リゼル(MS)
りぜる
形式番号 | RGΖ-95 |
---|---|
所属 | 地球連邦軍 |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 20.5m |
本体重量 | 25.8t/29.2t |
全備重量 | 57.6t/68.3t |
ジェネレーター出力 | 2,220kw/2,320kw |
スラスター総推力 | 81,500kg/91,600kg |
センサー有効半径 | 14,920m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
固定武装 | 60mmバルカン砲×2、ビーム・サーベルまたはグレネード・ランチャー×2、 |
携行武装 | ビーム・ライフル、シールド、ビーム・キャノン、メガ・ビーム・ランチャーなど |
ディフェンサーaユニット武装 | ハイパー・ビーム・サーベル×2、マイクロ・ミサイル |
ディフェンサーbユニット武装 | メガ・ビーム・ランチャー×2、メガ粒子砲×2 |
※バックパック毎に異なるデータは、ボックス・ユニット/ディフェンサーユニットの順で併記。
第二次ネオ・ジオン抗争後にアナハイム・エレクトロニクスが開発した地球連邦軍の量産型可変モビルスーツ。
リゼル(ReΖEL)の機体名称は「リファイン・ゼータ・ガンダム・エスコート・リーダー(Refine Ζeta Gundam Escort Leader)」の頭文字の略称である。
リ・ガズィと同じくΖガンダムの量産化を目指したRGΖ系列に連なる機体であり、ΖプラスR型やリ・ガズィのようなバックウェポンシステムによる準可変機構ではなく、グリプス戦役時に廃案となったZⅡの設計をリファインする形で量産化を成功させている。
巡航形態のフォルムはΖガンダムのウェイブライダーとは異なり、ΖⅡと同様、メタス系のMA形態に近く、構造が簡易なメタス系列の可変機構を参考としている(肩のセンサーの形状がその名残)。
加えて内装(部品規格等)の一部をジェガン系列と統一化することにより、可変機の多くにあった生産性及び整備性の低さをクリアしている。このため頭部エクステリアはΖ系ガンダムフェイスではなくジェガンと同じバイザー型で、メインカメラもジェガンと同様にバイザー下にモノアイを採用している。
Ζ系列機特有のピーキーな操作感もリミッターを設けた事で幾分緩和されており、新兵でも難なく扱うことができる。加えて、リミッターを解除し、フレームを補強する事で熟練パイロットにも対応出来る性能を発揮出来るなど、幅広いニーズに対応可能である。
可変機構については「エスコート・リーダー」の機体名が示すようにサブフライトシステムとしての機能も設計に組み込まれている。ウェイブライダー形態へ可変後にスラスターが一方向に収束されることによる余剰推力を活用し、バックパックに設けられたジェガンなど他のモビルスーツを牽引できるグリップも搭載し、迅速な展開や友軍機の推進剤の節約及び行動範囲の拡大を図っている。
これでいて、量産型ΖΖガンダムを若干ながら上回るジェネレーター出力を有し、ZZガンダム由来の装備もオプションで装備可能、脚部のスラスター配置はZZガンダム/フルアーマーZZのそれと、ZZガンダムの要素も受け継いでいる。よって、Ζガンダムの量産機というよりはΖ・ΖΖ・メタスのいいどこどりをして量産化した機体と言った方がいいかもしれない。
以上のように、性能だけでなく生産性・整備性にも高度な配慮がなされ、当時各部隊に配備されていたジェガンやジムⅢの対応任務拡張にも貢献するなど、長年の悲願であったΖガンダム量産化を遂に果たしたどころか、Ζ計画の集大成とも言える名機となるポテンシャルを充分に備えていた。
だが、運用開始直後の宇宙世紀0100年にジオン共和国の自治権放棄成立で大きな動乱がなくなると、軍事費削減によるコスト面の問題から長距離移動には単一機能に特化したサブフライトシステムが再び台頭することになり、配備は限定的なものとなった。加えて可変機構なしでも同等以上の機動性を発揮する小型MSの登場も追い打ちとなり、直系の後継機が作られる事もなく姿を消していった。
そもそもの話だが、「Ζ系列の量産機」というコンセプトは地球連邦軍が依頼した訳ではなく、アナハイム側が「Ζ系列の生き残る道」のために売り込んできたというのが開発の真相だった。
それでも、ロールアウトから二十年が経過した時点でも最新鋭機とともに第一線を張り続けており、腕の良いパイロットならばオールズモビルのRFシリーズ相手に無傷で壁役を張れるなど、時代に置いていかれながらもその活躍が廃れることはなかったようだ。一説にはおよそ40年後の木星戦役時代でも運用が確認されていたといわれる。
なお、U.C.110年代に押し寄せたモビルスーツ小型化の波に乗り、本機も後継機案として小型化プランが模索されているとされるが、実機が登場するどころが十分な情報すら公開されていない。Gカスタムに小型化計画で開発された頭部ユニットが流用されてあるくらいである。
