「あたしがアリサ・バニングス、で、こっちがユーノ・バニングスです」
「よろしくお願いします……ってアリサ、その冗談やめてってば」
概要
『魔法少女フレグランティアリサ』とは、pixivユーザーKaonohito氏がpixiv上で連載している『魔法少女リリカルなのは』の二次創作小説である。
リリカルなのは原作の冒頭、負傷したユーノが槙原動物病院に入院した夜、ジュエルシードによる暴走体に襲われかけた時、駆けつけたのがなのはではなくアリサだったら、というif再構築作品。
2019年3月4日に無印編「Prologue」が投稿されて以降、2022年6月の時点で、トータル100話を越える長編連載作品。
もともとは2ちゃんねる(現・5ちゃんねる、厳密にはR-18のBBSPINK)の「☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレ」に、同氏が2007年11月から2009年9月にかけて投稿したもののセルフリメイク作品。旧題は『リリカルバイオレンス』。
ただし、本編のほとんどはR-18要素がない(番外編2話のみ。この当時、なのはエロパロスレでは珍しくなかった)。
旧作品は現在でも補完庫で読むことができる。
基本的に原作をなぞるかたちで話は展開していくが、アリサの「なのはより直情的・能動的でありながら、両親が企業経営者のため考え方がマセている」行動により、バタフライ効果が発生するかたちで、結果の一部が変わってくる。
この為に原作と同じ部分で区切られている。
原作無印にあたる部分は『魔法少女フレグランティアリサ』
原作『A's』にあたる部分は『燃え上がる炎の魔法使い』
原作『Reflection』にあたる部分は『魔法少女フレグランティアリサ Re;Continue』
原作『Detonation』にあたる部分は『魔法少女フレグランティアリサ ReXplosion』
として、それぞれ完結したかたちになっている。
現在連載されているのは、原作『StrikerS』にあたる部分で、『F.A.Striker's』となっている。
「なのはとは違う結果」は必ずしも良い方に向かうわけではないため、イリスとスバルのファンにとっては要注意な内容になっている。
当然だが、原作の公開が近年の『Re;Continue』『ReXplosion』は新たに書き起こされた作品になる。
また、『F.A.Striker's』も旧作とはまったく設定を変えて、ストーリーも異なっている。
原作と比べた時の特徴としては、他に「NLカップリングを成立させている」点と、「“原作の原作”である『とらいあんぐるハート3』の要素を多く取り入れている」点。
この為、特に近年からのリリカルなのはファンにとってはアクが強く、読む人を選ぶのも事実。
この先は本作品のネタバレがあるので注意
作者がどうしても小学3年生(9)らしくない言動に納得出来なかったらしく、アリサ・なのは・すずか(と、ユーノとフェイト)の年齢が小学5年生(11)に変更されている。
これは、作者自身が「通学以外の目的で電車に1人で乗るようになったり、児童向けではない新書小説を読み出したりしたのがこの時期」だからとのこと(第1話あとがき)。
主な登場人物
原作キャラクター
言わずもがな本作の主人公。
魔法資質がないと言っていいらしく(ユーノになのはやフェイトがスーパーカーのエンジンなら、アリサは軽自動車のエンジン、と言われてしまう。ただし「軽自動車と言ってもターボとかで強化されたスポーツ仕様のエンジン」とも)。
無印編では大技の時以外は魔力光に色がつかない(本来はオレンジだが、最初のうちは青白っぽい)。この為、なのはの兄・高町恭也に剣の指南をしてもらい、それで補っていた。
また収束砲である「スターライトブレイカー」が使えず、中途半端な面制圧型の「スターライトザッパー」になってしまっている。一方、「バリア破り」を得意としてくる。
『燃え上がる~』でカートリッジシステムを取り入れてからは、その縛りがなくなり、割りとガンガン使うようになったが、どちらかというと原作のフェイトに近い立ち位置(シグナムと主に戦うのもアリサ)。
中の人補正からツン分をまるごと差っ引いたぐらいの勢いでユーノにデレッデレ。できるだけいつも一緒にいたいという理由で小学校卒業後、男女別になってしまう聖祥大附属女子中学校に進まず、公立の市立海鳴第三中学校に入学している。
一方、無印編の結末以降、「相手を助けきれない」ことに対して一種のトラウマを負う。
