概要
“鎌倉殿大喜利”とは、『鎌倉殿の13人』の視聴者たちの間で、主にTwitter上において行われている大喜利(ネット大喜利)である。
タグ名は必ず“#鎌倉殿の○○”となっている(○○の部分にその時々のお題目が入る)。
事の発端
本作は鎌倉時代初期に発生した御家人同士の熾烈な権力闘争を描いたドラマであり、源頼朝が死去し、物語がいよいよ本格的な御家人同士のバトルロワイアルに突入すると、毎週のように主要人物の誰かが死亡して退場していくという情け容赦のないストーリーが展開されていくことになる。
そんな展開を毎週のように見せられ続けて、とうとう我慢のできなくなった視聴者が、つらい気持ちを少しでも紛らわそうと始められたのがこの“鎌倉殿大喜利”なのである。
“鎌倉殿の○○”と、状況に応じて改変させやすいタイトルだったことも大喜利が盛り上がったことに一役買ったと言える。
主な実施例
鎌倉殿海水浴回
7月11日に発生した、記念すべき1回目の大喜利。
前日の7月10日は元々参議院選挙の為放送がなく、加えて直前に安倍晋三銃撃事件が発生したこともあって、とても大河ドラマの話などできる状態ではなかった(※)が、この日、Twitterで突然「#鎌倉殿海水浴回」というハッシュタグが作られ、鎌倉殿の登場人物が(その時点での生死に関係なく)アニメにおける「水着回」のようなバカンスを楽しむという架空の物語が展開された。中にはメイン画像のように凝ったイラストを自作して投稿する武衛もいた。
果ては中の人たちやその親のネタで清盛があのBGMを背に白馬に騎乗して砂浜を爆走したり後白河院と上総介が釣り大会を繰り広げたりした。
血なまぐさい本編とは打って変わって、のんびりと浜辺(地理的に鵠沼海岸や由比ヶ浜あたりを想定しているのだろうか?)で無邪気に戯れる御家人たちやその家族たちに和んだというファンが多く、以降の鎌倉殿大喜利の話題性・人気を決定づけることになる。
※ あまり知られていないが、一応、選挙当日にも鎌倉殿と選挙を絡めたネタ投稿(#エア鎌倉殿)がそれなりに散見されたが、この海水浴回ほどの大きなムーブメントになるには至っていない。
鎌倉殿甲子園
その後8月6日には、「#鎌倉殿甲子園」と称して同じように野球回を楽しむという似たような現象が起こる。
なお、『鎌倉殿』と野球とはネタ抜きに割と関係が深い。
- 仁田忠常を演じた高岸宏行は甲子園に出場した経験があり、更に鎌倉殿放送中(厳密には鎌倉殿の撮影をすべて終えた後)にBCリーグのプロ野球チーム栃木ゴールデンブレーブスと契約して芸人兼プロ野球選手となっている。
- 八田知家を演じた市原隼人はドラマ版『ROOKIES』で安仁屋恵壹を演じている。
- 源仲章を演じた生田斗真は『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で野球と関わりがある「天狗倶楽部」の三島弥彦を演じている。
- 偶然にも、当時開催されていた第104回全国高校野球選手権大会では、大阪桐蔭と日大三島の吹奏楽部が応援にて鎌倉殿のOPを演奏しており、更には鎌倉殿でも舞台となった壇ノ浦の戦いの戦場からすぐ近くにある下関国際高校が決勝に進むなど、いろんな意味で鎌倉殿甲子園が実現した大会となった。
- 余談ながら鎌倉殿の翌年に公開された野球を知らない人が作った野球ドラマとして一部の映画マニアで話題となった映画『野球どアホウ未亡人』にて、五藤太(トウの父)を演じた藤田健彦が主要人物である草野球監督の重野役で出演している。
その後
その後も、本編がより過酷化していく現状に視聴者が堪えたのか、これ以降も様々なネタが投下されることになる。
