松尾「我が子を焼き殺そうとする……悪魔かコラァ」
「下衆な相方は先に逝った…… 次は貴様の番だ」
流川「先生! 何とか全て準備できました!」
「今回は苦労をかけたな」
「とりあえず腹割っとけよ」
「騒ぐな、貴様が味わう地獄はこれからだ」
「お前を母にしてやろうと思ってな」
「早速誕生したか」
「今、貴様の腹へ入れたのは……ゴキブリの卵鞘だ」
「孵化した幼虫は何をすると思う? お前の子宮を食い荒らすんだよ」
「流川君、ひと休憩しよう」
流川「コーヒー買ってきますー!」
「どうした? 調子がよさそうだな」
「確かに、『赤子は』可哀想だ……」
「だが、息子を育てたいならば、最初から罪を犯すな。可哀想にしたのは貴様なんだよ」
「そして私は、雄太さんの覚悟を聞いている」
「例え他人の子でも……命をかけて育てるという雄太さんの心意気に、私は心を打たれた。だから、お前も育ててみろよ。他人の子を……」
「そうだよ。その命を使って、腹の中の奴等を立派に育て切れ」
「クソみたいな母でも、自分の肉を食わせれば役に立てるから安心しろ」
標的
保険金目当てで水木一家につけ入り、挙句の果てには店主を殺害して水木呉服に放火した半グレ組織「仁母死(ニボシ)」の頭領・樋口の愛人である悪辣な外道結婚詐欺師「林響子」に対して執行。
また、響子は実の子である陽紘を殺害しようとしており、娘一家の抹殺を企んだ堂馬利信と同レベルの腐れ外道である。
概要
標的の子宮がある場所をメスで切開し、そこへチューブを挿入して孵化寸前のゴキブリの卵が入った卵鞘を大量に入れ、孵化したゴキブリに子宮と腹の肉を食わせるというもの。なお、ゴキブリの卵鞘は蟲屋の利平が用意した。
経過
父親の代からの贔屓である京都の「水木呉服」を訪れて買い物をし、ホテルで休息を取っていた伊集院。しかし、水木呉服の方向から火の手が上がっているのを目撃し、大急ぎで駆けつけると、燃えていたのはまさにその水木呉服だった。数時間後、鎮火が終わり焼け跡が検められると、主人は遺体で見つかった。知人の死にやるせない思いになる伊集院だったが、火事の最中、若旦那である雄太が致命傷を負った状態で尚且つ血相を変えていた事、そして炎の広がり具合から、ただの火事などではないと直感。病院に搬送されていた雄太の元を訪れて事の次第を聞き、やはり今回の件は放火殺人である事を理解した。犯人達に対し凄まじい憎悪を吐き出す雄太に対し、伊集院は「その憎悪を預けて欲しい」と拷問ソムリエの顔を見せて提案。雄太は二つ返事で承諾し、伊集院に恨みを託した。
今回の罪人である林は身を隠す気が微塵も無かった模様で、伝手が無くとも、伊集院は簡単に林の居所を特定してみせた。そしてその場所である半グレ組織「仁母死」のヤサに向かうと、そこには五条組の武闘派・松尾蔵之介がいた。松尾はヤサの扉を得物である槍による刺突で構成員2名諸共突き破った。そこに伊集院が待ったをかけると、松尾は潔く了承し「ターゲットは譲るから雑魚は殲滅する」と言い放った。無論伊集院に否はなく、それを聞いた松尾は仁母死の構成員を片っ端から仕留めていった。そして頭目である樋口とその愛人で今回の標的である林のみが残った。松尾は「林、お前は拷問を喰らうがいい。だが樋口、お前はこの場で殺す」と宣言。直後、伊集院は松尾の背後を取り、「このクソ野郎を楽に死なすなど許さん。失明させた上で焼死させるなら許す」と圧をかけた。松尾はそれに従い、樋口の両目を槍で斬り潰し、更に両脚をカットした上でライターオイルをぶっかけて着火、樋口を焼き殺した。その隙に伊集院は林を確保した。
