「カレーが出来たよー!……食べませんか?」 (バクアゲ2)
「夢見たって、いいじゃないか…!」 (バクアゲ9)
データ
※人間大状態のものを記す。
概要
宇宙から飛来し、大也の自宅のガレージに居候する機械生命体にして車型宇宙人。
愛称は「ブンブン」で、未来からは「ブンちゃん」、錠からは「ブンさん」と呼ばれている。
白を基調としたボディ、額に大胆に配されたタイヤ、そしてメカニカルな見た目に反した円らな瞳が特徴。
その無骨な外見とは裏腹に後述のカレー作りの際に鼻歌を口ずさんだり、『(リンゴを齧ると)歯茎から、血が出ませんか?』と昭和世代が懐かしさでクスッと来るネタをブッ込んだり、巨大戦で言葉遊びの利いた軽口交じりに創意工夫を凝らした戦法の数々を披露したりと、明るく社交的かつノリの良い側面に加え、大也たちに負けず劣らずの強い正義感を持ち合わせている。
メカニックとしての腕は一流であり、同じく機械弄りが好きな大也とは相性が良い。ブンブンジャーが用いる「ブンブンカー」などのアイテムも、この2人が開発したものである。
そのため口下手で他者との壁を作りやすい大也と未来達が仲間割れを起こしそうになったときには間に入ってフォローしている。
家事も得意であり、得意料理の「ブンブンカレー」は俵型の白飯を車のボディ、輪切りのゆで卵をタイヤに見立てたその周りにルーがよそわれているのが特徴で、さらにその上にミニトマトを土台としてブンドリオの顔が描かれた旗が立てられているなど、飾り付けにも力の入ったものとなっている。
もちろん味の方も上々なようでブンブンジャーの面々にもよく振る舞われているが、ストレートにその味を絶賛した未来や3杯も平らげていたI.S.A調査官の細武調はともかく(ちなみにお茶を振る舞う感覚で出されて3杯である)、大也や射士郎は「褒め方が地味」とのことで、作中でもそのことについてぼやく一幕も見られた。
挙げ句には先斗とビュンディーがわざわざ食べに範道邸のガレージに訪れる程であり、そのことについて「うち、カレー屋じゃないんだけどね」と苦笑交じりに語っている。
人間大の姿でブンブンジャーの戦いをモニターし、これをサポートする。
それのみにならず自身も数十メートルサイズに巨大化することも可能。
毎回ブンブンカーを全機発進させ見届けた後、そこからマシン形態である「ブンブントレーラー」に変形しさらに様々なブンブンカー達と合体した巨大ロボ「ブンブンジャーロボ」となってハシリヤン及び苦魔獣と戦う。
この為、物語初期の頃は宇宙人である立場を弁えてるからか巨大戦以外で外出する事は滅多になく、調は範道家のガレージ以外で会えない事にもどかしさを覚えたりもしている。
またそのノリの良さやユニークさは幅広い戦法にも繋がっており、毎回巨大化した苦魔獣のモチーフに掛けた言葉遊びを口走る(例:ダーツグルマーの場合→「(無駄な抵抗を)やめるん“だっつ”ーの!」)ほか、ウエディングドレスグルマーに対してはブンブンオフロードが変形した「バクアゲドライバー」で装甲を止めたネジを取っ払ってからのそれや廃材でウエディングケーキ型の檻を作って動きを封じる、トケイグルマーの「10時10分斬り」に「9時15分斬り」で対抗して押し返すなど遊び心に満ちた戦い方が多い。
一方でバクアゲ1では「溜め込んでいたギャーソリンが暴走してる!苦魔獣はハイウェイ空間を通って巨大化するんだ!」と「苦魔獣の巨大化のメカニズム」について未来(と、視聴者)に解説していた。
ここだけの話なら例年通りの展開といえそうな所だが、それをサンシーターの面々(当事車…もとい当事者であるヤルカーは我を忘れた状態であり、残る2人も明らかに驚いていた)が知らなかったにもかかわらず、ブンドリオはさも当たり前の如く説明していた。
百歩譲って「メタ発言を兼ねた説明」だとしても、前提として「未来が加入する前に大也と射士郎は既に知っていた」とみなしても「敵ですら知らなかった情報を何故か味方が知っていた」という根本的な疑問があり、早々にあらぬ疑い(備考も参照)をかけられる事にもなった。
果たして、これが意味する事とは一体…?
