概要
2016年のスーパーヒーローイヤー及び仮面ライダー生誕45周年記念第2弾として発表された、ネットムービー作品。※第1弾は『仮面ライダー1号(映画)』。
仮面ライダーシリーズでも異色作と名高い『仮面ライダーアマゾン』が、平成仮面ライダーシリーズ初期に活躍していたスタッフ陣により完全新生として製作された。
season1
コンセプトは「養殖VS野生」。タイトルの通り、養殖物なオメガと野性的なアルファの2人のアマゾンライダーが主人公である。
Amazonプライム・ビデオにて、全13話が配信中。
season2
2017年4月7日(金)より配信中の続編。全13話。同年3月7日(火)に情報が解禁され、YouTubeに特報動画が5本アップロードされた。
物語の舞台はseason1の5年後。かつての大量流出したアマゾンの殆どが駆除された一方で、突如として普通の人間がアマゾン化する事件が発生している。
コンセプトは「少年と少女」。
仮面ライダーで初の試みとなる「ジュブナイル恋愛ストーリー」となっており、【新章】と呼ぶに相応しい物語となっている。
<恋する仮面ライダー>と<死より蘇りし少女>が主人公を担当し、season1の登場人物も登場する。
season1よりも残虐描写が増加・過激化している。
THE MOVIE 最後ノ審判
2017年12月9日、完結編(仮)と題した劇場版化が発表。
脚本は『仮面ライダーエグゼイド』の高橋悠也が担当し、これまでの脚本を務めた小林は監修となっている。
2018年5月19日公開。仮面ライダー映画初の4D上映も実施される。
漫画版
2018年3月1日発売の「モーニング」13号の読み切りにて、映像作品では描かれなかったオリジナルエピソードとして「仮面ライダーアマゾンズ外伝 蛍火」が掲載される事が発表。
真じろう氏による書き下ろし作品で、監修は劇場版と同じく小林が担当している。
登場人物
仮面ライダー
仮面ライダーの関係者
ノザマペストンサービス駆除班
野座間製薬
4C
チームX(キス)
敵サイド
その他
各話リスト
※各話(season2最終話を除く)の頭文字がアルファベット順になっている(A~)。
※脚本は『仮面ライダー電王』や『烈車戦隊トッキュウジャー』でお馴染みの小林靖子が全話を担当する
season1
話数 | サブタイトル | 配信開始日 | 動画時間 | 監督 |
---|---|---|---|---|
Episode1 | AMAZONZ | 2016年4月1日 | 46分 | 石田秀範 |
Episode2 | BEAST INSIDE | 4月8日 | 40分 | 石田秀範 |
Episode3 | COLONY OF ANTS | 4月15日 | 32分 | 田崎竜太 |
Episode4 | DIE OR KILL | 4月22日 | 30分 | 田﨑竜太 |
Episode5 | EYES IN THE DARK | 4月29日 | 29分 | 金田治 |
Episode6 | FOR WHAT I FIGHT | 5月6日 | 34分 | 金田治 |
Episode7 | GAME OF THE BUTCHERS | 5月13日 | 29分 | 石田秀範 |
Episode8 | HERO OR NOT | 5月20日 | 27分 | 石田秀範 |
Episode9 | INTO THE CANNIBAL'S POT | 5月27日 | 29分 | 田崎竜太 |
Episode10 | JUNGLE LAW | 6月3日 | 29分 | 田崎竜太 |
Episode11 | KILLING DAY | 6月10日 | 29分 | 田崎竜太 |
Episode12 | LOST IN THE FOG | 6月17日 | 30分 | 石田秀範 |
Episode13 | M | 6月24日 | 39分 | 石田秀範 |
season2
話数 | サブタイトル | 配信開始日 | 動画時間 | 監督 |
---|---|---|---|---|
Episode1 | NEO | 2017年4月7日 | 40分 | 石田秀範 |
Episode2 | ORPHANS | 4月14日 | 33分 | 石田秀範 |
Episode3 | PERSONA NON GRATA | 4月21日 | 30分 | 田崎竜太 |
Episode4 | QUO VADIS? | 4月28日 | 30分 | 田崎竜太 |
Episode5 | RAMBLING ROSES | 5月5日 | 30分 | 石田秀範 |
Episode6 | SCHOOL DAYS | 5月12日 | 31分 | 石田秀範 |