即席の拷問部屋に繋がれた林は何をせずとも飛び起きて喚き散らした。なので早速伊集院は悔恨の念を問うた。しかし帰ってきたのは「罪だと!? お前は何を言っている! こんなに美しい私と結婚生活を送れたのだからあの呉服屋の土地はその料金だろうが!」という下劣極まる返答だった。最低のクズ女に聞いた事を後悔した伊集院は早速刑を執行に移した。
子宮で孵化したゴキブリによって肉を食い漁られ、更に一晩中放置された事によって林は吐血による血液・吐瀉物・下痢便を撒き散らし悲惨なまでにグチャグチャになった。林は「息子を育てるから助けてくれ」「子供から母親を奪うなど子供が可哀想だろう」という支離滅裂な命乞いをほざいた。だが伊集院はそれに対し「息子を育てたけりゃあそもそも罪を犯すな。子供を可哀想な存在にしたのはテメェなんだよ」と一蹴。そして依頼人の覚悟と決心を伝え、その上で「テメェも他人の子供を育ててみるがいい」「その命を使って腹の中の奴らを立派に育ててみせろ」「テメェみてぇなクソ同然の母親でも、己の肉を赤子に食わせてやれば役に立てるぞ」と言い放って林を完全に絶望させた。最終的に林は32時間かけて子宮の肉をゴキブリの幼虫に貪られ続け、その果てに狂い死んだ。
登場人物
- 林響子(はやし きょうこ)
今回の断罪対象。依頼人である水木雄太氏の同級生であり、結婚詐欺師かつ半グレ組織「仁母死(ニボシ)」のボスである樋口の愛人。
松尾曰く「結婚詐欺でようさん人間を地獄に落としてきたなぁ」との事から、組織の実質的なトップである可能性がある。
外見は可憐でスタイルの良い金髪美人だが、性格は醜悪かつ性根の腐りきった金の亡者そのもので、樋口の率いる半グレの下っ端達を従えながら、結婚を約束した多くの男性達から大金を巻き上げ、破滅に追いやってきた卑劣な極悪クソビッチ。
今回雄太氏をターゲットにしたのも金持ちの同級生だったからと言うもの。
同窓会より前から樋口との子供を身籠っている事を利用し、依頼人の雄太氏の飲み物にこっそり睡眠薬を盛り、眠らせた後に恰もホテルで一夜を過ごしたようにハニートラップを仕掛けて「雄太氏の子供を妊娠している」と偽り、水木一家に「雄太氏の妻」という名目でつけ入った。
その後、半グレの樋口とその下っ端を引き連れ、雄太氏とその父の水木氏に致命傷を負わせた挙句、保険金と土地目当てで結婚した事や今までずっと騙していた事、実は陽紘は共犯者の樋口の子供である事も冷酷に明かし「産んでも愛情なんかない」「車に赤ん坊を置き去りにして犯罪者になるより、ここでその子とも縁切った方がマシ」とあっさり切り捨て、愕然とする水木父子を嘲笑いながら、水木呉服にガソリンを撒いて陽紘諸共焼き殺そうとした鬼畜女。
最期は伊集院により捕縛され、腹をメスで切開された後にパイプをそこに突っ込まれ、ゴキブリの卵鞘を植え付けられる事に。ゴキブリの托卵によって内部から体を喰われ、死ぬ間際であれだけ罵倒していたにもかかわらず我が子を盾に命乞いをするが、当然母親としての資格はないと伊集院に判断され、ゴキブリの苗床にされて壮絶死した。
声を演じるのはmayo氏であり、mayo氏が罪人の声を担当するのは氷室による臓器全摘と鼠の餌以来であり、今回で2回目。また、利平とは直接対面はしなかったものの、利平の虫拷問の餌食になった初の女外道でもある。
