覚醒(悪魔の実)
あくまのみのかくせい
いいか ひよっこ 〝悪魔の実〟の能力には まだ「覚醒」という上の世界(ステージ)があるんだ…!!!
能力は稀に「覚醒」し 己以外にも影響を与え始める!!!
お前の心身が「能力」に追いついた時に起きるのが「覚醒」だ
概要
少年漫画『ONEPIECE』に登場する異物「悪魔の実」を食した者は、実に宿る特殊能力を手に入れた「(悪魔の実の)能力者」となる。
そして稀に能力は「覚醒」する事があり、能力が進化して更なる性質が追加される。
いわば、能力者のセカンドステージと言える。
インペルダウン編でのクロコダイルの発言が初出だが、単なる比喩ではなく悪魔の実の能力にかかわる特別な概念であることが判明したのはドレスローザ編でのドフラミンゴの発言による。コミックス100巻を超えた現在でも不明な所がある現象・状態である。
よって本稿はまだ不明瞭な情報もある事に留意。
「覚醒」の世界(ステージ)
「覚醒」は悪魔の実に宿る特殊能力を飛躍させた領域であり、系統毎に発現する覚醒能力の共通項が判明している。
まだ不明慮な情報があるも、覚醒者たちの傾向から「心身共に悪魔の実へ宿る能力を極限まで鍛え上げた実力と熟練していること」が最低条件であると判明している。
覚醒の系統
悪魔の実の系統によって覚醒の特徴は異なっている。
系統 | 覚醒能力における特徴 | デメリット |
---|---|---|
超人系 | 周囲の物体(生物)に自身の能力の性質を付与して操ることができるようになる | |
動物系 |
|
|
自然系 | (※覚醒者が判明していないため不明) |
※体力の消耗などについては、悪魔の実の能力者の傾向を見てみると、全能力者共通なものであるため、「デメリット」には記述しない。そもそも、体力の消耗などのデメリットを恐れていては、能力の強さの成長には一切繋がらないため、「覚醒」へ至るには、能力者は逃れることができない現象と考えられる。
また、以上の特徴だけでなく、食した「悪魔の実」によっては覚醒前の限定条件が無効化(リミッター解除)する(前景等に共通する『自身の体質が直接変化する』タイプでなく超人系特有の『周囲の物質・生物に何らかの影響を及ぼす』タイプに見られることが多い)など、詳細は異なるがどの覚醒能力も『新たな汎用性を獲得している点』が共通している。
上記の他に、自然系(ロギア)よりも更に希少な「幻獣種」の「覚醒」も登場した。
ワノ国編現在で一例だけの確認だが、神話や伝説で語り継がれる幻の生物がモデルなだけあり空想的・神秘的な覚醒能力を発揮した。
覚醒の条件
条件 | 能力者の心身が「(悪魔の実の)能力」に追いつくこと |
---|---|
欠点 | 不適切に覚醒が起きた場合は、覚醒は欠陥能力になってしまう致命的なデメリットが生じる |
不明点 |
悪魔の実に宿る異能へ対し、果実を食した者が心身ともに畢竟まで辿り着く事が最低条件と判明している。
だが、どれぐらいの頻度で「覚醒」を発現するかは不明慮だが、作中の傾向で覚醒していていることが明示された者がごくわずかであることから、かなり稀な現象であると予想される。
また、悪魔の実によって、覚醒しやすさが異なっていると考えることもできるが、明らかになっていない。
ただし、カタクリが「能力は『当然』覚醒している」と発言していることから、四皇幹部クラス以上の強者の多くは能力の覚醒に至っているようである。
因みに〝ある人物(ネタバレ注意)〟の「覚醒」した瞬間が描写されたが、それは「(悪魔の実の)能力」を最大まで活用するに到達していた中で遭った生死を彷徨う極限状態・食した悪魔の実の特性「??系の実には意思があること」など、偶然的な要素が重なり発現した特例と思われる。
詳細
作中では悪魔の実の覚醒について「悪魔の実の能力には"覚醒"という上の世界がある」(ドフラミンゴ)、「能力者の心身が悪魔の実に追いついたときに覚醒する」(カイドウ)といった断片的な事柄しか語られておらず、上述の通り不明瞭な点ばかりである。
読者の間でも様々な議論がなされているが、ここでは覚醒条件の意味を正しく把握できるようにするために、覚醒者の傾向を踏まえながらもう少し具体的に考察する。
