概要
三大天使とはセラフィモン、ケルビモン、オファニモンの事を指し、3体は天使型の究極体デジモンにして、神に等しき力を持つルーチェモン(成長期で完全体、完全体の姿で十闘士を圧倒する力を持つ)の3つの側面を分け与えられたデジモン達。
元ネタは『天使の階級』の上位三隊(熾天使、智天使、座天使)。
デジタルワールド中のデータが演算されていると噂されるカーネルを守護する存在。
究極の“善”に位置する天使型デジモンは、その極端さゆえに対極である“悪”に身を染めやすい一面を持ち三大天使である彼らも例外ではなく、ブラックセラフィモン、ケルビモン(悪)、オファニモン:フォールダウンモードとして全員に闇堕ち後の姿が存在する。
「デジモンプロファイル」では各々の設定も統合された結果、負の感情が増大する(悪への怒りも含む)ことで闇堕ちし、さらには魔王型デジモンへと堕天することが共通設定となった。
堕天した場合は新たな天使型デジモンが進化して補充されるという(実際「デジモンクロニクルX」では三大天使のオファニモンとケルビモンがルーチェモンの配下である自分の闇堕ちと戦っている)。
なお、闇堕ち後の姿だがなぜかオファニモンのみがタイプが堕天使型、セラフィモンの属性がウィルス種へと変わるがそれ以外は継続されているため統一されておらずこの辺りの事情は不明。
更なる堕天後の魔王型デジモンは、セラフィモンの設定や「デジモンコレクターズ」のブラックセラフィモンの設定ではデーモンの名前が明言は避けられているが登場している。
オファニモンはリリスモンがかつてオファニモンと同種族とされ「デジモンジントリックス」で見せた素顔もリリスモンと同じ泣きボクロがあったためリリスモンになる可能性が高い。
これらはルーチェモンも含まれる魔王型デジモンの頂点である七大魔王と言われる存在でもありかつての主であるルーチェモンと同様のルートをたどったと言える。
ケルビモンのみ今のところそれを匂わせるような設定はなく、デジモンコレクターズで三大天使と魔王型デジモンのコラボカードが出た際には善悪のケルビモン同士だった。
セラフィモンは『デジタルモンスターカードゲーム スターターVer.3』(2000年04月)、ケルビモンは『デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!!/後編・超絶進化!!黄金のデジメンタル』(2000年07月)と近い時期に登場しているのにもかかわらず、オファニモンは『デジタルモンスターカードゲーム スターターVer.6 三大天使降臨』(2001年09月)と遅いタイミングでの登場となった。
ちなみに『デジモンアドベンチャー』で究極体の揃い踏みが見られなかった理由はセラフィモンが8体のパートナーデジモンの究極体の中でも登場が最も遅かった事も要因なのではないかと思われるが、その辺りの真相は不明である。
各作品での活躍
各々アニメでの活躍やアニメのパートナーデジモンの進化先候補になっているため人気のあるデジモンであり、登場自体は多いが三大天使という設定での登場は少ない。
「デジモンフロンティア」
この作品で明確に登場し十闘士のスピリットを預かっていたがケルビモンの裏切りにより本編の出来事へとつながっていく。
セラフィモンとオファニモンはヒューマンデジモンの代表、ケルビモンがビーストデジモンの代表であったが、ケルビモンはビースト族の事を思うあまりに二人がヒューマン族に都合のいい政治をしていると勘違いし、そのコンプレックスを突いたルーチェモンによって堕天したというのが真実であった。
最終的には全員転生し成長期の姿で力を断片的に使用し力を貸すこととなった。
デジモンアドベンチャー:
公式ダイジェスト映像でシルエットのみ先行登場。
ただし、本作ではケルビモン(ロップモン)がセラフィモンやオファニモンと思われるデジモンについて聖なるデジモンと説明するのみだったことから三大天使の組み合わせや設定はとくになく、あくまで同じ光の軍勢所属のデジモンだっただけだと思われる。
光の軍勢には聖なるデジモン、パートナーデジモンの6体の究極体以外ではクラヴィスエンジェモンやスラッシュエンジェモン、ラジエルモン、ヴァロドゥルモンの存在も示唆されていた。
