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CV:緑川光

概要編集

レッドリボン軍の科学者である、ドクター・ゲロが作り出した人造人間の一体。

人造人間17号人造人間18号のような、素体となる人間を機械改造して製造されたバイオタイプ(サイボーグ)ではなく、全てが機械で造られたメカタイプ(アンドロイド)である。

外見は一般の人間と変わらない。また、永久エネルギー炉をゲロが開発導入したタイプとしては、初の試作型でもあった。


人造人間の中では最強の力を持ち、ゲロが孫悟空を抹殺するために製造したものの、悟空を殺す以外のことはプログラムしていなかったことや、製作の過程でゲロ自身が16号に対して抱いたとある情(後述)が反映されたためか、争いに対して消極的な性格となってしまい、ゲロからは「失敗作」とみなされ、長らくスリープ状態で保管されていた。


容姿編集

髪はオレンジ色の癖毛で、ボリュームのあるモヒカンカット。

ピッコロ(226㎝)並みの長身かつ屈強な体格で、両手以外の全身を覆う黒いインナーの上に腕や胴体など各所にライトグリーンのプロテクターを着用している。

ぶっちゃけ寡黙で男前になったリクーム


能力編集

両前腕は着脱式で、ロケットパンチとして発射可能。

さらに、その接続部である上腕側の断面には強力なエネルギー波を噴射する砲口が収納されている。

体内には17号、18号と同様の「永久エネルギー炉」の他に、二人にはない「パワーレーダー」(機能的にはスカウターに相当)が内蔵されており、特定の相手の強さや位置を把握することが出来る。

視覚そのものは人間と大差ないのか、太陽拳が普通に効いてしまう。


ゲーム作品等では無視されがちであるが、掌からエネルギー弾などを発射する場面は原作漫画に存在しない。

アニメオリジナルの武装として目からビームを放つ機能があり、ゲーム作品によっては通常気弾の代替えとして使うこともある。


その他、最終手段として相手を道連れにするために、ブルマ曰く「地球がぶっ飛ぶ威力」の超高性能爆弾が内蔵されているなど、まさに全身が兵器そのものとも呼べる様々な機能が搭載されている。


人物像編集

戦うためだけに作られた上記のようなスペックとは裏腹に、争いを好まず自然や動物を愛し、弱者を思いやる心を持った穏やかな性格の持ち主。


口数は少なく、仲間と共に行動している間も会話に参加する機会は少なかったが、それでも他者への思いやりは強く、セルが17号を吸収して第2形態になった際には近くにいた天津飯に逃げるように促し、恩を受けたクリリンに対しては感謝の言葉を述べ、自身が満身創痍の状態になりながらも思い悩む孫悟飯を激励するなど、時には言葉で他者を奮い立たせる場面も。


セルが自らセルゲームの会場を吹き飛ばした際には、普通の人間であるミスター・サタンたちを助けるなどの気配りも見せている。


ただし、悟空に対してだけは「自分は彼を殺すために作られた」という理由から決して馴れ合おうとはしなかった。悟空から握手を求められた際も冷たく拒絶しており、悟空も珍しく「暗い奴だな」と評していた。


作中での活躍編集

超サイヤ人に覚醒したベジータ人造人間19号を倒され、ゲロは秘密研究所に逃げ帰り、対抗する切り札として17号と18号を起動させるが、二人は自分たちを勝手に改造したゲロを恨んでおり、隙を見てゲロを殺害。その後、ゲロが最期まで起動を拒んでいた16号の存在に興味を持った二人により解放され、「孫悟空抹殺」という共通した目的のために共に行動する。


Z戦士たちとの戦いを「ゲーム」と称して楽しむ17号たちとは対照的に、孫悟空以外の相手と無闇に争うことを快く思わず、挑んでくるベジータやトランクスらにも全く関心を示さずに、小鳥と戯れるなどしていた。


ゲロの遺したバイオ人造人間のセルが現れた際に初めて戦うことを決意。神コロ様や17号よりはるかに強いセルと互角に渡り合い、完全な機械であるためセルの吸収攻撃が効かないなどの特性もあり優位に立つが、17号を吸収し第2形態になったセルには力及ばず、右側頭部を破壊され倒される。