「能力者の心身が能力が追いついたときに覚醒する」とは一体どのような意味なのかについてだが、『能力者の心身(精神力と体)の強さが、悪魔の実の能力の強さ(エネルギーの大きさ)に相応しくなった段階で覚醒する』という意味であると思われる。
例えば、精神力及び体力がそれぞれ覚醒に至るレベルであるかを表にすると、
能力者の精神力 | 能力者の体力 | 覚醒 |
---|---|---|
〇 | 〇 | 〇 |
〇 | ✕ | ✕ |
✕ | 〇 | ✕ |
✕ | ✕ | ✕ |
ということになる。
したがって、例の場合では、能力者の心身のどちらかが覚醒レベルに達していなかった場合、覚醒は起きないということになる。
より厳密に言うと、「覚醒」へ至るには、最低でも悪魔の実の能力に追いつくまで、能力者が能力ととも心身を極限状態に身を置き、適度な負荷をかけながら繰り返し強くするという非常に厳しい条件をクリアする必要があるということだ。そのためには、
- 能力を従来よりもハードな扱い方をした技を自ら開発する
- 同じ技でも、能力の強度を従来よりも極限以上に高めて発揮する
- 自身よりも相当強い者を相手にして、能力を心身ともに極限状態に追い込んでいく
- 能力に影響する外部の力を一切利用しない方法で能力を限界まで発揮する
など、能力者が慣れていないことを繰り返し行うような能力のアップグレードを何度も行って強くしていく必要があり、そうするには心身に適度な負荷を繰り返しかけなければならない。
実際に作中に登場している多くの能力者は、どんなに能力の扱い方が上手く、発想力が高くても、
- 能力を繰り返しアウトプットして、極限以上に追い込んでいない
- 能力者が発想力などの能力のインプットに頼り過ぎていると、能力のアウトプットを行っていないために、強さの成長に直結しないどころか、能力を自分のものにできない
- 能力者の追い込み量が能力よりも不足している
- 能力を繰り返しアウトプットしていても、同じこと(慣れていること)を繰り返すようなルーティン化した発揮方法をしているために、心身に大した効果を及ぼすほど追い込めていない
- 能力の使用方法のバリエーションを増やしても、その強度が毎回同じであったり、日常生活にすぐになるような発揮方法ばかりを繰り返しているために、強さの成長に直結していない
などのように、能力者の能力の鍛錬方法が不適切であるために、能力を心身ともに効率的に追い込めていなかったり、追い込み量が不足していたりする傾向がある。
そうなれば、覚醒段階に達する以前に、能力者の成長が次第に鈍化していき、必ずどこかのタイミングで成長が止まってしまうのも分かる。
つまり、どんなに能力の扱い方が上手く、発想力が高くても、能力者自身の持っている力を極限状態に追い込めていなければ、能力の強さが全く成長しないため、いつまで経っても覚醒できないということだ。
そのように考えれば、中途半端な能力として終わってしまう能力者が多く、覚醒している能力者が強者であることが殆どで、能力者の中でも僅かしか存在しないのも頷ける。
また、覚醒能力は通常能力よりも反動が大きいため、覚醒できない能力者が多く存在したり、基本的に覚醒者が覚醒能力を最初からあまり使わずに温存しているのも説明がつく。
実際に、問題なく覚醒能力を扱えている能力者は、何れも能力をよく使いこなしている強者に限られている。
経験値の蓄積は必須
前述で触れたように「覚醒」へ至るには、覚醒前の能力を使いこなせていなければいけない事が最低条件である。
〝悪魔の実〟の覚醒者たち(明言された者に限る)
⚠以下には本作『ONEPIECE』のネタバレも含みます。まだ未読・未視聴の人(コミック・アニメ・劇場版でこれからを楽しみにしている人達)は閲覧注意。⚠
原作
初めて登場した「覚醒」の能力者。
大監獄「インペルダウン」に勤務する獣人で、クロコダイル曰く「覚醒した動物系の能力者は異常なタフさと回復力が売り」とのこと。
作中では脱獄者たちや違反者・侵入者の猛攻に怯まず追撃を仕掛けていた。彼らの砲撃や術技にびくともせず、さらに六式・剃(ソル)を思わせる高速移動(スピード)も有している。
後に動物系の実には意思があることが明かされたため、彼らは覚醒した際に実の意思に取り込まれてしまったのだと思われる。