聖なるデジモン2体はどちらも闇に染められかけており、その影響でブラックセラフィモンのシルエットも登場している(オファニモンの方は転生してダークナイトモンへと歪められていたためフォールダウンモードはなし)。
「デジモンアドベンチャー」
正式に三大天使が登場する前に、デジモンアドベンチャー02劇場版でセラフィモンとケルビモンが、デジモンアドベンチャーtri.ではフォールダウンモードではあるが、オファニモンも登場している。
「デジモンクロニクルX」
前述の通りオファニモンとケルビモンの善悪それぞれがロイヤルナイツの援軍としてきた三大天使とルーチェモンの配下として登場。
「デジモンリアライズ」
三大天使が登場。法や慈愛を司るという組織である為に、四聖獣やロイヤルナイツとは異なり、スパイラルに対して不干渉の姿勢を取っていたが、のちに主人公らに協力している。
この作品では神の領域がキーワードとして登場しており、デジタルワールドの全記録が収められている重大な場所であるが故に絶対的な善の存在しか干渉することは許されず、ロイヤルナイツでさえ、この区画に立ち入った事はないとされている。
デジタルワールドに消えた母の手がかりを追う双見英司がこの区画に侵入したが、スパイラル・オリジンに掌握されてしまい、一度はデジタルワールドが消去されたかに見えたが、四聖獣の活躍でロイヤルナイツ、デーヴァ、三大天使が集結し、再びカーネルに侵入してきた主人公達によってカーネルが奪還された。
なお、スパイラル・オリジンと英司は中枢に触れてデータが変質し、神の領域でしか存在できないものになっており、三大天使は彼らを正常なデータに戻す事も検討しており、その間に彼らはこの場所に残ってスパイラルを大量のデジタマに転生させている。
一覧(天使族デジモンのヒエラルキー)
なお、大半のデジモンは「ウィルスバスターズ」に所属している。
元ネタの天使 | デジモン(レベル) |
---|---|
四元徳 | 今のところ確認されていない。 |
上級三隊「父」 | デジモン(レベル) |
最上位「熾天使」(セラフィム) |
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第二位「智天使」(ケルビム) |
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第三位「座天使」(王座) |
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中級三隊「子」 | デジモン(レベル) |
第四位「主天使」(主権) |
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第五位「力天使」(力) |
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第六位「能天使」(能力) |
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下級三隊「精霊」 | デジモン(レベル) |
第七位「権天使」(権勢) |
|
第八位「大天使」 |
|
最下位「天使」 |
関係者
キュピモン/プットモン
幼年期ⅠとⅡの小天使型デジモン。
ガーゴモン/マンティコアモン
天使デジモンの使い魔として使役される。
シャッコウモン
一説には古代の天使型デジモンの一種なのではないかと言われている。
バルキモン
天使型デジモンの要塞を守護していたと思しきデジモン。
ピコデビモン
悪魔系デジモンの原型となる成長期。
ファンロンモン
古代にとある天使デジモンに地中深く封印されたという四聖獣の長。
マリンエンジェモン
ホーリーリングを付けた姿や名前から天使型と関係があるのではないかと目されている。
ラブリーエンジェモン
エンジェウーモンから進化するが、戦士型デジモン。
エンジェモンの名を冠するが他の天使型デジモンの勢力との関連性は不明。
グランドラクモン
吸血鬼デジモンの王とされ、かつて討伐に出た天使型デジモンを何体も堕天させてきたと語られている。
『デジモンリアライズ』でも反映されたが、こちらはエンジェウーモンに洗脳を脱されている。
十闘士
突如、反逆を起こしたルーチェモンに立ち向かった史上初の10体の究極体。
