「否である。躯となりても怨は消えず!」
プロフィール
真名 | 平景清(+源九郎義経) |
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クラス | アヴェンジャー |
性別 | − |
身長 | 172cm |
体重 | 57kg |
出典 | 『平家物語』、『義経記』、景清伝説 |
地域 | 日本 |
属性 | 混沌・悪・地 |
好きなもの | 源氏鏖殺 |
嫌いなもの | 源氏鏖殺(第1、2再臨)、頼朝(第3再臨) |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | 坂本みねぢ |
CV | 早見沙織 |
通常武器として「痣丸」という刀を用いる。一本しかないはずだが、なぜか二本持っている。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアヴェンジャークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
メインシナリオでは第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』にて、キャスター・リンボによって召喚された、八神将の一人「歳刑神・平景清」として初登場。歳破神と共に鏖殺の限りを尽くした。
その直後の期間限定イベント『いざ鎌倉にさよならを』においてプレイアブル実装、この時生じた縁と打出の小槌が噛み合った結果として、正式にサーヴァントとしての霊基を確立するに至る。
その姿は、あるサーヴァントに似ているが……?
真名
「儂は景清であり、義経である。私は義経であり、景清である」
平家の武者の一人にして、源氏を怨む概念・伝説である、「平景清」。
俵藤太の異名で知られる藤原秀郷の末裔で、平家の有力家人である伊藤忠清の七男。
皇居を守護する兵衛府の武官である兵衛尉に任官されていた事と、その凄まじい勇猛ぶりから「悪党並みに強い兵衛府の七郎」を意味する悪七兵衛という異名で怖れられており、源平合戦においては平知盛や平教経らと並ぶ平家屈指の勇将として源氏を大いに苦しめたと称される。
その正体は、源氏の武者の1人である「源義経」を依り代として、その霊基に景清の概念が重なった複合サーヴァント。つまるところ、メインストーリーにおいて二度目の闇落ちである。
景清とは段蔵曰く、合計37度に渡って復活・挙兵し、義経の兄・源頼朝を攻撃した不死身の武者であるという。しかしその実態は、平家武者達が抱いた「源氏への怨み」という概念そのもの。死してなお成仏せず、様々な形で景清の名を名乗り、頼朝に抵抗した怨霊達が、この景清を成しているという状態である。自意識も様々な記憶がごちゃごちゃとなっている。平家方の花形武者として、実体なき様々な逸話・伝説をしたためられた景清は、本物の景清が送った余生とも乖離し、そのまま「景清伝説を演じるに相応しい者達」の集合体として現界するに至った。37度の復活も、これが別々のもののふ達を立たせ、景清を名乗らせてきたというのが真相。基本的に肉体の主導権は景清にあるが、後述した通り霊基再臨を繰り返すうちに、義経本来の人格が顔を出すようになる。
大なり小なり源氏を恨む魂は、いずれ「景清」に取り込まれてしまう。
今回は義経が「景清」として現界しており、後述した理由から景清本人から霊基が馴染むとも言われているが、他にも源氏に怨みがある人物が「景清」として召喚される可能性も示唆されている。
歳刑神・平景清
サーヴァント・平景清が、霊基を確立するきっかけとなった姿。
カルデアとの決着を望む蘆屋道満が、第三の八神将として召喚した改造英霊である。
第四の八神将「歳破神・大土蜘蛛・玖賀耳之御笠」とタッグを組み、源氏殺しの呪詛を振りまく両者は、坂田金時らを大いに苦しめた。加えてこの召喚の際に生じた縁が、義経の霊基に怨霊・景清との親和性を持たせてしまい、鎌倉イベントでの騒動を手助けすることになる。
