コロコロコミック
ころころこみっく
概要
通称コロコロ。販売部数トップを飾る児童誌であり、「ドラえもん」を始めとする多くの藤子不二雄の漫画を連載した事やミニ四駆やベイブレードなどのホビー商品とのタイアップ、ポケモンとのメディアミックスを行っている事で有名である。
1977年に小学館から季刊誌として発売。1979年に現在の『月刊コロコロコミック』となる。弟分の別冊コロコロコミックSpecialこと「別コロ」やコロコロイチバン!、兄貴分のコロコロG(グレート)などの系列誌も多いが、コロコロコミックと聞いたら月刊の印象が最も強い者も多い。
海賊版対策としてか、一部タイトルは公式HP上などで無料で読めるようになっていることもある。不定期に全話公開の企画が実施されることも。
通常の電子版コミックスもGooglePlayなどのストアにてラインナップされている。
付録については希に不定期にしか付かないものがあったり内容に偏りがあることもあり、有名な例ではカードゲームの付録のほとんどがデュエル・マスターズに偏っておりポケモンカードゲームは稀にしか付録にならない。ただし、コロコロイチバン!ではゲームのシリアルコードを付録にするなど本誌とは違う部分をカバーすることもあるようだ。
なお、誌内のゲーム紹介ページには小学館の独自の掲載基準に従いながら対象年齢がCERO-B~CERO-Cのゲーム情報を掲載する事がある。該当はモンスターハンターシリーズ、フォートナイトなどの例がある。
沿革
1977年の創刊当初はドラえもんを筆頭に、同じ小学館が出版していたいわゆる学年誌(『小学◯年生』)に連載経験を持つ漫画家による児童向け漫画が集まる雑誌という趣であった。
コロコロが創刊された1970年代後半は劇画ブームやラブコメ漫画ブームなどに代表される青年漫画隆盛の影響から『サンデー』『マガジン』の購読年齢層も急上昇(小学生向け→中高生向けへとシフト)し「子ども向け漫画」は「時代遅れのロートル漫画」として小学館内でも馬鹿にされており社内の立場はあまり良くなかったという。
だが80年代以降、ミニ四駆やハイパーヨーヨーなどといった子供向けホビー、そして彗星の如く現れて瞬く間に子供の遊びとして普及したアーケードゲーム及びテレビゲームとの積極的なタイアップに活路を見出し、単なる児童漫画雑誌ではない独自の個性を確立。追随して同様の戦略を取った最大のライバル誌コミックボンボンと人気を二分する、児童漫画の最大手としての地位を築いた。
そのボンボンが2000年代に廃刊に追い込まれたこともあり近年は独走状態が続いている。少子化によるターゲット層人口自体の縮小(80年代と比較すれば既に大幅に減少していると言える)、その上にジャンプ系漫画など少年・青年向けのコンテンツが小学生人気をも高めているという情勢もあって発行部数だけ見れば減少傾向だが、やはりゲームやホビーのメディアミックスという強みは大きく、2020年代でも安定した存在感を保っている。
ちなみに競合相手のボンボンを象徴するコンテンツのひとつとしてガンダムシリーズがあったが、ボンボン廃刊後の2011年には遂にAGEにてコロコロとのタイアップが行われ、古参ファンを驚かせた。ついでにオガンダムは許されたのかもしれない…。
本格的な漫画の連載までやったのはAGEが現状唯一であるが、その後も鉄血や水星の魔女について紹介記事が掲載されたことがあり、ガンプラなども紹介されている。(ただし現在のガンダムのメディアミックスはあくまでKADOKAWAが主導権を握っている状態なのもあってか、看板レベルで大々的に扱われているという訳ではない。)
作風
コロコロのギャグマンガと言えば下ネタや暴力ネタが多いイメージがあり、例外もあるが、その通りだったりする作品も多い。
実際創刊当初にも「子どもたちの規範になるのではなく、子どもたちの心に寄り添い、その心が求める漫画雑誌を」の理念を求め「コロコロの漫画に良い子はいらない」(主人公に残念ではない方のイケメンや優等生はいらない)をスローガンに掲げ、ライバル誌のボンボンに負けず劣らずのエッチなネタを掲載していた事もあった。
またメディアミックスの漫画が多いことも特徴だがどこまで原作要素を取り入れるのかは作者により大きく異なる。
例えば20年以上にわたり(一応舞台は原作に合わせているが)オリジナル要素が非常に多い滅茶苦茶な作風のギャグ漫画として制作されているコロコロ版ポケットモンスター(通称ギエピー)やスーパーマリオくんのような例もあれば、最後まで概ね原作ストーリー準拠で真面目な作風を貫いたイナズマイレブンのような事例もある。また原作が確固たるストーリーを持たないにも関わらずストーリー漫画仕立てにしたケースもあり、近年の例としてSplatoonはネット対戦がメインのゲームを原作としつつも、主人公たちが数々の試合に挑んでいくというコミカルではあるが筋の通った物語を持つ漫画となっている(ただし原作にサブモードとして存在するストーリーに基づいた章も存在するが)。こちらは性質上キャラクター設定などは一部を除いてオリジナルだが、試合の描写などはかなりの部分で原作を再現している。
非メディアミックスのオリジナル作品についてはジャンプ等と同様に入れ替わりが激しいが、2024年現在まで20年以上続いているなんと!でんぢゃらすじーさん(これまでに2度改題しているが内容は変わっていない)やケシカスくんなどはオリジナル出身の超長期連載である。これらは流石にレアケースだが、オリジナルのヒット作はコンスタントに出現しており、必ずしも完全にメディアミックス頼りの雑誌というわけではない。この辺りもコロコロの強みといえるかもしれない。
小学生向けという都合もあってか、掲載漫画のクオリティも不自然な展開が茶飯事だったりと子供騙しレベルの作品が多いのも事実であるのだが、隠れた名作と言ってよい代物も昔から存在する。
例えば2000年代の「コロッケ!」や2010年代の「ウソツキ!ゴクオーくん」などはオリジナル作かつ下ネタや不条理ギャグが少なめでシリアス寄りというコロコロでは異色ともいえる作風だが、単純に漫画としての完成度が高く読者からも強い人気を獲得した作品として知られる。(特に後者は普段コロコロを読まない普通の漫画愛好家の大人にも注目されるほど。)
総じて多感な時期を生きた読者層により色々と意見が分かれる雑誌とも言えよう。
不祥事
このようにいわゆるギャグ漫画あるあるといった言わば教育に良くない「不謹慎」な作風を今なお持ち味として健在的に貫いている、ある意味ロックなこの雑誌。しかしその結果わりと洒落にならない事態と化したこともある。
事の発端は月刊コロコロコミック2018年3月号。モンゴルの英雄チンギス・ハーンの肖像に男性器の落書きをして笑い者にする描写が掲載され、流石に名誉毀損だとモンゴル大使館に抗議される事態が遂に発生。更にそれに連なって同国出身である某有名横綱まで出てきて激しい批判を行う羽目に。
結果小学館は2018年3月6日、対象となる3月号の販売を中止し、書店に返品を求める事態に発展。
関連雑誌
各雑誌の詳細および掲載作品はリンク先を参照。
メイン雑誌
執筆者・原作者
あいうえお順に掲載する。連載作品については各作者の個別記事にて掲載する。
※オンライン公開漫画やコロコロを冠する関連誌の漫画家を含む。