概要
| 首都 | カイロ |
|---|---|
| 面積 | 101万408平方キロメートル |
| 人口 | 1億1099万人（2022年） |
| 建国 | 1922年2月28日（イギリスより独立） |
| 通貨 | ポンド |
| 公用語 | アラビア語 |
| 国家元首(職) | 大統領 |
| 政体 | 半大統領制 共和国 |
正式名称はエジプト・アラブ共和国（エジプト・アラブきょうわこく、アラビア語：جُمْهُورِيّةُ مِصْرَ العَرَبيّةِ、英語：Arab Republic of Egypt）。地理的には北アフリカだが、文化的・政治的にも中東の一部として扱われる。アフリカではトップクラスの経済規模を誇り、ピラミッドやスフィンクスを初めとした世界遺産が数多く存在し、観光資源としても役立っている。
ホスニー・ムバラク大統領の長期政権がアラブの春で崩壊後、政治的には不安定。
1979年3月にイスラエルと平和条約を締結してからその地位はやや揺らいだが、軍事・経済・人口など様々な面で中東随一の大国と認識されている。
アラブ人とイスラム教徒の多い国であり、カイロを本部とするアル＝アズハル大学はスンニ派最高の教育機関として知られ、総長はカリフ廃止後の最高権威でもある。
文化
早くから大衆文化が花開き、マスメディアの普及が早かったことからエジプトの映画・音楽は他国のアラブ人に愛され、エジプト方言は広くアラビア語の共通語として機能している。
食文化としては老若男女を問わず非常に甘いものを好む。お菓子はドロリとシロップがかかり、紅茶はお汁粉レベルまで砂糖を大量に入れて飲むのが基本である。その為ぽっちゃりさんが結構多い。また鳩肉も好んで食べる傾向にある。
人口
2017年4月に実施された国勢調査では9479万8827人であったが、2022年6月の推計値は1億777万524人だった。
歴史
古代
イスラム教徒による征服以前はローマ帝国・東ローマ帝国の一部であった。当時のエジプト語（コプト語）とキリスト教の伝統は非カルケドン派正教会のコプト正教会として現代も存続。エジプト神話に代表される多くの神々が信仰され、ピラミッドが建設されてファラオを支配者として戴いていた。詳細は古代エジプトを参照。
イスラム化
ローマ帝国の一部となり、やがて東ローマ帝国となってから長い時が過ぎていた8世紀ごろ、イスラーム国家の大征服の過程でエジプトは征服される。そこには軍営都市フスタートが築かれた。
ナイル川による生産力は健在で、やがてイスラーム国家の分裂後、カイロは西に成立したファーティマ王朝の首都となる。エジプト人はアラブの征服によってすっかりアラブ化し、古代エジプト語は一部のキリスト教徒を除いて失われた。
その後もサラディンを始祖とするアイユーブ朝、マムルーク朝と王朝は変化しつつも、荒廃したバグダットに代わりカイロはイスラーム世界の一中心地として、耕地の高い生産力と紅海に抜ける地中海―インド洋貿易路の重要拠点として栄え続ける。
オスマン帝国時代
1517年1月にオスマン・トルコはエジプトを征服し、その後はオスマン帝国の属州となった。防御的な軍事化は市民社会と経済制度に損害を与え、疫病の影響と相まって経済システムが弱体化し、エジプトは外国の侵略に対して無防備と化した。
オスマン帝国の衰退がはじまる18世紀、総督として赴任したムハンマド・アリーは在地の有力者（マムルーク）を一斉虐殺という形で一掃。この辺りからがエジプト近代史の始まりとなる。
1798年7月にフランスのナポレオン・ボナパルトはエジプトに遠征し、それを契機にエジプトは近代的な国の形成の時代を迎える。1805年5月にムハンマド・アリー朝が成立し、オスマン帝国のスルタンはその地位を承認した。
イギリス統治時代
1882年7月にイギリスはエジプトと交戦し、地中海に面する港湾都市であるアレクサンドリアへの砲撃を実行した。同年9月にイギリスの保護領となり、1922年2月に独立するまでその統治に服した。
独立後
1922年2月にイギリスから独立した後はエジプト王国が成立し、同年3月にフアード1世が最初の国王となった。しかしイギリスの影響力は存続され、財政・行政及び政府の改革を促進した。
1951年10月にエジプトに駐留するイギリス軍の人員数をめぐり、両国の対立に発展した。これに対応してイギリスは6万人の軍部隊を動員、これは第二次世界大戦以来最大の軍隊の空輸とされる。
1952年7月にモハメド・ナギブとガマル・アブデル・ナセルが率いる自由将校運動は、当時の国王であるファルーク1世を打倒した。1953年6月に自由将校は君主制を廃止し、エジプト共和国の成立を宣言した。
ムバラク政権の崩壊
2011年2月にアラブの春と呼ばれる民主化運動で当時のムバラク政権が崩壊したが、その後の民政移管は上手く進んでいない。
日本との関係
1922年4月に外交関係を樹立し、1941年12月に第二次世界大戦の影響で一時断交し1952年11月に回復。以降友好的な関係を継続している。2015年1月に安倍晋三首相(当時)は「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度支援をお約束します。」と公式に述べ、反ISIL（イスラム国）・エジプト支持の姿勢を明確に打ち出した。
サムライとエジプト
1864年2月に徳川幕府遣欧使節団として27人の侍達がエジプトを訪問し、スフィンクス像の前で記念撮影を行った珍しい写真が遺されている。
渡航
査証が必要で事前にエジプト公館で申請、またはカイロ空港到着時に申請(手数料現金25米ドル、パスポートの残存有効期間が6ヶ月以上)
日本の外務省はシナイ半島やリビア国境は非常に危険。また、西部から南部の砂漠地帯はテロリスト掃討作戦が継続中につき絶対に近づかないようにと勧告。観光地周辺でもテロが起きる可能性があることを留意してほしいとのこと。
関連作品・キャラクター
関連イラスト
pixivでは主に神話関連のイラストが多い。
