた麻宮騎亜氏はTwitterのアカウントを鍵垢にしている。
艦これ運営も8月11日にツイートで誹謗中傷の批判と弁護士と法的措置の実施を報告している。
下記は原文である。該当ツイートのリンクはこちら。
|
以上の報告を行った艦これ運営だが、その一方、艦これ運営のプレイヤーに対する配慮不足は否めず、炎上はさらに続いている。
過去にも絵師の絵柄の好みで議論が度々行われているが、大抵は新艦級なのと、ある程度作風が近いのですぐに受け入れられたり、怒る気力を失いすぐに鎮静化していたものの、今回の事例は、作風が大きく異なる点と姉妹艦を艦これ大御所の絵師が書くと思われていた枠を大御所の艦これ新参絵師が奪う形なので、いつも以上に荒れており、どちらに傾いても大きな禍根を残すのは間違いない状況である。
今回の艦これ運営の行っている行為は、今まで運営が自ら築き上げたデザインの方向性を自ら崩す結果となり、呼ばれた麻宮騎亜氏にもファンにも不誠実な対応をしているのは運営ではないかとする意見も多く出てきている。
また、今回の炎上で艦これWikiのレキシントンのページのコメント欄は否定的なファンが愚痴大会を開く会場となっており、後にレキシントンのコメント欄が封鎖されている。恐らくは単に炎上騒動の鎮静化を目的としたものと思われる。
炎上の争点
今事件の炎上問題は様々な論争が発生している。
姉妹艦で絵師が違う点
今回の炎上で最大の問題の一つは、姉妹艦で絵師が異なることだが、一部の人々からは一部の艦娘は絵師が異なるから姉妹艦で絵師が違うのもありなのではとの意見が出ている。
確かに同型艦で絵師が異なる艦娘は存在している。しかし、戦艦・空母の同型艦で絵師が異なる例は11年間ほとんど見受けられず、空母娘としては唯一祥鳳型があるが、そもそも後述する例に該当し、レキシントン級に関しても1つ該当するが近年の傾向も考慮すると異例と言わざるを得ない。
まずは、理由を3つ下記に記載する。
1.初期実装
初期の艦これは、吹雪型の叢雲、白露型の五月雨や涼風のように、同型艦とデザイン性に大きく違いが出た艦もあった。これはデザインの方向性が固まっていない初期に、多くの絵師に頼んだことが原因と思われる。実際、叢雲と五月雨は初期艦娘である。
今回の炎上の件では一番近い状況だが、このような状況はあくまで初期の話でしかない。近年で同型艦を別絵師に頼むケースはほとんど無く(近年だと巡潜乙型があった程度)、仮にその事例でも絵師が別絵師の同型艦に寄せたり(例としては青葉と衣笠)、逸脱しないデザイン(例としては睦月型・巡潜乙型)にしており、また方向性も安定しているため、今回のケースと比較するのはナンセンスである。
レキシントン級正規空母の場合、サラトガが2016年秋イベで実装と不安定だった初期を過ぎている上、担当絵師のしずまよしのり氏は現在も艦これに関わっており、絵師が変わる理由がまずない。「8年間の時間的隔絶がある」といっても、クイーン・エリザベス級戦艦のケースがある。2016年夏イベントでWarspiteが実装されてから次の姉妹艦Valiantが2024年夏イベ前段で着任するまで8年かかったが、同一絵師が担当した(奇しくも後段でレキシントンが実装された)。
また担当を変えざるを得ない理由があったとしても、デザインがサラトガとかけ離れる理由になっていないのである。
2.数が膨大
一部の艦は建造数が莫大に多く複数の絵師に担当してもらったケースがある。
その代表例が睦月型12隻、朝潮型10隻、陽炎型19隻で複数の絵師が担当している。
睦月型は服装やデザインで差異はあるものの、作風の差異はほとんどない。
陽炎型の場合は絵師が4人だが、第四駆逐隊と第十五駆逐隊(夏潮未実装)と第十八駆逐隊がコニシ、第十六駆逐隊がしずまよしのり、第十七駆逐隊がパセリ、秋雲が藤川だった。唯一の例外は16駆の初風(コニシ)だが、クリスマス限定衣装で天津風や時津風に寄せている。
朝潮型の場合は第八駆逐隊4隻と第十八駆逐隊2隻がコニシ、第九駆逐隊4隻が藤川であった。
因みにレキシントン級について詳しくみると、レキシントン級巡洋戦艦から空母に改造されたのがレキシントンとサラトガの2隻。未完成のまま巡洋戦艦として解体された姉妹艦が4隻。過去の艦これとしてもこれほどの数であれば時間がかかっても1人の絵師で出来なくはない数である。なにせ夕雲型19隻のうち、実装済み17隻は同一絵師なのだから。
3.姉妹艦ながら、異なる特徴がある
姉妹艦とは、大雑把に言えば同じ設計図から建造された艦船を指している。だが、姉妹艦だからと言って全てが同一というわけではない。以下の表で、艦これの姉妹艦で担当絵師が異なる事例を紹介する。
