吸血種
TYPE-MOONの世界観では、血を吸う生き物全般を「吸血種」と呼び、その中の一分類として「吸血鬼」がある。聖堂教会の敵であるのはこの吸血鬼だけであり、遠野秋葉や第五次聖杯戦争のライダーは、吸血種だが吸血鬼ではないので教会の討伐対象にはならない。
吸血鬼は大きく「真祖」「死徒」に二分され、死徒を束ねる祖たる者たちを「死徒二十七祖」という。Fate世界ではその枠組みが存在せず、該当する死徒達は「上級死徒」と呼ばれている。また、聖堂教会の討伐対象かは定かではないが「幻想種としての吸血鬼」も存在している。
『FGO』でのロード・エルメロイⅡ世の発言によると、吸血鬼たちには混血は存在しないという。ただしデミ・サーヴァントと同列に語っており、また真祖と死徒の混血も存在することから特殊なケースは存在する模様。
なお、作中では分かりやすさを重視して「吸血鬼」と呼ばれることが多いが、現実の伝承としての吸血鬼は1900年代から語られ始めた人類史から見れば日の浅いモンスターであり、そもそも吸血鬼のモデルの一端には古くから存在する怪物である人狼の特性が加えられている。
そのため月姫世界では死徒を『正しくは吸血種。同種から血を吸うものの総称』として扱っているとされる。
死徒
後天的な吸血鬼。真祖、または死徒に血を吸われる(正確には血を送り込まれる)か、魔術により肉体を改変することで人間が変じたもの。現在の吸血鬼は大多数がこちら。血を吸っていればとりあえず寿命の心配はいらない。真祖と違い、血を吸わないと生きていくことが出来ない。
血を吸われた場合はまず「食屍鬼(グール)」と呼ばれるゾンビのような存在として蘇る。ただし全員がなれるわけではなく、ここに至るのにも素質が必要となる。その後は死体を喰らって欠けた肉体を補完したり幽体の脳を形成し、そこで初めて吸血鬼になれる。このため死徒になれるのはほんのごく一握り(一万人に一人とされている)。中でも優れた素質があれば死徒になるまでの時間が短くなる。弓塚さつきはまさにこの例である。
ここでいう吸血鬼化とは肉体の変容ではなく存在の変容を指し、アカシックレコードにある“人間”という記述が“死徒”にクラスチェンジしてしまったようなものである。
死徒の中には並行世界への移動が生身よりも楽だからという理由で宝石ゴーレムに魂を転移させるキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグや、人の血を吸うことでしか延命できない自分の体を嫌って無機物の錠前へと変化したコーバック・アルカトラスのような事例もあるが、どれだけ肉体が変化しようと彼らはもう存在として“吸血鬼”なのである。
死徒は自分を死徒にした親の命令には逆らえない。そこで自身も血を吸い配下を増やし力を蓄え、親元からの独立を目指す。この親のルートを辿っていくと行き着くのが二十七祖である。死徒の成り立ちの元々は真祖の非常食として用意された人間たちであったという。
魔術によって死徒になる場合、親がいないので支配を受けなくて済む。さらに魔術師上がりの死徒は、人間を死徒化させるのに必ずしも吸血行為を介する必要がなく、あれこれ面倒ではあるが代わりに適性が薄い人間でも死徒化できる利点があるとのこと。
衛宮矩賢のように、研究継続等のために寿命を延ばしたい魔術師には、死徒化は魅力的な手段である。しかしその実践は簡単に行くものではなく、失敗すればアリマゴ島のような悲劇を生むこととなる。
またフラット・エスカルドスによると、魔術師上がりで死徒になる場合は魔術が極まった結果として死徒になるか、魔術を極めるために死徒になるかの順番が大事になってくるという。
前者であれば問題はあまりないが、後者の魔術を極めるために死徒になるのは効率が良くないとされる。
