酒吞童子とは、日本の伝承に登場する鬼である。
概要
幼名は外道丸(げどうまる)。
中世の日本で恐れられた鈴鹿山の大嶽丸、那須野の妖狐玉藻前(白面金毛九尾の狐)と並んで日本三大妖怪に数えられる、稀代の大悪鬼。
一説には八岐大蛇の子孫とされ、出雲からスサノオに敗れて丹波に落ち伸びた大蛇が、その地の豪族の娘と契りを交わして生まれたという。
配下には副首領の茨木童子、そして大江山四天王として熊童子・虎熊童子・星熊童子・金童子の四人を従えている。また、鬼童丸は酒呑童子の子とも言われる。
来歴
大江山の伝承と伊吹山の伝承で差異が存在し、出生も大江山や伊吹山、越後(新潟)、大和(奈良)など諸説あるが、そのどちらにおいても山神の加護を受けうまれた男児が、人々を惑わし、やがて鬼となり、放浪ののち大江山に棲み付くという点において共通している。
金棒や刀を奮い、配下の鬼と共に夜の平安京を荒らしまわり京の都の姫君達を誘拐し、仕えさせたりその血肉を喰ったという。乱暴で、嘘や謀を嫌い、名称通り酒が大好物というまさに鬼であった。
天皇の命を受けた源頼光と藤原保昌は、頼光四天王(渡辺綱、卜部季武、碓井貞光、坂田金時) とともに、神仏の協力を得て山伏に身をやつして酒呑童子の住処へ潜入。鬼たちの仲間であると説得し、鬼の力を封じるという神酒を呑ませ、身の上話を語りながら気をゆるした酒呑童子の寝首を掻いて討伐した。
だまし討ちにあったことを知った酒呑童子は、首を落とされながらも頭だけで頼光に襲い掛かり、「鬼に横道なし」(意訳:鬼ですらここまで卑劣な輩はいない。恥を知れ)と激しく罵ったという。
現在、酒呑童子の首は京都で有名な首塚大明神の塚に葬られており、首から上の病に霊験あらたかな神社として知られている。
これは改心した酒呑童子が「首から上の病に苦しむ人を助けたい」と願ったためであるらしい。
また、酒の神でもあり、今もなお、酒のお供えが絶える事はないという。
主な登場作品
無双OROCHI2
高い戦闘力を持つが自身の名前以外の記憶を喪失している謎の青年。太公望曰く、彼は「妖蛇討伐のカギとなる存在」。
⇒酒呑童子(無双)へ
乃木若葉は勇者である
高嶋友奈の精霊として登場。
切り札として憑依させる事で通常では歯が立たない十二星座バーテックスをも圧倒する強大な攻撃力を得るが、その分自身への反動もすさまじく、普通にパンチを繰り出しただけで腕から血が出るレベル。万全の状態でなかった際は殴りかかろうとしただけで気絶してしまうほど。そのため、大社でも切り札中の切り札として使用を禁じていたが、ある人物の死による怒りで封印を解かれる事になる。
宿した際の姿も、他の勇者のものと違って角のような装飾が付き、ごつごつした拳と相まって禍々しくも見える。
花結いのきらめきでは勇者システムが最新式に統一された関係で結城友奈は勇者であるの精霊達と同じデフォルメされた容姿が明かされている。
凶悪な能力に反して意外とかわいい。
tactics(漫画)
(画像下)
酒顛童子と呼ばれている。その昔、鬼喰い天狗と争ったと言われる災厄をもたらす鬼とされ、その玉には「時を止める」力がある。幻術を用いて戦う。
当時の鬼喰い天狗の主人であり彼に恋慕してた藤を唆し、鬼喰い天狗を封印させた。
強力な霊力を持つ源頼光(tactics)や勘太郎に興味を抱いている。
頼光らの手によって魂を現世に呼び戻され、さらにその媒体となる身体も作られていた。身体の方は白天狗スギノによって破壊されたが、ロザリーに宿って、鬼喰い天狗春華と戦った。最後は自らの過ちに気付いた藤に玉を砕かれて消滅した。
ぬらりひょんの孫
かつて百鬼夜行を従えた大妖怪として紹介されている。
鬼童丸との親子関係についてはぼかされている。
Fate/GrandOrder
アサシンのサーヴァント。はんなりとした京言葉を喋る鬼の少女。
⇒酒呑童子(Fate)を参照
現在は別クラスにクラスチェンジして登場もしている。
天外魔境Ⅱ
(画像右)
ヒロイン絹の父親。大江山に住む鬼族の長。
⇒酒呑童子(天外魔境)を参照。
妖怪ウォッチ
数多くの鬼の手下を従える鬼の大親分。
⇒酒呑童子(妖怪ウォッチ) / 酒呑ハルヤ / 酒呑童子(シャドウサイド)を参照
陰陽師本格幻想RPG
鬼族の頂点に立つ妖怪。
十鬼の絆
ネタバレ注意
⇒酒呑童子(十鬼の絆)を参照。
忍者戦隊カクレンジャー
2人1組の妖怪兄弟。
⇒シュテンドウジ兄弟を参照。
百獣戦隊ガオレンジャー