その後、クリリンの計らいでカプセルコーポレーションに運ばれ、ブルマから修理を受け快復。この際、左胸のレッドリボン軍のマークに代わりカプセルコーポレーションのロゴマークが貼られていた。


再びセルと戦うためにセルゲームに臨むも、既に18号を吸収し完全体となったセルは絶望的な強さになっており、悟空対セルの戦いを見守るだけとなる。


悟空が降参し、2番手の悟飯も窮地に陥った時、気を持たない体質を生かし間合いを詰め、内蔵された自爆装置でセルを道連れに自爆しようとしたが何も起こらない。

実は修理の際に、ブリーフ博士によって爆弾が取り除かれていたのだ。

セルに「もっとも、爆弾如きでこの私が死んだとも思えんがね」と吐き捨てられた後、バラバラに破壊されてしまう。


頭部のみになってもかろうじて機能しており、セルがセルジュニアをZ戦士たちと戦わせている隙に、近くにいたミスター・サタンに頼み、悟飯の近くまで放り投げてもらう。

己の秘められた力の解放を恐れる悟飯にアドバイスを送ると共に、自分の愛する自然と動物たちを守ってほしいという未来への希望を託すも、せせら笑うセルに踏み潰され、完全に破壊された。

彼の『死』によって怒りを爆発させた悟飯は、遂に超サイヤ人2へ覚醒することになる。


セルの撃破後、悟飯たちは神龍に「セルたちに殺された人々を生き返らせてほしい」と願い、セルに吸収された人間たちの多くが蘇生される。

その中にはサイボーグである17号も含まれていたのに対し、元々が純粋な機械(アンドロイド)である16号が蘇ることはなかった(生き返った描写はなく、16号のその後についてもまったく触れられていない)。


ただ、後の描写で魔人ブウが地球を消し飛ばした後、ドラゴンボールで元通りになった地球で人造人間8号アラレちゃんが何事もなかったかのように再登場しているので、その理屈に従うならば16号も復活している可能性は無きにしも非ずであるが、魔人ブウの時は、最初に破壊された地球を元通りに戻して欲しいという願いがあったため、一つ目の願いでアラレちゃん等の完全機械ベース組が復活、その次の天下一武道会のあった日から死んだ者を悪人以外全て生き返らせるで生命体が復活したとも取れるので、セルに破壊されたものを元通り戻して欲しいという願いをしていたら16号も生き返っていた可能性もあった(もっとも、アラレちゃんの場合その強さからいっても破壊されたかは疑問であり、ロボットだから宇宙空間でも活動可能である事を思えば地球が無くなっても無邪気に宇宙遊泳でもして遊んでいるうちに、いつの間にか地球が復活しているという展開になる事も考えられるが、いずれにしても16号とは事情が異なる)。そもそも、あくまで作中で描写されなかっただけなので、実際は復活していた可能性はゼロではない。


他作品での活躍編集

『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR(PS2/Wii)』では、専用のストーリーである「心優しき人造人間編」が存在する。タイムマシンを使い過去を訪れ少年時代(マッスルタワー攻略後)の悟空の命を狙い、悟空を守るため立ちはだかる“ハッチャン”こと人造人間8号と戦うことになる。ルートによっては悟空たちと和解するシナリオも存在する。


対戦モードでは、ドクター・ゲロとの専用の会話演出の中で「お前に従うようにはプログラムされていない」と発言しており、創造主を倒すことに全くためらいを見せない。同じく悟空抹殺を目的とする人造人間13号(劇場版オリジナルキャラクター)に対しては「孫悟空を殺すのは俺の任務だ」とライバル視する台詞を発している。


キャラクター図鑑のチチの説明によると、悟空が「ハッチャンに似ている」と言っていたらしい。やはり通し番号が8の倍数だからだろうか?


