「遅過ぎる。それでもプロか」
流川「お前らも残酷ショーだバーカ!」
「地獄を見せてやるよ。来い」
江崎「貴様らァ! 私を誰だと……」
「ゴミ以下の2世だろ」
「それは貴様が頼りにしている銭ブタどもの事か?」
流川「だったら、特別クルーズを満喫中です!」
「一応訊くわ。お前金儲けの為に殺人ゲームをするって、悪い事だと思わねぇの?」
「お前取り敢えず移動しろよ」
流川「クレーンゲームは得意だぞ!」
流川「反省しましたか?」
江崎「じまじだぁ……」
流川「嘘つけぇ!」
「どうだ、チマチマ食われる気分は?」
「ならばチャンスをくれてやる。私と死の相撲だ」
「流川、運べ」
「かかってこい。私を殺してみろ」
「1対1なら設定甘いだろうが。やれよ」
「じゃあお前、資産幾らなの?」
流川「貧乏人め! 私の資産は10京円! そいつは下民!」
「おお、国家予算の1000倍とは、何というお金持ちだ」
「おい下民。やっと自分の番が回ってきたぞ。金持ちの見世物になって喜んで貰えよ」
「私に勝てばいいだろ? チャンスを与えてるんだ」
標的
自身の不手際が元で傾けた自社の経営を立て直す為、悪趣味なデスゲームを行なっていた海運会社社長「江崎元道」に執行。
概要
これまでに何度も執行された猛獣刑の一種で、今回用いられたのは映画「ジョーズ」などでも定番の人食いザメ。
両膝を拳銃でぶち抜いて出血させた上で、いつぞやの死のUFOキャッチャーと同じく罪人をクレーンに縛り付け、徐々に下ろしていき、末端から少しずつホホジロザメの餌食にする。
最後は意趣返しとして、罪人が被害者達を散々なぶったリングの上で伊集院が直々に全身の骨を砕き、その上でサメの餌食にした。
経過
依頼人から憎悪を託された伊集院は、依頼人を紹介した盟友・伍代千隼から情報を受け取り、今回の罪人である江崎のデスゲームに伊集院は参加者として、流川は船員として潜入する事に。
江崎の船の中でわざと昏睡状態になり(実際は演技。出された眠剤入りの飲み物には一切手をつけていなかった)、会場に運ばれた伊集院はわざと(事前に「ゲームが始まり次第私を落とせ」と命令したのかもしれないが)サメの群れが屯するプールに落とされた。
しかしそこは伊集院。即座に鮫の一匹の鼻先にパンチを叩き込んで無力化し、その鮫を足場にプールサイドまで跳び上がって地獄のプールから抜け出すという海内無双ぶりを発揮。
狼狽する江崎に命令されてから動き出したクズ護衛どもを「遅過ぎる」と瞬殺し、江崎の首根っこを引っ掴んで確保した。なお、見物客である腐れ富豪2名は流川が確保した(因みにその腐れ富豪2名は流川の手で簡易版キールハウリングにかけられた)。また、描写はないが参加者はその場で保護した模様。
クレーンに吊るされた江崎が喚き散らした為、伊集院は江崎から取り上げた拳銃でその両膝をぶち抜いて大人しくさせ、「一応」悔恨の念を問うた。しかし江崎の答えは「太古から下民の死を富豪が楽しむのは定番。私のショーには無限の価値がある」という時代も自分の立場も理解していない妄言だった。弩級のクズに尋問した事を後悔した伊集院は、流川に命じて早速刑を執行に移した。
両脚を完全に食い尽くされた江崎に、伊集院は反省の念を問うと、江崎は「反省している」と答えた。なので伊集院は江崎と共にプール内の特設リングに降り立ち、「私と相撲をして勝てたら解放する」という到底不可能な助命条件を叩きつけた。
