『オレを目覚めさせて、どうしようっていうんだ』
担当声優
概要
ロックマンゼロシリーズの主人公。
シグマウイルス研究所に封印されており、ゼロの伝説を頼りにやってきたシエルによって目覚めさせられる。そしてシエルらレジスタンスとともにネオ・アルカディアと闘っていくことになる。
長い封印の影響で、目覚めたゼロは過去の記憶を失っており、そのためか『ロックマンXシリーズ』における「熱い」部分は影を潜め、初期設定のクールで感情を余り感じさせない性格で登場する。人から物事を頼まれると嫌とは言えなくなっていたり、子供に好かれていたり、おとなしい部分もある。またシリーズを重ねシエル達と共に過ごす時間が長くなるにつれ徐々に熱い部分も見せていった。また、自分の信じた者(エックスやシエル)の為に自分の力を貸すという事を戦う理由としており、『ロックマンXシリーズ』後半に見られた様な迷いはほとんど見せなくなる。
特に『ロックマンゼロ』のエンディングおよび『ロックマンゼロ4』最終決戦時に放った「オレは悩まない。目の前に敵が現れたなら…叩き斬る…までだ!」の台詞が迷いを持たないゼロの姿を率直に表している。
これ自体が『ロックマンX4』の『俺は一体何の為に戦っているんだ!』という自身への問いかけへの回答にもなっている上に人間のように悩むエックスや人間を殺すことを躊躇したロックマンへのアンチテーゼにもなっている。
悩まず、自分の信じる道を征き、その障害となるものであれば人間でも容赦ない彼だからこそ、元人間であったドクターバイルを倒して人間とレプリロイドの未来を切り開くことが出来たというべきか。
後年発表された『ロックマン11』ではDr.ワイリーは人の道具に過ぎないロボットが力を持ちヒーローになる事で人と対等になれると主張を掲げていたことが判明するが、まさしくゼロは歪んだ共存の象徴であるネオ・アルカディアに叛逆し、ヒーローとなってそれを実現してみせたのである(『X4』における『アイツを倒せ!』という呪詛も『ゼロ1』で実現させているが、尤もソイツは偽物なのだが…)。
皮肉にも、これはライト博士が重要視していたロボット三原則に真っ向から反していたりする。
なお、本シリーズではボディのデザインが一新されている(スタッフ曰くゼロ+フォルテを意識したデザインとの事)。これは『ロックマンXシリーズ』との世界観が違うためであり、開発者いわく本来の外見は変わっていないそうである。ただしイレギュラー時代から封印に至るまでのバックグラウンドはロックマン『Xシリーズ』のその後に妖精戦争などが起きたものとされている(というより明確な理由がゲーム中存在しない)。なので設定上ならばバイルはロックマンXの時代にもいることになっている。
ゼロ2では特定の条件を満たすと特定のステータスなどがアップするフォームチェンジ機能が実装された。
なお、『ゼロシリーズ』に登場する殆どの敵ボスおよびザコ敵はネオ・アルカディア各軍所属の正常なレプリロイドであるため、彼らを多数破壊しているゼロはイレギュラーであるといえる。 ただしこの時代におけるイレギュラーの定義は極めて曖昧であり、暴走したレプリロイドというよりもネオ・アルカディアの反逆者という意味合いが強い。また『Xシリーズ』から続く妖精戦争時代の人間であり、ネオ・アルカディアを支配しているバイルはゼロに対して『人間である自分を斬って自らイレギュラーとなってみせるか』と発言している(出自からして生まれながらのイレギュラーとも呼べるわけだが)。
『ゼロシリーズ』ではゼロの性格が変化したことに関する設定が『ロックマンXシリーズ』のものと若干異なり、ゼロはシグマとの戦闘で「未知のコンピュータウィルス」に感染し、結果性格が反転したとされている。また、ゼロは完成当初手が付けられないほど凶暴だったことから製作者であるDr.ワイリー自身の手によって封印が施された。
