概要
『ポケットモンスター』シリーズに登場する施設の一つ。
現実世界で言うところのサファリパークのようなところであり、様々なポケモンを捕まえることが出来る。中にはサファリゾーンでないと捕まえられないポケモンもいるため、図鑑を完成させるためにはいくのが必須の場所。
似たような要素に、シンオウの「ノモセの大湿原」がある(後述)。
第1世代は特にサファリパークやサバンナを意識したような構図になっているのが特徴であり、生息ポケモンもサイホーン、ドードー、ガルーラといった動物園で見られる動物をモデルにしたポケモン、カイロスやストライクといった昆虫がモデルのポケモン、そして水辺ではミニリュウ系が生息しており、まさにサファリゾーンの看板に偽りなしである。特にミニリュウ系はレア中のレアな個体であった。
トレジャーハウスでひでんマシンの「なみのり」を、サファリゾーン園長(バオバ)の『きんのいれば』を園内で確保して園長に届け、ひでんマシンのかいりきを入手するなど、ストーリー上では避けては通れない。
そうでなくとも、わざマシンや換金アイテムが多数ドロップしており、ポケモンやひでんマシン目的でなくとも行く価値は十二分にある。
カントーのサファリゾーン園長は『ヤドン』と呼び慕われていて、トボけた感じがヤドンを連想させるとの事。
しかしながら、ポケモンの化石を有しているほどのポケモン好きで、作中のNPCからも博識な人物として認知されている(ヤドン園長の素性については後述)。これってどちらかというとヤドキングなのでは?
続編となる第4世代(HGSS)ではバオバ(バオバブが元ネタ)という人物がオーナーを務めている。
詳しいシステムは後述するが、湿原やサバンナだけでなく、砂漠などの様々な環境のエリアを導入した事により、他の世代以上に捕獲できるポケモンのバリエーションに幅が出来た。
ここではラプラスやタツベイ、リオル、ビブラーバ、ダンバル、フカマルのようなレアリティの高いポケモンや高種族値のポケモンに進化するポケモンも地方を問わず出現するので全国図鑑完成の心強い味方になってくれる事だろう(しかも高個体値が出やすい)。
なお、このバオバという人物は第4世代初出の人物ではない。何を隠そう、この人物こそ先ほど述べたサファリパークの園長その人である。リメイク前では海外旅行に行っていたという設定だが、本作でのサファリゾーン復活に伴い、海外から帰ってきたという設定に変更された。
初見では見分けが付かないのも当然で、姿はジェントルマンの流用、初代では関西弁だった口調も標準語に改められている為である(ジョウト地方が舞台なんだから関西弁で話しても良いのではというツッコミはなしである)。
ちなみに、カントーにあるパルパークの園長はバオバの子息であり、彼には娘もいる。アサギシティ・ジムリーダーのミカンとも知己のようだ。
第3世代では動物園系(ゴマゾウ/ドードー/キリンリキ)も確認できるが、カントーと比べると植物系、昆虫系の数が格段に増え、ジョウトゾーンという区画がある事からもわかるように、特にジョウト地方のポケモンが多く生息しており、海でもないのに水辺にはオクタンが定着している(おそらく、互換切れを考慮したもの)。
リメイク版のORASでは生息しているポケモンの総数が少なくなった一方で、サイホーンやピジョン、コクーンのようなカントーにいたポケモンやミミロルといった第4世代以降のポケモンが生息するようになった(サイホーン以外はメガシンカを新たに獲得したという事情がある為)。また、第3世代では進化前のみ出現していたドンファンもゲットできる。
歩数が制限時間扱いの場合はあるカラクリを知ると歩数を消費せず捕獲が可能である。
そのカラクリは「草むらで一歩も歩かずに主人公の向きを変える」という方法。そうすると歩かずともポケモンとエンカウントできるのである。
第1世代のサファリゾーンのモデルはマザー牧場、第4世代のノモセの大湿原は釧路湿原、HGSSのサファリゾーンは香川県丸亀市にあるレオマワールドが元ネタだとされている。
第1世代とそのリメイクでのBGMは進化BGMの流用だが、第3世代以降のサファリゾーンのBGMは新規のものになっている。
システム(第一世代~第四世代)
基本システム
サファリゾーンはポケモン勝負ではなく石(泥)とエサと専用のボールを駆使してポケモンを捕まえる。
