概要
『ポケットモンスター 金・銀・クリスタル』から登場する、ジョウト地方コガネシティのジムリーダー・アカネのパートナーにして切り札であるミルタンク。
別名『ポケモンにおけるみんなのトラウマ』
ゲーム本編
ミルタンクが倒せない
まず、こちらをご覧頂こう。↓
- 序盤のボスとは到底思えないほどの圧倒的ステータス(ミルタンクは進化しないので、この時点で既に能力が一線級)
- ダメージを蓄積させた努力を見事に水の泡にしてくれる「ミルクのみ」
- HPを一撃で赤ゲージまで持っていきかねない、しかもひるみ効果まであるタイプ一致技「ふみつけ」
- ♂に使われるとこちらの動きを封じられワンサイドゲームになりかねない「メロメロ」
- そして何より一度使われると難攻不落の暴れ馬ならぬ暴れ牛と化す凶悪技「ころがる」の存在
以上の極悪性能が多くのプレイヤー達を苦しめ、トラウマを植えつけた。
中でも「ころがる」は凶悪の一言に尽きる性能であり、なんとこのわざ、命中するたびに威力が倍増し5ターンで最大威力480にまで到達する狂気の必殺技なのである。
ミルタンクは耐久力に優れており、もたもた倒しあぐねていたらあれよあれよと手持ちが全滅してしまったなんて言うのはざらにある話であった。
特にヒノアラシを最初に選んでいたプレイヤーはタイプの相性上ほとんど苦も無くここまで進められるため、その多くが初遭遇する圧倒的脅威を前に呆然とすることになる。その衝撃たるや初代『赤・緑』でヒトカゲを選んだ場合のタケシとカスミと同等かそれ以上だろう。
対策
どくをはじめとした状態異常にかけるわざや、「なきごえ」、「あまえる」などの攻撃力低下、「すなかけ」や「えんまく」などの命中率低下わざなども組み合わせれば活路が開けるものの、プレイ年数が浅いプレーヤーは補助技を一切入れない傾向が強い(いわゆるフルアタ)ため、とにかくレベルを上げて物理で殴るしかなくなってしまいがちである。
なお、そんなミルタンク対策に使えといわんばかりに♀のワンリキー(NN:きんにく)を交換してくれるNPCがコガネシティにいるが、ある程度以上育てないと弱点をつけるかくとう技「けたぐり」でもHPを容易には削れず(金銀当時のけたぐりは威力50の序盤技扱い)、どんどん威力を増す「ころがる」や「ふみつけ」怯み無双で返り討ちにされるのが関の山。レベルと種族値の差は相性でも覆せないと嫌でも悟る瞬間である。それでも先にジムトレーナーとしっかり戦って鍛えておけば、戦力としてある程度の活躍は見せてくれるはず。幸い、交換で手に入るポケモンなので経験値が多く入り育成しやすいのが救いだが、レベルを上げすぎると言うことを聞かなくなるので注意。
他の救済処置も用意してあって、自然公園に寄り道しておけば「あなをほる」のわざマシンが拾える。ころがるは一度外せば威力がリセットされるため、あなをほるの回避を利用すれば「ころがる」の威力アップを途中で確実に止められる。……が、戦法としてそれを思いつけるかは別の問題であり、当時は使い捨てのわざマシンをここで使ってしまうかどうかの判断も難しいところであった。
ミルタンク初見のプレイヤーは過去作経験者であっても間違いなく苦戦する(金銀発売当時は只でさえ情報が少ない)だろうが、最初の一回目で苦もなく倒せたという声も少なからず存在する(特にポケモン1匹に経験値を集中させた場合)。また、46ばんどうろなどで出現するイシツブテの「マグニチュード」や「じばく」で倒したという声も上がっている。
対策としては他にも、ゴースの「さいみんじゅつ」と「のろい」でじわじわと処理する、ポポッコやタマタマの「やどりぎのタネ」と「ねむりごな」、「フラッシュ」で料理する、といった手もある。変わったところではクヌギダマの「まもる」で「ころがる」を捌いてから頃合いを見て「じばく」をするという手もある。
またコガネひゃっかてんで購入できるげんきのかけらや能力アップのプラスパワーなどを大量に準備するのもよい。前者は他のポケモンをミルタンクの「ころがる」のみがわりにすることで、ふっかつした後のターンで先制攻撃しダメージを少しずつ与え、後者は先鋒のピッピ戦で能力をあげまくり一気にダメージを与えるというもの。幸いにもウバメのもりでげんきのかけらも手に入ることもあり、チコリータやワニノコと違い1匹旅ですら最終進化が難しいヒノアラシ(マグマラシ)でも「ひのこ」を連発すればこの戦法をとることで大体勝てる。そういう意味では回復アイテム以外の使い方が重要になったと感じたプレイヤーもいるだろう。
リメイク版
開発側もさすがにこれはキツすぎると判断したのか、リメイク版の『HGSS』ではわざマシンで「まもる」を無限に購入できる(ころがるの威力アップを未然に防げる)ようになった他、ポケウォーカーでガルーラ、自然公園の虫取り大会で特性「テクニシャン」のストライク等、高種族値ポケモンが早めに入手出来る分マシにはなった(ついでに「けたぐり」が仕様変更で命中100になり、ミルタンクに対しては威力が80になる)が、それでも相変わらずの猛威を振るっている。