後に登場した景清とは異なり、こちらの景清は義経の人格を完全に侵食してしまっている。
それ故に劇中でのモノローグも、そのほとんどが「景清を演じる義経」としての視点で描写されていた。一方五条大橋を見て立ち止まったり、弁慶の真似をする金時に対して「貴様が弁慶を語るな」と激昂したりするなど、景清のように消えかけた義経の記憶が顔を出す場面も多々ある。
牛若景清
オーディール・コール奏章Ⅱ『不可逆廃棄孔 イド』において、カルデアのサーヴァントである平景清が、現界を維持するため巌窟王の手引きにより特異点における自身の同位体の女子高生に憑依した姿。ちなみにマスターの高校への転入手続きも全て巌窟王がやったらしい。保護者か。
戸籍上の氏名は憑依先の「牛若義経」なのだが、転校生として自己紹介する際に「牛若景清」と名乗り押し通した。飽くまで魔力消費を抑えるための平時の姿であり、霊体化こそ出来ないものの、戦闘時は第2再臨の姿になるため戦闘能力は健在。霊衣としても実装されていない。
服装はワイシャツにショートスパッツで、制服のブレザーは袖を通さず肩にかけている。髪型と容貌はいつもとほぼ変わらないが、相違点として第3再臨以降に見られる眉上の隈取のような化粧がなく、珍しくすっぴんが拝める。人によってはかなり印象の差を覚えるだろう。また、流石に太刀は佩いていないが、武人の性なのか代わりに竹刀を抜き身で携行している。このような風貌から、クラスでは転入初日から男勝りのクールビューティとして男女双方から一目惚れされている。
人格面は、サリエリ同様憑依先の影響を受けているのか、いつもより会話が通じやすい。基本的に戦一筋の武辺者気質なのは変わらないが、普段あれだけ叫んでいる源氏への怨念を語ることがほぼ無い分、牛若丸から忠犬の愛嬌を差し引いた「頼れる戦闘狂」みたいなポジションに落ち着いている。もっとも、多勢を相手に死線を潜り抜けた記憶や怨の一文字としての在り方を忘れたわけではないらしいので、源氏が絡まない状況では意外と元からこうなのかもしれない。
人物
一人称は景清時は「儂」、または「景清」。義経時は左記二つに加えて時折「私(わたし)」。
自らを源氏の全てを殺し滅ぼすモノとし、マイルームでの会話でさえ一言目にも二言目にも「源氏殺すべし」なるニュアンスばかりと、やはりあの牛若丸に通ずるものがある。第三再臨で義経の人格が戻って以降も怨の一文字を叫ぶ姿に変わりはない上、この姿の時は景清と義経の人格双方が混濁してる状態となっている。しかし自らが秘めていた微かな憎しみが膨れ上がった姿に、どこか悲しむような一面を見せるようにもなっており、生前の関係者達は遠ざけたがる。
義経と景清は心の中では互いの存在を感じ取っており、会話もできるようである。バレンタインデーに至っては贈り物の相談までしている。このことから源義経を依代とした平景清の疑似サーヴァントという見方もできるかもしれない。霊基のあり方としてはこの人に近いか。
また、景清は様々な逸話において、自らの目をくり抜いて取り除いたと語られており、その逸話を反映したのか本作における景清は、基本的に面や布などで目を隠した姿で登場している。
第一再臨は目元に狐面を、身体には臙脂色のインナーの上に小具足といった武芸者らしい姿。
第二再臨では黒い布で目に覆い、鬼面が付いた禍々しい甲冑を纏ったフル装備状態となっている。
またどちらの姿でも景清の人格がほぼ完全に支配しており義経としての面影はほとんどない。
義経本来の人格が滲み出た第三再臨では、この目隠しが割れて素顔が表出。怨念と冷淡さを滲ませ、時には哀愁を物語る表情を、露わにしている。ちなみに、衣装の方向性もガラリと変化。手足と腰回りに具足を残すものの、胴体は股間と胸をわずかな布で覆っただけという、牛若丸を彷彿とさせるようなものに変化……露出も義経のアイデンティティということなのだろうか?