主なパイロットはリディ・マーセナス、ノーム・バシリコック、イアン、ホマレ、プールなど。
なお、ネェル・アーガマ所属のMS隊における本機のコールサインはフォネティックコードで"R"を意味する「ロメオ」。因みにジェガンは"J"を意味する「ジュリエット」である。
劇中の描写を見る限り、主に宇宙で使われているようで、地球圏で使われる類似の機体であるアンクシャと棲み分けているようだ。
ビーム・サーベル
前腕部に内蔵されている近接用斬撃装備。
最大4本を装備可能。
第二次ネオジオン抗争期のサーベルは、エネルギー消費や敵機からの視認確率を抑えるアイドリング・リミッターが標準機能となっていたが、本機の場合、最大発振させて構えをとる場面があり、オミットされた可能性がある。
本機のサーベルラックは、グレネード・ランチャーとの選択式となっている。
ビーム・ライフル
Ζガンダムが使用したXBR-M-87A2(出力5.7MW)の制式量産モデル。
伸縮機構以外の機能を引き継いだ非常に優秀な兵装で、銃口からビーム刃を発振するロング・ビームサーベル機構も使用可能。加えて出力調整機能が追加されており、ビームランチャーのような高出力のビームを照射するギロチンバーストが新たに使用可能となっている。
アナハイム製であればどの機体でも問題なく使用でき、デルタプラス・ジェガン・Ζプラスも戦闘に於いてこれを携行。ユニコーンガンダムも袖付きとの最終決戦に於いてリゼルから借用する形で本装備を運用している。変形時はシールド表面にマウントされる。
メガ・ビーム・ランチャー
本機専用に開発された長射程ビーム兵器。主にC型が使用する事が多いが、一般機でもリディ機が使用している。
Ζガンダムが使用した大型ビーム砲「ハイパー・メガ・ランチャー」のコンセプトを継承した兵装で、機体背面とアームで連結される形で支援攻撃に運用される。装備した際の全高はかなり高くなるが、作品によっては銃身を折り畳めるようになっている事も。
エネルギーは機体のジェネレーターとランチャー内蔵のサブジェネレーターの両方から供給されるため、グリップは精密照準時に安定して発砲するためのフェイルセーフ用であり、握らなくても発砲が可能となっている。よって変形時も使用可能。
先述の通りジェネレーターを内蔵しているため他機種でも運用は可能で、『不死鳥狩り』のために編成されたシェザール隊所属のジェスタのうち、足止め・牽制を担当したB班はバイポッドを追加した本兵装を携行していた。
シールド
左腕に装備される防御兵装。
本機のシールドも機能の多目的化がされており、先端に3点バースト式のビーム・キャノン、後端には近接時の打突兵器としてハンマーブレードが装備されている。変形時にはこれまでのZ系同様に機体下部の保護装甲としても機能するが、本機はメタス系由来の肩部センサーやサブセンサーの増設がされているため、Ζ系特有のシールド部分(あるいはそれに相当する変形用サブユニット)のデリケートな取り扱いがやや緩和されている。
本機はサブフライトシステムとしての運用だけでなく、より多角的な運用を想定して複数のバックパックが開発されている。
ウイングタイプ
AMBAC稼働肢「ウイングバインダー」を装備したバックパック。
宙間運用での機動性が向上する他、副産物として大気圏突入能力と圏内での飛行能力が追加される。
主に熟練パイロットが多く使用している。
ディフェンサーユニット
本機専用に開発された宙間拠点強襲用のバックパック。
既存機種の高機動化を目的に開発されたGディフェンサーの流れを汲むバックパックで、大出力のスラスターを複数配置し、サイドアーマーをAMBAC稼働肢として機能するテールバインダーに換装することにより、戦闘宙域までの到達時間短縮とMS形態での高機動戦闘を可能にしている。ただし重量増加のため戦場到達時間の短縮を優先する場合は、追加武装をオミットする必要がある。
本来はこのユニットを装備したリゼル1個小隊のみで任務に当たることを想定しているため、どちらもサブフライト用のグリップは装備されていない。
a装備
近・中距離用の広域拡散型。ウイング付きのミサイルコンテナを装備しており、内蔵されたマイクロ・ミサイルを用いての面制圧を得意とする。
また、背面のパワーサプライヤージョイントにハイパー・ビーム・サーベルを装備しており、格闘戦時に複数の敵機を薙ぎ払う事も可能。
ハイパー・ビーム・サーベルは、ZZガンダムの同名武装に近似した形状だが、ビーム・キャノンとしての機能はオミットされている。
多数のミサイルとハイパー・ビーム・サーベルの組み合わせは、ZZガンダムのコア・ベースを彷彿とさせる。
『獅子の帰還』でリディがバナージの生還を確認するためにサイド3に領海侵犯した際、彼は本装備のリゼルに搭乗している。
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