『ロックマンゼロシリーズ』ではロボット破壊プログラムの設定が半ば消えており、イレギュラー発生の原因やゼロに施されていたプログラムなどは「未知のコンピュータウィルス」ということになっている。
まぁ、ネオ・アルカディアにデータとして資料はあったのだろうが(実際にゼロがDWNのひとつであるような資料が背景に書かれている)、ゼロの時代のΣウィルスはオリジナルボディのオメガにしか存在していないので(妖精戦争時にレプリロイドは9割が破壊されたため、戦闘に参加していたであろうほかの感染個体は全て壊れていると思われる)、バイル共々追放した際に詳細データや関連性のあるデータをほとんど破棄したものと思われる(ゼロの認知度が異常に低いのはきっとこのせいではないかと思われる)。
真実とその後
『ロックマンゼロ3』の終盤で『ゼロシリーズ』におけるゼロの体は、Xシリーズまで使われていた彼のボディのコピーである(コピーボディにメモリーが移されていた)事が明かされる(記憶を失いつつも思い出しているのはそのせい)。
空っぽになったボディに別人格を植え付けられ「オメガ」となったかつての自分との激闘の末、オリジナルボディを己の手で破壊し、「ゼロ」という破壊神に別れを告げる。
『ロックマンゼロ4』におけるバイルとの最終決戦でラグナロク落下を食い止めた後、崩壊するラグナロクと運命を共にし消息不明となる。
ラグナロク落下阻止作戦後、残っていたのはヘルメットのみだったがシエルを含めゼロを想うものは彼の生存を信じて疑わなかった。そしてシエルはゼロの意思を受け継ぐことになる。
失われた記憶は断片的にしか蘇らず、結局すべての記憶は最後まで戻ることはなかったがそれでもゼロは最後まで自分の信じる者のために戦い続けた。
ゼロシリーズを通してのゼロの行動は正に生みの親が若い頃に望んでいた
『人々から慕われ、認められるヒーロー』そのものであった。
使用武器
バスターショット(ゼロ1〜)
ゼットセイバー(ゼロ1〜)
シールドブーメラン(ゼロ1〜ゼロ3)
トリプルロッド(ゼロ1)
チェーンロッド(ゼロ2)
リコイルロッド(ゼロ3)
ゼロナックル(ゼロ4)
使用技
・ゼロ2
ゼットセイバー
天昇斬(ジャンプ切上げ)
旋牙突(ダッシュ突き)
落烈斬(下突き)
光幻刃(真空刃)
バスターショット
シールドブーメラン
チェーンロッド
フォームチェンジ
ノーマルフォーム(初期)
エナジーフォーム(ライフエネルギードロップ率上昇)
エックスフォーム(バスターの威力アップ)
ディフェンスフォーム(防御アップ)
イレイスフォーム(敵のバスターをセイバーで消去)
アクティブフォーム(移動速度上昇+回転斬りが可能)
パワーフォーム(通常攻撃の攻撃力増加)
ライズフォーム(三段斬りが斬り上げに変化)
プロトフォーム(シールド以外チャージ不可な代わりに攻撃上昇)
アルティメットフォーム(最強形態)
・ゼロ3
ゼットセイバー
落砕牙(下突き)
斬鋭弾(真空刃)
天烈刃(ジャンプ切上げ)
烈風撃(ダッシュ突き)
バスターショット
リコイルロッド
シールドブーメラン
・ゼロ4
ゼットセイバー
墜磐撃(下突き)
武雷突(ダッシュ突き)
昇焰牙(ジャンプ切上げ)
氷月刃(真空刃)
バスターショット
名言(ロックマンゼロ)
- 俺を目覚めさせてどうしようって言うんだ…(※CMとドラマCDで発言した台詞であり、ゲーム作中では言っていない)
- 無実のレプリロイドまでも たいりょうに処理してえた平和か オマエも、この世界も 全てまがいものだな
- あいつは、オマエみたいにたんじゅんなヤツじゃない いつも なやんでばかりの いくじなしだったさ…だからこそ、ヤツは英雄になれたんだ
- オレは悩まない。目の前に敵が現れたなら…叩き斬る…までだ!