容貌も義経として成長した姿だけに、牛若丸よりも若干背が高くなっている。自身の証言にも合致するように、しっかりと肩幅がありながらもスラリとした、剛柔同居する均整の取れた「大人の美貌」を獲得している。ただし、弁慶の「胸は源頼光と張り合えるほど、大きくはならなかったはずでは」という談もまた真実だったらしく、バストサイズもあまり変化はしていない模様。
能力
戦法に関しては基本的には牛若丸と変わらないが、不死身の景清としての性質を持つためか、耐久が異様なほどにランクアップしている。通常武器としては史実の景清も所有していた「痣丸」という刀を用いているが、何故かこの景清が振るうそれは、二刀一対に分裂している。
モーション中では、紫色の炎を纏った二刀流の剣撃を主体として戦う。また、影に潜って相手の背後を取ったり、痣丸を地面に突き立てて怨念の火柱を巻き起こしたりも可能である。
第3再臨では、人格が義経に切り替わったからか、動きがより素早くなり、痣丸をブーメランのように投げつけて斬り裂いたり、4人に分身して同時攻撃したりと戦法が牛若丸に近くなる。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | D | A | A+ | B | B | B+ |
保有スキル
復讐者(EX) | アヴェンジャーのクラススキル。復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。怨念の化身とも言える平景清が所有するスキルランクは、規格の外にある。 |
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忘却補正(C) | アヴェンジャーのクラススキル。平景清は忘れない。時が彼方へ過ぎ去っても、自己が人理の影に過ぎぬものであろうとも、源氏への怨を景清が忘れる事は無い。忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。ランク自体は復讐者達の中では平均的な方。 |
自己回復(魔力)(D) | アヴェンジャーのクラススキル。復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。微量ながらも魔力が毎ターン回復する。ランクは低め。 |
源氏、死に候え(A++) | 平景清は、源氏を、殺す。 |
景清は死なず(EX) | 平景清は死なない。幾度も幾度も顕れて、三十七度は挑んでみせる。歌舞伎『鎌髭』では不死身であるとも伝えられている。本スキルをEXランクで所持している景清は、ガッツ効果の他、即死耐性の効果を有する。 |
痣丸の霧(B) | 霧を纏い、敵の刃を迷わせる。景清の刀であり宝具「痣丸」(熱田神宮に現存)を用いた霧の妖術である。モーション中でも使用している。 |
牢破り(B) | 平景清は囚われない。例え虜囚の身となろうとも、必ず脱してみせる。 |
宝具
痣丸(あざまる)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
元は、平家重代の太刀として知られる景清の愛刀。
平時には仮の姿、二刀痣丸としての形態を取るが、宝具の真名解放時には本来の姿である一本の太刀の姿へと立ち返る。怨念を力とするモノであり、怨念の凝集そのもの。命ある霊長が触れて無事でいられはしない。景清がこれを取り出した際には、細心注意して、距離を取るべきだろう。
『FGO』マテリアル等には記載が無いが絆礼装によると宝具であるらしい。
諸行無常・盛者必衰(しょぎょうむじょう・じょうしゃひっすい)
- ランク:B+
- 種別:対人奥義
- レンジ:1~20
- 最大補足:1人
「鏖殺遂行。」
「沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の色……即ち!この世の摂理を知るが良い!『諸行無常・盛者必衰(しょぎょうむじょう・じょうしゃひっすい)』!!」
「鏖殺開始!」
「儚きは常……この世は並べて、塵芥(ちりあくた)!我が怨、貴様を捉えたぞ!『諸行無常・盛者必衰(しょぎょうむじょう・じょうしゃひっすい)』!!」
平家の怨念を一刀に込めて叩き付ける、呪詛の一撃。
普遍、不変のものなどこの世になく、永遠の強者も永劫の国家もありえない――という摂理を刃として、対象を存在ごと削り取る。大長刀使いであったという逸話が昇華されたモノか、真名解放に伴い、武具は一本の巨大な刃へと変化する。源氏以外にも通じるが、源氏にこそよく通じる。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
カードバランスはライダー時と同様。また、性別「なし」扱いのため性別対象効果を受けない。