- いし(どろ)を投げる/近づく…石(泥)を投げるとポケモンが怒り出す。RSEのみコマンドが近づくになっている。いずれも逃げやすくなるが捕まえやすくなる。FRLGでは石だったが、第四世代では泥になっている。
- エサ/ポロック…エサを投げるとポケモンが夢中になる。逃げにくくなるが捕まえにくくなる。RSEのみポロックになる。
- 専用ボール…サファリゾーンには専用ボール(サファリボール)があり、30個もらえる。ボールがすべて無くなると終了になる。
サファリゾーン内での行動は自由だが、歩数やボールが尽きることによって強制終了となる。
また、途中でリタイアをすることもできる。
ルビー・サファイア・エメラルド限定のシステム
草むらの真ん中にポロックを入れる箱があり、ここにポロックを入れるとそのポロックの味が好みの性格のポケモンが寄ってくる。またダートじてんしゃとマッハじてんしゃでしか行く事の出来ない草むらも存在する。
ノモセの大湿原
DPPt版のサファリゾーンに該当する施設である。日替わりで一部の出現ポケモンが変わる仕様。また、展望台ゲート二階の望遠鏡からどんなポケモンが出るのか確認する事も出来る。
大湿原の名の通り辺りは泥まみれでぬかるんでいる。泥に足を取られ動けなくなる事もあるが、この状態だと歩数がカウントされないため意外とボール消費効率は良い。また、ポケモンが出現するのはぬかるみの草むら部分と水辺のみ。
クイック号というディーゼル車に乗ってエリアを移動する事も出来る。
ちなみにレベル20代のドラピオンやドクロッグといった通常の進化レベル未満のポケモンを正規の手段で入手する事が出来る。
クイック号のモデルは釧路湿原を走るくしろ湿原ノロッコ号だと思われる(名前もノロッコ号がゆっくり走行するのに対し、クイック号は速いを意味するquickに由来している)。
傾向としてヌオーやウパー、ヤンヤンマ、グレッグル、モンジャラ、パラス、キノココ、グレッグル、スボミーといった水辺や湿った環境を好むポケモンが多く、何故か明らかに生息環境が明らかに異なるトロピウスやガルーラ、カクレオンも住んでいる。
水辺にはキバニアやギャラドスといった凶暴なポケモン、ダブルスロットではアーボックが出現する。
遊戯施設ではあるが、湿原一帯は街の保護下にある。入園料を徴収したり、制限時間が設けられているのもポケモンを乱獲されない為の工夫なのだろう。作中でNPCのピクニックガールが「ぬまくさの うえを あるいていると しずんでしまう ときが あるの……ぬけだすのに イライラしちゃって サファリゲーム ぜんぜん だったわ!」(原文ママ)と発言しているので、ぬかるんだ地形が乱獲を抑止しているという見方もできる。
ストーリーをクリアする上ではきりばらいを入手するために必ず入場しなければならないポイントなので、立ち寄っておこう。
なお、湿原は昔はかなり広かったようである。詳しくは紅蓮の湿地にて。
2007年に開催されたイベント『ポケモンパルシティ ポケモンフェスタ2007』ではこれを再現したアトラクション『ノモセシティのわくわくサファリ』があり、センサー付きのサファリボールを持ち歩きながら、アトラクション内を散策し、6体のポケモンデータを収集してプリントアウトしてもらうという内容。今でいう『ポケモンGO』の先輩のようなものである。
プリントアウトされるポケモンは原作のサファリゾーンにはいない種がおり、中にはボーマンダとか化石ポケモンを捕獲したというケースまであるらしい。
HGSS限定のシステム
HGSSでは、フィールドやブロックを駆使して特定のポケモンが出やすくなるようにエリア調整が出来る。
これらを駆使すれば、みずタイプポケモンを捕まえるために水のエリアだらけにすることや、いわタイプやじめんタイプのポケモンを捕まえるためにさばくエリアだらけにするということもできる。
ブロック置き換えをするにも入場料を払うためか歩数の制限はなく、ボールがなくなり次第終了となる。
なお、エリア調整は人力なのだとか。
エリアの総数はいわばエリア、さばくエリア、そうげんエリア、はなばたけエリア、もりエリア、みずべのもりエリア、ぬまちエリア、やまエリア、みずべのいわばエリア、あれちエリア、サバンナエリア、しつげんエリアで12区画存在する。
