G3-X
じーすりーえっくす
概要
G3の戦闘データを元に設計・開発された、強化型の特殊装甲服。作中ではG3と同様にもっぱら「G3-X」とのみ呼称されるが、商品展開などにおいては便宜上「仮面ライダーG3-X」と呼称される場合も多い。
主要な装着者は氷川誠(※1)で、基本カラーは青。G3に引き続き小沢澄子がシステムの設計・開発を担当している。G3システムがアンノウンに対して戦力不足であった事に加え、ギルスとの戦闘でG3が大破しその穴を埋める必要に迫られたために開発されたもので、次代のシステムの正式採用を巡るコンペでは北條透の主導により開発されたV-1システムと競い合った。
(※1 後述の通り、装着員候補として津上翔一が一度G3-Xを装着・戦闘に及んだ事もある他、北條透も装着員経験者の一人である)
性能
身長 | 192cm |
---|---|
体重 | 176kg |
パンチ力 | 2.5t |
キック力 | 7.5t |
ジャンプ力 | ひと跳び20m |
走力 | 100mを8秒 |
防御力 | 硬度:10 |
前世代のシステムであるG3から様々な面での改善が図られており、戦闘能力も大幅に向上。特に各種重火器を用いた攻撃力は絶大で、GX-05の連射やGXランチャーによって、多くのアンノウンを撃破した。また格闘面での強化も目覚ましいものがあり、AIが暴走した際はグランドフォームのアギトと互角の力を発揮している。
もっとも、物語後半になると上級アンノウン相手には力不足な面も目立つようになり、アギトやギルスの援護に回る場面も散見されたが、最終決戦ではアギトのシャイニングフォームですら敗北した2体のエルロードを相手に善戦し、地のエルを驚愕させ、勝利に貢献した。
ともあれ、後述のシステム上の難点などもあり、その性能を十分に活かせるかどうかは装着員の資質による部分が大きい。
主な機能
G3からの改善点として、装着者の身長・体格に合わせてサイズを補正するオートフィット機能が実装されている。これにより、物語序盤でしばしば見られた「装着者が変わる度に改修を行う」プロセスを踏む必要が無くなり、より臨機応変な対応が可能となった他、汎用性も改善されている。
また、ベルトのGバックルはバッテリーの容量増加に伴い、バッテリーメーターのふり幅が調節された。バッテリー自体は他のGシリーズと互換性があり、TVSPでバッテリー切れを起こした際にはG3マイルドの物と換装している。
そしてもう一つの改善点として、新たに理想的な動きを装着員に促すAI機能が搭載された・・・のだが、実のところこの機能は以下の2つのデメリットも抱えたものであり、一概に「改善」とは言い切れない部分もある。
というのもこの機能、AIからの指示に抵抗する動きを試みると、その分だけ身体に負荷・衝撃がかかって装着員の体力を消耗させ、さらに無理を続けると筋肉断裂などの深刻なダメージとして跳ね返ってきてしまう(※2)。これが1つ目のデメリットである。
そしてもう一つのデメリットが、AI自身が些細な事で過剰な反応や敵意を持ち、装着者がそれに抵抗することで上記の通り体に衝撃を受けて意識障害を起こし、敵と味方の区別ができずに攻撃を始め、AIがその行動に強調する形で暴走状態に陥ってしまうというものである。これはコンペに際し、V-1を装着した北條が銃口を向けて挑発的な態度を示した際に露呈しており、この態度をAIが「銃口を向けてくる=殺意あり=敵」と判断、暴走状態に陥ったG3-XはV-1を破壊した上、そのまま出動しアンノウンを撃破するという挙動を示した。
つまるところ大袈裟に言えば、装着者の意思で確実な戦闘を行うには、自分自身を「無我の境地」に至らしめる必要がある。こうした事情から、小沢はG3-Xの装着員として「いつもリラックスしていて緊張感がまるでない」津上翔一に目星をつけており、後にG3-Xを装着した翔一は小沢の見立て通り、暴走する事なくこれを使いこなしアンノウンを撃破、システムとしてのG3-Xの優秀性を証明してみせた。
機械(システム)として完璧であるがゆえに装着員(ニンゲン)の入り込む余地がない。
当初はこの完璧さが完全に足枷となっており、AIの指示に同調出来ない者には全く使いこなせない危険な代物でしかなった(※2)。
この欠点は、後に小沢の恩師でV-1の開発担当者の高村光介教授が「AI制御チップ」を開発して小沢に託し、小沢も恩師の指摘を受けての反省からこれを導入した事で、ようやく解消に成功している。
(※2 要するに、AIの指示により機械は左に動こうとしているのに、装着者が右に動こうとすると、左に向けて1の力、右に向けて1の力が働き相殺されることになり、見た目上は動いていないにもかかわらず余計な体力を消耗することになる。しかも機械はそれでも左に動こうと2の力を掛けてくるので、逆らえば逆らうほどより強い力で強引に体を動かされ、結果として装着者の負傷及び、意識障害に伴う暴走を誘発するのである。
