データ
概要
ドラゴンポケモン・ボーマンダがメガシンカした姿。
既にメタグロスがメガシンカする事が確定していた為、ボーマンダのメガシンカによって第3世代の600族は両方メガシンカを得る事となった。
体色が少し濃くなり、頬周りの突起がより鋭く大きなものへと成長。
更に膨大なエネルギーの影響で背中の翼が融合し、戦闘機の前進翼がモチーフであろう一つの巨大な三日月状へと変化した。
硬さとしなやかさを併せ持つ翼の斬れ味はとても鋭く、行く手を阻むもの全てを切り裂いてしまう事から「血に濡れた三日月」の別名を持っている(どこかの厨二病が反応しそうな別名である)。
ただし常時三日月状をしているわけではなく、丸みを帯びた「W」のような形状から、飛行する際に変形する模様(アニメ版より)。
また腹部に残っていたコモルー時代の殻の両側が前方に歪曲してせりだしており、一見前足が消えたようなデザインになっているが、よく見ると殻の隙間に折り畳んでいるだけである。
この殻の前方は体に接着されておらず、動きによっては剥がれるように見えることがあり、その間を赤い線の様なエネルギーが繋いでいる事がわかる(アニメーションでその様子を見る事ができる)。
登場後すぐにtwitterでクソコラグランプリが出回る程見た目に関する評価は良くなかったが、実際は公式イラストとスカイバトルによる弊害だったと言える。
その様な体勢で飛行することで、かつての防御力を再現できる他、複雑な地形も速度を落とさず飛びまわる事が可能となるようだ。
一方、翼が歪にくっついたストレスで性格はより凶暴になっており、育てのトレーナーにも襲いかかるほどだという。ただしこれは他のメガシンカポケモンの説明を見るに、十分に制御しきれてないとこうなる恐れがあるという可能性が高く、本編ではトレーナーに攻撃する描写は見られない。
ゲームでの性能
H | A | B | C | D | S | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ボーマンダ | 95 | 135 | 80 | 110 | 80 | 100 | 600 |
メガボーマンダ | 95 | 145 | 130 | 120 | 90 | 120 | 700 |
メガシンカ前比較 | 0 | +10 | +50 | +10 | +10 | +20 | +100 |
能力は鋭角的になったにも関わらず防御が大きく上昇する。
元々進化前のコモルーはボーマンダより防御種族値が高く、上述の理由から一進化前の要素を取り戻した形となる。
その耐久は耐久無振りでもマリルリ(無論「ちからもち」)の「じゃれつく」どころか攻撃特化メガエルレイド(攻撃種族値165)の「れいとうパンチ」(4倍)でなければ確1にできないというよく分からない事になっている。耐久に振れば言わずもがなである。
これに加えてメガシンカ前の特性が「いかく」ならば大半の物理型ポケモンを起点にできてしまう。
加えて素早さもドラゴンタイプ5位まで上昇。補正無しで素早さに努力値を限界まで振っても最速ガブリアスを抜ける。
(上からメガジュカイン、ウルトラネクロズマ、オンバーン、アーゴヨン)
但しあくまでも「数値上は抜ける」と言う話でありメガシンカである以上持ち物は固定なので、こだわりスカーフ等には注意が必要。ついでに補正無しだとラティ兄妹が抜けないのが難儀。
反面攻撃・特攻はほとんど上がっていない(攻撃はオノノクスに、特攻はサザンドラに僅かに届かない)が、後述の特性も考えると妥当とも言える。
むしろ前述の物理耐久の高さを活かして「りゅうのまい」を積むことを考えると、これ以上の火力を求めるのは野暮であろう。
メガシンカしたことによるタイプの変化は無い。
元々ボーマンダはひこうタイプの技にあまり恵まれないこともあり、この特性の恩恵は非常に大きい。
メガカイロスと違い特攻も高く、物理は「おんがえし」や「すてみタックル」、特殊は教え技で「ハイパーボイス」等の有用な技を習得できる為如何なる型でも特性を活用できる。
ちなみに「こうげき」特化「すてみタックル」は舞わなくてもH振りマリルリを乱数1発にしてしまう。まあ、物理特化が基本のマリルリがいかくを入れられて居座る道理はないのだが。
やけど対策に「からげんき」を入れたり、「あばれる」「はかいこうせん」「ギガインパクト」で浪漫を求めるのも一手である。
その代わりメガカイロスと異なり「でんこうせっか」や「フェイント」などの先制技を覚えない。
破壊力重視のメガボーマンダ・小技重視のメガカイロスと言ったところだろう。
相性のいい技は特性の効果が乗るノーマル技の他、サブウェポンとしてはがねタイプ対策に「じしん」や「だいもんじ」など。
