曖昧さ回避
エルフとは、
- 架空の霊長類(亜人)。もしくはその着想の発端となったヨーロッパの伝承に登場する妖精の一種。
- いすゞ自動車が製造・販売している小型トラック。
- アダルトゲームのメーカー、株式会社エルフおよび同社のブランド名。詳細はelfへ。
- エンジンオイルのブランド。石油メジャーの一社であるトタル社がブランド展開している。
- ドイツ語で「11」の意。elf。
- 『銃夢LastOrder』の登場人物。5.に由来。主人公ガリィのレプリカ(GRシリーズ)11体目。
- 『戦勇。』の登場人物→エルフ・ノベンバー
- 内山まもるの漫画『飛べウルトラ戦士:友情は永遠に-タロウとエルフ-』に登場したウルトラ戦士→エルフ(ウルトラ戦士)
- 『ナンバカ』の登場人物→エルフ(ナンバカ)
- 榎宮祐作のライトノベル、『ノーゲーム・ノーライフ』の種族→森精種
架空霊長類としてのエルフ
代表的なイメージ
ファンタジー系などの小説やゲームなどにそこそこの頻度で登場する種族であり、1970年代~1980年代に日本で翻訳され、海外では1937年に発売された小説『ホビットの冒険』や1954年に発売された『指輪物語』など、さらには前の神話(『シルマリルの物語』)や北欧神話などにおけるエルフが代表的である。
ほとんどの媒体において、「耳が長く尖っていて、外見がそれなりによく、長命とされる傾向」というのが共通事項である。
頭髪(黒髪から金髪まで様々)以外に目立った体毛は少ない傾向にある。
筋力は比較的弱く、肉体的な耐久力も低めだが、手先の器用さや身のこなしは得意。
魔法の扱いに通じていたり、自然に関わる力を使いこなすのにも長けている。
技術水準は、自然に関わる面以外ではあまり高度でなく金属すらほぼ使わなかったり、非常に高度な技術を持っていたり、作品ごとどころか、作品内の民族においてもばらばらな場合もある。船造りや航海技術に長けている事も多い。
特徴的な尖った耳はエルフ耳もしくは単に長耳と呼ばれ、耳が尖っていればエルフでなくともエルフ耳と呼ばれることが多い。しかし長耳のエルフ像は出渕裕のイラストによる『ロードス島戦記』のディードリットの影響が大きいとみられ、大元のエルフは、必ず尖っているわけではない。「指輪物語」では、作者の残した関連資料には「尖っている」的な描写がある(先端が尖っているだけで、あまり長くはない)が、作内では言及されていない。
大抵は森の中で小集団で暮らしており、プライドが高く(ある種の選民意識の持ち主)、他の種族との交流はあまり盛んでないが、エルフの性質と共存できる相手(ドワーフ、人間、ハーフリングなどの一部)との交流を持つ事はある。人里近くに集落を築く場合も、自然の材料(樹や岩など)を活かし外部からは目立たないつくりになっている場合も多い。作品の主要な舞台となる地域から遠い海の彼方に、故郷・本国的な土地を持っている世界もある。作品によっては、逆に外部と積極的に交流し、あるいは他の種族と混じりあって暮らすエルフが描かれるものもある。
長命な分、気は長く、頑固で保守的な性格が強い。気が長過ぎて、人間などにはついて行けない場合もある。
また、都市伝説ではしばしばしまむら(某ファッションチェーン店とは無関係)を通じて異界と往来しているといわれている。
大雑把な歴史
北欧神話では「アールヴ」と呼ばれ、美しく強力な妖精であった。「光のエルフ」と「闇のエルフ」があり、後者はダークエルフのイメージの原型的なものである。
それから年月を経て、イギリスでは(かつてほど強くはない)フェアリー的なイメージへと移り変わる。
指輪物語では現在のエルフ像とは異なっているエルフが登場する。
指輪におけるエルフは次のとおりである。