アリサにレイジングハートを奪われる(ただし一度は返す)、イチャモンつけられて無理やり婿候補にされる、と、無印編の序盤~中盤では振り回されていたのだが、最終的には彼の方もアリサに好意を抱くようになる。
無印以降、アリサの家で生活しており、アリサの両親の勧めで聖祥大附属小学校に編入されるものの、経済的に無用な負担をかけたくないと、中学は公立へ進むことを希望する(アリサは彼についていったかたちである)。
『燃え上がる~』ではアリサが倒された(と思い込んだ)時、半狂乱で「闇の書」(自動防衛システム)になりふり構わずぶつかっていき、反撃をくらいかけたところをフェイトに助けられる。
「アリサと肩を並べていたい」という理由で、『Re;Continue』以降は自らに合わせたデバイス「アンブロークンイージス」を持ち、戦闘魔導師になっている。
フェイトとの力量差を目の当たりにして、アリサが一度音を上げてしまい、ユーノに返却されたレイジングハートを持って魔法を使うようになるが、そのフェイトに敗北してしまい、その時の経緯でレンジングハートをアリサに渡す。その後、クロノ達から新たにデバイス「L4U」を受け取り、魔法少女……と言うか火力支援型の魔砲少女として活躍している。
すずか程ではないが、PCやAV機器に強く、高町家のPCは彼女が組んだものとのこと。また、すずかと揃ってミラーレス一眼レフカメラ(Canon EOSシリーズ)を愛用。
クロノに好意を抱いており、2人っきりで翠屋にいたりする。
魔法を使うようにはならないが、無印~『ReXplosion』ではストーリーに絡んでくる。「アースラ」にも無印編後半には乗り込んでいる。
特に『燃え上がる~』でははやてと交流があることから、キーパーソンになっている。
『ReXplosion』でも仮本部のクルーズ船に乗り込み、気になって質問をしたりしている。
多分一番立ち位置変わらない人。
ただ、『燃え上がる~』では原作『A's』と異なりヴィータと主に戦うなど、原作なのは寄りの活躍になっている。
また、“姉”であるアリシアが一緒にいる影響もあって、若干フランクにもなっている。
原作同様、『Re;Continue』以降はリンディの養子になり、フェイト・T・ハラオウンとなる。
アリサが使えない「スターライトブレイカー」を、カートリッジの補助付きでブッ放していたりする(旧作2008年2月初出)。
フェイト同様、無印編・『燃え上がる~』では原作とあまり立ち位置が変わらない。
しかし『Re;Continue』以降も大人の姿で活動していることが多い。
地球にいた時はハラオウン家の留守番中、「この世界には旨いものが多い」と言ってカップヌードル(それもBIG)を啜っていた。
アリシアと一緒に行動していることも多い。
次元巡航警備部執務官。原作同様アリサとフェイトの戦闘中に割り込んでくるが、相手が直情径行のアリサであるためいきなり魔力弾をブッ放された上に理詰めで攻められ、挙げ句リンディから処罰を食らうというなかなかの被害者ぶり。
周囲にはカタブツと思われているが、なのはにだけは初対面の時から柔和な態度だったため、周りからそれをからかわれる。『燃え上がる~』以降はほぼカップリングが成立しており、なのはにやや振り回されデートさせられるも、まんざらではない様子。
原作同様、ユーノを「婿入りフェレット」と呼んでからかっていたらしいが、それに腹を立てたアリサに「嫁取り墨汁瓶」とあだ名を付けられ広められてしまう。
フェイトに実姉・アリシアがいるため、そのあたりのエピソードが目立たず若干ワリを食ってしまっている人。
もっとも無印編以来「見守り人」として振る舞っているようにも見える。
なんと無印編で初登場。「時の庭園」侵入時、陸との交換要員として「アースラ」に乗船しており、助っ人としてアリサやクロノ達と同行。なのはとともに動力炉の破壊に向かった。
その後、『F.A.~』でも健在で、精鋭・第5陸士隊の隊長にまで出世している。
無印編終盤、保管されていた身体にジュエルシードが作用し蘇生。
無印編では最後に顔見せ程度だったが、『燃え上がる~』以降、レギュラーキャラクターの1人になる。
本来予定していたユーノが闇の書の「蒐集」によって倒れたため(メタ的にはユーノをアリサのそばに配置しておくため)、彼女が無限書庫の管理者になる。
『INNOCENT』同様、身体はフェイトより小柄だが、フェイトの“姉”だと主張している。実際、フェイトが沈み込んだり思い悩んでいたりいる時、声を上げてフェイトをフォローしている。
また、戦闘魔導師として一歩劣る面がある分、フェイトをフォローするため、ディストーションシールドなどを身に着けている。