後に彼以外にも本編開始前にハシリヤンの存在を熟知している者としては、かつての仲間のビュン・ディーゼルや彼が育てた焔先斗、更にはI.S.Aもとあるハシリヤンの潜伏先をブンブンジャーに提供している不審な部分もあり、もっと言ってしまえばとある初期メンバーもハシリヤンと因縁があり…。
余談
- エンディングテーマ「コツコツ-PON-PON」の歌唱も担当している。
- 近年の戦隊ロボは初登場までに相当時間がかかったり、フルCGによる表現だったりと変則的なパターンが多かったが、今作はこれまでとは打って代わり所謂マスコット枠として最初からロボの姿で出ずっぱりな異例の待遇を受けている。
- プロデューサーの久慈麗人氏は、本作の設定を作っていく際に「他のブンブンカーとはシステムが異なる、巨大トレーラーの存在」が引っかかったと前置きしつつ、それを受けて企画チームから、トランスフォーマーのような単体で話す特別な存在、即ち「人間サイズから巨大化し、クルマに変形する宇宙人」にした方が、設定的に上手くいく気がすると提案されたことを、放送開始前のインタビュー記事(参考リンク)にて明らかにしている。
- このアイデアは、久慈氏にとっても目からウロコとも言うべきものであったようで、宇宙人と設定することにより、彼等の目線から地球人の魅力を描写できるかも知れないと語る他、所謂「人間と宇宙人の絆」のような熱い展開を盛り込むことについても示唆している。
- 瞳を持つ顔のデザインから、同様に瞳がデザインに盛り込まれている『仮面ライダーエグゼイド』の仮面ライダー達を想起させる・・・という声も出ている(コラ画像作例)。
- 名前の由来は「ブンブン」にアントニオ・バンデラスをかけたもの(同郷のビュンディーも同様の命名規則である)と思われる。
- 名前に「分捕る」 とも取れる文字列がある(「ブンドリオ」も漢字にしてみると「分捕り男」とも表記できる)ためとある可能性があると考える人もいるようだ。中にはあの台詞を言いそうだとも…。また「自らの野望のために素性を偽り暗躍する」だの「元々ハシリヤン側だったが訳あって袂を分かつ事になった」などの可能性を想定する人も少なからずいる。
- また、ハシリヤンのマークのイカの目がブンブンの目に似ている(あるいはブンブンの目がハシリヤンのマークに似ている)という指摘もある。なおハシリヤン構成員の中でボスにのみファミリーネームが入っているが、作中に登場する宇宙人で姓名表記なのはブンブンの星出身の者のみであり、果たして偶然だろうか……?
