誘導
『ガンダムフォース』という語句を含むタイトルは複数存在する。
- 『SDコマンド戦記Ⅱ ガンダムフォース』(1991年)→本項で記述
- 『新ガンダムフォース グレートパンクラチオン』(1993年)→グレートパンクラチオンを参照
- 『SDガンダムフォース』(2004年)→SDガンダムフォースを参照
pixiv上で『ガンダムフォース』タグが用いられている投稿作品は結構な割合で『SDガンダムフォース』をモチーフとする作品である。
一方で『新ガンダムフォース』もタグとしての用例はあるが、基本的に『グレートパンクラチオン』タグとの併用である。
概要
SDコマンド戦記第二作。前作『G-ARMS』の続編にあたる。
前作のキャラクターデザインおよびストーリー展開がミリタリーをメインモチーフにしていたのに対し、本作はレスキューをモチーフとしたキャラクターによるレジスタンス戦。
立体商品は元祖SDガンダムが中心。カードダスはパート3までリリースされているが、内容的にはパート2までがガンダムフォースで、パート3は次年度の『SUPER G-ARMS』になっている。
漫画版はデラックスボンボンでの連載(神田正宏)と、『元祖! SDガンダム』(横井孝二)内でも展開している。
ストーリー
フューラーザタリオンの本体を追い、ベレーチームとともに宇宙へ飛び立ったVコマンドガンダム。
地上に残ったG-ARMSの面々は、ザタリオン帝国との戦いで荒廃したマゼラン大陸を復興させる救援活動のため各地に散開した。
数ヵ月後、大陸上空に巨大なスペースコロニー型宇宙船が出現。ガンアーマーで落下を食い止めようとしたキャプテンガンダムは、コロニー落下の爆心地で生死不明となる。
そして活動を開始した謎のMS軍団は混乱に乗じ大陸は愚かガイア星全土を制圧し、落下したコロニー船を中心とする新首都・ジオニックシティを完成させ、巨大複合企業ジオニック・コネクションによる恐怖支配がはじまった。
コロニー船の住民だった消防士アレックスと警官プラスはジオニック配下の悪漢たちから地元民を守るために戦っていたが、治安部隊の罠にかかり絶体絶命の危機に追い込まれる。
そこに現われたのは、新たな姿で蘇ったキャプテンガンダムFFその人であった!
ジオニック・コネクションの悪政を打倒し、平和な世界を取り戻すため、新組織ガンダムフォースの戦いが幕を開ける。
キャラクター
ガンダムフォース
- キャプテンガンダムFF(フリーダムファイター)
ガンダムフォースの指令隊長。
コロニー落下の際、ガンアーマーがキャプテンガンダムを庇い、両者が融合して新たに誕生した自由の戦士。
ライオンファイターモードへの変形機能を持つ。
平素はフューチャーカンパニーの社員として潜伏している。
ファイヤーフォース
専用特殊トレーラー・ファイヤーブレイザーを有し、分隊を収容したコンテナポッドを搭載して現場に急行する。元祖SDガンダムでは各ポッドごとに商品化されており、敵側のキャラも一体ずつオマケ枠で起用された(その分ガンダムフォース側のキャラが立体化を逃しているが)。
モチーフ:ガンダムNT-1
ファイヤーフォース隊長。
元はコロニー船の住民だった消防士アレックスが改造を受けて強化した姿。消防士としての形態はガンファイヤー、戦闘時には装甲をイジェクトしガンブレーダーとなって悪を斬る。
『元祖! SDガンダム』ではセリフが武士口調だが、SD戦国伝との関連性は特にない。
- ファイヤーフォース救助チーム
Dr.ガンタンク(G-ARMSから続投)、ヘビーガン、ナースボール。
- ファイヤーフォース消防チーム
- ファイヤーフォース工作チーム
- ファイヤーフォース水中活動チーム
- ファイヤーフォース戦闘チーム
プラズマフォース
モチーフ:Zプラス
プラズマフォース隊長。
元はコロニー船の住民である警官プラスが改造を受けて強化した姿。専用バイク『プラズマシューター』を駆るガンライダー形態から、重武装形態ガンプラズマーに変身し悪を撃つ。
G-ARMSのファンで、緊急時でも妙に朗らか。
- プラズマフォース
_百式&ヘビーガンダムのあぶない刑事コンビ(SDV出身・G-ARMSから続投)、パワードジム機動部隊、パトボール警官隊。
単独行動
ファイヤーフォース・プラズマフォースとは別にキャプテンガンダムFFの密命を受けた謎の諜報員。その正体は不明。
散り散りになったG-ARMSのメンバーを捜索している。
協力者
- ライブ・ハウス・クラッシャーズ
_ヘビメタガンダムを中心に結成されたバンド。詳細はこちらの記事を参照。
本作ではG-ARMS・ガンダムフォース同様お尋ね者扱いであり、ジオニック・コネクションの追及をかわしつつシティ各所でゲリラライブを敢行している。
また新メンバーとしてモヒカンのパーカッショニスト・ブラックガンダムが参加している。
- ブラッディファミリー