極端な話、「右に動け」の指示にラグ無く瞬時に行動に移せなければ「装着者の抵抗」と見做され強引に動かされる(デメリットその1の延長)、その上そのラグが原因で「足を上げろ(対応できず勝手に足を上げられる)」→「足を下ろせ(先程の指示に従い足を上げようとしてしまい抵抗と見做され無理矢理足を下ろされる)」という悪循環が発生しかねない。
逆に、翔一のように「AIに身を任せられる」適合者にはこれらが起こらないどころか、むしろAIによるメリットをそのまま享受できることから、非常に扱いやすいものとなっている。実際、翔一は装着した際の感想として「簡単」「誰でもできますよあんなの、サルでもできます」と臆面もなく発しており、実際に暴走・負傷に至った氷川の度肝を抜いた)
武装
GM-01 スコーピオン
対未確認生命体用の突撃銃(実態はサブマシンガン)。装弾数は72発で並列弾倉式。
主に牽制用として使われるが、アンノウンを怯ませるには十分な威力を持ち、劇場版ではアントロードに至近距離で数発浴びせているが、やはり倒すまでには至らなかった。
右大腿部のホルスター「アームズマウント」に携行している。
GG-02 サラマンダー
GM-01と連結して使用するグレネードランチャーで装弾数は3発。破壊力は約20トン。
G3時代は必殺武器としても使われていたが、G3-Xになると後述のGX-05が主力武器として位置付けられている都合上、使用頻度は大幅に低下している。
ハイパーバトルビデオはその数少ない活躍の機会の一つでもあり、ここではジャッカルロードへのトドメとして、ケルベロスを差し置いて使われている。もっとも、装備の名前が呼称されたのは繋ぎに過ぎないアンタレスの方であった訳だが・・・さらに言えば、既存の装備で対応していたG3-Xに対し、他の2人のライダーは新技を披露していたりもする。
GS-03 デストロイヤー
超高周波振動ソード。ブレード部を振動させ切断する。右腕に装着して使用。
パワーを最大にして放つスーパーブレードで敵を一刀両断する。
G3の頃から度々使用されていたものの、命中率の致命的な悪さはG3-Xになってからも相変わらずである。
『アギト』の作風にはそぐわないものの、武器ではなく逃げ遅れた非戦闘員を救助する障害物破壊ツールとしてならば、あるいは活躍の機会もあったかもしれない。
GA-04 アンタレス
右腕に装着して使用するアンカー。ワイヤーで敵を捕縛する武器。
こちらもG3の頃から実装されていた装備で、G3-Xへの強化後に初使用された。
GX-05 ケルベロス
G3-X専用のガトリング式機銃。
特殊徹甲弾を1秒間に30発発射する。(分間1800発、これは所謂ミニガンと呼ばれるヘリコプター等軍事機体への掃射用設置式機関銃とほぼ同等の発射レートとなり、当然携行して撃つなど不可能。発射音もバババババなどという生やさしいモノでは無くバァァァァァァ!である)
G3用の武器とは段違いの高火力ぶりを発揮し、単体でも敵アンノウンを撃破することも可能(ビートルロードのように、全く効果のなかったアンノウンも存在する)。携行の際はアタッシュケース型の「アタッシュモード」であり、暗証番号(1-3-2)を入力すると「解除シマス」の機械音声が発せられ、「ガトリングモード」へ変形可能になる(逆に入力を誤ると「番号ガチガイマス」という音声が発せられ、劇中では氷川が番号を間違えるシーンが見られた)。
弾倉一つあたりの装弾数は120発で、G3-Xは腰部に予備の弾倉を二つ装備しているが、作中では明らかにそれ以上撃っているような描写も散見される。そもそもこういう高レート機関銃は、敢えて装填弾数を減らすカスタムでもない限り携行弾数を増やす都合上、マガジン弾倉ではなくベルト給弾式が主流である。
武器として飛び道具の類を一切持たないアギトが、高速で動きまわるため捕捉不可能なアンノウンを相手に戦った際にG3-Xがこれで援護・撃破したこともある。
GK-06 ユニコーン
G3-X専用の電磁コンバットナイフ。左上腕のアーマーに装着・携行している。
破壊力はデストロイヤーの半分ほどであるが、そもそもG3-Xの特性上格闘戦はあまり行われないため、基本的には緊急時のサブウェポンとして運用される。
GS-03同様、その命中率はお世辞にも高いとはいえないが、最終話ではシャイニングカリバーを叩き折った地のエルの剣「敬虔のカンダ」と互角の鍔迫り合いをするという、思わぬ大活躍を見せた。
この地のエルのモチーフはライオンであり、イギリスではユニコーンと対立関係にあるものと見なされていた。
別作品への登場
公式のゲームや連動アイテムでは、G3を差し置いて登場する場合も多い。
『仮面ライダーディケイド』