- 前出の「ブンブンカレー」は、2024年3月10日より東京池袋の「スーパー戦隊レストラン」にて、新メニューの一つとしても売り出されている。作中におけるカレーの詳細なレシピについては、現時点ではまだ明らかにされていないが、同レストランでのカレーは通常のものがバターチキンカレー、子供用はおこさまカレーといった具合に分けられている(参考リンク)。
演者
- CV担当の松本氏は、主に1980年代末から1990年代初頭にかけてスーパー戦隊シリーズに複数出演経験を持ち、スーパー戦隊への出演は同じく車モチーフの『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008年〜2009年)に登場するボーセキバンキ以来16年ぶり(非公認も含めたら山田雅子以来12年ぶり)、レギュラーキャラクターとしての出演は『地球戦隊ファイブマン』(1990年~1991年)のアーサーG6以来34年ぶりとなる。
- このアーサーも、等身大・巨大戦の両面で戦隊をサポートする立ち位置のロボットであり、ブンブンに近い要素を複数備えたキャラクターである。
- また、松本氏が戦隊に初めて関わったのは、初代車スーパー戦隊である『高速戦隊ターボレンジャー』に登場したスズナリボーマとオマモリボーマ役からである為、総じて歴代車スーパー戦隊の過半数に出演した経歴を有する、縁の深い人物ともなった。
- 元々は、ブンブンチェンジャーのシステムボイスとしてオファーされていた松本氏だが、前出の久慈氏が語るところによれば、玩具音声の収録のタイミングでキャラクターボイスとしての出演についても打診していたといい、前述の通り大也とブンブンが一緒に作ったアイテムであることから、「ブンブンが言葉を発するのであればそこに統一感がほしい」と、ブンブンとしての起用に至った理由を説明している。
- 久慈氏は松本氏について、「私が思いつく限り、 声を聞くだけで爆上がる人は限られていて、番組が始まって、街中で声が響き渡ってほしいと思える人は松本さんしかいなかった」とも評しており、実際にアフレコに立ち会ったスタッフ陣もその熱演ぶりに「ブンブンジャー、これはイケる…!」と確信した他、メインライターの冨岡淳広も「どんな風にお芝居されるか浮かんで来る」と語っている。
- 未来役の鈴木氏によると最初の方から松本氏がアドリブでダジャレをたくさんぶっこんできたため最近は台本にダジャレがテンプレで入ってるようてある。
- スーツアクターの藤田氏は、令和年間に入ってからは巨大ロボ(1号ロボ)のスーツアクトを担当するのが主となっており、本作でもやはり1号ロボを担当しつつも前述した設定上、『宇宙戦隊キュウレンジャー』のホウオウソルジャー以来、7年ぶりに味方側のレギュラー等身大キャラを同時に演じる形となった。もっとも、同作では追加戦士として約半年遅れの出演であり、1年間通しての役は本作が初となる。
関連イラスト
関連タグ
データス:巨大化して戦隊ロボに変形できるサポートキャラ。
遠藤正明:本作のオープニングテーマの歌唱担当。CV担当の松本氏とは、過去にJAM_Projectの初期メンバーとして共に活動していた経歴を持つ。その後、遠藤氏も少々特殊な形で彼のサポート役として出演する。
アントニオ・バンデラス:スペイン出身の俳優の1人。その語感から、ブンブンの名前の由来の1つではと指摘する声も少なからず挙がっている。
ドゥーガ/シオカラ/セバスチャン/モルフォーニャ/クロダ/ゲロウジーム←ブンドリオ・ブンデラス/細武調
※注意標識「以下ネタバレあり」
明かされた真実と、新たな謎
バクアゲ9にて彼の過去の一部が明かされた。
彼は元々全宇宙で開催されるレース『ビッグバングランプリ』のレーサーであった。そのレースの腕前はビッグバングランプリでのチームメイトでありライバルであったビュンディーことビュン・ディーゼルに「1度走ったコースは完璧に攻略し、2度と誰にも抜かせない」と断言させる程の実力者だった(一方で、安全第一に仲間を思いやり、トライアル&エラーを手堅く積み重ねていく、ある意味「奥ゆかしい裏方気質」とも評価できるブンブンの強みは、ぶっつけ本番での勝負強さを要求されるカーレースでは相性が芳しくなく、実際に危険な近道と安全な回り道の二択を迫られた場面で後者を取って、前者に踏み切ったビュンディーに水を開けられるなど、恐らくかつて走破済みのコースでの再戦と思われる『とある一勝』を除いて負け越しており、自分でも劣等感を抱いてしまっている)。