だが江崎は「下民がするゲーム」と自らの立場を弁えない上に被害者を侮辱するような妄言で拒否。キレた伊集院は容赦無く江崎の両目にサミングをぶちかまし、総資産を問うた。江崎は「5億くらい」と返すと、そこに流川扮する「10京円という天文学的金額の資産」を有する富豪が登場。江崎を「貧乏な下民」と罵った。見て分かる通り明らかな茶番ながらも流川直々に下民と烙印を押された江崎に伊集院は、「お前は下民だ。だから今度はお前が金持ちの見世物になる番」と言い放って完全に絶望させた。その後、伊集院は江崎をただでは殺さず、全身の骨を砕いて軟体動物のようにした上でサメの餌食にした。
処刑終了と同時、伊集院は保護していた参加者達と共にボートで江崎の船から脱出。船の中には腐れ富豪がまだ残っていたので、予め船内にセットしていた爆弾を起爆し(恐らく流川がセットしたものと思われる)江島の船を撃沈。中に居た腐れ富豪どもは全員海の藻屑となった。
今回の登場人物
- 江崎元道(えざき もとみち)
今回の断罪対象。大手海運会社の社長で、先代社長は自分の父親。
だがその実態は親のカネで酒と女を買い漁る「己が生まれながらの上級国民であると勘違いしたドラ息子」である。
そんな事もあってビジネス手腕など皆無に等しく、会社は大赤字を叩き出してしまった。それを補填すべく古代ローマのコロセウムから着想を得たデスゲームを自社が保有する客船で開催し、見物人として参加した富豪からカネを巻き上げていた。さらに生き残った参加者も殺害し、富豪の権力でデスゲームの存在を隠蔽している。
伊集院の拷問を受けてなお、「自分は上級国民だから助かる」「見世物になるのは下民」という態度を崩さなかった為、最終的に伊集院達の茶番で「下民」に貶められた事でゲームに強制参加させられ、最期は伊集院直々にズタズタにされた上でサメの餌になった。
なお、会社の方はその後どうなったかは不明だが、伊集院曰く「迷惑がかかるやもしれんが、もう二度とないように」として惨劇の舞台となった客船を海上爆破し「回収と掃除の費用は会社が出せばいい」と後始末させたという事で、恐らく今回の件で多大な負債を出して倒産したものと思われる(まあ江崎の放漫経営で実質経営破綻していたのを残酷ショーに強制参加させられていた若者達の犠牲によって延命していたクズ企業なので当然の末路と言える)。
- 富豪達
江崎の悪趣味なデスゲームを観戦していた下衆富豪連中。処刑前に会場にいた二人は簡易版キールハウリングで、その場にいなかった連中は伊集院達が事前に仕掛けていた爆薬によって船と運命を共にした。ちなみに中の人は神城組の広瀬大聖、マッド・カルテルのパク・ソジュン及びジェフ等を演じている酒味たろう氏である。
- 清村茂(きよむら しげる)
今回の依頼人かつ被害者。アーティスティックスイミング(かつてはシンクロナイズドスイミングと呼ばれていた)の選手権で優勝を目指す現役の大学生。
幼馴染みの水本と一緒にアーティスティックスイミングをやっていたが、リフトが上手くいかず、プール代で金欠に悩んでいた。
ネットで船上クルーズの求人を見つけて水本と一緒に豪華客船に乗り込むが、江崎の罠にはまり、死の相撲バトルに強制参加させられる。
水中でサメに左頬を抉られるも、水本とのリフトで死のプールから脱出し、船から飛び降りて浜に打ち上げられた。
病院で警察に事情を話すが、信じてもらえず、病院から出ようとした時に伍代と会い、彼の紹介で伊集院の元に訪れ、依頼を申し込んだ。
依頼完了後、抉られた左頬が治り、アーティスティックスイミングに励んだ。
- 水本(みずもと)
今回の被害者その1。清村の幼馴染み。
清村と共にアーティスティックスイミングをやっている。船上クルーズの求人を見て豪華客船に乗り込むが、江崎の罠にはまり、死の相撲バトルに強制参加させられる。
