概要
正式名称は「科学特別捜査隊」、略称は「科特隊」、英語表記は「SSSP(Science Special Search Party)」。
日本にある極東支部は防衛軍(もしくは自衛隊)の下部組織という位置づけである。
そのため地球防衛軍のような軍隊ではなく、あくまでも警察組織である。
一般の警察では手に負えない怪事件の捜査や、侵略者からの防衛が主要な任務であり、怪獣との戦闘は特別任務の扱いになる。
極東支部は東京郊外にあるという設定。
平時の勤務では青いブレザーを着ているが、出動時にはブレザーの下に着込んだオレンジを基調とした隊員服になる。こちらの方がファンの間ではお馴染みであり、一般的に科学特捜隊の隊員を描く場合はこのオレンジ色の隊員服姿で描かれることが多い。
イデ隊員と岩本博士という昭和ウルトラ世界では突出した天才が2人もいるためか、怪獣撃破率は他の追随を許さない(作中でもハヤタが「ウルトラマンと我々とは持ちつ持たれつの関係だろ」と発言している)。
ときどき自衛隊とも協力して戦う。高田裕三の漫画「ウルトラマン THE FIRST」には在日米軍も登場した。余談だが、ウルトラマンレオの防衛組織・MACは終盤に壊滅してしまったため、自衛隊が日本の国防を一手に引き受けていた。
人員
極東支部
設定上はムラマツ班の他にヤマト班、ミナト班などが存在するが本編未登場。
『ウルトラマンメビウス』においては、宇宙での任務を主としたサコミズ班もあった設定になっている(この設定は、小説『ウルトラマンF』にも活かされている)。
名前右側は1996年公開の映画『甦れ!ウルトラマン』で追加設定されたフルネームと漢字表記(フジ・アキコ隊員とホシノ・イサム少年は元からフルネームあり)。
- ムラマツキャップ - ムラマツ・トシオ(村松敏夫)
演:小林昭二
36歳。極東支部ムラマツ班の隊長。冷静な判断力と勇敢な心を持つ頼れるリーダー。
隊員からは「キャップ」と呼ばれる。
アントラーにバラージの青い石を投げ倒したのもこの人であり、砲丸投げ選手もかくやといった大強肩を見せつけた。
格闘でもかなりの腕前を誇り、ダダをボッコボコにしている。『ウルトラマンF』ではこれがきっかけで他の隊員たちも格闘術を身につけるに至ったとされている。
OP映像のキャストクレジットでは、主人公のハヤタを差し置いて最初に登場しているが、これは当時はキャリアが上の俳優の方が先にクレジットされる(年功序列)風習だったため。
- ハヤタ隊員 - ハヤタ・シン(早田進)
演:黒部進
25歳。本作の主人公。
事実上の副隊長格であり、科学特捜隊養成学校を首席で卒業したエリート隊員。
『ウルトラマン』の主人公であり、ウルトラマンと一心同体になっている。
- アラシ隊員 - アラシ・ダイスケ(嵐大助)
演:石井伊吉
26歳。極東支部きっての射撃の名手であり、怪力の持ち主。
直情型で、スパイダーショットは彼が主に使用する。
- イデ隊員 - イデ・ミツヒロ(井手光弘)
演:二瓶正也
お調子者でちょっとおマヌケな一面も見せるが、科特隊ではもっとも情緒的で繊細な性格のキャラクターである。
ウルトラマン=ハヤタであることに、薄々感づいてるような様子がある。
楳図かずおの漫画版では完全に彼だけギャグマンガのデザインだった。
『ウルトラマンF』では実質的な主人公として大活躍する。
- フジ・アキコ隊員 - 富士明子
演:桜井浩子
21歳。本作のヒロインであり、極東支部の紅一点。
ヒロインではあるが、特にハヤタとの恋愛関係などは描かれなかった。
- ホシノ・イサム少年 - 星野勇
演:津川彰秀
11歳。何故か科学特捜隊に出入りしている少年。
ケムラーを倒せたのは彼の発想があったからである。
第17話においてハヤタを助けた功績により正式に隊員扱いになったが、演者が怪我で降板したため25話以降は登場しない。
第16話で既に科特隊の制服を着用し、隊員のような扱いで活躍しているが、これは制作上は16話と17話が逆であるため。
演:平田昭彦、伊籐久哉(33話)、森塚敏(36話)
科学特捜隊に協力する科学センターの所長であり、『ウルトラマン』に登場する科学者では唯一のレギュラー。
ジェットビートル等のメカや、ゼットンを倒した無重力弾は彼が作った。
務める科学センターは東京都武蔵野市の御殿山にある。
『ウルトラマンメビウス』
- サコミズ・シンゴキャップ
演:田中実
『ウルトラマンメビウス』のCREW GUYSの隊長であり、過去には科学特捜隊極東支部サコミズ班の隊長だった。