綾波型 | 綾波型だと第七駆逐隊に所属した4隻は煙突の高さが低いため綾波型の後期型と区分される事もある。 |
---|---|
初春型 | 初春型駆逐艦は6隻建造され、3人の絵師が描いている。ただし1番艦初春と2番艦子日、3番艦若葉と4番艦初霜では、竣工した時の姿が違う艦型かと錯覚するほど大幅に異なる。これは若葉と初霜が改善工事をした状態で誕生したから。5・6番艦はそもそも有明型とも呼ばれる初春型と白露型の中間点と言える設計であり、一時期は白露型の一部の艦(白露~春雨)も有明型に区分された時期もある。史実では第27駆逐隊(有明、夕暮、白露、時雨)のコンビで、艦これではイチソが担当した。 |
秋雲 | 陽炎型の秋雲の立ち絵が夕雲型に酷似し、絵師も藤川で共通する。これは近年まで秋雲が夕雲型の姉妹艦と思われていたが、近年の調査で陽炎型だと判明した元ネタを元にした結果である。史実では第十駆逐隊(秋雲、夕雲、巻雲、風雲)に所属しており、実質的に「夕雲型」として扱われていた。 |
祥鳳型 | 祥鳳は潜水母艦「剣埼」として竣工した後、航空母艦に改造されて「祥鳳」と改名した。瑞鳳は潜水母艦時代を経験せず、軽空母として竣工した経歴から来ていると考えられる。 |
長良型 | 長良型軽巡は建造計画で前期(長良、五十鈴、名取)と後期(由良、鬼怒、阿武隈)にわかれる。後者を由良型と呼称する事例があった。 |
高雄型 | 高雄型重巡4隻は竣工時こそ同じ艦型であったが、第四艦隊事件により高雄と愛宕は艦橋を若干小型化した。摩耶と鳥海は改造時期を逸し、巨大な艦橋のまま太平洋戦争に突入した。艦中央部の航空艤装も、高雄愛宕は格納庫を撤去して甲板を増設、鳥海摩耶は竣工時のまま大戦突入といった大きな違いがある。 |
最上型 | 最上型重巡は最上と三隈をしばふ、鈴谷と熊野をコニシが担当した。鈴谷と熊野は第四艦隊事件により先行2隻から改良が加えられ「鈴谷型」と呼称する場合がある。 |
以上のように、分ける理由が存在するパターンがある。
因みに、艦これでは姉妹艦ではないのに絵師を一緒にしたケースもあった。代表的なのが天城型巡洋戦艦を改造した赤城と加賀型戦艦を改造した加賀(一航戦つながり)、準同型艦の蒼龍と飛龍(二航戦つながり)、新田丸級貨客船を護衛空母に改造した大鷹(春日丸)とドイツ貨客船を護衛空母に改造した神鷹が大鷹型という区分なので同じ・・・などの事例を挙げることが出来る。
なおレキシントン級は史実で、レキシントンとサラトガはかなり似ていて混乱する場合が多かった、日本軍はサラトガとレキシントンの区別がつかず、珊瑚海海戦ではサラトガ撃沈と発表したというそっくりエピソードがあるが、逆に戦中改装で塗装と武装に差異があったという話もある。このケースに引っかかったとしても、近年は絵師を変えるケースは滅多にない(近年だと巡潜乙型があった程度だが、服装は同じものが採用されている)。既に姉妹艦で絵師が異なる高雄型では、摩耶鳥の改二の服装が高雄姉妹と酷似したものになっていたり、準同型艦の蒼龍と飛龍、改修や塗装に差がある翔鶴型、金剛型(比叡は艦型や内部の機械も他3隻と違う)、大和型は絵師が統一されているケースもあり、艦これ運営が作り上げた現環境では、変える必要性には疑問の方が大きい。
絵柄の差異について
レキシントンの絵柄は、従来の艦娘の立ち絵と比較し、大きく異なる絵柄となっている。
この絵柄に対して、一部の人々から賞賛や否定的な感想はあり得ないとする意見が出ている。
だが、今回の件の争点は、素晴らしい絵かどうかではなく、現在存在する艦これの世界観に合わせた画風であったかどうかが鍵となる。
今回のレキシントンの絵柄の好みはついて、各自の評価にバラツキがあり、苦手にするもの、好みだったから艦これに復帰するほどのものと両極端である。
だが、世界観に合っているかどうかという面では肯定派でも疑問にする人がおり、その点の考慮を運営がしていたのか疑問である。
また前述した通り、レキシントンのデザインが8年前に実装されたサラトガとデザインが全く似せられていない。
しかし、麻宮騎亜氏のウマ娘同人が存在し、その表紙をネットで確認できるが、表紙のデザインは麻宮騎亜氏の描き方の特徴を出しつつも、ウマ娘のデザインを逸脱せず、むしろ躍動感あるウマ娘のデザインをしっかり再現している。
この点から麻宮騎亜氏の問題ではなく、艦これ運営の指示ミス(既にサラトガが実装している件やサラトガのデザインを麻宮騎亜氏に伝えていない可能性も考えられる)や判断ミスで発生したデザインミスである可能性の方が高い。