ただし、すべての機能を解放するにはバオバから出される課題をクリアして、オーナーの後任として指名される必要があるので注意。
第五世代以降は…
第五世代のポケモンBW以降は石(泥)とエサを駆使してポケモンを捕獲する施設は廃止されている。おそらく海外進出にあたって、ポケモン(動物)に石や泥を投げつける行為が動物虐待に捉えられてしまうからだと考えられる。
間接的な動物の売買行為に値するからと考えることもできないわけではないが、ブラック・ホワイトには間接的どころか直接的にコイキングを文字通り販売する人物がいるため、恐らく無関係だろう。
…あるいはもしかしたら、専用のシステムを組む労力を削っただけなのかもしれない。
ポケモンXYの「フレンドサファリ」、ポケモンORASの「サファリゾーン」は名前こそサファリだが、普通にポケモン同士を戦わせ、自前のボールで捕獲する一般的な野生バトルと同じ仕様になっている。入場料も無料で歩数制限もない。
後者はリメイク前は普通のサファリゾーンだったが、地元の人がボランティアで開放している特別保護区のような扱いとなっている。ちなみにORASのサファリゾーンも元々はRSE同様の有料施設だったが、こうなった理由は創設者が大盛況をいい事に入場料を値上げした結果一気に客足が減った事で赤字になり倒産寸前で夜逃げしたためである。後に地元の人たちが集ってボランティアでポケモンたちのケアをした事で無料の施設に生まれ変わったという経緯がある。
ニンテンドーSwitchで展開されたLPLEではピカチュウ版がモデルであるにもかかわらず廃止され、ポケモンGOにいるポケモンを転送・捕獲できる「GOパーク」に置き換えられている。
ただし、LPLEではそもそも野生ポケモンと(一部例外を除いて)バトルできず、きのみで動きを鈍らせたり捕まえやすくした後ボールを投げるというサファリゾーンないしポケモンGOに似たシステムが導入されているため、カントー地方全体がサファリゾーン化していると言ってもよい。
またGOパークのポケモンにもそのシステムは適用されるため、意外とGOパークのサファリゾーン感は強い。
そして第7世代の全ソフト、及び剣盾にはサファリゾーンに相当する施設は無い(これに関してはワイルドエリアの存在も大きいか)。
ただし、元々のサファリゾーンの売り文句の1つが「珍しいポケモン取り放題」だったことを考えると「アローラ地方・ガラル地方に存在しないポケモンが多数出現する閉鎖空間」であるウルトラスペース及びヨロイじま・カンムリ雪原がサファリゾーンに似ていると強弁できないこともない。奇しくもヨロイ島にはラッキー、ケンタロス、ストライク、ガルーラという初代サファリゾーンでお馴染みの面々も揃っている。
BDSPは投げるものが石ではなく泥だった為か、特に大きな改変もなく、原作とほぼそのままのシステムでプレイが可能。ちなみに、ちょっとした小ネタとしてポケモン出現時の草むらのエフェクトがフキの葉っぱのようになっているのが特徴。
LEGENDSアルセウスのポケモン捕獲ではどろだんごや餌を投げて隙を作ったり、近づいて背後からボールを当てると捕獲率が上がるなど過去作のサファリゾーンを踏襲したようなアイテム・システムがいくつか存在している。また、後のノモセ大湿原と考えられる場所にも行くことができる。
アニメ版
アニポケでは管理人はウェスタン風の糸目の男性カイザー(CV:鈴木泰明)、漫画『ポケットモンスター全書』では原作同様にヤドン園長となっている(この漫画では顔が本当にヤドンに似ている)。
これらの媒体では過去にサファリゾーン内でトラブルが起こったとされ、前者ではミニリュウの乱獲、後者では設立を巡って自然を愛するジムリーダーのキョウの反対に遭った(尤も、園長はセキチクシティの自然をサファリゾーンという形で守ろうとしたのであり、キョウにはその旨が上手く伝わっていなかった)。
また、カイザーの登場した第35話でサトシがケンタロスを大量に捕獲したというのは有名な話である。
ただ、この回はカイザーがサトシたちに拳銃を突きつけるシーンが海外ではシャレにならない為に、欠番扱いとなっている。
関連イラスト
関連タグ
ゲームコーナー……同じく海外進出に伴い削除された施設
ポケモンGO……サファリゾーンのシステムを実体験出来るスマホ用アプリ
キング・クイーン(ヒスイ)……一見似ているシステムだが投げるものが軟化している