_ブラッディザクあらためドン・ブラッディが率いるギャング団。構成員は旧ザタリオン陸軍のメンバーであるコマンダーケンプファーとザクⅡ、ドム、ガザD。
コマンドガンダムとの決着をつけるため、宇宙に上がる資金を貯蓄している。
ガンダムフォースとは反ジオニックで共闘関係にあり、キャプテンガンダムFFの窮地も救っている。
大将Vコマンドガンダムの命を受け地球に飛来した戦士。
互角の実力を持ちコマンドの信頼も厚いキャプテンをライバル視している。『元祖! SDガンダム』では英語交じりで喋る。
- 赤と黒
火事場見物の野次馬コサックダンサー・ピロシキガンダムと、L.H.クラッシャーズのブラックガンダムの正体は、ひそかに地球に戻っていたG-ARMSのレッドベレーガンダムとブラックベレーガンダムであり、ファイヤーフォースとプラズマフォースの戦いを影から支えていた。
ジオニック・コネクション
ジ・オ社長のフューチャーカンパニーを本社とする複合企業(コングロマリット)。ザタリオンとの戦いの後にコロニー船をジャックし、惑星ガイアを襲撃、瞬く間に惑星を征服して落下したコロニーを中心にしたジオニック・シティを建設し、人々に圧制を敷いている。
フューチャーカンパニー社長。ジオニック・コネクションの最高権力者だが、実態は黒幕の尖兵に過ぎず、監視役の前では平身低頭で計画遅延の言い訳を並べる小物。自らを予言者と名乗る。
通常のジ・Oの他に、ガンキラーに似た鬼神の貌と、カロッゾ・ロナの鉄仮面をベースにしたニヤケ面の三つの顔を持ち、頭部の回転とともに態度が激しく変化する。
配下にメッサーラ、ボリノーク・サマーン、ジェイソン・アッシマー、バウンド・ドックがいる。
ある意味フューラーザタリオン以上にキャラは立っているが、元祖SDガンダムでの商品化は実現しなかった。
- 直属治安部隊
ガンダムフォースをはじめとする抵抗分子の排除を目的とする機関。
旧ザタリオン親衛隊のザウエルRジャジャが隊長を務めているが、失敗続きであてにされていない。また以前の親衛隊員も所属している。
- 闇一族
組長ザクトが率いる土建屋で、実態は悪質な地上げ屋。ザクトはとある武将の末裔らしい。
コザク・コンザク・シンザクの三兄弟はスイカ割りが大好き。他のメンバーはバイアラン、ドーベン・ウルフ、ガルスJ。
- アナハイム・バイオニック・オーガニゼーション
工業を支配する開発部門。主任は旧ザタリオンにも売り込んでいたプロフェッサー・ゲゼとドクター・キャトルのマッドサイエンティストコンビ。
前作同様トンデモない代物ばかり作っているが、ジオニック・コネクションの傘下に加わったことで施設が充実したのか、ごくまれに優れた戦力を供給してもいる。
彼らの作ったモンスターMSはエルメス、カプール、フレディ・ビグロブロ、ザクレロ。
- ライオットアマゾネス
構成員は女性のみで、レスラーと走り屋の集団。道路交通網を支配下においている。
リーダーのキュベレイはジ・オ社長の愛人。メンバーは量産型キュベレイ、ハンマ・ハンマ、パラス・アテネ、アジャザク、ゲーマルク中野。
- テキサス・ロードウォーリアーズ
エンターテインメント担当の『極悪』ロックバンド。ステージ上のパフォーマンスのみならず、暴力や恐喝等の悪事を日常的に行っている無頼集団。
リーダーはザック・ワイルド。メンバーはエディ・ギャンヘイレン、ゲルググ・シーン、ドム・パウエル。L.H.クラッシャーズの人気に嫉妬しており、露骨な妨害を仕掛ける。
- バウンティハンターグフ
キャプテンガンダムFF抹殺のためにジ・オ社長が雇った賞金稼ぎ。
その正体はアナハイムから脱走した暗殺用サイボーグ・ザクバーダインT800。
フューチャーカンパニー社屋である落下コロニーの地下に隠されていた、惑星制圧用機動兵器。あらゆる物を体内に取り込み、自身の一部にしてしまう機能を持つ。
追い詰められたジ・オ社長がジオニック・コネクション幹部たちからのエネルギー供給によって起動させ、自らが頭部に合体することでそのパワーを直接制御し、ジオニックシティもろともガンダムフォースを滅ぼそうとする。
なお、このビグ・ザムは未完成のプロトタイプであり、次作で登場するモビルモンスター・ビグザムはプロトタイプより小型。
そして続編へ
キャプテンガンダムFFの窮地にかつてのG-ARMSメンバーが結集、ジオニック・コネクションメンバーを抑えビグ・ザムへのエネルギー供給をカット。
更に帰還したジェネラルガンダムの一撃でジ・オは吹き飛ばされ、制御を失ったビグ・ザムをキャプテンガンダムFFの『ハイパー獅子の牙・MAXパワーアタック』が落下コロニーもろとも破壊。
だが崩れ行くコロニーの中から、ジオニック・コネクションの黒幕・コスモザタリオン帝国侵略部隊が登場。
全宇宙の運命をかけた最終決戦のため、G-ARMSとガンダムフォースの戦士たちは新たにSUPER G-ARMSを結成、物語は連邦宇宙軍とコスモザタリオン帝国の宇宙戦争へと続いていくのだった。