もともと少なかった魔力は、ヒュードラの事故の際か、ジュエルシードの力の副作用かは解らないが、一端の魔導師として充分な力になっている(反面、本来の魔力光はフェイトと同じ金色になってしまっている)。
本作では一種の双子扱いでフェイトと同学年になっている。アリサ・ユーノ同様、中学は公立中に入っている。フェイト同様、『Re;』以降はリンディの養子となりアリシア・T・ハラオウンとなる。
ドクターペッパーを飲んでいたことがある。
性格が似ているためかアリサと一緒にしておくとやかましいことこの上なく、クロノいわく「アリサが2人になったみたいだ」。
『燃え上がる~』にて、時の庭園の残骸から回収され、アリシアと再契約したという設定で登場。
アリシアのお守り役的な立場で、無限書庫で彼女の補佐をする一方、デバイスマイスターとしてレイジングハートやバルディッシュなどの整備・改修を行っている。
(このためシャリオ・フィニーノが登場しない)
普段は温厚で柔和だが、怒らせると怖い。
『燃え上がる~』序盤ではほとんど立ち位置は変わらない。
だが、すずかがクロノ達と行動をともにしている為、自分と行動をともにしていたシグナムやシャマルと、アリサやユーノ達とが出会ってしまい、蒐集の事実を知ってしまう。
その時、彼女は守護騎士達に事実を明かされ、「死にたくない」「ひとりぼっちは嫌」「自由に歩きたい」という小学生として至極当たり前の想いを吐露し、シグナム達に蒐集を許す。
ストーリー上の必然性とは言え、不憫な場面が多い。
ヴォルケンリッター(シグナム・ヴィータ・シャマル・ザフィーラ・レン)
ある一点を除いて原作とほぼ同じ。上記にあるように主にシグナムがアリサと、ヴィータがフェイトと主に戦うことになる。
『F.A.~』ではシグナムが喫煙(銘柄はゴールデンバット・メンソール・シガー)するようになっている。
リインフォース(アインス)
『炎の~』最終章、原作同様にアリサとフェイトに自分を消滅させてもらおうとするが、アリサに「それはただの逃げだ」と怒られてしまう。その後、あるキャラの行動により暴走の心配がなくなり、以後もはやてをマスターとして存在し続ける。
(この為、当然リインフォースⅡは登場しない)
『Re;Continue』『ReXplosion』。初出である『A's THE GEARS OF DESTINY』の設定をより強く取り入れており、身体がナノマシンの集合体であるサイボーグと明記されている。
原作『Det』とは、アミティエと立場がほぼ入れ替わっている。
彼女が地球で乗り回しているバイクはスズキ・カタナ400(赤ペイント)。
キリエの姉。キリエがどれほどの想いで地球に来たのか、アリサとアリシアに教えられる立場になってしまう。イリスとの決着も、最初は彼女が着けに行こうとするが……
キリエ同様『GoD』寄りの設定になっており、腹部を負傷した時、傷口からは血液ではない何かが滴っている。
乗り回していたバイクはスズキ・イントルーダー400。
『ReX』序盤でユーリを支配下に置くことに失敗するが、その代わり……
バタフライ・エフェクトが悪い方向に出た結果を迎える原作キャラなので、要注意。
病に倒れたキリエ・アミティアの父。で、その結末は────
原作ほぼそのままの立ち位置で登場するが、アリサ達と面識があるため、原作と違って冗談を言ったりする余裕を見せている。
ティアナのペア、つまり原作スバルの立ち位置で登場。デバイス「アンダウンテッドアイアス」を持つミッドチルダ式魔導師。レジアス中将の養女であり、オーリスの義妹。
その実態はスカリエッティ製戦闘機人「ナンバーズ」の1人。『F.A.~』本編より4年前の事件で、オットー・ディエチと未完成の状態だったもう1体とともに管理局の手に落ち、その未完成状態でISを封印して一般人として暮らしている1人以外は管理局側として働いている。
アリサの一番弟子を自称し、目指すものは「正義のヒーロー」と、もともとのアホの子の性格の上に熱血漢的な面が注ぎ足されている。
周囲からは「悪意で人を騙すなんて出来ない」「嫌なことがあっても大盛りアイスを食べれば忘れる」などと全力でアホの子扱いされており、その度に「怒ってもいいっスよね?」と言っている。
が、実際にはセインやクアットロに対して激しく敵意を向けている。
『とらいあんぐるハート3』キャラ
「闇の書」にアリサが飲み込まれた時、再現された「絶望の世界」が、『とらいあんぐるハート3』のオマケエピソード『花咲く頃に会いましょう』のものになっていた。最初はアリサ(バニングス)自身がそれを追体験させられていたが、その縛りを破ろうとした時に登場した。