Episode7 | THE THIRD DEGREE | 5月19日 | 30分 | 田崎竜太 |
Episode8 | UNDER WRAPS | 5月26日 | 30分 | 田崎竜太 |
Episode9 | VANISHING WINGS | 6月2日 | 29分 | 田崎竜太 |
Episode10 | WAY TO NOWHERE | 6月9日 | 29分 | 石田秀範 |
Episode11 | XING THE RUBICON | 6月16日 | 31分 | 石田秀範 |
Episode12 | YELLOW BRICK ROAD | 6月23日 | 30分 | 田崎竜太 |
Episode13 | AMAZONZ | 6月30日 | 38分 | 田崎竜太 |
用語
国内最大級の製薬企業。
人工生命体アマゾンを作り出すも、2年前の事故で大量脱走を引き起こしてしまう。
子会社である民間軍事会社「ノザマペストンサービス」にアマゾン駆除を依頼する一方、アマゾンやアマゾン細胞を使った「アマゾンプロジェクト」と呼ばれる計画を水面下で行っている。
野座間製薬の子会社である民間軍事会社。
表向きは害虫害獣駆除の会社としてカモフラージュされており、親会社である野座間製薬からアマゾン駆除を請け負う。主にアマゾン駆除の為に高額の報酬と引き換えに雇われた傭兵達が所属する「駆除班」の他、調査班、清掃班、解析班などが存在する。
野座間製薬が生み出した人工生命体。
様々な生物の姿と特性を持ち、いずれも食人本能のままに人間を襲う。また、同じ姿や能力を持つ複数の個体や人間態を持つ個体なども存在する。
また、悠や仁のようにアマゾンズドライバーを使用する事で理性を保ったままアマゾンへ変身する者もいる。
アマゾン細胞
野座間製薬が極秘裏に研究していた、極微小サイズの人工生命体。
細胞レベルの段階ですでに人肉を好む本能「食人本能」を有しており、常にその本能を抑制する為に特殊な薬剤を定期的に投与しなければならない為、下記のアマゾンズレジスターを開発した。
また、人間サイズの大きさにまで培養、上記の人工生命体アマゾンが造り出された。
アマゾンズレジスター
全てのアマゾンが腕部に装着しているリング(腕輪)。
アマゾンの食人本能を抑制する特殊薬剤を、定期的に装着者の体内へ自動で投与する機能を持つ一種の安全装置にして位置情報装置。薬剤投与中は腕輪の眼の部分が青になっているが、薬剤の残りが少なくなると腕輪の眼の部分が赤く変化して位置情報が野座間製薬へ転送される。しかし、トンネルなどの電波が漏れにくい場所では発見できない事がある。
薬剤は最長で2年間ほど抑制可能な程度の容量が入っているが、薬剤が切れてアマゾンの食人本能に完全に目覚めてしまうと、例え薬剤を再充填しても制御はもはや不可能。また、薬剤切れは相当身体に負担を掛ける模様。
形状は『アマゾン』におけるギギの腕輪に相当するが、リングの下に装着者へ薬剤を投与する為の無数の針が付いており、装着する際はかなりの痛みを伴う。
一時、『アマゾンズバングル』公式で表記されていたが、修正された。
season2では千翼とイユが改良版のネオアマゾンズレジスターを装着している。
アマゾンプロジェクト
野座間製薬の水澤令華を主導に行っている計画。
アマゾンやアマゾン細胞を利用した計画だが、その計画を狙って、国際営業戦略本部長の橘雄悟が暗躍している。
街に潜む4000匹ものアマゾンを一網打尽にするために野座間製薬が遂行した駆除作戦。
その作戦内容は、人体に無害なように改良した対アマゾンガスを大量のドローンと豪雨を利用して街全体に散布し、アマゾンをまとめて駆逐するという物だが……
season2に於いても、「トラロック事件」と呼称されている。
溶原性アマゾン細胞
season2より登場。
人間に感染し、感染者をアマゾン化させる特殊なアマゾン細胞。
この細胞が含まれた水がミネラルウォーターとして販売されてしまったことで、アマゾンが無尽蔵に発生するという最悪のバイオテロが発生してしまった。
ただし、細胞自体はウイルスよりも大きいため、水分がなければすぐ死滅する特性を持ち、接触感染、飛沫感染、二次感染はありえないとされている。
この細胞の感染源、発生源となったアマゾン=オリジナルを追う形で物語が進行していく。
4C
season2より登場する新組織。正式名称は「特定有害生物対策センター」で、「4C」は「Competitive Creatures Control Center」の略。
突如としてアマゾン化した人間を暗殺し、事件を隠蔽する事を目的として日本政府が設立した。橘雄悟が局長を務める他、かつて駆除班の一員だった福田耕太も所属している。
