概要
(暗闇大使近くの影)
雑誌展開及び『風塵社』から出版されている小説『仮面ライダーZX オリジナルストーリー』(著:平山亨)にのみ登場するバダン最高大幹部・暗闇大使の正体にしてバダン超最強怪人であるサザエ型改造人間。
その使命は雑誌展開では、散々世界征服計画を邪魔して来た裏切り者であるZXを含めた10人のライダーたちの抹殺、小説ではそれを含めて『時空破断システム』による世界征服及びそれを備えるバダン基地の護衛である。
今まで登場したバダン怪人たちの10倍の強さを誇るとされており、サザエの殻で覆われたそのボディは、あらゆる攻撃を弾き返すほどの強固さを持ち、そこに備え付けられた無数の大砲の威力は絶大なもので、一撃でビルを吹き飛ばす威力があるとされ、殻を回転させながら砲撃を行う事で連続で同じ標的に攻撃を加えることが出来る。
殻の中には上半身がフジツボやホヤの様な突起物に覆われた本体が潜んでおり、その時の姿では、人間態時の暗闇大使同様に電磁ムチや鍵爪を駆使して襲いかかる。
雑誌掲載時のラスボスに当たる怪人でもあり、最終回でライダーたちと決着を付けるべく、自身の持つ『時空魔法陣』の能力で蘇生させた、カメレオロイド、クモロイドを除く、バダン再生怪人軍団を率いで決戦を挑み、激戦の末、10大ライター達の猛攻撃の前に次第に押され、最後は『超パワーイナズマキック』を浴びて滅び去った。
金山静夫氏の漫画作品では左目に十字手裏剣を受けて退散、以後は暗闇大使の姿で戦っている。
小説『仮面ライダーZX オリジナルストーリー』では『時空破断システム』を設置するアジト内にて10大ライダーたちと決着を付けるべく、自ら1人で戦いに挑み、その力でライダー達を圧倒するが、10大ライダーたちの連係プレイの前に次第に押され、スーパー1の『エレキハンド』で大ダメージを受けたため、その場から撤退。
バダン総統に助けを求めるが、もはや用済みとして総統の手により『時空破断システム』で処刑され消滅した…(結局彼も今までの悪の組織の大幹部達同様、総統にとっては都合のいい道具として利用されていた1人に過ぎなかったという事か…)。
派生作品での活躍
仮面ライダーSPIRITSの設定では本体(?)である暗闇大使と一体化したバダンの移動要塞で、描写から察するに、漫画版仮面ライダーBLACKに登場するゴルゴムのネパール基地の正体である巨大改造人間『バドガオン』と同じようなコンセプトの改造人間(暗闇大使ことガモンから造られた分身体のようなもの?)と推測されるが詳細は不明。
また、形が原作に登場したサザングロスの本体を覆っている殻の形をしている点や、初めて時空魔法陣の能力で産まれた複製怪人であるシオマネキングとモスキラスとの戦いで内部が収縮し始めたような描写から、恐らく移動要塞の役割を持つ以外にも、本体(?)の暗闇大使を護る鎧の役割をも持っていると推測される。
能力的には原作の設定を踏まえて大胆なアレンジが加えられており、上記のように、前作で上半身を覆っていた殻の部分が、暗闇大使と一体化したバダンの移動要塞であるのと同時に『時空魔法陣』のシステムが組み込まれている事により、様々な機能が備わっており、これを用いて空間を湾曲させ、瞬時に別の所へ移動するワープ機能や遠く離れた場所の人間の大量拉致、また一部の例外を除き、『時空魔法陣』の能力で改造人間の素体から、今までライダーたちに敗れ去った怪人、改造魔人の複製を生み出すことが可能。
そのほか、内部にドグマ王国の遺産と思われる『生きたコンピューター』を内蔵することによりバダン総統・大首領JUDOを復活させる法具『時空破断装置』の中核を備えているなど、まさにバダンの持つ全ての技術の結晶であり、前線基地そのものという感じとなっている。
しかし、致命的な欠点も兼ね備えており、『時空魔法陣』が破壊されるとそのダメージが本体(?)である暗闇大使にフィードバックする危険性が有り、そのため真っ先に世界各地の空軍を壊滅させたのだが、その後の調査でその弱点が判明し、そこを突かれ、一度はライダーたちに敗れている。
その後、JUDOの計らいで再び本体(?)である暗闇大使は強化改造を受けるのだが、その際、一瞬だけ原作のサザングロスの本体のシルエットが浮かび上がるシーンが存在する。