しかし、何らかの事故の影響でグランプリのライセンス剥奪処分を受けた後、自暴自棄になって宇宙を彷徨った末に地球に墜落。
落下地点の森(バクアゲ29より、大也の所有する土地の敷地内だったことが判明)で地球の生き物(タイヤ人間)を幻視したのが、レース服の大也だったのだ。
重傷状態のブンドリオを大也が修理し、ブンドリオの語る夢に惚れ、再び彼をビッグバングランプリの舞台へ立たせる約束をしたのだった。このとき、機械であるはずの彼の目からは涙が溢れていた。
ブンドリオの告白により、ともすれば道楽で仲間を振り回していたかのように見えた範道大也の真の人柄と、それに伴い2人の友情が明らかになった。
一方で、こちらも「そもそも何故グランプリのライセンスを剥奪されてしまったのか?」については不明のままである。
予想の1つに「グランプリ自体がハシリヤンに乗っ取られている」可能性があり、実際にハシリヤン〈再建隊長〉のディスレースが彼の正体を知るや、何やら含みのある態度を顕にしていた。
しかし、ビュンディーとのチーム名を決めるレース以降、常に先頭を取られて勝てずにいた上、レーサーを引退し失踪に近い形で姿を消していた(ビュンディー曰く「死んだとも噂されていた」)ことに加え、後述の経緯もあって今でも彼に対して顔向け出来ずにいる。
そして、上記のチーム名を決めるレースにてブンブンが考えたチーム名こそ、何を隠そうブンブンジャーであり、戦隊名はこのチーム名がルーツとなっていた。
明かされた衝撃の過去(3rd Lapネタバレ注意)
バクアゲ27で玄蕃がその正体、そして故郷をハシリヤンに奪われた過去を明かした際、彼に何かを言い難い様子で伝えようと試みており、玄蕃の過去と関わりがあるような様子を見せていた。
そしてその玄蕃がブンブンジャー一時脱退→復帰したのち、その真意が明らかとなる。
ディスレース「コイツを見た時、オレは思ったね。どっかで見たってな。まさか処刑済みのリストにあったとはなぁ!我らがボス、ワルイド・スピンドー様付きの裏方で開発のスペシャリスト!!ボスのお気に入りだったよなぁ、お前は」
ビュンディー「スピンドーのお気に入りだと…!?」
ディスレース「お前の大切な仲間とやらに教えてやれよ。自分がハシリヤンだったと」
彼はかつてビッグバングランプリから身を引いた後はハシリヤンに所属、それも走大将ワルイド・スピンドー直属の兵器開発スペシャリストという中枢メンバーだったことが判明。
なおスピンドーのお気に入りとして裏方で活躍したのち、何らかの理由で愛想を尽かされ処刑者とされていたが、処刑担当であった追跡隊長から逃れる形で逃亡したため、サンシーターのみならず表に出てくる隊長らもほとんどがブンブンの存在を知らなかった。
ブンブンジャーでも同じく初期メンバーの大也とシャーシロだけがその過去を認知しており、2人がハシリヤンの襲来を予見していたこと、ブンブンが苦魔獣に詳しかったこと、ビュンディーに面会を拒否してまで失踪時の動向を明かしたがらなかったのも、ブンブンが元ハシリヤン中枢だったことが理由である。
ブンブンジャーの仲間が増えたことで、過去の発覚を恐れるようになったブンブンが大也らに口止めを頼んだ(特に玄蕃からみれば、故郷を奪った兵器を作った仇の1人にもなりかねない)ことで、永らくこの事実は伏せられていたが、ブンブンジャーロボを見てピンときたディスレースの詳細調査によりその身元が発覚、バクアゲ34にてディスレースの口からブンブンジャー全員に暴露された。
そしてディスレースはその暴露、そして大也が全てを知りながらそのブンブンを切り捨てないことを宣言した場面をハシリヤン本家に共有、これによりブンブンジャーは現地抵抗勢力どころか、元中枢の裏切り者を匿う明確な対立者としてスピンドーに認識されることとなった。
「皆、黙っててごめん。俺、昔ハシリヤンだった…」
ビュンディー「BBGから消えて死んだとまで言われて……悪党どものど真ん中にいたのか!?なぜそこまで身を堕とした!?こんな気持ちでは、お前たちと組むことはできない…!」
上述の通り、大也たちは真実を知ってもなおブンブンを切り捨てようとはしなかったが、ショックを受けたビュンディーからは激昂され、関係に亀裂が生じてしまった。
真の関連タグ
嘉挧、賢神トリン:敵組織から戦隊側に離反したキャラクター繋がり。後に過去が発覚した際に一時仲間たちとの亀裂が生じた点も共通。
ルティオン:同じ時期の特撮作品のキャラクター。実は敵と関係があった上に隠し事をしていたと言う点も同じ。だがこちらは仲間との亀裂は生じなかった。