なお、『HGSS』のミルタンクは特性「きもったま」を持っている影響でゴースにも「ふみつけ」が効いてしまうため、ゴーストタイプで対策を取っていた一部のプレイヤーはプランの練り直しを余儀なくされた。
再戦
毎日12~16時の間にコガネひゃっかてんの6階でアカネの電話番号の登録、再戦の申し込みが土曜日の昼に可能。
レベルが58に上がり、技構成が「のしかかり」「メロメロ」「ねごと」「ねむる」に変更されている。
BW2・PWT
こちらでも登場。レベルは50。
技 | 持ち物 | ||||
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ジョウトリーダーズ | のしかかり | アームハンマー | しねんのずつき | ミルクのみ | チイラのみ |
WL・タイプエキスパート | おんがえし | かわらわり | しねんのずつき | ミルクのみ | ラムのみ |
DL | のしかかり | ほのおのパンチ | ころがる | まるくなる | オボンのみ |
番外作品
ポケモンスタジアム金銀
「ジムリーダーのしろ」にて勿論登場。
ポケモンカードゲーム
拡張パック「超爆インパクト」に収録された「ミルタンク(071/095)」にはアカネとミルタンクが描かれている。
ポケモンマスターズ
初期から登場するノーマルタイプのテクニカル。
通常サーチで登場する恒常バディーズだが、初めてのバディーズサーチで確定で登場するため、ある意味配布キャラでもある(現在はグリーン&ピジョットに譲っている)。
本家では詳細に語られなかったミルタンクとの出会いが語られている。
元々ミルタンクはアサギシティ近くのモーモーぼくじょうにいたが、ミルタンク本人のバトルをしたい気持ちを感じ取ったアカネがオーナーらしき男性から譲ってもらったとのこと。また、その際はアカネの腕を試したかったからか、ミルタンクから『ころがる』を何回もぶちかまされたらしい。1回目は避けてなんとか助かったらしいが、それ以降はよくぶっ飛ばされ、そのうちにいつの間にか仲良くなったという。
チリ初登場イベントでは、パシオ銘菓に「モーモーミルク」が使われているという事で、パッケージポケモンの候補として名乗り上げられており、チリのドオーと対決する事となった(なお、結果)。
性能
パッシブスキル
攻撃時攻撃アップ2 |
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登場時攻撃アップ2 |
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技
のしかかり |
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スピーダー |
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ふみつけ |
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めっちゃつよいで |
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バディーズわざ
めっちゃプリティにころがってたいあたり |
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アニメ版
アニポケ・サトシの旅シリーズ
無印158話から登場。
サトシとのジム戦では「ころがる」でサトシのヒノアラシ・ワニノコ・ピカチュウ3体全てなぎ倒すという、ゲーム本編におけるトラウマをアニメでも見せつけた。
『ころがる』の鍛錬は牧場の丘を利用したもので、坂道を方向転換したり、上り坂を転がって上りきることで技術を磨いていた(アカネの親戚は牧場主で、ミルタンクをたくさん飼っている)。
再戦ではヒノアラシの体当たりで体力が消耗し、ワニノコの「みずでっぽう」で作った溝でころがるのスピードが落ち、空中に放り出されて身動きが取れなくなった所へピカチュウの10まんボルトを食らい敗れた。
漫画版
ポケットモンスターSPECIAL
第3章から登場。こちらでは「ミルたん」というニックネームがつけられている。
「ころがる」や「ばくれつパンチ」といったパワフルな戦いを得意とし、「いやしのすず」という回復手段も持つ。
余談
ノーマルタイプのジムリーダーはアカネが初であるが、金銀以降のシリーズから登場するノーマルタイプの使い手も中々に手強かったりする(例外的にはBW2で一番手を務めるチェレンぐらい)。
- センリのケッキング(合計種族値670)
- アロエのミルホッグ(味方がひんしになった次のターンのみ威力2倍の「かたきうち」)
- イリマのドーブル(アローラ御三家の「テクニシャン」込みの弱点タイプの技を使ってくる。その為RTAでリタイアになる事が多いんだとか…)
- アオキのムクホーク(状態異常にさせてしまうと、ノーマルテラスタイプ+タイプ一致+状態異常時に威力が上がる「からげんき」が飛んでくる)。