悪魔の実 | 通常能力 ⇒ 覚醒能力 |
---|---|
イトイトの実 | 体の内外から糸を生成し自在に操作できる ⇒ 周囲の物体を糸に変化させ操ることができる |
次に登場した「覚醒」の能力者かつ、初描写された超人系の力は絶大。
対峙したルフィは「超人系(パラミシア)じゃねェみてェだ!!」と驚愕していた。
ドフラミンゴの周囲にある物体(地面や建物など)を糸に変化させ、大質量の白糸(ホワイト)を自在に操作する様態は荒波の如き大迫力である。白糸(ホワイト)へ武装色の覇気を纏わせより鋭利な殺傷力から繰り出す凶刃・荒浪を思わせる猛攻で相手を飲み込む絡め糸など縦横無尽な大技で対象を排除(フェードアウト)する。
ドフラミンゴは王下七武海を担っていた実力者なだけあり覚醒能力を使いこなしており、難敵から体の内外を大きく負傷していた状態でも、余力を感じさせる様相で追撃してみせた。
悪魔の実 | 通常能力 ⇒ 覚醒能力 |
---|---|
モチモチの実 | 体を餅に変える / 餅を生み出し操ることができる ⇒ 周囲の物体を餅に変える / 変換した餅から新たな餅を生成したり餅と同化できる |
ビッグ・マム海賊団の最高幹部「スイート3将星」の筆頭であり、数々の異名〝完璧な人間〟〝シャーロット家の最高傑作〟を冠されているように、カタクリは能力者として「覚醒」の域に達している。
カタクリの周囲にある物体(床や壁など)を餅に変化させ、大質量の餅を手足の如く自由自在に操作できる。
そして『モチモチの実』は特殊な超人系であり、餅を生み出し操るだけでなく、まるで自然系のように体を餅化して自在に変形させることができる。
これにより覚醒と併せて変換した餅を基点に新たな餅を生成する・変換した餅と同化する・覚醒で作り出した餅に武装色の覇気を纏わせるという能力戦闘の自由度を大幅に広げている。
また「覚醒」にある課題「消耗が大きい点」も克服しているようで、戦闘の序盤から覚醒能力を使い続けでも余裕の風格をみせていた。
悪魔の実 | 通常能力 ⇒ 覚醒能力 |
---|---|
ジキジキの実 | 身体から強力な磁気を発生でき、金属を自在に操れる ⇒ 生物・物体へ磁力を付与できる |
最悪の世代と言われる一角でキッド海賊団船長。11人の超新星とも呼ばれていた血の気が多い短気な青年。初登場から億越えの実力者で、ワノ国編にて「覚醒」へ至ってる事が判明した。
キッドは超人系『ジキジキの実』を食べ、体から磁気を発生させ金属を自在に操ることができる。
「覚醒」した能力は🧲磁力の付与(アサイン)🧲で、対峙した相手や周囲の物体を磁石化できる。
つまり本来は磁力がない対象へジキジキの実を発動できる事から戦術の幅が広げられる。
膨大な磁界を生成できる事で、当時の〝四皇〟ビッグ・マムが有する怪力を以てしても引き剥がせない磁化や、相手へ周囲の金属類を集中的に吸引させ押し潰す圧殺、さらに強力な磁場を発生できる事から⚡電磁砲(レールガン)⚡を発射さえ可能。
しかし、覚醒能力である故に体力の消耗が激しく多用はできない。
悪魔の実 | 通常能力 ⇒ 覚醒能力 |
---|---|
オペオペの実 | 球状/ドーム状の特殊空間(手術室)を作り、空間内から生物・物体を自在に改造できる ⇒ 自身以外に手術室の性質を付与し、空間外から手術室そのものを操り、自在に改造することができる |
最悪の世代と言われる一角でハートの海賊団船長。異名〝死の外科医〟へあるように医者でもあるクールな青年。
ワノ国編にて「覚醒」へ至ってる事が判明した。
これはドフラミンゴの死闘を越えて獲得したと考えられる。
ローは超人系『オペオペの実』を食べ、展開する空間「ROOM(ルーム)」の中で移動・切断・接合・電撃など外科手術に関連するような処置を自在に行使できる「改造自在人間」である。
「覚醒」した能力は「ROOM(ルーム)」を圧縮したような球状の塊「K・ROOM(ク・ローム)」を生成し、対峙した相手や物体に付与できる。
これは「ROOM(ルーム)」の性質を帯びており、より改造(オペ)の幅が広げられる。
『オペオペの実』に宿る超常的な改造能力、ロー自身の高等医術・医療知識によって、覚醒前の「ROOM(ルーム)」よりも攻撃的・変則的な実現力を発揮する。