金髪の男性に突き落とされ、サメに右腕を食い千切られるが、起死回生のリフトで清村をプール外へ打ち上げた。清村にジャンプを褒めた直後、サメに食い殺された。
- 死の相撲バトルの参加者達
今回の被害者その2。ネットの船上クルーズの求人を見て豪華客船に乗り込むが江崎の罠にはまり、死の相撲バトルに強制参加させられる。
金髪の男性は生き残ろうと、清村と水本と他の参加者を突き落として生き残るが、江崎に射殺され、サメの餌になった。
伊集院と共に死の相撲バトルに参加させられた4人は流川に保護され、豪華客船から脱出した。
金髪の男性をはじめ、彼らは参加者を積極的に突き落としていったが、彼らは挨拶代わりに銃弾を浴びせられた恐怖もあったため、このデスゲームにおける行いで彼らを罪人扱いする事は出来ないだろう。
- ホホジロザメ
ご存知、凶悪な人食いザメ。江崎がデスゲームの道具として使用し、死の相撲バトルに負けた参加者達を群れをなして食い殺していた。
伊集院が突き落とされた際にはそのうちの一匹が鼻先を彼に殴られて無力化された後、踏み台にされた。
その後伊集院の拷問用の道具として使用され、江崎を食い殺した。
余談
他シリーズのゲストキャラの登場が一切ない回は、2024年では赤ちゃん地獄回以来4話目となる。
今回の外道はホホジロザメで被害者を襲ったが、現実には極めて困難である。
ホホジロザメは季節毎に様々な海洋を渡る習性があり、尚且つエラの構造上泳ぎ続けないと呼吸が出来なくなるため、人工的な水槽に入れるとストレスと酸欠で直ぐに死んでしまうからである。事実、世界中の水族館でホホジロザメ展示プロジェクトが実施されたが、2024年8月現在でも半年がやっとだった。
もし本編と同じ拷問を行う場合、ホホジロザメより小型だが狂暴かつ、水族館での飼育例も多数あるネズミザメやイタチザメなどの方が向いている。
本編ではホホジロザメはデスゲーム開催の度に近くで調達しては終わると放流していたのかもしれないが……
伊集院がサメの鼻柱を殴った際、サメは怯んでいたが、サメの鼻の周りにはロレンチーニ器官というものがあり、サメはこの器官で小魚から放たれる微弱な電流を感知している。このロレンチーニ器官は精細であり、鼻に衝撃などの刺激(撫でる等)を受けたり、強い電流(乾電池も含む)を感知すると感覚が狂い、動きが止まったり、昏睡状態になったり、逃げ出してしまう場合もある。また、伊集院とほぼ同じレベルの戦闘力を持つ狙撃者兼暗殺者もとある回でこの方法で鮫を撃退し難を逃れている。
なお、鮫は軟骨魚で、顎と歯を除く全身の骨が軟骨で構成されているが、パンチの威力も速度も空気中と比べて大幅に減衰される水中であっても、鮫の鼻っ柱を陥没させるパンチを放てた伊集院の常軌を逸した技量と身体能力を、視聴者は改めて目の当たりにする事になった。
ちなみに、この鮫の撃退法は日本では沖縄の漁師の間で伝えられているらしい。
今回の被害者である清村と水元がアーティスティックスイミングに目覚めたきっかけとして2人が少年時代に見ていたドラマは、恐らく『ウォーターボーイズ』かと思われる。
権力者が絡んでいるとは言え、伊集院シリーズにおける警察の機能不全ぶりを再度露呈する事になっており、実際に依頼者も「権力が絡んでいる」と確証がないながらも直感させている。この警官が前述の富豪の一人だったとしてもおかしくはないが……
デスゲーム絡みの件は数度あるものの、拷問の舞台が森林や海岸に続き、海の上なのは今回が初めてである。