その後、ショッカー~ジンドグマまでの悪の組織の復活怪人たち、およびデルザー軍団の改造魔人たちと10人ライダーたちが戦っている間、宇宙空間で作戦を指揮していたが、暗闇大使がJUDOに造反し、さらに結城丈二がJUDOとの直接対決に敗れた際に残してきた「コントロールアーム」を媒介としてJUDOが仮の姿で復活したことに伴い、時空魔方陣で地球に落とされる。
その中で大気圏との摩擦熱で消滅しそうになったものの、執念の炎を燃やす暗闇大使がサザングロス要塞と一体化し、新たなるアマテラスの力もあって東京湾に落下、その後も冷却システムを暴走させて関東一円を氷河期のごとき寒さに導く。
その中で暗闇大使は雑誌グラビア版と同様の姿(上記の棘に覆われた本体)となり、自ら名付けた「阿修羅谷」の中で自らを溶かし戦闘力を強化、さらに巨大要塞だったサザングロス外殻を縮小化させ、自らと完全に一体化する。
その戦闘力は覚醒前でもジェネラルシャドウに大ダメージを与え、一時撤退させるほどである。
さらに、そのシャドウによって精神を遠隔操作され、混濁した記憶の中から地獄大使への憎悪を掻き立てられることで要塞の外殻から目覚め、雑誌グラビア版と同様の姿になる。
そのまま遂にZXと交戦し始めるが、まだ自我が残されていたらしく、僅かながらZXの問いに反応し「ZXの力を最大限まで引き上げ、大首領を倒させることで再び裏切られる前に今度は己自身が大首領を見限り切り捨てる」という野望を露とすると、ZXを大首領の本体が捕らわれている“虚無の牢獄”への入り口となる“時空魔法陣”を展開。
ZXたちを“虚無の牢獄”へと誘うと同時にまるで力を使い果した下の様にその体はボロボロに崩れ去り、死亡するという原作やTVSとは違った最期を迎えた(ただし有名な断末魔を叫んでいない為、今後の展開しだいでは復活の可能性もある)。
ちなみに“時空魔法陣”の使い手としては類稀な存在であったらしく、彼の死後に同じく魔法陣を展開したジェネラルシャドウは多大なる付加を強いられ苦しんでおり、これを自在に操って見せていた暗闇大使に対して敬意を表している。
派生作品
山田ゴロ版では暗闇大使の姿のままで10人ライダーと決着をつけている。
ZXを主人公としたTV番組『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』では時間の都合からか、登場出来なかった…。惨い…。
以後、映像媒介では姿を見ることはできていない。
『宇宙の11 仮面ライダー銀河大戦』では他の再生幹部がヒルカメレオンやジャークミドラなど最初から怪人体で登場したのに対し暗闇大使はその姿で登場。
手が砲身でマーダーマシンを操縦する都合のためとも考えられるが(同じ理由でか悪魔元帥もサタンスネークの姿を見せていない)、では素体でよかったのでは?と思える。
バダンを主軸に据えた『仮面ライダー大戦』でも登場かと思いきや、暗闇大使が仮面ライダーZXの変装だったので、そうでもなかった。
『MASKED RIDER DEN-O 『ロスト・トレイン』』ではカミソリヒトデ、獣人大ムカデ、カメレキング、ドクガロイド、カメレオロイド、ジゴクロイド、カマキロイド、ヤマアラシロイド、タイガーロイド、トカゲロイド、アメンバロイド、タカロイド、バラロイドを率いてまさかの登場。特撮版がベースの作品では初の登場となる。
平成1期ライダーに再生怪人軍団を蹴散らされて正体を現し、回転しながらの無差別射撃でライダー達を寄せ付けず、ディケイドのディメンションキックも硬い殻で防ぐが、デンオウモモタロスをディケイドが投擲し、ツノの一撃で殻がまさかの崩壊、醜悪な中身を晒す。
切り札として時空魔法陣から首領の根源たる怨念エネルギーでパワーアップしたキングダークを召喚し、勝ち誇るが、平成ライダー達がライダーシンドロームを発動した事でキングダークを媒体に現れたバダン総統を倒されてしまう。もはやこれまでとばかりに介錯を要求するが、ディケイドは過去に大ショッカー首領であった事を利用して、時空破断システムを使って時空が歪んだ原因となった時代へと飛ばすよう仕向ける…つまり、歴代でも珍しい生還ルートである。
というのも、彼自身が時空破断システムのコントロール装置を内蔵していて、安易に殺せなかった為である。
- 別な用法
『ポケットモンスターシリーズ』に登場するポケモン・「サザンドラ」と「メタグロス」の組み合わせの用語として用いられる場合もある。