反応
今回の出来事は、あまりにも衝撃的であり人々に様々な衝撃を与えたことは間違いない。海外でも話題となっており、一例として韓国のナムウィキでは「レキシントン」の項目でイントレピッド実装以来の大炎上と解説している。
今回の件で批判的な声も肯定的な声も聞かれ、8月14日時点で、未だに炎上状態は解消されていない。ただ、今回の炎上は批判した方で誹謗中傷騒動に発展し、麻宮騎亜氏の絵が下手だと罵倒する過激派も一部存在している他、肯定側でも否定側の意見が間違っていると否定側の意見そのものを否定したり、否定的な意見の提督は引退しろと圧や罵倒をする過激派が出ており、両意見ともに火種になりかねない状況が続いている。
また、一部の批判的なファンの中にはデザインをサラトガに近づけたレキシントンを描く勢力も現れている。
今回のレキシントン実装はサラトガとの再会を望む提督からは約8年越しの実装だったことから、デザインを艦これ初期から活躍するサラトガの絵師のしずまよしのり氏ではなく、大御所とは言え艦これにとっては新参者になる麻宮騎亜氏がレキシントンのデザインを独特な描き方で描いたのが、最大で8年間待たされた提督にとって大きなダメージに繋がったのは間違いない。
艦これ運営に対しての意見
今回の炎上事件に対し、否定派・肯定派関係なく、艦これ運営の判断が今回の騒動に繋がったと考えている人もいる。
現在までの艦これ絵師の選定や発注・デザインの方向性は紛れもなく艦これ運営の作り上げた環境であり、その環境に急激な変化を与えて炎上に繋げたのは間違いなく、麻宮氏の画力・画風にまでケチをつけるような過激派でもなければ「艦これ運営の明確な采配ミス」「今回に関しては運営が100悪い」とする声が多い。
そもそも最初からしずま氏にレキシントンの発注をしていれば何の波風も立たずに終わった話である。
麻宮氏を起用したいという意志があったにして既に姉妹艦が実装されているレキシントンでは無く、空母ワスプや戦艦テネシー、巡洋戦艦フッド、戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、空母グローリアスなどの現在の艦これに姉妹艦が実装されていない艦であればここまで炎上することは無く、一時的な文句はあれど時間が経てば慣れてしまえただろう。特にワスプやフッドなどの同型艦がいない艦をあてがっていれば今回1回限りの参加であっても今後の参戦艦及びその担当絵師の選定に支障は出ないと思うのだが…
結果として艦これ運営はしずま氏、麻宮氏、艦これユーザーの三者に対して失礼及び不義理を働いたと言われても反論できない状況になっている。
このため、自分たちのミスを棚上げしたまま、誹謗中傷に対して訴訟を行うと宣言したのも炎上の燃料しにかならなかった。
誹謗中傷という行為自体はもってのほかであり、訴訟を行うこと自体はいいのだが、せめて自分たちのミスは認めてユーザーに謝意を示した上でこれはこれ、それはそれというスタンスを取っていたならある程度の鎮火は見込めたと思うのだが…
余談
実は既にしずまよしのり氏作のレキシントンが存在していた説
一部のプレイヤーが装備妖精を確認した所、サラトガに似た金髪の妖精がいることが確認されている。
その装備は、TBDである。
また、KanColle Wiki(海外版艦これWIKI)には、解析で入手したと思われる(褒められた行為ではないが)没装備として、SB2Uと呼ばれる装備画像が存在し、こちらでも同様の妖精が確認できる。SB2U ヴィンディケイターはアメリカ海軍の急降下爆撃機で、傑作艦爆SBDドーントレスの活躍に埋もれてしまった悲劇の艦爆である。2016年秋に紹介されたが、現在でも実装されていない幻の艦上機になってしまった。
艦これの装備妖精は、オリジナルデザインの妖精が多いが、遅くとも2014年5月に実装された20.3cm(2号)連装砲を境に艦娘にそっくりな妖精が描かれるようになった。
ここまでサラトガに似ていて、髪色が金髪と中途半端に似せている上、(没装備も含めてだが)2人もサラトガに似た金髪妖精が確認されているため、元々のレキシントンのデザインを元にしている説も少数ながら囁かれている。
この事実が仮に本当のことであれば、麻宮騎亜氏のイラストを使用する目的で、しずまよしのり氏のデザインが没になった可能性も出てくる。
この説は現状説でしかないが、この仮説が真実であれば、今回の炎上騒動での運営の対応は、麻宮騎亜氏・しずまよしのり氏・ファンへの冒涜だとしてさらに炎上する可能性がある。