初描写では妖刀・鬼哭へ「K・ROOM(ク・ローム)」を纏わせ攻撃性を上げ、そのまま敵を貫通し体内へ波動を発生させる特殊攻撃、改造能力(オペオペ)により「K・ROOM(ク・ローム)」へ続き属性・実効を変化した音波を遮断する「R・ROOM(リ・ルーム)」を発動するといった多彩な戦術を発揮した。
しかし、覚醒能力である故に体力の消耗が激しく多用はできない。
本作の主人公であり、現四皇麦わら大船団の大船長。超人系ゴムゴムの実の能力者でゴムと同様の伸縮自在な体質からなる多くの技を有し、それを応用した"ギア"という身体強化術で数多くの強豪を退け最悪の世代のトップを走るルフィも、ワノ国編終盤にカイドウの一撃でノックアウトされた直後、ついにその能力を覚醒させる。
そこで明かされたのはゴムゴムの実の真実。それは世界政府がその存在を闇に葬るために付けた仮の名前であり、本来の名は動物系幻獣種 ヒトヒトの実 モデル"ニカ"であった。
太陽の神ニカの名を冠するその能力は、「覚醒」すると体から解放のドラムと呼ばれる独特な鼓動を発し、ギア5へと変身が可能となる。その戦いは「自由」であり、周囲のモノをゴム化させる能力と併せて多彩かつ奇想天外な攻撃を繰り出していく。
悪魔の実 | 通常能力 ⇒ 覚醒能力 |
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ネコネコの実 モデル〝豹(レオパルド)〟 | モデルとなった生物(豹)の能力を獲得する / 人型・獣型・人獣型へ変身できる ⇒ 豹の覚醒フォルムに変身でき、より驚異的な身体能力を得る |
世界政府直属の諜報機関・CP9の元メンバーで、現在はCP‐0に所属している諜報員。CP9史上最も強く冷酷な"殺戮兵器"とも評されるほどの冷徹な殺し屋気質で、鍛練により体得した「六式」と悪魔の実の能力、そして何より並外れた身体能力を兼ね備えている事から、諜報員の中でもその戦闘力は桁違いであり、打撃が通じないルフィを素の体術で圧倒してみせている。
一度はルフィに敗れた彼だが、2年の間に更に鍛錬を重ねたようで、エッグヘッド編の時点で能力が覚醒の段階に到達している。
ルッチが食した『ネコネコの実 モデル〝豹(レオパルド)〟』は、その名の通り豹に変身できる能力を持つ。豹の柔軟かつ強靭な身体能力は、己の肉体を武器とする「六式」との相性が抜群であり、凄まじい殺傷力を誇る。
そんな彼の覚醒状態は、全身が“生命帰還”「紙絵武身」のように若干細身で、胴体は人獣型の筋肉質のものからより豹のものに近づいており、その体には黒く禍々しいオーラをさながら羽衣のように纏っている。更にルッチの場合はその強靭な精神も相まって、獄卒獣とは違い覚醒状態でも実の意思に取り込まれる事なく自我を保ってみせている。
当然、その戦闘力も大幅に強化されており、六式を繰り出す際のスピードは、ガードの堅い戦桃丸でも防御が間に合わないほど。また、ギア5のルフィの攻撃を喰らっても意識を保てるぐらいには耐久力も上がっている。
劇場版
悪魔の実 | 通常能力 ⇒ 覚醒能力 |
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ゴルゴルの実 | 触れた黄金を操ることができる(※) ⇒ 黄金を通じた感知能力の獲得 |
テゾーロは異名〝黄金帝〟〝新世界の怪物〟を冠するエンターテイナー。
金を絶対視する傲慢・冷酷な男で、計略を巡らす知能と自らの野望を叶えるために磨いてきた一個人の実力は本物。
「覚醒」により、✨一度触れた黄金に起きた出来事を感知✨できる。
この効果範囲は劇中だと、全長10㎞(6マイル以上)に及ぶ島ほどの超巨大船「グラン・テゾーロ」全域まで掌握し、船全体が黄金で出来た設備はテゾーロの武器や身体と等しく完全に支配下へおいていた。
これを利用してグラン・テゾーロの入場口で降らす金粉を来場者の身体に染み込ませており、(金粉を通して感知した不届き者とかを)テゾーロ自身の任意で黄金を体表へ顕現させて拘束、そして生きたまま黄金像にするえげつない行為をしていた。