この「効率が良くない」発言は『Fate/strange Fake』が初出であり、具体的な意味は長らく不明であったが、『ロード・エルメロイⅡ世の冒険』では魔術が極まり、存在基盤が変わった結果として死徒になった者の一人であるヴァン=フェムが、数百年長生きする程度ならば問題ないが、自分くらいになってしまうと「完全に魂のラベルからして違ってしまって、人間の神秘とは相性が悪くなる」と発言しており、現在では魔術が苦手になっていることを告白している。
この現象は彷徨海の魔術師からすれば堕落そのものとされており、先述のフラットの発言も、この辺りの事情が関係していると思われる。
また、『strange Fake』ではジェスター・カルトゥーレが警察署に仕込まれた魔術式から生み出された使い魔達をまるで存在そのものを否定するかのように手を仰ぐだけで押し潰し、ハンザ・セルバンテスはこのレベルの死徒には聖別された専用の武器、魔眼や獣化の『特異点』持ち、あるいは純粋に高レベルの魔術師でも無い限り対処できないと発言している。このことから、階梯が高い死徒は並の魔術を無効化してしまうと思われる。
英霊が人類史を肯定する存在、人類史の影法師であるのに対し、死徒は人類史を否定する存在、地球そのものの影法師である。
それゆえに、彼らは人の作った宝具や、神が人の為に作った宝具の加護を無効にすることができ、人間が宝具を使っても有効なダメージを与えられない。
ただし、その宝具を用いるのが英霊であるならば話は違ってくる。また、神が神の為に作った宝具ならば人間が使っても死徒に有効であるかもしれないことが示唆されている。
人間が死徒を倒すには神秘による攻撃方法の中でも、聖堂教会が持つ対死徒の武装である「黒鍵」や「第七聖典」といった概念武装等の手段が特に有効であるとされる。
とある英霊は生前にとある死徒と戦い、「第八秘蹟会」に関するらしい炎の力で撃破された(ただし、「Fate世界」での出来事である)。
また、復元呪詛と呼ばれる時間の逆行による回復能力と、超抜能力という固有の能力を備えていることが程度の差はあれ共通する。
復元呪詛における「時間の逆行」とは比喩であり、普通の生物のように快復後により丈夫になることがないことを指しての表現。復元呪詛内に記録された情報に基づいて元通りに復元するため、極端な話として髪を切っても元通りに再生される。正確には過去への逆行と呼ぶべきものとなる。
死徒を死徒たらしめているのは「魂」であり、肉体を砕かれたとしても魂が無事で、かつ再生するためのエネルギーがあれば復元呪詛により再生できる。
逆に肉体は単体ではすぐに薄れて消えてしまう魂を繋ぎとめるための部品であり、肉体がどこまで破損しても魂を維持できるかが死徒にとっての「生命力」である。
概念武装が死徒に対して有効に機能するのは、概念武装が復元呪詛を無効にする神秘の類であるため。また、魂を人間の頃のそれに戻す『浄化』を行うことでも、肉体を塵に還すことができる。
なお、復元呪詛と一括りにされてはいるものの、そのメカニズムは個体によって異なる。また真祖も復元呪詛を持つが、彼らの場合は魂が世界と同化しているため、無限に活力を汲み上げて肉体を再構成することが可能であり、まさしく不死身といえるものになっている。
全体的に超抜能力と呼ばれる人間を超越した能力を持つが、それは長大な寿命を活かして能力を磨き上げた結果である。彼らの力は「人間の延長線上」にあり、人間の寿命が数千年単位以上であったならば誰でも同等の能力が得られることになる。
また、個人差はあると思われるが、吸血鬼には個人携帯用の銃器では効果が薄いとされ、銃弾を見てから避けることが可能と言われている。そのため通常は面の攻撃でなければ掠りもしないが、シエルは点の攻撃であるハンドガンでも死徒のこめかみを撃ち抜くことが出来るとされ、本人の技量によっては当てる事も不可能ではないようだ。
この一方で、人理が脈動し、英霊召喚を可能とする世界では死徒は力を持てないともされ、月姫とFateでは死徒の戦闘能力に差が発生することがわかっている。