アマゾンの居場所を感知できるメンバーが不在なせいで対処が後手に回りやすいため、一般市民からの評価はあまり好ましくなく、「市民(チームX)の方がちゃんとアマゾンを狩ってる」とまで言われてしまっている。
チームX(キス)
season2に登場する若者のグループ。千翼/仮面ライダーアマゾンネオが所属していた。
千翼を含めた4人の家出少年で構成されている不良集団。
アマゾン狩りをまるでスポーツか何かの様に楽しんでおり、その動画をネットにアップすることで多額のアフィリエイト収入を得ている。
ツイッターのフォロワーは5万人越え。ねぐらは志藤が経営しているクラブの一室。
千翼のアマゾン感知能力が高い為にアマゾンを4Cより早く見つける事が可能だった。
だが4Cによってバイクや携帯を破壊された上、千翼が連れ戻されてしまう。更にメンバーの琢己がヒヒアマゾンと化したのち射殺され、ヒヒアマゾンに襲われた健太も片足を失って入院。結果、参加可能になったメンバーが裕樹だけになったため事実上解散した。第7話では裕樹がイユを新メンバーとして再結成を試みたが、結局頓挫している。
圧裂弾
4Cが運用する新兵器。専用のランチャーを介して発射される強力な炸裂弾であり、一撃でアマゾンを貫通するに留まらず、周囲のアマゾンや建造物を消滅させるほどの大爆発を発生させる。ただし、その威力故に無人地帯でしか発射許可が下されない。また、イユのアマゾンズレジスターにも「廃棄システム」として仕込まれており、有事の際は彼女の肉体を破壊・機能を停止させることが出来る。
音楽関係
※詳しい情報は公式HPの「GOODS」コーナーを参照されたし。
主題歌
season1
- 「Armour Zone」
歌:小林太郎。
下記のオリジナルサウンドトラックに収録されるが、『Amazon Music』にて2016年6月17日(金)より日本国内限定で先行MP3ダウンロード販売も実施された。
season2
歌:小林太郎。
2017年5月24日(水)に発売予定のシングルCDに収録予定。なお、同CDには「Armour Zone」も収録予定。
- 「やがて星がふる」
歌:鈴木佐江子
最終話のED。劇中でもイユが歌っている曲として登場する。
オリジナルサウンドトラック
正式作品名は『仮面ライダーアマゾンズ オリジナル・サウンドトラック』。
劇中音楽&主題歌をCD2枚組に収録している。発売日は2016年8月3日(水)。価格は3,800円+税。
テレビ放送
2016年7月よりseason1が地上波&衛星放送でも放送された。全13話。
なお、地上波で放送されたのは配信版を再編集した「テレビ版」であり、尺調整の為にグロシーンを初めとした各シーンのカット編集が行われた。
また、「テレビ版」には新撮オープニング映像も追加された。
映像ソフト化
season1
DVD
巻数 | 収録話数 | 発売日 |
---|---|---|
VOL.1 | Episode1~Episode3 | 2017年2月8日(水) |
VOL.2 | Episode4~Episode6 | 2017年3月8日(水) |
VOL.3 | Episode7~Episode9 | 2017年4月12日(水) |
VOL.4 | Episode10~Episode13 | 2017年5月10日(水) |
Blu-ray COLLECTION
巻数 | 収録話数 | 発売日 |
---|---|---|
VOL.1 | Episode1~Episode13 | 2017年2月8日(水) |
●初回特典:スリーブ
※限定生産品。在庫が無くなる場合あり。
●封入特典:ブックレット
●ボーナスディスク
製作発表会映像・メイキング・PR集・データ&デザイン画ファイル
スペシャルイベント
今作のスペシャルイベント『A to M Open Your AMAZONS』が2016年11月22日(火)に開催。
18:30開場/19:00開演。開催地は東京都の中野サンプラザホール。
詳細は下記の外部リンクを参照されたし。
なお、2017年3月8日(水)にこのイベントのDVDが発売される。
作風・総合的な評価
当時放送中の仮面ライダーゴーストに対して喧嘩を売るという前代未聞の形で始まった本作。
仮面ライダーアマゾンをモチーフにしているが世界観や登場キャラは完全オリジナルであり、ゾンビ映画のテイストが加えられている。
ネット配信限定の大人向けの仮面ライダーであるため、ハードかつシリアスな描写が多い。画面自体も、殆どのシーンが従来作より彩度が落とされている。この映像スタイルは銀残しという映画やドラマでもよく使われる手法だが、ファンの間ではアマゾンズフィルターという通称がよく用いられている。
戦闘シーンも串刺しや切断などのスプラッタ描写が盛り込まれており、惨殺死体や人体損壊シーンが存在している。特にシーズン2は主人公を徹底的に追い詰める容赦ない展開、バッドエンドともとれる壮絶な終わり方、残酷シーンの増加が含まれてより過激な作風になっている。