宇宙ビートル配備後にウルトラ警備隊への異動を蹴って冥王星探査の任務に付くために(回想シーンの科学特捜隊時代のヘルメットは、『ウルトラマンダイナ』のスーパーGUTSのスーパーGUTSメットをリペイントしたものであり、リアルタイムで見ていた人は気づかなかった人も多かった)、地球を離れる。冥王星軌道にて侵略宇宙人の円盤群の襲撃を受けるが間一髪ゾフィーに救われ、数十年後(正確な年代は不明だが、おそらく1980年代頃ではないかと思われる)に地球圏に帰還する。彼の持ち帰った情報から、地球が未だに多くの宇宙人たちから狙われている事が明らかになり、UGM解散から10年後にGUYSが結成され、彼は日本支部総監に就任、さらにCREW GUYSの隊長として陣頭指揮も執ることになる。
なお、外見は40歳ほどだが、宇宙での任務中にウラシマ効果による時間の遅れを経験しているため、『メビウス』開始時点での実年齢は70~80代くらいだと推測され、実際、GUYSのタケナカ最高総議長とは同い年で昔馴染みである。なお、タケナカからは「サコっち」という渾名で呼ばれていた(彼の孫であるジングウジ・アヤもそう呼んでいる)が、本人はこの渾名で呼ばれるのを恥ずかしがっていた。
『ウルトラマンF』でも登場しており、ヤプール来襲時と完全生命体イフの出現時に実戦へと赴いた。なお、作中においては彼が冥王星探査に出立したのはウルトラ警備隊の発足する少し前であったと設定されている。また、村松からも「迫っち」と呼ばれるシーンもあった。
主な装備
携行武器
隊員全員が装備する光線銃。3つ束ねて撃つ「トリプルショット」は再生テレスドンを一撃で倒すほどの威力がある。
アラシ隊員が主に使用する大型光線銃。
ビームの他にリング光線や火炎放射も可能である。
原子炉が内蔵されている設定(その割にはしょっちゅうエネルギー切れするが…)。
イデ隊員の開発した光線銃。
理論上はスペシウム光線と同じ威力を持つ設定。
等身大のバルタン星人を多数撃破したり、ゴモラの尻尾と鼻の角を破壊するなど活躍している。
様々な弾丸を使えるバズーカ砲。
ケムラーを倒した。
第37話に登場した、イデ隊員発明の新兵器。
スーパーガンの先に装着するアタッチメントであり、多数の光弾を発射する。再生ドラコやジェロニモンを跡形も無く消滅させてしまった。
QXとはQuickly eXtinguish(急速消滅)の略であり、怪獣の脳を破壊する銃器。
ザラガスの頭部を攻撃した際には逆に凶暴化にさせてしまったが、口内に撃ち込むことで大ダメージを与えることに成功する。
スパイダーショットの10倍の破壊力を持つ大型銃。しかしスペシウム光線にも耐えるキーラには通用しなかった。
別名ペンシル爆弾。岩本博士が作った試作兵器で、ゼットンを一撃で粉砕した。
メカニクス
多目的に使用できる、科学特捜隊の主力戦闘攻撃機。
名前はVTOL機であることが由来。
1962年の東宝映画『妖星ゴラス』に登場する「国連VTOL機」と同じ木型を使用して制作されたため、実は『ウルトラマン』完全オリジナルメカではない。
- 宇宙ビートル
ジェットビートル117号機に、岩本博士の開発したハイドロジェネートサブロケットを装着し、宇宙での使用を可能にした機体。
別名三角ビートル。
名前はビートルだが、STOL機である。
主にジェットビートルの支援機として活躍するが、終盤ではジェットビートルが増備されたためか登場しない。
ハヤタ隊員が第1話でウルトラマンと衝突した際に搭乗していた、記念すべき機体でもある。
成田亨デザインによる『ウルトラマン』完全オリジナルメカなのがジェットビートルと大きく違う。
水中での作戦に用いられる潜航艇。
現場まではジェットビートルで空輸される。
イデ隊員の開発した試作地底戦車。
所謂ドリルメカである。
ビーム砲と地底魚雷を装備。
後のZATのペルミダー二世は後継機に当たるが、名前が違う(スタッフが字を間違えたという噂)。
長距離航行可能な宇宙船。第38話で登場し、Q星への調査へ旅立った。
しらとりに搭載された宇宙戦車。
武装であるSNKミサイルはサイゴを木っ端微塵に粉砕した。
- 科特隊専用車
その名のとおり科特隊の専用自動車。
基本的には普通の乗用車である。
円谷一監督の愛車、シボレー・コルヴェアのセダンにステッカーを貼って使用された。
関連項目
UPG:ウルトラマンギンガSの防衛組織。科学特捜隊と同じくシンボルが流星マークである。
ウルトラマン ULTRAMAN(漫画) ウルトラマンF ウルトラマンパワード ウルトラマンメビウス ウルトラ作戦第一号
20世紀少年 - 科学特捜隊をモチーフにした軍隊が登場する。