美少女戦士セーラームーンセーラースターズ
びしょうじょせんしせーらーむーんせーらーすたーず
アニメ『美少女戦士セーラームーン』第5期で最終章。
1996年3月9日〜1997年2月8日まで、全34話(シリーズ通算での167話〜200話)が放送された。原作第五部「セーラースターズ編・シャドウ・ギャラクティカ編」に相当。
前作『SuperS』に引き続き、デッドムーンの女王ネヘレニアとの決戦を描いたアニメオリジナル編「ネヘレニア復活編」を前半に挿入し、その後でシャドウ・ギャラクティカ編に移行。
謎のセーラー戦士・セーラースターライツがメインキャラとして登場し、182話からはちびちびが登場する。
スリーライツをメインにした学園コメディなど独自性が強く、それまでのシリーズとは差別化して語られることも多い。
特にシャドウ・ギャラクティカ編の内容は前作までに比べ、原作設定との差異が著しい。
オープニングテーマを放送開始時から使われた「ムーンライト伝説」から「セーラースターソング」に変更。
それまで「美少女戦士」を2段書きでサブタイトルのように表記したタイトル表記を「美少女戦士セーラームーン」の下に「セーラースターズ」を大きく表示したり、イメージの一新が図られた。
代表的スタッフの幾原邦彦が96年に東映を退社し、SDは五十嵐卓哉に、構成は榎戸洋司から山口亮太へ、キャラデザも伊藤郁子から爲我井克美へと変わっている。現場プロデューサーも人事異動で初代の東伊里弥から前作からサポートに入った有迫俊彦に交代した。
本編は全34話。前半6話分のネヘレニア復活編はちびうさ最後の出番となり、そこを差し引くと本編は実質半年分の28話に止まり、全体的に尺とボリューム不足であった。
ネヘレニア復活編
新月の闇に大人しく引きこもったネヘレニアはセーラーギャラクシアに招かれ、殺したはずのセーラームーンとセーラーちびムーンの生存を知らされて復讐を決意。
ネヘレニアは自分の夢の鏡を割り、その破片を十番街に撒き散らした。破片が目に入った人々は廃人と化し、その一人となった地場衛はネヘレニアにさらわれた。
シャドウ・ギャラクティカ編
アメリカに留学した衛を見送った月野うさぎたちは十番高校に進学した。
うさぎのクラスに美少年アイドルのスリーライツが転校し、そのリーダーの星野光はうさぎに一目惚れする。
スター性を持つ人間のスターシードを狙う新たな敵・シャドウ・ギャラクティカと、新たなセーラー戦士・セーラースターライツが流星に紛れて地球に現れる。
スリーライツの正体は、シャドウ・ギャラクティカの支配者ギャラクシアに故郷の星を滅ぼされたセーラースターライツだった。そして、うさぎの前に謎の少女のちびちびが現れる。
※印は、ネヘレニア復活編のみの登場人物。
月野うさぎ / セーラームーン / エターナルセーラームーン(CV:三石琴乃)
四守護(内部太陽系戦士)
水野亜美 / セーラーマーキュリー(CV:久川綾)
外部太陽系戦士
海王みちる / セーラーネプチューン(CV:勝生真沙子)
カッコ内は『セーラースターズ』としての話数
第167話(第1話) | 悪夢花を散らす時!闇の女王復活 | うさぎたちが高校生に進学/ネヘレニアが復活 |
---|---|---|
第168話(第2話) | サターンの目覚め!S10戦士集結 | 外部戦士がSぶりにテレビシリーズで復活/ほたるが急成長し、セーラーサターンに再覚醒/テレビアニメシリーズで太陽系セーラー10戦士が初めて集結する |
第169話(第3話) | 呪いの魔鏡!悪夢にとらわれた衛 | |
第170話(第4話) | 運命の一夜!セーラー戦士の苦悩 | |
第171話(第5話) | 愛ゆえに!果てしなき魔界の戦い | |
第172話(第6話) | 愛のムーンパワー悪夢の終わるとき | ネヘレニア最後の出番/ネヘレニア復活編完結 |
第173話(第7話) | 別れと出会い!運命の星々の流転 | シャドウ・ギャラクティカ編開始/衛がアメリカに旅立つ/スリーライツ、セーラースターライツ登場 |
第174話(第8話) | 学園に吹く嵐!転校生はアイドル | 十番高校にスリーライツが転校して来る |
第175話(第9話) | アイドルをめざせ!美奈子の野望 | 美奈子回 |
第176話(第10話) | ファイターの正体!衝撃の超変身 | |
第177話(第11話) | 星に託す夢とロマン!大気の変身 | 亜美と大気回 |
第178話(第12話) | ルナは見た!?アイドル夜天の素顔 | 夜天回 |
第179話(第13話) | 敵?味方?スターライツとS戦士 | まこと回 |
第180話(第14話) | 呼び合う星の輝き!はるか達参戦 | はるか、みちるが再登場 |
第181話(第15話) | セイヤとうさぎのドキドキデート | 星野回/セーラーアイアンマウス退場 |
第182話(第16話) | 宇宙からの侵略!セイレーン飛来 | ちびちび、セーラーギャラクシア、セーラーティンにゃんこ登場/セーラーアルーミナムセイレーン消滅 |
第183話(第17話) | 死霊の叫び!?恐怖キャンプの怪人 | |
第184話(第18話) | ふたりきりの夜!うさぎのピンチ | |
第185話(第19話) | 大気絶唱!信じる心を歌にこめて | 大気回 |