この「覚醒」で繊細な超感覚を得たのか、精密操作で黄金からレーザーを発射・大爆発を起こす強烈な金色パンチと、実に煌びやかな戦闘も展開する。
悪魔の実 | 通常能力 ⇒ 覚醒能力 |
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ガシャガシャの実 | 無機物を変形・合体させることができる ⇒ 周囲の有機物も変形・合体させることができる |
個人で「国家戦力級」の力を持つと言われる好戦的な猛者で、軍事国家・ガルツバーグを滅亡させるほどの暴力、元ロジャー海賊団船員として〝“鬼”の跡目〟と呼ばれるほどの乱暴者だった。
バレットは超人系『ガシャガシャの実』を食べ、触れた無機物を自身に合体させたり、無機物同士を融合・変形させることができる「合体人間」でもある。
「覚醒」により有機物(大地や森林など)も取り込められ、そしてバレット自身の超人的な力量・高等技術や膨大な覇気を併せて、🏔島全体の地形を操作し強靭で超極大の巨体🧱を形成できた。
この超巨大化形態から放つ拳の一振りは軽く島一つ叩き割る高威力を誇る(その規格外で絶望的な光景を目の当たりした者から「山が降ってくる」と言わしめた)。
注意点(未覚醒の可能性のケース)
悪魔の実の能力者の中には、一見するとまるで覚醒した能力者のように能力が強大になっているケースがあるが、覚醒しているとは明言されておらず覚醒に至っていない可能性があるものも存在する。
まず、覚醒者の傾向を見てみると、
覚醒者の傾向 |
---|
|
という2つの特徴がある。
つまり、この2つの条件に反する能力者は、覚醒していない可能性の方が圧倒的に高いということになる。
上記の項目でも説明しているが、覚醒に至るには、能力者が能力を心身とともに極限以上に何度も追い込んで、それが漸く悪魔の実の能力に追いつき、自らの力だけでどれだけ発揮できるかである。そのため、扱い方や戦闘方法が不適切な能力者は、むしろ覚醒していない可能性の方が圧倒的に高いということになる。
該当する悪魔の実の能力の例
- ゴロゴロの実の能力
エネルが食した悪魔の実の能力である
作中では島を消滅しかねないほどの強大な力として発揮されていた。
しかし、彼の能力の扱い方には、少し問題があり、雷の大規模攻撃に関しては、「箱舟マキシム」という物理的な外的要因が絡んでいる描写が見受けられる。つまり、『彼はゴロゴロの実の能力が大きい技に関しては、自らの力“だけで”能力を発揮したわけではない』ということになるため、覚醒していると言えるかは、微妙なところだろう。
- ウタウタの実の能力
ウタが食した悪魔の実の能力で、映画で登場する。
劇中では、世界の7割を巻き込む程強大な力として発揮し、強者でも中々太刀打ちできないような能力となっている。
しかし、彼女の能力の扱い方には問題があり、それはエネルのゴロゴロの実の能力ときよりも多く存在している。実際に描写を解析してみると、能力を遺憾なく発揮する際には、多くの物理的な外的要因(ネズキノコ・電伝虫等)が絡んでおり、体力の持続もそれで補っているという問題がある。さらに、彼女が発揮した悪魔の実の能力の大きさをそのまま考慮すると、「能力の大きさ」と「彼女の心身の大きさ」に相当な差が生じているのは明らかなため、覚醒条件に該当しているとは到底考えられない。
また、彼女の場合、超人系の覚醒の特徴である「周囲の物体に自身の能力の性質を付与して操ることができるようになる」という点についても、周囲の物体に付与して操るのではなく、ある特定の外的要因が能力にも影響しているため、ある特定のものに限定されているのも、覚醒能力としては不自然極まりない。
まとめると、『彼女がウタウタの実の能力を物理的な外的要因全て取り除いて発揮した場合、強さは劇中で発揮したときよりも“格段に”弱くなることに加え、能力が余りにも大きいことから、すぐに限界が来てしまうのがオチ』ということになる。
そのため、彼女が持つウタウタの実の能力に関しては、覚醒している可能性は限りなく低いと言える。
余談
覚醒の考察
ONE PIECE magazine Vol.14では「覚醒」の特集もあり、ワノ国編までの情報が記載されている。