⇒ハイネスデューク_シュテンを参照
手裏剣戦隊ニンニンジャー
⇒超上級妖怪シュテンドウジを参照
妖怪大戦争 ガーディアンズ
演:濱尾ノリタカ
茨木童子と共に鬼の一族を率いる二刀流の使い手。
好戦的な性格の茨木童子とは対照的に落ち着いた性格である。
おまもりひまり
CV:菊池正美
白面金毛九尾の狐のタマさんと共に行動をとる妖。普段はスーツの男性の姿をしている。
かつて騙し討ちにあったことから人間を嫌うようになった。それ以前も人間と対立はしていたが人間と対立し戦うことそのものは嫌いでなかったらしい。
モチーフとしたキャラクター
東方Project
⇒伊吹萃香
名字などから、酒吞童子がモチーフである可能性が非常に高い。二次創作では、ほぼ確実に酒吞童子本人として扱われている。
俺の屍を越えてゆけ
⇒朱点童子:酒呑童子と同じ読み方。
京を荒らし、主人公一族に短命と種絶の呪いをかけた鬼。朱点童子を倒し、二つの呪いを解くことがこのゲームの目的である。
ザ・モモタロウ
⇒イワン・シュテンドルフ
1000年間生き続けた酒呑童子その人。
真・女神転生
最上位の妖鬼として登場。
一血卍傑
ゲーム内にて主人公に手を貸す者の内のひとり。
⇒シュテンドウジ(一血卍傑)を参照
ゆらぎ荘の幽奈さん
酒呑童子自身は登場しないが、その子孫である荒覇吐呑子がレギュラーキャラとして登場し、更に呑子が絶縁した実家である「宵ノ坂家」が日本の霊能力者の中でも屈指の強者を輩出してきた名家として登場。
ONE PIECE
⇒酒天丸
名前の由来は、旧名であるアシュラ童子と合わせて酒呑童子と思われる。
キン肉マン
映画版に彼をモチーフとした「朱天童子」なる超人が登場し、配下の超人たちと「朱天超人」を名乗る。思いのままに時間移動する事が可能で、拠点としている江戸時代から配下の超人たちを20世紀へと送り込んだ。
悪魔将軍の祖先にして、時空を超えあらゆる時代の悪行超人を支配する悪の総大将。悪魔将軍の正体が古代超人ゴールドマンであることから、その年齢は少なくとも10万歳以上になる。とはいえ、彼の外見や悪のまま散っていることを考えると、ゴールドマンの血統上の先祖ではなく大魔王サタンの分身ではないかと思われる。
鎧伝サムライトルーパー
ありふれた職業で世界最強
⇒夜々之緋月
本編終了後の長編アフターストーリーの一つ「深淵卿」シリーズに登場。
ありふれ世界の日本において、伝承で語られる酒呑童子本人……の、さらなる原典たる存在。
長い白髪に角を生やして、2mはある筋骨隆々でスタイル抜群の体躯を持ち、黒い和服を妖艶に着崩した女性の鬼。
「ありふれ」の地球において世界各地の伝承で語られ、存在する妖精や妖魔・妖怪の類は、その本体とも呼ぶべき存在が「妖精界」なる世界に存在しており、地球にその姿を現し、存在し、伝承で語られる妖魔たちは、その世界の人々が語り想像する伝承になぞらえて姿形を備えて顕現する「分御霊」(いわゆる分身や化身の類)なのだが、彼女はその中において地球の人々に「酒呑童子」として語られる存在の、妖精界におけるその根源存在である(むしろ『酒呑童子』の方が、「彼女を元ネタにして生まれた」ようなもの)。「夜々之緋月」とは、世間では酒呑童子と呼ばれている彼女の真名であり、彼女が認め、それを明かした者だけにしか聞き取れず、発音もできない。
本来は妖精界で暮らしているだけの存在であったが、魔王と勇者の異世界強制転移珍道中の道連れになる形で妖精界に来ることとなった深淵卿と戦って敗れたことで彼に心底惚れ込み、彼を「愛しの君」と呼ぶようになり、愛すること、力を貸すことを誓い、後に彼の妻ハーレムにも加わった。
なお、魔王、勇者、深淵卿たちの地球では「彼女をもとに地球の伝承で語られて生じた酒呑童子」(こちらは緋月とは似ても似つかぬ、伝承通りの厳めしくゴツい巨躯を誇る男の鬼)も存在しており、深淵卿が巻き込まれた事件において彼女が呼ばれ力を貸した際、その「地球産の酒呑童子」との直接対決にも至った。
関連タグ
外道丸(銀魂):漫画『銀魂』の登場人物。幼名がモデルとなっている。
草壁美鈴:アダルトゲーム11eyesの登場人物。所有している妖刀真打・童子切安綱には酒呑童子が宿っていると言われている。
草壁未柚:神殺しのアリアの登場人物であり、上記の美鈴の実娘。こちらでは悪魔として酒呑童子が登場している上に契約も交わしている。更には、使用している武器も外道丸という名前である。