同作の第1話で描かれたライダー大戦では、アギトと共に専用マシン「ガードチェイサー」に搭乗している姿が見られる。
未確認生命体を倒すことが出来る装備であり、警視庁の古屋隆広が装着していたが、パワーを制御できずに被害を拡大させてしまいその任を辞退した。これを受けて一般から新装着員を公募し、一旦は海東大樹が正装着員となるが途中で出奔、その後は小野寺ユウスケが装着者となり、アントロードやバッファローロードと戦った。
士たちが別の世界に旅立った後、G3-Xがどうなったのかについては言及されていない。元々のG3装着員であった芦河ショウイチはアギトになったため、あるいはもう使われていないかも知れないが、一方で飛び道具が無いというアギトの弱点や、G3もライダー大戦に参戦していた事などを考えると、「アギトの仲間」として警視庁の方でライダー大戦までに別の装着者を探していた、もしくはショウイチが装着員として復帰し、G3-Xでの活動を基本として非常の場合にアギトへと変身していたのかも知れない。
また、アギトの世界では『仮面ライダークウガ』同様に、対グロンギ用に神経断裂弾が運用されている事が示唆されている。
ガンバライド
仮面ライダーバトル・ガンバライドでは第6弾のLR(最高レアリティ)で登場。
能力は全て450だが、前衛に置く事で体力が+200になる。
これにより後衛の選択肢が増えた事になり、組み合わせ次第では強力なタッグを作る事ができる。
演出あり必殺技は「ケルベロスファイヤー」。ケルベロス連射からGXランチャーにつなぐコンボ技。
同じく第6弾のR(レア)のカードの必殺技(下位技)の「2500KGパンチ」は、威力1500とガンバライド最低タイの数字。不名誉な記録を作ってしまった。
シャバドゥビ2弾にてSR(スーパーレア)で登場し、高レアに再昇格。
こちらは前衛に置くと、なんと防御が+300される。
しかもこのカード、基礎の防御が600である事と、防御ベスパであること、そして防御がかなり上がる機械タイプ(読みはメカタイプ)であることが重なった結果、防御力は最大で1700に達し、後衛次第では2000を越える。
ライダーになった経緯が似ているこの人や、同じ装着するという共通点を持つ7-53(ネタではなく本当にこのカードナンバー)も機械タイプで、防御力を上げるスキル、そして防御ベスパであることからこの二人のどちらかを後衛に置くと圧倒的な防御力を手に入れ、大会がG3-Xで溢れるほどだった。
すぐに登場したLRハリドラの必殺技には耐えられず、その短い一時代を終えてしまったが、未だにCPU戦では有効である。
シャバドゥビ3弾ではN(ノーマル)で登場。
Lv1の必殺技に威力1500の「2500KGパンチ」を持つのはスタッフの遊び心か。
しかしこのカード、高体力+体力ベスパのため、低レアの後衛としてなかなか優秀。
シャバドゥビ6弾にもCR(コレクションレア)として登場。
防御一点強化だったS2弾と違い、今回はバランスタイプ。
関連イラスト
関連タグ
関連・類似キャラクター
V-1システム:小沢の師匠である高村光介が開発したシステム。前述の通り、G3の次代のシステムを巡るコンペでの競合相手という位置付けであった
G4:本作の劇場版『PROJECT_G4』に登場するヒーローの一人。ナンバリング的にはG3-Xの次に位置するが、内実としてはG3→G4→G3-Xの順に設計・開発され、なおかつ「装着者をインナーフレームとして使うだけの戦闘機械」という、ある意味G3-Xの本来の設計思想をより先鋭化させたものでもある。その性質ゆえに、装着者への危険度はG3-Xとは桁違い・・・というより最早度外視されており、その点も踏まえればG3-Xは「良くも悪くも」G4のデチューン版と言える
Xライダー:『仮面ライダーX』に登場するヒーロー。G3-Xのヘルメットのレンズ部(複眼)と口部の名称である「レッドアイザー」と「パーフェクター」は、共にXライダーが変身に用いるアイテムに由来したものとなっている。これは石森プロの飯田浩司による、G3-Xの初期デザイン案がXライダーをモチーフとしていた名残である
ゼロフォーム ランペイジバルカン:いずれもガトリングガンを主武装として使用する、2号ライダーの最強形態。ゼロフォームとはスーツアクターを、ランペイジバルカンとはカラーリングをそれぞれ同じくしている
ライジングイクサ:『仮面ライダーキバ』に登場するヒーロー、および強化形態の一つ。「2号ライダーの青い最強形態」「番号入力を要する武器を装備」「登場作品を同じ脚本家が担当」といった具合に、複数の共通項を有する
仮面ライダーバースX:『仮面ライダーOOO』に登場するヒーロー、および強化形態の一つ。名前の末尾に「X」の文字を持つ、銃使いの2号ライダーの最強形態という点で共通している
G3-X → ナイトサバイブ
○号ライダー