- 鎌倉の武者たちが遊園地(というかここ)巡りを楽しむ「#鎌倉殿の遊園地」
- 鎌倉の武者たちが某同人即売会を楽しむ「#鎌倉殿のコミケ」
- ちなみに放送終了後のコミックマーケットC101では鎌倉殿の3人として義時(終盤)、政子、頼朝(故人状態)のコスプレが目撃されている。現場のマスク芸や巻狩りで行われたシカのインチキも再現されていた。
- 鎌倉の武者たちが料理に挑戦する「#鎌倉殿の平野レミ」(※1)
- 鎌倉の武者たちでお受験あるあるネタを表現した「#鎌倉殿の受験生」
- 鎌倉殿の登場人物等を幼児や先生に見立てて展開されていく「#鎌倉殿の幼稚園」
- 鎌倉殿の登場人物とNHKEテレを絡めた「#鎌倉殿のEテレ」
- 鎌倉の武者たちで夏休み終了直前や新学期初日のあるあるネタを表現した「#鎌倉殿の登校日」
- 鎌倉殿の登場人物たちの本編外での悲喜こもごもを描いた「#鎌倉殿のスピンオフ」(※2)
- 由比ヶ浜に襲来した巨大ザメに御家人たちが立ち向かう「#鎌倉殿のサメ映画」
- 御家人たちの湯治の様子を描いた「#鎌倉殿の温泉旅行」
- 登場人物達が(当時の時代背景ではよくわかってない)ハロウィンを楽しむ「#鎌倉殿のハロウィン」
- 登場人物がクリスマスを楽しむ「#鎌倉殿のクリスマス」
- 最終回のその後を描いた「#鎌倉殿の13人第49回」
- 次の大河が始まっていながらもまだ続いた「#鎌倉殿のバレンタイン」
- バレンタインがあったらこれも当然あるよなということで「#鎌倉殿のホワイトデー」
- 世の卒業シーズンに合わせて「#鎌倉殿の卒業式」
- 3月になってすぐ作られた「#鎌倉殿のひなまつり」
…鎌倉殿愛強すぎだろ、武衛たちよ……
※1 なんで「鎌倉殿の料理人」じゃないかというと、このハッシュタグが流行したきっかけがNHKの番組に平野レミが出演していたから。このタグが流行る直前の7月18日に彼女が出演する「平野レミの早わざレシピ」が放映されたのだが、なんとこの番組にはゲストとして「鎌倉殿」の脚本三谷幸喜が出演。料理の内容を当てられなければ大河出してよ!などと相変わらずフリーダムなレミさんに加え、いつもの前衛的すぎる料理もあり視聴者たちは頼朝のように「これはなんですか?」を連発することとなった。なお、三谷は翌2023年の9月18日にも出演している。
更に11月23日には時政を演じた坂東彌十郎が出演し、「人生三度目の生放送出演で」平野レミに翻弄されるという斜め上の事態に。なお氏は日常から料理をするため、料理面では(三谷とは)違い見事なアシストを披露した。
※2 どちらかといえば、「こんな作品が観たい!」という一種の要望のようなものなのだが、一応ここに記載。
恐らく、今後も更なるネタが投稿されていくことだろう。
そして、この後も公式直々(?)に、「どうぞ大喜利に使ってください」と言わんばかりのインパクト特大のネタが投下されることに…。
余談
『鎌倉殿』本編で和田義盛を演じた横田栄司氏は、この大喜利タグの存在を知っており、個人的に楽しませてもらっている旨をツイートしている。
ちなみに横田氏は、自然番組の『ギョギョッとサカナ★スター』でナレーションを担当しているため、上記の「#鎌倉殿のEテレ」がある意味で実現してしまっている(本人もハッシュタグを添えてその旨を宣伝していた)。
関連項目
鎌倉殿どうでしょう - この企画の前身
暴れん坊将軍・釣りバカ日誌・いだてん〜東京オリムピック噺〜- それぞれ中の人ネタで使われた。いだてんについては翌年の「どうする家康」でも別の中の人関連のネタに使われた。
鎌倉ホグワーツ - ある意味姉妹作と言える大喜利タグ。