攻防揃ったスキル構成が特徴であるが、第1スキルによる「源氏」特攻付与と、第2スキルによる重複可能なガッツ&復活をトリガーとした「復讐の怨念」状態付与が最大の特徴となっている。
前者で源頼光、坂田金時をはじめとした源氏への刺客として猛威を振るい、たとえ倒されたとしてもガッツによって蘇る度に怨念を蓄積し、宝具に乗せて放つというクセの強いアタッカー。
さらに宝具は直前に強化解除を伴うため、耐性を持たない敵を容赦なく屠ることができる。
弱点は弱体耐性が皆無であり、自身が強化解除されること。フルパワーを発揮するには、複数回倒され怨念を貯めなければならないという、長期戦前提のスキル構成であることも、運用時には考慮する必要がある。敵陣のルーラーを一撃必殺で倒す……というよりは、ブレイクゲージを持っている敵とじっくり斬り合う場面でこそ、真価を発揮すると言えるだろう。これらの特徴を理解しフォローすることで、源氏のみならずマスターの障害を切り捨てる頼もしき剣となるはずである。
なお、ライダー時(牛若丸)が強化クエストの度にパーティー全体を強化していく方向にシフトしていった反面、こちらでは自分以外のスター集中率をダウンさせるなど、とにかく単騎に強化を集中していくスキル構成になっており、ある意味では真逆の戦闘スタイルを取っている。
関連人物
生前
霊基の核たる人物であり、若い自分。生前は源氏への怨念を吐き出さなかったことで『景清』に取り込まれることは無かったが、とある特異点にて奇跡と言うべき奇縁を結び、この霊基を得る。
彼女も恨むべき源氏なのだが、数々の平家武者を取り込んだが故に、その感情は複雑を極める。
義経に斬られた者達は復讐を求め、頼朝を討たんとする者達は、彼女を同胞として取り込もうとする。そして幼少の牛若丸を目の当たりした者達が、それらの奥底に刻んだものは……
平景清(本人)
史実に実在した悪七兵衛景清。
サーヴァントの景清の中に彼が居るのかは定かではない。
ご存じ平家の代名詞。あまりに恐れ多く『FGO』への実装は叶わないとされてきたが、サーヴァントとしての景清の設定が非常に都合がよく、彼自身に「怨は景清に置いてきた」と言わせるだけでほぼ問題をクリアできる。逆説的に復讐者のクラスではないとも言えるだろう。
景清本人のご先祖様で上記の将門のライバル。元々景清は藤原姓である。
第2部5.5章では、敵側の八神将仲間であったがニアミスしている。
平清盛の孫。光源氏にも喩えられる絶世の美男子。
2023年水着イベント『サバフェス2』では彼について言及していた。
義経の兄にして、源氏の象徴であり最大の復讐対象。
景清時は恨み節全開であるが、義経時は愛憎入り混じった表現になる。
Fate/Grand Order
契約したマスター。基本的に「主」と呼んでいる。
当初『いざ鎌倉にさよならを』では、牛若としての記憶もあってかマスターの存在を使える味方として受け止めており、自身が霊基を確立して以降も懐柔し連れていこうと考えていた。基本的には源氏にしか興味がない景清であるが、絆を深める度に「歪んだ盛者達」と戦うマスターにシンパシーを感じ、マスターのために戦うことを良しとしてくれるようになる。バレンタインデーともなると、義経の人格と相談して甘味を食べ飽きるかもしれないという気配りまでしてくれる。
同じアヴェンジャーで誕生の経緯も似通っている。
景清自身も「あれこそが景清の源流」であると認めている。
源氏に属する者とそれに使える者達(柳生は徳川が源氏扱いなため)。
やはり当然と言うべきか「源氏滅ぶべし」と直球で敵意を向けている。
同じく源氏を恨むものにして源氏の1人。景清の依り代となる条件を持ち合わせていたが、最後に怨の一文字を捨てることが出来た彼女を尊重して自身に近寄るなと警告している。なお、景清の父親は木曽義仲と和平交渉を行なっている。そこも尊重する理由なのかもしれない。
義経と共に語られる臣下の僧兵。景清の意識が強い第1・2再臨時では反応は無いが、義経の意識が表に出てくる第3再臨時にて「私を見るな」と後ろめたさのような言葉を残している。
源氏郎党のご先祖様の1人。地獄界曼荼羅において生前の彼と刃を交えたが、存在が確立する前の特殊な召喚方法だったこともあり、復讐者の共通スキル「忘却補正」でも記憶を持ち越せていない。
ただし、マイルームでは彼から漂う源氏の匂いから何かを感じている様子である。
第2部5.5章で八神将側でコンビを組んだ怪異。
まともな会話シーンは無かったが、悪い関係ではなさそうであった。
第2部5.5章では同陣営だがニアミス。直接言及することは無いものの、後世の創作においてかつて平家一門が掲げた天子は伊吹童子とルーツが同じとされており、どちらも神剣と関わりが深い。
第1部7章においてケイオスタイドで闇堕ちした牛若丸。
源氏への恨みを叫ぶ姿や分身する宝具など、セルフオマージュと思しき要素が多い。
余談