第186話(第20話) | ちびちびの謎!?おさわがせ大追跡 | ちびちび回 |
第187話(第21話) | 輝く星のパワー!ちびちびの変身 | ちびちびがセーラーちびちびに変身/球技大会 |
第188話(第22話) | 恐怖への招待!うさぎの夜間飛行 | |
第189話(第23話) | 使命と友情の間!S戦士達の対立 | |
第190話(第24話) | 明かされた真実!セイヤ達の過去 | 外部戦士とスリーライツが対立/スリーライツの過去が明らかに |
第191話(第25話) | 光の蝶が舞う時!新しい波の予感 | |
第192話(第26話) | 夢一直線!アイドル美奈子誕生!? | 美奈子と夜天回。歴代最後の「今週の怪人」ファージ・セーラーミュージシャン登場。 |
第193話(第27話) | うばわれた銀水晶!火球皇女出現 | 火球皇女登場、セーラーレッドクロウ退場/学園祭 |
第194話(第28話) | 銀河の聖戦セーラーウォーズ伝説 | |
第195話(第29話) | 火球皇女消滅!ギャラクシア降臨 | 火球皇女消滅 |
第196話(第30話) | 銀河滅びる時!S戦士最後の戦い | シャドウ・ギャラクティカとの最終決戦/マーキュリー、マーズ、ジュピター、ヴィーナス消滅/タキシード仮面も消滅していたことが判明 |
第197話(第31話) | 銀河の支配者ギャラクシアの脅威 | プルート、サターン消滅 |
第198話(第32話) | 消えゆく星々!ウラヌス達の最期 | ウラヌスとネプチューン消滅 |
第199話(第33話) | 希望の光!銀河をかけた最終決戦 | |
第200話(第34話) | うさぎの愛!月光銀河を照らす | セーラースターズ最終回/ギャラクシアが良心を取り戻す/セーラー戦士たちが再生/火球皇女とセーラースターライツが故郷へ帰る/美少女戦士セーラームーンシリーズ(90年版)完結 |
無印は全46話、Rは全43話、Sは全38話、SSは全40話あるのだが、セーラースターズの話数はこれらよりも短い。
なお、R後半からSS迄の間は関西地区は朝日放送を除き『スラムダンク』とコンビを組み、並み居る裏番組を蹴散らした反面、当時、テレビ朝日はネット局を増やしながら番組を放送していた為予算制限が掛かり、『スラムダンク』側の原作ストック確保、『セラムン』、『スラダン』、そして『暴れん坊将軍』の製作費と製作スケジュールの確保・捻出も兼ね、プロ野球、及びJリーグ中継と期首期末特番で休止を余儀なくされた。『スラムダンク』は1996年3月に終了し、同年4月からは同じく東映動画の『地獄先生ぬ~べ~』が始まっている。
しかし、その特番休止増加の隙を突かれTBSとその系列局の『筋肉番付』に視聴者と視聴率を掻っ攫われる事態も発生し、セーラースターズの時期には1ヶ月近い特番休止が2回(しかも2回目はANNネットワーク完成関連特番)も起きた。
そして、7月20日放送の第15話(通算第181話)になる「セイヤとうさぎのドキドキデート」では歴代シリーズ最低の4.2%の視聴率まで下がってしまった。
上記の話数不足は本編にも悪影響を及ぼし、原作再現とはいえキーキャラであった火球皇女が登場から僅か数話で退場したり、終盤一気に他のセーラー戦士が落命(原作では数回に分けて落命)する事態も起き、本当に後1クール相当のエピソードがあったら、これ等の問題点はある程度は解決(例:火球皇女が1クールに掛けて登場)できただけに、更に同じ最終作でも、セーラースターズ終了直前に始まった最強最後の勇者王が完全燃焼でシリーズの幕引きを飾っただけに、消化不良が悔やまれてならない。
また、長期シリーズの宿命でもあるが、キャラクターが増えすぎたために、これまでのシリーズで登場してきた「うさぎを取り巻く一般人達」が、スターズ本編では(うさぎの母である月野育子以外)まったく出番が無くなってしまった事に不満を感じたシリーズのファンもいる。
さらに、最終回のラストバトルでは、セーラームーンが一糸まとわぬ全裸になってラスボスに立ち向かうというシーンがあるため、後に4大都市圏(関東、中部、関西、福岡)でのニチアサ前座枠での再放送が見送りとなった(4大都市圏以外ではすでに全シリーズの再放送を終えていた系列局は結構あったが…)。その一方でSSの4大都市圏再放送終了が2003年9月であり、翌月より実写版がTBS系列で放送を開始したため、アニメと実写版のねじれ現象回避のためスターズの4大都市圏再放送が見送られたという説も存在する。
これとは別に本作はCS等の再放送でもよくハブられ、歴代シリーズで一番扱いが悪く、不憫な扱いと言える。
やはり同一主人公で5年は長すぎた感もあり、やり尽くしたのとSの焼き直しにも思え、本作でアニメシリーズは一旦終了を迎えた。
同時制作だったバンダイのミュージカル版は1998年に卒業公演「永遠伝説」でグランドフィナーレを迎えたものの、アニメ版の消化不良の出来映えは後のお蔵入りしたハリウッド版を始め、実写版、新アニメ版を立ち上げる原動力となった。
当初は完結編ともなる予定でもあった無印を除くと唯一劇場版が製作されていない。
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