その一方で子供向け雑誌やCMでの宣伝も行われたが、プライムビデオのページには残酷描写に対する警告文が掲載されている。年齢制限はされていないが、子供に見せるには注意が必要。
そのあまりにも残酷かつ陰鬱な内容ゆえに「仮面ライダー版宇宙の騎士テッカマンブレード」「仮面ライダー版ウォーキング・デッド」などと評されることも。
ただ単に陰惨なだけでなく、自らの生命を全うしようとする者達の意志やたとえ世界全てを敵に回してでも守り抜く愛情もしっかりと描かれており、「感動した」「深く考えさせられた」という視聴者も少なくない。
シーズン2と同時期放送だったエグゼイドとは共通点や対になっている点が多い。
対になっている点
比較 | アマゾンズ | エグゼイド |
---|---|---|
テーマ | 生命を狩るライダー | 生命を救うライダー |
怪人との関係性 | 人間とは絶対に相容れない存在 | 一緒にゲームを遊ぶ仲間として和解できる存在 |
ライダー同士の関係性 | 共闘から対立 | 対立から共闘 |
共通点
比較 | アマゾンズ | エグゼイド |
---|---|---|
黒幕 | 全く悪びれない大企業の会長 | 全く悪びれない大企業の社長 |
諸悪の根源兼ライダーベルトの開発に関与した大企業 | 野座間製薬 | ゲンムコーポレーション |
親子対決 | アルファとネオ | クロノスとゲンム |
死者が変身するライダー | アマゾンシグマ | レーザー・ゲンム |
怪人が変身するライダー | アマゾンネオ | パラドクス |
一般人を巻き込んだ災害 | 水源汚染によるパンデミック | 仮面ライダークロニクル |
各ライダーの変身ベルト | ネオ・ニューオメガ以外共通 | 共通 |
どちらも「生命」がテーマであり、「種族や考え方、立場が異なる他者と手を取り合って共に生きていく素晴らしさ」を描いたエグゼイドと、「生きるためには時には他の誰かを犠牲にしなければならない過酷さ」を描いたアマゾンズは表裏一体の関係性にあるといえる。
余談
殺人・食人などの残虐描写が含まれており、配信ページでは視聴者への警告が記載されている。
地上波版ではこのようなシーンはカットされて放送されている。
それでもseason1では暗くされたりぼかされたりする描写が多かったが、season2では直接的に表現され非常に過激になっている。
なおR指定はされていない。
2017年3月7日のTwitterでは、トレンドキーワードに『仮面ライダーアマゾンズ』とヤマト運輸とAmazonの配送交渉「アマゾンと交渉入り」が同時に出現する珍事が起きた。
また、2017年の春映画『超スーパーヒーロー大戦』ではアマゾンオメガ、アマゾンアルファ、アマゾンネオの3人が登場。アマゾンネオはこの作品が先行登場となった。
劇中に登場するゲーム『超スーパーヒーロー大戦』のゲームキャラとして登場し、ゲームを制作した張本人である霧野エイトの行方を追っていたエグゼイド/宝生永夢の行く手を阻む。
外部リンク
関連タグ
真・仮面ライダー:コンセプトが近い作品。過激な残虐描写を取り入れたライダーの先鞭でもある。
仮面ライダーTheFirst仮面ライダーTHENEXT:コンセプトが近い平成生まれの昭和ライダー。ただしこちらはほぼリメイクである。
仮面ライダーBLACKSUN:こちらも昭和ライダーのリメイク。
宇宙の騎士テッカマンブレード:こちらも同じく、名称が同じ設定を借りているが、オリジナル版とは別物という共通点がある。
ウルトラマンネクサス:ウルトラシリーズにおける同ポジション的作品にして足を向けて寝れない程の偉大なる先輩。
仮面ライダーエグゼイド:シーズン2と同時期放送の仮面ライダー。アマゾンズと唯一共演している他作品ライダーである。なおどちらも「生命倫理」がテーマであり、複数ライダーの思惑が交錯する構成・引きで主題歌を流す演出など共通点も少なくない。
そして完結編ではエグゼイドで脚本を務めた高橋氏が脚本を務めることに。
仮面ライダーザモナス:本作から2年後の作品である仮面ライダージオウの劇場版に登場した仮面ライダー。本作のアマゾンライダーたちをモチーフとしている。
クレヨンしんちゃん:同じテレビ朝日系列作品のamazonプライム限定配信作品繋がりで、『クレヨンしんちゃん外伝おもちゃウォーズ』にアマゾンアルファとジャングレイダーに跨ったアマゾンオメガの人形が登場している。よくコラボ出来たな…。また、仮面ライダーのゲスト出演は仮面ライダー電王(テレビスペシャル)、仮面ライダーキバ(番宣)、仮面ライダーフォーゼ(ミニアニメ)以来となる。