英霊と人理、そして死徒には密接な関係があるようだが、その全貌は未だに明かされていない。
例外として、『Fate/strange Fake』は二つの間にある特殊領域とし、英霊召喚が可能で死徒二十七祖の枠組みも存在するどっちもアリの世界とされている。また、『氷室の天地』は『strange Fake』とは設定が度々リンクしており、密接と言えるほどの繋がりを見せているほか、『Fate/Grand Order』はどっちとも言えない世界とされている。
真祖と違って日光などを弱点とするが、力を付ければそれなりに克服できる。
十字架が効果を発揮するのは、生前に信仰者であった場合に限られる。
なお、英霊の中には元が人間でないもの(馬や物語)がいるように、人間以外の存在が死徒になりうることも。
例えばオッド・ボルザークの使い魔である刺した人間を屍食鬼に変えてしまう「死徒蜂」や『Fate/Grandorder』では南米異聞帯の霊長であるディノス(原型は恐竜)が何者かによって死徒化した個体がそれである。
屍食鬼(グール)
吸血鬼に血を吸われて死亡した人間が変転して生まれる、一種のゾンビ。
知性が失われ動きも緩慢だが、常人を上回る膂力と通常の武器では容易に倒れない生命力を有し、血肉を求めて普通の人間に襲い掛かり、襲われた者も死後復活してグールと化す。
また、親元の吸血鬼の指示に従う習性を持ち、彼らの手駒としても利用される。
死徒による被害が単体でも甚大なものとなりやすい主たる要因であり、周辺地域の住民が尽くグールと化して、魔術協会や聖堂教会による焦土作戦に至ることも少なくない。
ただし剣や銃程度ではなかなか死なないが、炎や退魔の力には非常に脆弱である。
リメイク版では第Ⅱ階梯「屍鬼」に位置付けられている。
階梯
リメイク版の月姫において、死徒にも細かな階梯があるということが明かされている。吸血鬼として新生し、呪われていく時の深度を表わしたものであり、以下の通り。
階梯 | 名称 | 備考 |
---|---|---|
Ⅸ | 祖 | 二十七祖。主の束縛から抜け出し、まったく違うものとして独立を勝ち取った古い死徒達。月から落ちた真紅の染み。決して他と相容れない世界を持った猛毒。Ⅵ階梯の死徒を生み出し、人間を"寿命”として摂取する長命者。死徒達の王にして頂点であり、現在に至る吸血鬼社会の構造を創ったとされる。存在規模は個体差があり、西暦以前から活動する者が『古参』、以後から活動を始めた者は『新参』と分類される。 |
Ⅷ | 後継者 | 祖が自分の後継に認めた、真祖すらも寄せ付けない力ある吸血鬼。1人の祖に最低でも2人いる。祖の中には吸血鬼ではないものを見初めて、いきなりこの階梯まで引き上げてしまうものもいる。 |
Ⅶ | 死徒(上級) | Ⅵ階梯のものが祖に認められ、更なる異能を与えられたもの。呼び名こそ同じだがその規模はⅥ階梯とは別物であり、この階梯になると居るだけで地域を汚染する毒となる。英霊召喚が可能な世界における二十七祖に該当する死徒の呼ばれ方(上級死徒)と名称が似通っているため、こちらの世界では最高位がここまでで頭打ちとなっているのだと推察される。 |
Ⅵ | 死徒(下級) | 完全に“吸血種”として自立。吸血・侵食によって子を作ることもできるが、成り上がり者の限界か、Ⅵ階梯以上の子は作れない。あえて言うのなら城塞。総耶に巣くう死徒もこの階梯とされる。 |
Ⅴ | 夜魔 | 上級騎士。親基、あるいは個人に起因する異能あり。代行者が束になっても勝てない程の強さを誇る。 |
Ⅳ | 夜属 | 下級騎士。日光を浴びると貧血になる程度。魔術世界において“ヒト”と呼べるのはここまで。なれるのは千人中一人の割合。この段階で既に代行者を圧倒するほどのレベルとなる。 |
Ⅲ | 不死 | 生前ほどの思考能力はないものの、人間の生活を偽装できる。脳の再構成。上級兵士。 |
Ⅱ | 屍鬼 | グール。意思はあるものの、明確な思考はできない。兵士。 |