8人の闘士の犠牲を払い、ルーチェモンを他の魔王型デジモン共々ダークエリアに封印したとされている。
『デジモンフロンティア』ではセラフィモンやオファニモンの力で十闘士の力を受け継いだ者たちが「ダブルスピリットエボリューション」や「ハイパースピリットエボリューション」が可能となっている。
また、本作においてブラックセラフィモンはセラフィモンのデータを奪ってメルキューレモンが変異した姿として扱われている。
堕天使型との対応
また、公式設定やアニメなどの媒体を参照する限りでは、天使型デジモンは以下の堕天使型デジモンに対応しているようである。魔王型に関しては概要で触れている為、ここではそれ以外の天使型について触れる。
エンジェモン/デビモン
公式設定でもエンジェモン系が闇堕ちした姿がデビモンだとされており、『デジモンアドベンチャー:』でもこの設定が回収された。
また、成長期の姿に位置するパタモンとツカイモンは色違いとなっている。
エンジェウーモン/レディーデビモン
どちらも完全体の女性型デジモンで、それぞれの勢力の中でも高い実力を持った存在と設定されている。
各メディアでも仲が悪い組み合わせとして描かれるが、ジョグレス進化する事で本来は相入れない両勢力を指揮し、異次元のゲートを繋ぐ力を発揮できるマスティモンに進化する。
『デジモンクロスウォーズ』では直接的にエンジェウーモンの闇堕ち後の姿がレディーデビモンとなっている。
進化前のテイルモンとブラックテイルモンは色違いとなっており、彼女らの進化前であるプロットモンは善悪どちらにも転びやすい性質を持つ。
デスモン
元は高位の天使型デジモンという説があるが誰を指しているのかは不明。
ムルムクスモン
元々は上級天使型だったという設定を持つ。『デジモンネクスト』ではホーリーエンジェモンの闇堕ちした姿として描かれたが、『デジモンフロンティア』ではダルクモンはあくまでも仮の姿として描かれた。
バグラモン
元々は死を司る高位の天使型だったという設定を持つが、具体的に誰を指すかは不明。
なお、バグラモン自体のモデルは北欧神話の大神オーディンである。
ラグエルモン
厳密には堕天使型ではないが、座天使型のラジエルモンが対の関係にあたる。
メイクーモンが通常のメイクラックモンに進化したか、メイクラックモン(ヴィシャスモード)に進化したかで分岐する。
ラグエルモンは天使型デジモンの監視と堕天した個体の抹殺を請け負うデジモンに位置付けられている。
オルディネモン
デジタルワールドの終焉に天使型デジモンが怒りや悲しみに囚われて他のデジモンと融合して誕生するとされる。
公式設定ではこれが誰を指すのかは語られていないが、初登場となる『デジモンアドベンチャーTri.』ではオファニモン:フォールダウンモードとラグエルモンの合体した姿として描かれている。
余談
天使型デジモンは大抵獣型のデジモンから進化する事が多いが、これは天使が『獣』としての側面を持っている為だと思われる。『獣』とは哺乳類のみならず、聖書などでは黙示録の獣などと言った災いを齎す魔獣の事を指す。
事実、天使型デジモンの中には闇堕ちして堕天使型デジモンとなったり(デビモンやケルビモンなど)、正に終末を齎すデジモンに進化する危険性を秘めた種族がいる(ルーチェモンやオルディネモンなど)。
この他、最終進化系が神獣系と天使型のいずれかに進化すると言った例もある(テイルモンなど)。
そもそも三大天使の始祖からして闇堕ちした輩なので、そうなるのも仕方ない話なのかもしれない。テイルモンの進化前の設定からして、善悪どちらに転んでもおかしくないという設定があり、ある意味天使型の本質を突いた設定だと言える。
ケルビモンから堕ちる魔王型デジモンだが、ほかの二体が七大魔王であること、X抗体の設定で登場した嫉妬(フロンティアでのオファニモンが好きだったことが闇堕ちの一因ではないかと推測された)、獣の姿という共通点から無理に上げるとすればリヴァイアモンが候補に上がるかもしれない。
ちなみに高位の天使型デジモンで天使の個体名に由来しているのはラグエルモンとラジエルモンだけであり、三大天使デジモンは実は天使の階級名に由来している。
関連項目
関連サイト
公式デジモンプロファイル三大天使とカーネル、「ホーリーリング」を持つものたち