概要
日本の競馬(平地競走)をモチーフの中心として制作されたアプリゲーム版を中核とするメディアミックス『ウマ娘プリティーダービー』シリーズに、日本の地方競馬として独自に開催されるばんえい競馬の競走馬(ばん馬)を掛け合わせた二次創作の総称。
現在ウマ娘シリーズでは現実のばんえい競馬に該当する競技の概念が公式として登場していないため、非公式の要素が極めて多い。
ばんえい競馬
コースは200mの直線ながら、途中2箇所に高さ1mと1.6mの2つの丘状の障害が設置されている。
ゴール判定は、馬の鼻先ではなくソリ最後尾のライン通過で判定。
最大でおよそ1tのソリを引いた状態で走る性質上、この競技に出場する競走馬にはサラブレッドよりも屈強な体格と特殊な力の使い方が求められる。
その他詳細はばんえい競馬を参照。
ばんえいウマ娘
実在ばん馬を非公式のウマ娘として擬人化したイラストに付けられるタグが『ばんえいウマ娘』である。
ばんえい競馬自体はNAR(地方競馬全国協会)に属するれっきとした公営競技(地方競馬)なのだが、あまりに馬種とルールが特異なため、リアルでも他の平地の競馬とは「別枠」と見なされており、当然のごとく『ウマ娘プリティーダービー』にもばんえい種の馬は実装されていない。
仮に実装しようとしても、謂わばダンプカーとレーシングカーの競走になるので、ばんえいルールに合わせればノーマルウマ娘に勝ち目が全くなく(どころか、ばんえい的には虚弱にも程があるため再起不能になりかねない)、URAルールに合わせればその体躯と気性が災いしてハルウララにすら大差で負けかねないため、統一のルールを決められないだろう。
一応ノーマルウマ娘もトレーニング等で現実のばんえいの基準を明らかに上回る巨大な物体を引きずっているのだが……。
勝てる気がしませんが、スピードではスペちゃんの圧勝です。
なので、「ばんえいウマ娘」のタグがつけられた作品は、全てオリジナルウマ娘(二次創作)である。
が、以下の愛される各要素により、「4本足の『馬』という動物が存在しない『ウマ娘』の世界で、もしも『ばんえいレース』が開催されていたなら……(※)」と、創作者達の想像と意欲を膨らませずにはいられないのである。中には、プロのクリエイターの方々の参戦もちらほら……(「関連リンク」参照)。
でかい(SUGOIDEKAI)
なにしろ実在のばん馬が、何かにつけて「でかすぎ」とネタにされる現役時代のヒシアケボノ(GI制覇時で560kg)でさえ小兵と言えるレベルで大柄(馬体重800~1200kg、小型自動車並み!)、「作画・原哲夫」、「リアル黒王号」といった評判も全く誇張ではない巨躯なのである。
そういった設定(?)に合わせてか、ウマ娘化されても大柄に描かれたイラストが多い。というより脚が比喩ではなく丸太のようになっており、胴体がガッチリしている。必然的に筋肉娘にもなりやすい。
Pixivではまだ見られないが、他所では「娘」という設定すら放り出してしまったようなイラストも見受けられる。
性格がかわいい
肉体的な機能美に目が行きがちだが、内に秘めたパワーがサラブレッドと桁違いであるため、暴れられると洒落にならない事もあり、基本的には性格は穏やかで、サラブレッドによくある気性難な馬は殆ど存在しない。この「気は優しくて力持ち」な一面もばん馬の魅力である。
(ただし、人間相手に無邪気にじゃれつかれたり甘えられたりすると、髪の毛をハモられたり、顔中よだれでベタベタにされたりと、なかなか大変らしい)
名前が個性的
馬名でも「キンタロー(ばんえい競馬で、初めて生涯獲得賞金1億円超えを達成したレジェンド)」「ナリタボブサップ、メムロボブサップ父子」「キタノユウジロウ」「キタミサンブラック(”キタサン”ブラックではないので注意)」「アアモンドアイ(アーモンドアイではない)」「ミタコトナイ」「ワタシハヒマワリ」「オレワスゴイ」「ワタシハスゴイ」「ブチオ」など、中央競馬ではまずお目にかかれない個性的なネーミングがちらほらいる。
なおメジロ牧場とは無関係だがメジロの名を冠したメジロゴーリキというウマも存在する。
意外におしゃれ
さらにばんえい競馬の出場馬でも特に牝馬は鬣を綺麗に結い上げたり編み込んだりとおしゃれに気を使っており、その巌のような体躯に反してかわいらしさを演出してもいる。例えば、前述の「ワタシハヒマワリ」は、大きなひまわりの髪飾りをつけている。
これをウマ娘として反映するなら、なかなかいい感じにギャップ萌え(体が巨娘なのに、ファッションがゆるふわ系など)も図れるだろう。
(※)もしかすると、本当に?
公式ではウマ娘の世界に「ばんえいレース」が存在するかは不明である。が、スピンオフ作品では、その「実在」をうかがわせる記述がある。
『ウマ娘シンデレラグレイ』では現実における地方競馬が元になっているローカルシリーズについて第1話で説明があるが、その全国15箇所の開催地の中に帯広があるのだ。
ウマ娘世界にも帯広レース場はあると思われるが、果たしてそこで行われているのは…?
ちなみに、『シンデレラグレイ』作者の久住太陽氏は、前述の「『ばんえいウマ娘』のキーワードに反応したプロ・クリエイター」の一人である。
そして遂に…
2022年9月にばんえい競馬と『ウマ娘』の公式コラボが実現。帯広競馬場において17日から19日の3日にわたってポップアップストアが展開され、19日にはトウカイテイオー役のMachico氏とゴールドシップ役の上田瞳氏のよるトークショーが開催された。
また、2023年9月23日から24日にわたって開催された2度目のコラボでは当時展開していたWebアニメ『ウマ娘プリティーダービー Road to the Top』をフィーチャーしたものとなっており、24日トークショーには同作でメインキャラの3人を演じた中村カンナ氏、徳井青空氏、咲々木瞳氏が出演した。
2024年9月14日から15日には3年連続となるコラボが開催。ミスターシービー役の天海由梨奈氏、タマモクロス役の大空直美氏、シンボリクリスエス役の春川芽生氏、シーザリオ役の佐藤榛夏氏の4名が登壇した。
なお、これらのトークショーはいずれも草野仁氏がMCとして出演している。
(余談)ばん馬と道産子
混同されるケースも多いが、いわゆる「道産子」と「ばん馬」は別物である。
道産子は正式には北海道和種という日本在来種で、体重は350~400kgとずっと小柄。農耕や荷役(運搬用)として繁殖・活躍してきた。一方のばん馬は、農耕用にも使われたが、軍馬にルーツを持ち、大柄な外国種との交配で巨大化した歴史がある。
ただし、「道産子」も「元は鎌倉時代に南部から持ち込まれた、言うなれば『国内外来種』」、「他の在来種と比べてやや大柄で、力が強い」、「性格は温厚」と、ばん馬との共通点も少なくはない。
関連イラスト
基本的にオリジナルウマ娘が多いジャンルではあるが、
公式実装済みのウマ娘を筋肉娘化したイラストもちらほら。
うまゆる4話で、ムキムキ化してしまったツルマルツヨシ(100%ツヨシ)