肉体的な力も含めた全能力において人間を上回り、寿命は存在せず、睡眠も必要としない。他にも剣もよく使い、魔術にも長け、民族によっては鍛冶の腕前もドワーフと同等以上という、万能の半神的存在である。創造神の長子と言われ、全体として恩寵を受けた種族であるが、アルダ(地球)に運命を縛られている点がある。
また、他の生物の生命を奪うことになんの躊躇いもなく、時には殺戮を行うのも今のエルフ像とは異なる(敵だけでなく、「小ドワーフ」をそれが何か知らずに娯楽で狩っていた事まである)。森にしか住んでいないわけでもなく、洞窟を利用した地底都市に住んでいる集団もある。
『指輪物語』のオーク(ゴブリン)は、エルフが冥王モルゴスによる邪悪な拷問の果てに変質した成れの果てとも、モルゴスが作り出したエルフの紛い物ともいう。
エルフにも様々な人種や民族がいるが、一般的な要素といえば『指輪物語』のレゴラスの要素が、一番印象強いだろう。
「エルフ(の一部の民族)が航海に長けている」「エルフの本国が海の彼方にある」という設定も存在する。
という設定を含んだエルフであるが、このようなチート種族がそのままゲームなどの作品に登場してしまうとバランスブレイカーでしかない。
なので、物語に登場するにあたってマイルドな調整を受けたのが、現在の主要なエルフ像であると言える。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(~2版)でPCとして使用可能なエルフは、「武器も魔法も使えるが成長が遅い」という形でのバランス調整を受けている。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』におけるエルフは、ヒューマン社会的な忙しい秩序よりも、個人個人の自由を尊びマイペースな生活を好むため、混沌の属性に偏っているとされる。
また、こういったイメージが浸透する前は、しばしば、(もともとの伝承に近い)フェアリー、ゴブリン、あるいは日本における座敷わらし的な意味合いで使われて登場している。
ハリーポッターに登場する屋敷しもべ妖精は、原語では「ハウスエルフ」である。
『モンスターメーカー』の初期のエルフキャラにショタ・ロリキャラが多かったのも、九月姫がエルフとフェアリーを混同していた為との事。
『ベルセルク』においてもエルフはフェアリーに近いイメージで登場している。
そしてエルフの存在が浸透するとともに、その典型を外すためか、エルフが登場しない作品や、同じようなポジションでも名称が異なる種族が登場する作品も増えて行った。
もちろん海外でも(ファンタジー系の)エルフの存在は浸透しているが、日本における扱いとは全く異なる。(日本でもあるが)剣や斧を多用していたり、自然のイメージから野性的な外見であったり。ダークエルフも人気が高い。現在では海外製のオンラインゲーム(『エルソード』『TERA』・『スカイリム』など)でもエルフはよく登場している。
やはり美形という設定が多いが、日本人の目からは全く美形に見えない造形になっているのがお約束である。
また、近年の海外作品ではなぜか日本と関連付けられることが多い。日本風の名前だったり、サムライやショーグンがいたりする。
理由は不明だが、欧米から見て日本の「自然を大切にする(?)」「欧米系より若く見える」「考え方や発想がしばしば意味不明である」といった部分が、エルフとの共通項を感じさせるようだ。
典型を外れたエルフ
エルフは民族によって文化が大きく異なり、ドワーフやホビットと比べて種族内の差が大きかったが、エルフの登場する作品が多くなるほど、典型を外れるエルフも多くなる。
「ぽっぷるメイル」のメイルのような守銭奴エルフはもはや珍しくなく、都市に住み他種族と積極的に交流するエルフもありふれている。
性格面ではなくステータス面で典型を外れたエルフも、『ソード・ワールド2.0』のエルフのように、『1.0』で森の種族だったものから、ニンフにもイメージが近い水の種族へ移ったものがいる。