曰く、本人そのものではなく、自身を記録したイデアシードが「闇の書」に蒐集されたことによって存在した、一種のコピー。
『燃え上がる~』終盤以降はデバイス「ホーンテッドクリムゾン」の管制人格となる。小学生時のアリサを小人にした姿になることも出来る。周囲にはアリサ(バニングス)と呼びわけさせるために「ローウェル」と姓で呼ばせている。実質的にリインフォースⅡの立場。
オリジナルキャラ
レン
ヴォルケンリッターの5騎目。“白銀の拳闘騎士レン”(白銀は「しろがね」とよむ)。クロノが「過去に記録がない」と訝しむ存在。
容姿ははやてとよく似ており、シグナム達同様日本人離れした特徴の為見間違えることはないが、「はやての鏡」と呼ばれている。
その実態は「闇の書」に対する…………
元ネタは『とらいあんぐるハート3』のヒロインのひとり鳳蓮飛と思われる。
シュテル・ザ・イニシエーター
原作のシュテル・ザ・デストラクターに相当するキャラクター。音速の焔却者。アリサによく似ているが、ポン・デ・リングにした髪の毛がグラデーションになっているという姿をしている。
指揮個体No.4
イリスの指揮個体の1体。ショートカットのボーイッシュな少女で一人称はオレ。なんでかアリサに懐いてしまう。
デバイス
初回起動時に、ユーノの「君の魔法に必要な道具、君を守る服」という言葉に対し、アリサが怪物を目の前にして「あいつを、ぶっ飛ばす道具」とか考えたために、目釘の部分にコアが入った西洋剣の姿になってしまう。ユーノ曰く、「レイジングハートらしくない姿」とのこと。
その後、一旦なのはの手に渡るが、なのはが使用している時は原作の姿になっていたらしい。
カートリッジシステム「CVK-695D」が取り付けられ、以降は正式名称が「レイジングハート・アクセル」になっている。
フェイトのデバイス。原作とあまり変わらないが、長く「デバイスフォーム」と「サイズフォーム」しかとらなかった。『ReX』で「ザンバーフォーム」が初出する。
レイジングハートから、アリサの魔力資質の限界で使えない「スターライトブレイカー」の術式を託されている。
カートリッジシステム「CVK-792A」が取り付けられ、以降は正式名称が「バルディッシュ・エクセレント」になっている。
L4U
なのはの為に用意されたデバイス。羽のような飾りの付いた銀の錫杖で、その錫杖頭にコアが収まっている。
ストレージデバイスのフレームにインテリジェントデバイス相当の管制部を取り付けた「簡易インテリジェントデバイス」。当初は間に合わせゆえの設計だったが、高い耐久性が評価されて一つのジャンルを開拓したと言われる。
カートリッジシステム「CVK-792R」が取り付けられ、以降は正式名称が「L4U'」になっている。
アンブロークンイージス
ユーノが自分に合わせて製作した盾型デバイス。放射端子がついている。
斬撃魔法をまとわせ、巨大なパタとして使うこともあり、それでイリスやディアーチェと五分の勝負をしたりしている。
「CVK-896D」カートリッジシステムを搭載している。システムボイスは北条明日香らしい。
ホーンテッドクリムゾン
管制人格にアリサ・ローウェルの思念を記録したRoiSが使われている。意匠はアリサが使っている時のレイジングハートに似たアキナス(短剣)。コアはオレンジの涙滴型になっている。
アリサのセカンドデバイスとして使われている。
ルシフェリオン
シュテルのデバイス。当然、アリサ仕様のレイジングハートを模している。
ディアーチェの「エルシニアクロイツ」、レヴィの「バルフィニカス」を取り込んで「ルシフェリオン・トライフォース」となったり、強化改造され「ルシフェリオン+」となったりしている。
アンダウンテッドアイアス
ウェンディのデバイス。戦闘機人として使っていた「ライディングボード」を普段封印しているため、それに近い性格のデバイスとして、ユーノの「イージス」をベースに製作された。
その後、改修で飛行具の「フローターボード」を抱えるようになった、とのこと。
「CVK-891R」カートリッジシステムを搭載している。
作者の健康問題
コンスタントに連載を続けていたが、2020年7月頃から投稿ペースが落ち始める。
PixivFANBOXで9月に原因不明の下肢痛に悩まされていることを告白、翌2021年4月に原因が椎間板ヘルニアの再発と判明して切開手術することになり、12月に術後に体調が思わしくない事を報告と、作者の健康不安がその原因となっている。
この為、現在は1ヶ月~1ヶ月強に1本の投稿ペースとなってしまっている。