Ⅰ | 死者 | 自立できず、親の命令通りに動く。下級兵士。ただ血を吸われただけのもの。 |
広義には、Ⅲ階梯目までは『活ける死体』、Ⅳ~Ⅴ階梯目が夜を生きる『夜属』、Ⅵ階梯目でひとつのコミュニティを形成できる『吸血鬼』とされる。
Ⅵ階梯の下級死徒までは親基である祖に絶対服従であり、いわば奴隷だが、上級死徒は祖に逆らえる自らの意思を獲得し、機会さえあれば祖を倒し、その呪いを受け継ぐことができる。ただし祖の生きた年月は膨大であり、存在規模が違いすぎるため実際に祖を倒すことはほぼ不可能である。
そのため、基本的に祖の後継を担うのはⅧ階梯『後継者』となる。
祖にとっての王子・王女にあたり最低でも50人以上、中にはアルクェイド・ブリュンスタッドと似た特性を持つように造られた者さえもいるかもしれないとされる彼らは、基本的な「蓄え」だけで言えばその全員がⅥ階梯からの成り上がりである二十七祖のひとり、ヴローヴ・アルハンゲリを上回っているとされる。
祖になるには“何年生きたか”は関係なく、祖を祖足らしめているのは血液の質である。魂に刻まれてしまった大本の戒め。それぞれ戴いた真理、渇きの根底となる世界観。その血を巡らせるだけで惑星の物理法則を塗り替える特異点は、原理血戒(イデアブラッド)と呼ばれている。
この血を受け継いだ死徒はどんな階梯であろうと祖に成り上がるが、原理血戒を動かすには千年クラスの土台が必要であり、数百年活動した程度の死徒が継承したとしても、その呪いで潰されることとなる。
英霊召喚を可能とする世界では二十七祖が無い事から、逆説的に原理血戒が存在できないのではないかと考察されている。
またこの原理血戒の紹介文が、"冠位指定(グランドオーダー)"と対の関係になっているという考察もあるが、真偽は不明。
親である死徒は日中に動けないため、Ⅲ階梯より上の下僕が人間に擬態し、少しずつ他の人間を捕食する。捕食した人間の血肉は下僕たちの活動源にもなるが、その大半は主人である死徒に送られ、棺で眠ったまま力を蓄えて最終的にはそのコミュニティごと自分の血肉へと変える。
犠牲者が増えれば増えるほど親基の死徒は力を増していき、脅威になるという。
このような手段をとるのは、死徒がどれほどの超抜能力や存在規模を持とうと弱点が多く、単純に「弱い」ため。そのため彼らは表舞台に長居せず、脆弱だが弱点の少ない人間を使い魔とすることで、安全圏から血を集めるリスク回避を行っている。
基本的には聖堂教会などを恐れて一旦身を隠すが、力を蓄えた死徒は隠れる必要がなくなり、暴虐のかぎりを尽くす。こうなると代行者が派遣されようと後の祭りであるため人間が吸血鬼を排除したい場合は『事件が起きる前』に気づくしかなく、「吸血鬼事件」と呼ばれるものが起きた時点で大抵は手遅れである。
死徒一覧
死徒の祖たる死徒二十七祖については当該記事を参照。
遠野志貴のクラスメイト。吸血鬼の襲撃を受けて死徒となる。通常、死者から死徒へ変化するには数ヶ月から数年かかるところを、僅か三日足らずで死徒になった。魔術師及び精霊に致命的な効果をもたらす固有結界「枯渇庭園」を使用する。
MBACではネロを倒し、MBAAでは親元であるロアを打倒して代替わりに成功しているので、二十七祖候補の筆頭と言えなくもない。
アトラス院次期院長候補の錬金術師。MELTY BLOOD本編の3年前、タタリ討伐に失敗したときに吸血される。タタリの特性から吸血衝動は薄く、変異してはいないが、その可能性は否定しきれない。
タタリの残滓がレンの使われていなかった部分を元に形を為したもの。慇懃無礼で饒舌、おまけにツンデレ。
タタリの後継。
「空柩のキルシュタイン」「カリー・ド・マルシェ」
かつてシエルの身体を使っていた頃のロアの配下。ロアが滅んだ後シエルによって討伐されかかったが、諸々の事情で見逃される。シエルがカレー好きとなった原因。
- ルヴァレ
湖の死徒。ノルウェイの霧に潜む、齢五百を超える吸血鬼。祖に準じる歴史を持つ古い死徒。親と娘と息子の三人。