- 樋口(ひぐち)
林の共犯。半グレ組織「仁母死(ニボシ)」のボス。
子供を守ろうとする雄太氏を「おもろいな」と虫を見るような眼で言い張り、水木氏達を短刀で斬り裂いた後焼き払った。全ての責任を押し付けておいて「自分の血を継いでいるから自分こそが父親」と言い張る古典的な俗物。
当初は伊集院の断罪対象だったが、今回は松尾蔵之介の獲物になった。
本当は串刺しにされる予定だったが、伊集院の指示により視力と歩行能力を奪われてからの炎上という、放火犯に相応しく焼死という末路を迎えた。
声を担当するのは、天王寺組の戸狩玄弥、獅子王組の橘花清志郎、エルペタスのミスト、裏神の烏丸瑞紀などを演じているKI氏。断罪対象ではないとはいえ、彼が外道の声を担当したのは今回が初となる。
また、これによりシリーズで伊集院や協力者に屠られた加害者側を演じた声優はKI氏で8人目である。
- 水木雄太(みずき ゆうた)
今回の依頼人。代々続く呉服屋の御曹司という事もあってそれなりの資産家だった。
ところが遺産目当てで響子に近寄られ、樋口に斬られた上で放火されてしまう。
普通なら死んでいる程の深手を負っていたが、父親に応急処置を施された上で陽紘を守るべく死力を尽くして脱出した。
真相が発覚しても陽紘に対しては「愛情をもって名前を付けたのだから自分が父親」と大切に思っている。タンタンの父親や堂馬利信など、碌な父親がいないバグ大世界の中では抜きんでた良き父親となるだろう。
事件後は水木呉服の再興と、陽紘を育てる事を誓った。
声を担当するのは横浜市に拠点を置く神城組の長門碧や名波和親、大阪府に拠点を置く天王寺組の白石玲士等の声を担当する小倉ミツハル氏。小倉氏が依頼人の声を担当するのは初となる。
- 水木
今回の被害者。伊集院の服を仕立ててきた職人。伊集院家とは茂夫の父親の代からの付き合い。
樋口の凶刃を受けて致命傷を負うが、雄太と陽紘を助けるべく歴代の白羽織で救護して力尽きた。
声を担当するのは今回のゲストキャラである松尾の声を担当する畑耕平氏。畑氏が被害者の声を担当するのは初となる。
- 水木陽紘(みずき あきひろ)
今回の被害者その2。
『太陽のように暖かく歴史を紘いでほしい』という願いを込めて名付けられた。
雄太の息子と思われていたが、実は樋口と響子の子供。
生まれて間もない赤ん坊だが、響子達にとってはただの捨て駒に過ぎず、簡単に見捨てられてしまう。火災の煙を吸って一時意識不明になるが、雄太に救われ奇跡的に生還した。
依頼完了後は雄太に育てられることとなり、呉服屋再建の様子を見守る雄太に抱かれてはしゃぐように声を上げて笑っていた。
今回のゲストキャラ。京都の五条組に所属する武闘派極道。
水木呉服の常連であり、組固有の情報網を用いて水木呉服放火事件の犯人を特定し、粛清に動いていた。
伊集院が雄太の依頼で動いている事も知っており、響子の身柄を巡って対立することはなく、「主犯である響子を譲る代わりに自分はそれ以外のメンバーを粛清する」という条件で仁母死のメンバーを粛清した。
樋口に対しては伊集院から「樋口を殺すのなら光を奪った末に焼死させろ」というリクエストに応え、樋口の両目と両足を切断し、火達磨にして焼死させた。
今後服が無くなったら上裸にコートでいくらしい。
名前だけの登場。伊集院からの連絡を受けて流川に孵化寸前のゴキブリの卵を手配した。
事件のモデル?