自然を愛する彼の性格はゲームにも現れており、『ドラゴンボールZ 真武闘伝(SS)』や『ドラゴンボールZ2 Super Battle(AC)』のエンディングでは、自然や動物たちと共に生活する姿が見られる。


ドラゴンボールゼノバース2』では正史での登場意外に、暗黒魔界の科学者ミラに操られ、未来悟飯を抹殺するために未来世界へと送り込まれたが、主人公たちによって阻止された。

コントン都に現れた16号は、メンテナンスに協力してくれた主人公に対して好意的に接している。お礼として自身が持つ技を教えている(ヘルズフラッシュのようなロボット色の強い技は、それを参考に主人公が自分の技としてアレンジしているという設定)。


DLC『正義のヒーロー編』で再登場。

博士を名乗るフューによりガンマ1号とガンマ2号、21号と共に集められる。

フューの計画で西の都に向かい、ガンマ1号とガンマ2号とともにピッコロと孫悟飯と交戦。

しかし、歴史改変のエネルギーに研究用のタンクが耐えられずにセルマックスが暴走してしまい、ピッコロ達と共闘することに。

フューの手でセルマックスを別の場所に転送し、戦いを開始。

ある程度セルマックスにダメージを与えると、セルマックスの弱点を破壊するために人造人間16号とガンマ2号が同時に動き、プレイヤーにはその『どちらか1人』を止めるかという選択肢が出てくる。


『ガンマ2号を止める』を選択した場合は、人造人間16号がセルマックスの頭部にしがみつき自爆機能を使用。一時的にセルマックスを止める。

16号との最期の言葉を交わし、彼の決意を受け取ったガンマ2号はガンマ1号や人造人間21号と連携し、セルマックスに立ち向かう。そして、孫悟飯ビーストとオレンジピッコロの魔貫光殺砲でセルマックスが倒された後1号、2号、21号は16号の様なヒーローになることを固く誓うのであった。


『人造人間16号を止める』を選択した場合は、ガンマ2号が突撃しセルマックスの左腕を破壊。その直後にガンマ2号は消滅するが、ガンマ1号は2号の青色の光線銃を手にセルマックスに立ち向かい、ピッコロ達の援護のもと人造人間16号、21号と共に頭部の弱点を狙撃。


ドラゴンボールファイターズ』では、新キャラクターである人造人間21号の手により復活する(正確には、以前の個体の記憶データを引き継いだ別個体であり、本人も「別人」と述べている)。激しい捕食衝動に駆られた「悪の21号」の目論見を止めるため、「善の21号」や17号・18号と協力し各地の異変の解決に乗り出すことになる。21号に対して直向きに彼女に寄り添い、捕食衝動の発作と戦う彼女を支え続けるが……


本作では「孫悟空抹殺」というプログラミングが成されていないため、悟空に対する敵愾心は特にみられない。悟空のクローン戦士との闘いでは感慨深げに言葉を漏らし、「ある意味ではオレもお前たちと同じ偽物なのかもしれない」と自嘲している。本物の悟空と対峙した際は、彼から「殺気がない」と指摘されている。

悟空のクローンとは戦う直前に「手は抜かない。覚悟しておけ」と言いながら腕を外して構え、シリアスな顔でギャグを入れている(16号自身には自覚はないのかもしれないが)。


得意技編集

※技名は後年のゲーム作品におけるもの。原作で判明しているのは「ヘルズフラッシュ」のみ。

腕(から先)を相手にめがけて射出する。

原作漫画においては、気功波などを撃てない16号がとっさに行える唯一の遠隔攻撃であり、片腕を発射後は残った方の腕で自ら回収、即座に再装着している。


  • ヘルズフラッシュ

腕を外した後の接続部から強力なエネルギー波を放つ。

原作ではセル第一形態を担ぎ上げて地面に叩きつけ、空いた穴の前で両腕を小脇に挟んで外し、地中のセルにトドメを刺す形で使用した。

地中で炸裂したヘルズフラッシュの余波は地上にも噴出し、地面のあちこちに穴を空けたが、それが返ってセルが17号を吸収するチャンスになってしまう。

必ず両腕を外さなければならないのかは不明だが、少なくとも原作中に片腕を外して発射する場面はない。

ゲーム作品では律儀に両腕を外したり、直前の投げ技とセットになっていたりする。


  • 自爆

相手を取り押さえた状態で、体内に内蔵された自爆装置を作動させて敵もろとも爆発する。

原作では取り除かれて使用できなかったものの、後年のゲーム作品では概ね実装され、相手と共倒れになるドロー狙いか、もしくは自分の体力を1残して相手にダメージを与える技となっている。