衛宮切嗣の初恋の少女。アリマゴ島の住民。師である衛宮矩賢に追いつこうと死徒化の薬物を使用した結果、死徒になった。
偽りの聖杯戦争に参加したアサシンのマスター。多様な「顔」を持ち、死徒の他にも魔術師や子供、人狼の顔も持つ。自らが召喚したアサシンに、異様な執着をみせている。
Fateシリーズにおける、人類の滅びに発狂せず、タタリと成り果てなかったズェピア。
Fate世界における最高位の上級死徒として、およそ500年アトラス院院長の座に立ち続けている。人類存続を模索しており、こちらでは第三魔法を追い求めている。
聖堂教会の代行者ノエルが死徒になった姿。阿良句博士の怪しげな注射によって死徒と化した。
自身の全盛期であったころの姿に若返っている。
- ロズィーアン卿
死徒二十七祖十五位リタ・ロズィーアンの父。愛すべき娘達と共に死徒になったと言われている死徒。基本的に『親子』とは吸血鬼にした者とされた者を指す死徒社会において珍しい、血のつながりのある子を持つ人物。
フランス事変に娘たちとともに参加したステッキを持った紳士が彼なのではないかと当初は予想されていたが、後の作品での描写や開示された設定から、この人物がロズィーアン卿ではなく別の人物である可能性が浮上した。
余談
様々な作品において人類悪との関係を匂わせる描写が散見される。
『Fate/strange Fake』においてギルガメッシュは真アーチャーの持つ、ネメアの獅子の毛皮から作られた裘を「恐らく元はウガルルムに似た何か」と並行世界でビーストⅡにナンバリングされたティアマトの子のひとつに例えて評し、「人の文明そのものを拒絶する特異点、時折そのような生物が現れる」と語っている。
そして当の持ち主である真アーチャーは自身の放った矢を防いだジェスター・カルトゥーレを『──恐らくは、星の産み落とした獣か何か……人型をした、ネメアの獅子か。』と毛皮の持ち主を意識しながら警戒し、その直後に贋作宝具による攻撃を毛皮に防がれた警官が「お前も死徒とか言う奴かこの野郎……!」と悪態をつく描写が存在する。
「星の産み落とした獣」や「ヒトに対して優位性を持つ」点は並行世界においてビーストⅣにナンバリングされた死徒二十七祖旧1位プライミッツ・マーダーにも共通するものがあるが、深読みすると彼も「人の文明そのものを拒絶する特異点」である可能性がある。
プラ犬は厳密には死徒ではないものの、人類の敵対者という点では死徒と共通しているあたり、近しい存在ではあるのかもしれない。
その他、リメイク版の月姫において死徒に分類される吸血鬼は、この星で『唯一、苦しめる為に命を消費できる生き物だから』という理由から人間、正確には人間的なものが大好きであるという、愛玩の獣と類似した嗜好を有していることがアルクェイド・ブリュンスタッドによって語られている。
さらに、愛玩の獣は自分の体内に固有結界を展開することで抑止力の修正から逃れていたが、これは規模こそ違えど死徒二十七祖の第10位であるネロ・カオスの固有結界『獣王の巣』の展開方法と全く同じである。
同シナリオのエピローグでは彷徨海を出奔していない彼が登場したことから、この辺りは意図的な演出であると思われる。
また、4Gamerのインタビューにおいて、本来は月姫リメイクとFGO、そしてテレビアニメ版UBWはシンクロするようにシナリオが書かれており、上手くいけばUnlimited Blade Worksの劇中でギルガメッシュが「人類悪」というワードを口にした頃にFGOでのクライマックス、月姫リメイクにおけるある言及が同時に進行する予定であったことが原作者の奈須きのこから明かされていた。
本来は相容れない存在であるが、死徒が英霊になり得るか、英霊が死徒になり得るかは不明。
とはいえ、『Fate/Grandorder』1.5部第3章「英霊剣豪七番勝負」に登場する英霊剣豪とは死徒との共通点が多い。