- かいならされた人間たちがのぞむセイギに…いったい何のカチがあるっていうんだ
- まともな人間にもリカイできるとは、思えんな…オレにはオマエがただのイレギュラーにしか見えん イレギュラーならば、かるまで…だ
- しょせん オレたちは 戦う事しか できない レプリロイドだ 世界を かえていくのは オレたちじゃない シエルやネージュ…今、この世界で生きる人間たちだ…オレたち レプリロイドは…信じられる者に チカラをかすだけで いいはずだ…
- …オレは トモとの ヤクソクを 守りたいだけだ 人間と レプリロイドの 共存を 信じ続けた アイツとの ヤクソクをな オレは アイツを信じる そして…アイツが 信じつづけた人間を…オレは信じる
- シエル…オレを 信じろ!
ライブメタル・モデルZ
ロックマンZXでは、本人ではないものの意思を持つ金属片、ライブメタル・モデルZとして登場。適合者をロックマン・モデルZへと変身させる(但し、ライブメタルは英雄達のデータを入れたものであるため、本人ではない)。
さらに、隠しライブメタル『ライブメタル・モデル0』としても登場する。
また、ロクゼロのアルエットと同一人物と思われるプレリーが登場しており、ヴァン編における過去の回想シーンでは(後ろ姿ではあるが)ゼロとシエルらしき人物が描かれていた。
名言(ロックマンZX)
その他(他のゲームへの出張)
プレイステーション2で発売された鬼武者無頼伝ではロクゼロ時代の姿で登場するが、声の出演は、何とX時代の置鮎龍太郎氏。武装はゼットセイバーとバスターショット。 同じくソニーハードからソフトが発売されていないロックマンエグゼとの同時ゲストだった。
CMやドラマCDで発した「俺を目覚めさせてどうしようって言うんだ?」の台詞を置鮎氏の声で聞くことができる。聞き比べてみるのもいいだろう。戦闘BGMは「ロックマンゼロ2」のOPステージBGM「Departure」のアレンジとなっている。
SVC CHAOSではロクゼロ時代の姿で参戦。周囲のキャラクターから子供に見えているという設定で、ガイルから初代ロックマンと間違われている(なお、原作の設定ではXシリーズから容姿が変わっていないという扱いであり、一種のメタ発言である)。
目の前に敵が現れたのなら叩き斬るというスタンスは一貫しているが、人間相手には殺さない程度には手加減している模様。敵として自分自身(姿はゼロ2のエックスフォーム)が立ち塞がった際でもそれは変わらない。
この他、ベガからは人型兵器と一目で見抜かれ、ダルシムからは心に闇が広がっていると評されていた。前者では製作者の名前を教えるよう強要されていたが、記憶がないと答えている辺り、X時代とは違ってワイリーの記憶に悩まされているという事は特にないらしい。
自分がネオ・アルカディアに敵対するテロリストである事を自覚している為か、キム・カッファンから悪者認定された際には肯定混じりの返事をしたり、やたらテンションの高いダンや邪悪な力を持つ八神庵、露出度の高い不知火舞をイレギュラー認定しているなど原作では描き切れなかったゼロの人となりを堪能することができる。
また、自分のいた世界ではレプリロイドやメカニロイドが火を使うことがあっても、生身の人間が道具もなしに炎を操る事はなかった為、興味を抱いている様子。
余談
「ゼロ1」における復活の際のBGMはロックマンX1におけるゼロが初登場した際のBGMのアレンジである。
ロックマンXDiVEではゼロ(Z)名義でAキャラとして実装されている。
当タグの由来である。
バンダイからは「ギガンティックシリーズ」と「S.H.Figuarts」でそれぞれ立体化され、コトブキヤと御模道からはそれぞれプラモデルとして立体化された。
特にコトブキヤ製のプラモデルは塗装によりゼロ2以降の各色やオリジナルボディの再現が可能であった。
ゲーム本編には登場しない、とあるサウンドトラックだけの特別な姿がある。(詳しくはミュトスゼロを参照)
また、インティクリエイツの大石梨恵氏の書いた企画書の解説で書いたゼロっぽい何かの姿も書かれており、ヘタレゼロとも呼ばれている。