その項目には「覚醒に覇王色が関わってるのでは?」など、本作の愛読者や考察勢にとって興味深い内容がまとめられている。
但し、作中の描写を見ると、覇王色が関係しているかどうかというと、この情報の信憑性は低い。その理由としては、基本的な2色の覇気しか修得していない能力者でも覚醒しているのが現状であることに加え、むしろ覇王色などの色に関わらず、覇気自体の強さが関係している可能性の方が高いと考えられる。しかし、それも覚醒に至るまでの重要な要素の一部に過ぎないと考えられる。
- 読者の考察の信憑性
読者の間でも様々な議論が交わされ、「能力者が1回死亡(気絶)すれば、覚醒するのでは?」等の考察も多い。しかし、少し厳しい内容になるが、上記の項目で述べたこと考慮した場合、この考察も信憑性は非常に低いということなる。具体的には、
- 仮に「悪魔の実の能力者が1回死亡すれば覚醒する」のであれば、それは「悪魔の実の能力者であれば、だれでも1回死亡すれば覚醒する」と言っているようなものであるため、それでは不自然過ぎである
- 「能力者の気絶(死亡)」という現象は、外部の力などを受けて能力者の心身に大きな負荷がかかった事象のほんの一部に過ぎず、覚醒に至ったのも、その現象が最後の一押しとなって、漸く能力者の心身が能力に相応しい強さになったからに過ぎない
- 能力者の気絶は、能力者の心身に負荷がかかったことで、能力者の成長に繋がるが、今までの能力者の追い込み量が致命的であれば、「心身の強さが能力よりも不足している」という事実に変わりはないため、その後に能力に何も変化は起きていない能力者が多い(数える程度の追い込み回数では覚醒には程遠い)
- 能力の強さは、能力者の行動が直接的に影響しているような描写が窺える
- 能力の上の領域である「覚醒」の有無については、作中を見ると、少なくとも「能力者の成長期間の時間軸」を年単位で考慮しなければ見いだせない事象であるため、数時間・数日などの短期間の時間軸で考慮できる事象ではない
- 仮に「死亡すれば覚醒する」のであれば「ヨミヨミの実」の能力者の場合「能力の発動=覚醒」ということになってしまう。なお、ヨミヨミの実は能力者の死亡後に新たな能力を発揮することが確認されているが、これは『たとえ白骨化しても(すなわち生物として活動できる仕組みが残存していない状態でも)強引に生命体として活動させてしまえるだけの魂の強さ』を獲得するためであり、覚醒とは事情がやや異なる。
- メタ的な視点では、作中に登場する悪魔の実の能力者は敵味方双方とも何らかの形で戦闘を行っているため、描写されている範囲でもほぼすべての能力者が瀕死で気絶する目に遭っている。もし死亡ないしそれに近い症状による気絶がキーになるのであればほとんどの能力者は再登場の際に覚醒しているはずであるし、アラバスタやスリラーバーク、マリンフォード、あるいは魚人島などで幾度となく瀕死で気絶しているルフィの覚醒はもっと早まるはずである。
等が理由である。
動物系の覚醒について
動物系の能力は覚醒すると、異常な体力と回復力を得られるが、多くの能力者は人格を取り込まれてしまうらしい。この内容に当てはまる能力者は、獄卒獣である。
このようなデメリットが起きてしまう理由についてだが、
- 能力者の心身が能力よりも不足している状態でありながら、何らかの原因によって覚醒したこと
- 自らの力で能力を強くして覚醒させたのではなく、何らかの外的な力を利用して無理やり覚醒させたこと
以上2つのように、覚醒能力を不適切に扱ったことが原因と考えられる。つまり、現状の描写では少なくとも動物系の能力が能力者の心身よりも圧倒的に大きい場合に覚醒したら取り込まれてしまうと考えるのが妥当と言える。
自然系の覚醒について
現在作中では明確な実例が確認されていないが、新旧三大将や新四皇の一角、能力を磨き上げることの重要性を説いた元七武海等、覚醒段階にあっても不自然ではない自然系能力者は何名か存在する。
彼らの戦闘描写等には『自らの体を自然物と化し、操る』という性質からは明らかに逸脱して周囲の環境そのものにまで影響を与えている様子が散見されることから、超人系のように周囲の物体、あるいは環境へ影響を及ぼすのが自然系の覚醒ではないかという考察がよく見られる。
強者=覚醒者?