第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』における平景清戦で流れているBGMについてだが、TVアニメ『Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線 バビロニア』において牛若丸がゴルゴーンに立ち向かうシーンに流れる『光風』と黒化した牛若丸が登場する際に流れる『業風』を編曲したものと思われる。
2021年の1月に、ネット配信された『Fate/Grand Order ウィンターキャラバンオンライン2021』にて実装が告知された。本来2020年12月の段階(第2部5.5章でのエネミー登場)で、宝具演出やモーション、ボイスまで登場したことから、平安京ピックアップ2召喚にて伊吹童子と共に実装されるのではと噂されていたのだが、実際には彼女より1ヶ月半近く遅れた形となっている(全く同じケースとして、2017年1月実装の“山の翁”がいるが、こちらは実装に合わせたイベントがない)。
上述の通り、第一再臨及び第二再臨では服を着込んでいるのだが、第三再臨で一気に服を脱ぎ露出が増える。「面が割れた……?」という再臨台詞に対して「もっと大事な所が見えてるだろうが」とツッコんだプレイヤーは少なくない。これについて『いざ鎌倉にさよならを』の劇中において景清の1人が義経に対して親身に接していたことから「第一、第二再臨は景清が気を使って服を着込んでいたが、義経の意識が強くなる第三再臨ではそんなのお構いなしとばかりに義経が服を脱いでいるのでは」とネタにされている。加えて上述したバレンタインデーイベントにおいて、煎餅を礼装としてくれることも、一層景清の気配り屋のイメージを濃くすることに繋がった。
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Fate/GrandOrder 地獄界曼荼羅平安京 アヴェンジャー(Fate)
源平討魔伝:外見のモチーフと思しきゲーム。平景清が主役を務め、赤い鎧姿の義経が登場する。これまでにも同作を意識したネタは、牛若丸の台詞などに取り入れられている。
ヨシツネ:外見のモチーフと思しきゲームのキャラその2。このゲームでの義経は、赤い鎧に加えて二刀流という出で立ち。
以下、第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』のネタバレ注意!
九郎判官源義経
「この義経は……!景清……否、否、否……!否!この私こそは九郎判官源義経!この躯こそ、かつて遮那王にして牛若であったモノ!」
景清の器として選ばれた、源義経本来の人格。かつて『絶対魔獣戦線 バビロニア』において、より冷血な武者として召喚されるかもしれないと、牛若丸自身が推測していた人物その人である。
『地獄界曼荼羅 平安京』では、金時が弁慶の真似をする様を見て、完全に源義経として覚醒。
義経は頼朝に裏切られたこと、自分の道が穢され、途絶えたことへの怨み……ひいては「源氏」への怨みを語り始める。そんな義経と戦った金時は、義経に対して「なぜ戦ったのか」と問う。すると「そんなことも分からずにいたのか」と愉しげに笑い「想いを貫くこと」だと答える。
そして、子孫と先祖の最後の戦いが始まった。義経の存在そのものが源氏への毒であると知って尚、戦いぶりを変えない金時に対して感心し「それでこそ我ら源氏の基を築きし一人だ」と讃える。そして「その命がこの死合いの後も繋いでいたのなら、そのまま進め。迷わずただ全身全霊で走る、それだけで多くを成せる、多くに克てる。」と金時に伝え、彼女は完全に消滅した。
「───以上。我が言の葉。ゆめ、忘れることなかれ。です!」
その後のイベント『いざ鎌倉にさよならを』にて(※ 時系列では「平安京」よりも後のストーリーではあるが、参加条件は冬木クリア)、カルデアの牛若丸は自ら景清と対峙する。
こちらの「平景清」は、鎌倉時代から現代に至るまで1000年近くも現世を彷徨っていた平家武士の怨念の集合体「景清」が、カルデアの牛若丸の霊基の一部を乗っ取った存在となっている。
様々な武者を取り込んだが故に、怨念や同族意識、そして憐憫すらも入り混じった感情を撒き散らす景清を前にして、牛若丸は「源義経」として遂に自らの在り方を見定めるに至った。
「私は……あの時は泣いてしまったけれど……一人ではないのです。一人では、決してなかった」
「だから───私はきっと大丈夫です、景清」
ずっと自らを恨んでいたが、それと同時に見守ってすらいた怨念・景清。
その視線には確かに覚えがあり、そしてそれはかつて連れ添った、多くの者達からも向けられていたものだった。義経には家族はもちろんのこと、師匠がいて、部下がいて、そして愛する者達もいた。自らが特異点で卑下したような孤独の将などどこにもいなかった。多くの人々に支えられ自身もそれらを愛していたことをようやく自覚した牛若丸は、安堵し消えゆく景清を見送った。