エルフの類似種族でも、「ファイナルファンタジー11」のエルヴァーンのような、戦闘は得意でも魔法が不得手な種族もいる。一見すると違和感があるが、別方向でステータス調整したものだと考えると理解しやすいかもしれない。
また、西洋風ではないエルフ(東洋風、インディアン風など)もしばしば見られる。
また、Terrariaという2Dマイクラ風ゲームではゾンビ化したゾンビエルフ、ヘリに乗るエルフコプターのようなエルフも見られる。これは下記のクリスマスエルフの方であるが。
クリスマスエルフ
クリスマスにサンタを手伝うためにおもちゃ工場で働く小人もエルフである。尖った長い耳は共通した特徴だが小人というように緑と赤の帽子を被った小人。ゼルダの伝説のリンクは大体この姿に合致する。ちなみに、『ファイナルファンタジー』の一作目に登場するのもこちらの姿のエルフである
関連イラスト
関連タグ
精霊…中国語では「エルフ」を「精霊(精灵/精靈)」と訳している。
仙人…「人型で長命」という共通点がある。
いすゞ自動車が製造・販売している小型トラック
商標名はおそらく前項のエルフからであろうが、発売は1959年と旧く、メーカー陣がどこから命名したのかは非常に謎・・・
・・・と思いきや、メーカーのFAQコーナーにはこうあった。
- エルフ(ELF)小さい妖精、いたずら者の意味。力があり小回りの効く、機動性の高さを表した。
やはり前述のエルフからだったようだ。
「トラックの国民車」としてトヨタのトヨエースがヒットしていた時期の後発とあって機能的に開発された初代は、当初はガソリンエンジン搭載車のみだった。1960年に、新開発の小型ディーゼルエンジン搭載車を追加。当初は登録・税制上「1ナンバー車」だったが、法規変更で「4ナンバー車」に変更され大ヒット。後に「永遠のライバル……いや不倶戴天な強敵」である三菱ふそうキャンターが出て、二大巨頭として独自の小型ディーゼル・トラック市場を確立した(当時は、小型ディーゼルエンジンの手駒を持つメーカーが少なかった。ためにトヨタ・日産やダイハツと共に3輪トラックが得意だったマツダ等は、ビッグ3のシェアに喰い込む事が出来なかった・・・)。一方、先行しながら後手に回ったトヨタは1984年にトヨエースとダイナを統合(ともに5代目から)、後に日野自動車ブランドで販売されるデュトロも加えた3ブランド合計では時折エルフの背後に立つこともあり三つ巴の戦いとなった。
(左のイラストはエルフ・右のイラストはキャンター【共に初代】)
(5代目ダイナ)
また個人事業者層を意識してか青や白をメインにしたイメージカラーや(一時期は「ブルーのエルフ」と呼ばれた。現在も青は公式純正色として設定されている)、集団アクションドラマの古典である『ザ・ガードマン』にてエルフィンをベースに現金輸送車をハンドメイトで作った経験から出したのか「ハイルーフ」と呼ばれるウォークスルー・バンやあらゆる儀装を意識しFF化した「エルフ・マイパック」と試行錯誤ながらも革新的な企画や車を出した。
3代目では、イメージキャラに渥美清を起用した(双方のファンからは「寅さんエルフ」と呼ばれ親しまれた)。
そもそもいすゞ車(またはそのエンジン)自体GMラインナップとしての一翼を担っている場合が多いわけだが、エルフに関してもGMCまたはシボレーブランドで販売されたり韓国・セハン自動車(現・GM大宇または旧デーヴ系商用車各社)でもエルフの名称で生産されたりと言う状況が見られる。また、2004年以降マツダにも恵んでやっているほか一時期日産自動車や(日産ディーゼル→)UDトラックスにも恵んでやっていたが、2013年にその座を不倶戴天の敵に奪われてしまった。ただし日本国内の他メーカー向けのものに関してはエルフと名乗っていない(マツダは「タイタン」、日産は「アトラス」、日産ディーゼル→UDトラックスは「コンドル20、30、35」)。
その発送はあった。(五十鈴のトラック)