  • アイビーム

原作では使っていないが、アニメ『ドラゴンボールZ』第151話で描かれたセル第一形態との戦いで、尻尾で首を絞められ足で胴体に組み付かれ、目の前でエネルギー波を撃たれそうになった際に、目からビームを発射して拘束から逃れたことがある。

後年のゲーム作品ではメカタイプならではの技として、遠距離攻撃にアイビームを使うことがある。


演者について編集

アニメ『ドラゴンボールZ』では人造人間編後のオリジナル展開として、悟空があの世で出会った“西の銀河最強の戦士”パイクーハンが登場しており、地獄に堕ちてなおも傍若無人に振舞い騒動を起こすセル(さらにはフリーザ軍)の前に現れたパイクーハンは、たった一人で瞬く間にセルたちを打ち負かし牢獄に叩き込んでしまう。

このパイクーハンの声を担当するのが16号を演じた緑川光氏であり、中の人的にある意味セルへのリベンジが為される結果となった。


また『Z』デジタルリマスター版である『ドラゴンボール改』では新規に音源も再収録されており、当時の声優陣の引退や鬼籍に伴い一部キャスティングが変更となっている。

16号のCVを担当する緑川氏は同役を続投すると共に、本作から新たに天津飯も演じており、劇中で16号と天津飯が会話を交わす場面では氏が一人二役を演じる事となった(もっとも、主役の野沢雅子氏をはじめ予てより兼役の多い本作ではそこまで珍しい話ではないが)。



裏設定、その正体編集

『DRAGON BALL フルカラー 人造人間・セル編 3巻』の「DRAGON BALL 龍球問答 鳥山明先生がお答え!!」によれば、16号は若くして戦死したドクター・ゲロの息子をモデルにして作られたと解説されている。


レッドリボン軍の上級兵士であったゲロの息子は戦線で敵の銃弾により死亡したとされ、この出来事からゲロも息子に似た16号を製作する際に、戦闘で破壊させたくないという思いが無意識に働き、結果的に心優しい性格を持つようになったという。

ただ、人間ベースで人造人間を製作できるゲロが何故に息子の遺体を改造して人造人間として蘇らせなかったのかなどの疑問も一部のファンが持ったが、鳥山氏が生前にその点の言及はしてないため不明である。


そして、ゲーム『ドラゴンボールファイターズ』の人造人間編では、ゲロの息子の名前が「ゲボ」、16号のコードネームが「ゴールド」、更にゲームオリジナルキャラクターの人造人間21号がゲロの息子の母親(つまりゲロの妻)であることが発覚する。

21号自身は人造人間となる過程で過去の記憶を全て失っており実感が沸かないとのことだが、その事実を知り言い様もなく会いたい気持ちが強くなり、16号の復元に着手したとのこと。

しかし、ストーリー展開ではいずれのルートにおいても16号は21号自らの手で破壊されるという、両者にとって悲惨な結末を迎えることになる。


2022年公開の映画『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』ではゲロの孫であるドクター・ヘドが登場。

作中で提示されたゲロの家系図に、16号そっくりな「ゲボ」の顔写真が表示された。

また、ヘドは「ゲロの先妻の次男の息子」であり、ゲボは「ゲロの先妻の長男」であると明かされた。


関連イラスト編集

16号16号

決死の16号パワーすごいぞぼくらの16号!


関連動画編集

PS4/ Xbox One「ドラゴンボール ファイターズ」人造人間16号/キャラクターPV

※バンダイナムコエンターテインメント 公式YouTubeチャンネル“876TV”より転載

人造人間16号(限定公開)

※バンダイナムコエンターテインメント 公式YouTubeチャンネル“876TV”より転載


関連タグ編集

ドラゴンボール

レッドリボン軍 人造人間(ドラゴンボール)

ドクター・ゲロ 人造人間17号 人造人間18号 セル

人造人間21号

16号(表記揺れ)


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