「我慢は体に毒だぞ」
演:加藤厚成
概要
ナイトレイダー隊員の1人。年齢29歳。かつては警視庁の科学捜査研究所に所属。
専門分野は細菌・生物兵器だが、チームでは分析を担当しており、出現したスペースビーストの弱点や能力を調べ上げるのが主な仕事。また、ハッカーとしてもプロ級の腕前を持つ。対ビースト戦時においては、平木詩織隊員とともにクロムチェスターγに搭乗していることが多い。
有能だが決して出しゃばらずに黙々と任務をこなす、正に縁の下の力持ちといったキャラクター。
性格はきさくで、孤門一輝とは互いに冗談を言い合う兄貴分的な存在(という設定だが、そのような描写はEpisode.EXでしか観られない)。
Episode.16では負傷した肩を詩織にはたかれ、「もうちょっと優しくしてよ……」とボヤくも、「甘えてんじゃないわよ!」と怒鳴られて西条副隊長からも呆れられるという、本作では極めて貴重なギャグシーンを見せた。Episode.EXでは詩織が失恋の悲嘆から無理に明るく振る舞おうとしている心中を察して慰めるなど、和倉英輔と並んで暗くハードになりがちな本作やチームの良心的役割を担う。
Episode.EXの一件で詩織と恋愛関係になったらしく、Episode.33以降は彼女から「いっしー」とニックネームで呼ばれるようになり、親密な雰囲気になっていた。
一応レギュラーキャラではあるのだが、物語の前半まで本筋に大きく関わるような活躍は見せず、彼をストーリーの中心に置いたEpisodeも存在しなかったため、視聴者からはモブキャラのような扱いを受けていた。
しかし、Episode.33ではTLT北米本部のサーバーをハッキングして5年前の新宿大災害の隠された真相に迫り、Episode.35の千樹憐解放作戦時には一人コマンドルームに残り、基地のシステムをジャックすることでナイトレイダーを援護、TLTへの叛乱を成功させるという大活躍を見せた。
以上のことから、彼もまたナイトレイダーに欠かせないメンバーだと思われていたはずだったが…
以下、ネタバレ
吉良沢「お前は…誰だ!」
「ダーク…ザギ」
石堀光彦という名前は偽名であり、来訪者研究チームの山岡一という男の肉体を乗っ取って行動していた。
かつて、ウルトラマンノアとの戦闘で肉体を失ったザギは、自らの肉体を復活させるためにノアとそのデュナミストを利用することを画策していた。
物語開始の18年前、ザギの因子を含んだΧニュートリノがアリゾナ州のTLT施設へ侵入。自身の存在を知って絶望した山岡の肉体を支配し、凪の眼前で彼女の母親を殺害して凪の心にビーストへの憎しみ=心の闇を植え付けた。さらに、ハッキングによる戸籍の改竄を行い、記憶操作によって周囲の人間の目を欺いてTLTへと潜入。自らの周囲にデュナミスト候補を集めて監視していた。
その後、凪の心の闇をより深めデュナミストの姫矢の光の力を強化するために、彼女の師である溝呂木眞也を闇に堕としてダークメフィストやダークファウストを作り出して、斎田リコの死を利用して孤門にビーストを憎しむ感情で心を闇に堕とし操り人形にすることで、凪や姫矢に溝呂木を介して闇の力に対する憎悪を増させつつ、ネクサス復活のための光の力を強化させるべく暗躍を行っていた(つまりリコの死の一件は、孤門を悲劇のヒーローならぬヒロインに仕立て上げるための彼の策略だった)。
デュナミストが憐に交代してからは、アンノウンハンドとしてネクサスへ直接的な支援となり得るウルティメイトバニッシャーの開発データの削除やレーテへの干渉など妨害を強化しつつ、ダークフィールドGでビーストを強化再生させて光の力を強化を促し、新宿大災害の真相を探るハッキングで信用を得るなど暗躍を続けた。
なお、完璧に正体を隠すためにビーストの指揮権を自身の復活のための道具として利用している溝呂木やリコに与えていたらしく、自身では制御することができず、殺されそうになったこともある。
もっともザギにとっては山岡の肉体が死亡しても、別の人間の体を乗っ取れば済むだけの話なので何の問題もなかったとも考えられる。また、このとき彼を殺そうとしたビーストはノスフェルであり、この一件自体が孤門の心を闇に堕とすことを目的とした自作自演だった可能性もある(孤門にとっては復讐のためにノスフェルを攻撃しても、攻撃を躊躇して石堀が殺害されても精神的に追い詰められる結果になり、どう運んでも心が闇に染まる可能性が高かった)。
これらの計画はすべて秘密裏に進められていたため、最終回ですべての準備が整って本性を現すまでは、劇中の登場人物はもちろん、(一部の勘のいいファンや後期OPの伏線に気付いたファンを除いて)視聴者にすら正体が発覚することはなかった。
正体を現した後の動向や更に詳しい詳細についてはダークザギの記事を参照。
余談
後期OPでは、虚ろな表情で倒れている詩織 → 笑顔でディバイトランチャーを発砲する石堀 → 怒りの形相で裏拳を叩きつける和倉という流れで各隊員を登場するのだが、実はこのシーン自体がFinal Episodeの展開を示唆した伏線であり、銃撃を受けて倒れる詩織 → 詩織に発砲する石堀 → 石堀を殴ろうとする和倉というシーンだったことが発覚する。
また、正体が判明した後に本編を見直すと、ビーストやウルティノイドの能力に驚いたり、「フォートレスフリーダム内部に裏切者が潜入している」疑惑を和倉に問いただすなど、自作自演としか言いようのない言動の数々が明らかになるため、某プロレスラーを絡めたネタとして石堀☆自演乙☆光彦と呼ばれることもある。
序盤の影の薄さに加え、初期のOPでは名前が「石掘」と誤植されていたため、ある種のネタキャラと見做す人も僅かにおり、放送当時の2chにも石掘隊員スレが存在していた。このスレッドでは「石堀こそが黒幕ではないか?」という書き込みが何度もされていたが、ほとんどがネタ発言であり、まさか本当に石堀が諸悪の根源だと考えていた者は少なかった模様。
関連項目
蛭川光彦、ペダン星人ダイル:後の作品で加藤氏が演じたキャラクター。
愛染マコト:『ウルトラマンR/B』の登場人物。石堀と同じく外宇宙から飛来した存在に憑依されて肉体を利用され、悪事に加担させられてしまった。また、ダークザギと同じくウルトラマンを模造した存在へと変身する。
ヘビクラ・ショウタ:『ウルトラマンZ』の登場人物。石堀と同じく、正体を隠して防衛チームに潜伏している正義とは言い切れない宇宙人。石堀とは違い、視聴者に対しては第5話という早い段階で正体が明かされた(当初は第15話で正体を明かす予定だった)。だが、最終的に彼は主人公達の味方に着いた。
アサカゲ・ユウイチロウ:『ウルトラマンデッカー』の登場人物。石堀と同じく当初は防衛チームの味方として振る舞っていたが、突如として本性を顕にするとウルトラマンや防衛チームの敵として立ちはだかった。
七嶋葵:『バトルガールハイスクール』の登場人物。石堀と同じくラスボスに憑依されており、悪事に加担させられていた。ダークザギと同じく厄介な存在を操るという共通点もある。