なお、今回のようなパターンの場合、いつもなら罪人が命惜しさに自身を「下民」と言い、「お前下民なの? じゃあ、お前の命をオモチャにするわ」と伊集院が意趣返しを叩きつけるのが定例だったが、今回の罪人は最後の最後まで自らを上級国民と思い上がり、被害者達を下民扱いして見下し続けた為、流川の演技で下民の烙印を押され、伊集院直々に「下民は見世物になって当然」として処刑される運びとなった。
今回、流川が「私の資産は10京」と言うくだりがあるがリアルに資産10京を手にするのは当たり前だが事実上不可能である。
そもそも1京円ですら未だに手にした人物はいないとされており、あのビル・ゲイツですら2023年の総資産額は13兆7,000億円(1,040億ドル)、2023年世界長者番付で1位となったベルナール・アルノー氏(ルイ・ヴィトンを運営するグループ会社の会長兼CEO)の総資産額でも27兆8,500億円(2,110億ドル)であり、1京どころか100兆円すら届いていない。
更に言うと、もし国民が1京円を手にすることができる状況が実現した場合、この時点で日本ではとんでもないハイパーインフレが起きているので国民全員が大富豪どころか貧民のような生活を余儀なくされてしまう。(例としてかつて第一次世界大戦後のドイツではこのインフレが起こったことによりパン1個を買うためにはリヤカー1台分の量の紙幣が必要だったと言う話がある。)
(「5000兆円欲しい!」の「資産」の項目も参照。)
関連項目
クライオジェニック二穴一気責め若返り実験→死のクレーンゲーム→外道の縦スライス
伊集院茂夫による猛獣刑(豚)、伊集院茂夫による猛獣刑(ワニ)および首輪爆弾、フェルナンドによる猛獣刑(オオカワウソ)、伊集院茂夫による猛獣刑(ムベンガ):拷問ソムリエによる猛獣刑。断罪対象が猛獣に両足を食われ、絶望を味わい尽くして最期は猛獣の餌になるのが共通している。
伊集院茂夫による赤ちゃん地獄:ゲストキャラが登場しない回であり、断罪対象が(両手と)両足を失い、最期は猛獣刑で猛獣(こちらはライオン)の餌になるのが共通している。
伊集院茂夫による閻魔蟋蟀の刑:外道が被害者を猛獣(こちらはワニ)の餌にして殺害する点が共通している。こちらは断罪対象の共犯者がワニの餌食になり、断罪対象が蟋蟀の餌食になっている。
伊集院茂夫による自然を使ったブービートラップ、伊集院茂夫によるデスゲーム:富豪による悪質なデスゲーム回であり、「依頼人はデスゲームで体の一部を失っている」「依頼内容は親友の敵討ち」という点が共通している。どちらも猛獣ではないが、断罪対象が小動物や昆虫、鳥や水棲生物の餌食になっている。
伊集院茂夫と流川隆雄によるフルボッコ刑:「断罪対象が大富豪であり、権力で警察を動かしている」「死のバトルロイヤルで仲間の自己犠牲によって依頼人が脱出に成功している」「断罪対象が伊集院に全身をボロボロにされる」「伊集院のフィジカルを発揮したエピソード」という展開が共通している。
伊集院茂夫による杭打ち刑、伊集院茂夫によるマヒャド:上述のムベンガ回を含め、拷問の最中を以てしても、根本的な性根が変わらないものがあった(中には伊集院に向かって啖呵を切ってみせるほどの者がいた)断罪対象の各回。うち、小湊に至っては命乞いをすることさえ無かった。
蓮見紀次による二重昆虫拷問:今回同様に断罪対象が自分が上級国民であると勘違いしたドラ息子であることが共通している。なおこちらは政治家の息子であり、かつニートである点がことなる。
サツの不祥事回
うんこの矢→死のクレーンゲーム→[[]]