現場が京都で放火事件の部分から、京都アニメーション第1スタジオ放火事件が元ネタと思われる。
ただし当時は単独犯での犯行で、アニメの製作スタジオで、大勢の死傷者が出たのに対し、本編は複数の共犯者が登場し、呉服屋で犠牲者は一人になっていた。
余談
今回、五条組が初登場した。京都でも名うての老舗呉服屋を放火した外道の粛清に動いており、彼らがモットーとしている伝統を守るが口だけのスローガンではない事を証明するエピソードとなっている。
また、これまでも伊集院は現地の人間を拷問にかけたことはあるが、方言(今回の外道は関西弁)を話す人物を処刑したのは今回が初となる。
今回で成り行き的に仕事になった回が4回となり、4回連続で成り行き的に仕事になった回のエピソードが流れるのは史上最多となる。
今回の半グレの主犯格は戸狩などの声を務めるKI氏が演じたが、これによりシリーズで伊集院や協力者に屠られた加害者側を演じた声優は8人目である
今回のゲストキャラである松尾と利害一致として協力関係になりカチコミをしたが、「(樋口を)もし殺すなら光を奪った後に焼死、それ以外は認めない」と殺し方の指示までされたのはフッ酸付きナイフで殺すよう命じられた一条康明以来及び、関西圏の極道では彼が初となる(松尾自身は「えぐい」と言いながらも水木店主を殺した末に水木呉服を燃やされた件に関して怒りに震えていた為、これを承諾した)。
今回の拷問の元ネタはおそらく「胃壁を食い破る」というゴキブリに関する都市伝説だと思われるが、通常人間の胃酸はpHが極めて低い(即ち酸性度が極めて高い)為、仮に食べても生きた状態で食べたゴキブリが胃の中で繁殖するといったことはまず考えられないので、あの都市伝説は「嘘」である。しかし、今回は子宮の為あのような結果の描写になったと思われる。尚、子宮も酸性度が比較的高いが、無論胃程ではない。
また、最近ドラマの題材にされて話題となった托卵(女性が他の男性の子供を夫の子供だと騙して育てさせる不貞行為のスラング)の隠喩も入っていると思われる。
今回は名前のみだったが、蟲屋の利平が関わったのは伊集院茂夫による虫とファルコマン以来であり、2024年の動画ではこの回が初めてである(虫とファルコマン回は2023年9月13日に配信されており、1年3ヶ月ぶりである)。
これまでターゲットが依頼人やその一家、友人と表向きは友好関係や信頼関係を築いてきたケース、また被害者の同級生が外道だったケースはこれまでにもあれど、依頼人の同級生が外道になるケースはこれが初となる。
この話を以て、畑氏は伊集院シリーズにおける依頼人・被害者・裁かれるべき外道を演じたのは、ヤシロこーいち氏、伊藤タカユキ氏、末次由布子氏、mayo氏に次いで5人目となった。
関連タグ
ガラスと爆薬による人体破壊のハーモニー→G出産ショー→虫毒オンパレードからのヒーローによる裁き
美杏花:三門シリーズに登場した女性だけの半グレ組織でこちらも結婚詐欺で荒稼ぎしていた。
伊集院茂夫による蓑踊り、伊集院茂夫による神盟探湯と雲仙地獄責め:「断罪対象が女詐欺師」という点が共通だが、後者は「旅行先で拷問(あちらは東北地方、今回は京都)」という点も同じ。
伊集院茂夫による灼熱ラック:依頼人が関西出身である点が共通する(あちらの場合は大阪から東京まで来て、伊集院の事務所に訪れる形)。
氷室による臓器全摘と鼠の餌:mayo氏が演じる罪人の腹を割る点が共通する。
マシュー・ライアンによる牛裂き刑:「罪人が結婚詐欺師であり、自分の子供を殺そうとする外道」「伊集院と流川が拷問部屋とは違う舞台で拷問する」「罪人が目を刃物で斬られて失明する」という共通点がある(あちらは主犯が男性)。
伊集院茂夫によるトンカ:「罪人が先祖代々引き継いできた店を放火して冒涜する」「依頼人が最終的に店を立て直す」という共通点がある。
伊集院茂夫による地獄の玉入れ:「被害者が伊集院の父親の知人で懇意だった武闘派極道がいた」「その子どもが依頼者だった」という共通点がある。
伊集院茂夫による改造版ファラリスの牡牛:「被害者が伊集院の知り合いの店の店主であり、放火によって店が全焼する」「最終的に店を立て直す」という共通点がある。
伊集院茂夫による改良版股裂き刑:「被害者及び依頼人が伊集院の知り合いであり、動画が和やかな交流シーンから始まる」「罪人の主犯が女性で外見は美しいが、性格が醜悪そのもの」という共通点がある。
伊集院茂夫によるロングソード陵遅刑:「罪人の子供が産まれた」という共通点がある(あちらの罪人は男性である)。
蓮見紀次による二重昆虫拷問:虫の卵を罪人の体内に入れて孵化させ、生まれてきた虫に外道の体内を喰わせる拷問。
伊集院茂夫による赤ちゃん地獄 :「罪人が母親の重みを思い知らされた」という共通点がある(こちらの罪人も男性)。