補助では「りゅうのまい」の他、シングルでは耐久を活かした「はねやすめ」、ダブルでは「まもる」の他「おいかぜ」も候補となる。
一方でメガシンカ前は主力技となっていたドラゴン技はあまり積まれない。よくてりゅうせいぐんがいいところである。それ故にメガボーマンダはひこうタイプとしての面が強く、メガシンカ前とは逆転現象が起こっている。
また、攻撃性能に目が行きがちだが上記の通り凄まじい物理耐久を誇るため、変化していない特殊耐久を鍛えて「りゅうのまい」を使うという戦法も可能。
この場合「みがわり」や「はねやすめ」も候補になり、一度ループに入ると不一致弱点技程度ではまず倒せなくなる。
基本的にメガシンカ前の特性は上記の通り「いかく」が選ばれることが多い。
が、「トレース」「まけんき」「かちき」持ち相手だと逆利用されかねないのが難儀。特にポリゴン2との相性は最悪である。
シングルで物理型として運用する場合、これらの特性を避ける為にあえて「じしんかじょう」を選ぶ人もいなくはないが、メガボーマンダを動かしやすくする為のサポーターは必須となる為玄人向けである。
パーティの相方として多いのはバンギラス+ドリュウズやウルガモス。
最近はもっぱらマンムーと組まれている事が多い。
また一部禁止級が解禁となったGSルールでもメガボーマンダは大活躍を見せた。
同じタイプにはあのメガレックウザが居るが、あちらは禁止級の枠(2匹まで)とメガシンカの枠を同時に取るのに対し、こちらはメガシンカ枠だけで済み、更に「いかく」や「おいかぜ」のサポートが強力なことから非常に使い勝手が良い。苦手なこおり・フェアリータイプが少ないのも強み。
ゲンシグラードン、ゼルネアス、ドーブル、メガガルーラ、ファイアローと組み合わせたパーティは「BIG6」と呼ばれ、特に猛威を振るった(最終的には対策網が敷かれ廃れたが)。
このように非常に強力なポケモンであることから対策も様々練られ、メガボーマンダ側も対策の対策を打ち出す……という仕方で環境の中心に居座るようになった。
『BW』から続いた雌伏の時から脱却し、再び対戦環境を揺るがせるようになったのはファンとしては嬉しい限りだろう。
無論欠点は存在する。
まず先の通り特殊耐久はメガシンカしても上がらないこと。育成で強化してもよいがその場合すばやさの強化は「りゅうのまい」頼みになる。
一致技がほぼひこうタイプのみになるため、ひこうを半減してくる相手には結構苦戦する。
こうげきが上昇することが多いことから「イカサマ」にも弱く、特にポリゴン2は「いかく」の「トレース」までしてくるためかなり苦手。
すばやさ種族値も高いとはいえ120しかない。これより上のすばやさ種族値持ちにはあまり無理をさせない方がよい。
とはいえ、これらがあっても状況次第では撥ね退けてしまえるだけのポテンシャルを秘めているのだから恐ろしいポケモンである。
第7世代では強過ぎた影響で「スカイスキン」の倍率が1.3倍から1.2倍に落とされてしまった。
しかし一方でメガシンカしたターンからすばやさがメガシンカ後のものになり、すばやさ120が即発揮できるようになった。
また相性の良い味方も増え、カプ神やミミッキュ、ウルトラビーストと言った7世代を代表するポケモン達との相性が抜群。カプ・コケコに加え以前から相性の良かったカバルドン、ギルガルド達との組み合わせは一時代を築いた。
また、現在ドラゴンタイプの多くが環境にフェアリーが激増したことで厳しい状況に置かれる中、元々ひこうタイプの側面が強くドラゴンタイプの技を採用しないこともあったメガボーマンダには悪影響がほとんどなかった。
それどころかフェアリータイプの殆どはメガボーマンダを抜くことも一撃で倒すことも出来ず圧倒的な火力で返り討ちにされてしまうためフェアリータイプに交代されることがまずない。
これらの点から第7世代現在シングルではメガガルーラやメガゲンガーを追い抜きリザードンに次いで使用率が高いメガシンカポケモンとなっている。
リザードンはメガシンカが2種類あるので、これを別に分ける場合はメガシンカトップの使用率を誇り、結果的には「スカイスキン」の弱体化などどこ吹く風とも言わんばかりの活躍をしている。カイロスは泣いていい。
余談
XY登場時から、『ルビーサファイア』のリメイク、そしてその一環としてメガボーマンダは既に一部で話題となっていた。
一説には「ドラゴン/ひこうタイプのメガボーマンダRとドラゴン/はがねタイプのメガボーマンダSの2種類にメガシンカする」という情報まで出るほど。
勿論、ただのデマである。
からをやぶるを覚えるべきという声もあるが、そうなると確実に第二のメガガルーラとなってしまう。
どちらにしろ、元ネタ由来のほのおタイプやどくタイプにはならなかったが。