「覚醒」に達しているかは不明だが、四皇クラス以上の実力者は何百kmまで及ぶ術技・圧倒的な攻撃範囲を生むほどに能力を発揮していることがある。
時には一個人で遠く離れた海や近隣の島々を大きく巻き込むほどの威力さえある。
例として―
白ひげ海賊団船長で、存命時は四皇の一角に名を連ね、かつて〝海賊王〟ゴールド・ロジャーとも唯一互角に渡り合った伝説的な大海賊。
ニューゲートは超人系『グラグラの実』を食べ「振動」の力を操る「振動人間」であり、その規格外な強さから「地震人間」とも呼称されていた。
『グラグラの実』は超人系の中でも最強の攻撃力(破壊力)を有すると言われ、ニューゲートは能力特性からか大気にも触れることが出来て超広範囲で多大な影響力を行使していた。
大気を殴りつければ💥大気にヒビが生じる程の衝撃💥が発生し、それが振動として圧倒的な「衝撃波」となってかけめぐる。
海付近で行使すれば🌊島一つをあっさり沈める大津波🌊を引き起こせた。
大気に触れられることを応用し、掴んだ大気を叩き付ければ🏔島や海を丸ごと傾かせること(一瞬、天地がひっくり返ったと錯覚するほど)🌊もできる。
原作では周囲の海ごと島一つを大きく傾かせたが、ゲーム作品などでは一瞬ながらも本当に天地がひっくり返り、敵が「空に落ちていく」というとんでもない光景を目にすることもできる。
かつて〝海賊王〟ゴールド・ロジャーや〝世界最強の男〟エドワード・ニューゲートと鎬を削った伝説の大海賊であり、全盛期には大規模な海賊艦隊を率いていた。
シキは超人系『フワフワの実』を食べ自身が触れた物を自由自在に浮かせる「浮遊人間」であり、自分も自在に空中を動くことが可能で、自身の触れたものならば操ることができる。
シキの力は覚醒段階に達しているかは不明だが、たとえ島だろうと海だろうと空中に丸ごと浮かし操作でき、その範囲は数十km以上にも及んでいる(いわば⛅天と地と海を統べる驚異的な実力者🌊である)。
『フワフワの実』によって、そしてシキ自身の実力によって、時期は不明だが〝ある計画〟を進めるため恐らく10年以上も、周囲の海ごと計画の要となる🌤島々を空に浮かせ外海から隔離するという離れ業🏔を行えた。
海軍本部を急襲した際には、🚢軍艦を10艦以上浮かして落とす「警告」🚢をやってのけている。
彼らは桁外れの強者でありながら本編で『悪魔の実の能力の覚醒』が明確に描かれる前に登場し、また退場していったキャラクターであるが故に覚醒しているか否かについて言及されることはなかったが、両者の能力が本来は自信に限定されるもの、具体的にはグラグラの実の能力は自身が振動する、フワフワの実の能力は自身が浮遊する能力といった程度だったものが、覚醒により周囲の物体を振動させたり浮遊させたりすることができるようになったと解釈することはできる。