WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)をご存知ですか?
あなたの歴史観は根本から間違っているかもしれません
「一方的な『嘘』や『プロパガンダ』に負けないでください。そして、今こそ日本人としての『愛国心』と『誇り』を取り戻してください。そのために必要な『知識』を学び、それを堂々と主張できる『勇気』を持ってください。」byケント・ギルバート
概要
アメリカ合衆国カリフォルニア州の弁護士で、日本ではタレント・評論家としても知られるケント・ギルバート氏が執筆した書籍であり、2015年にPHP研究所から出版された。
在日アメリカ人として40年近く日本に住んでいおり、祖国であるアメリカと同等に日本を深く愛する愛日家として有名なケント氏が、両国の今後の未来を憂い、真により良い関係を築いていけることを願って執筆した作品である。
詳細
本書においてケント氏は、戦後の占領期にGHQ(連合国軍総司令部)によって、日本に施されたWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)によるマインドコントロールに日本人は洗脳され、『愛国心』と『誇り』を奪われてから約70年後の現在も、日本人がいまだ洗脳に縛られていることを指摘している。
また、それに乗じ近年行われているPRC(中国)や韓国の、日本への歴史・領土・在日外国人などの問題が、とんでもない嘘・捏造であり酷く悪質な反日工作・プロパガンダに過ぎないことを強く批判し、それに便乗している祖国アメリカの反日勢力についても批判している。
それでいて、日本と日本人に対し、反日勢力が行う一方的な『嘘』や『プロパガンダ』に負けず、今こそ日本人の祖国日本に対する『愛国心』と、日本の民族としての『誇り』を取り戻せるように、そのために必要な知識を学び、それを堂々と主張できる勇気を持ってほしいと訴えている(上述のコメント)。
WGIPが行われるまでの第二次世界大戦時代における各国の動向・歴史経緯なども解説されており、日米開戦の根本的な原因となったフランクリン・デラノ・ルーズベルトとヨシフ・スターリンの関係や2人が企てていた『世界ニ分割統治計画』や『日本分割統治計画』などのおぞましい野望、そのために後の『ベノナ文書』によってソ連のスパイであったことが判明したハリー・ホワイトにハルノートを試案させたことなどについても説明している。
本来、日本にWGIPによる洗脳を施したアメリカ側の人間であるハズのケント氏が、WGIPの詳細を解説しそれを批判する書籍を執筆・出版したことは大変な話題を呼び、本書は大ヒット作となり2016年には続編である『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』、『いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人』が出版された。
目次
- WGIPで失われた日本人の愛国心
- 韓国よ、あなた方こそ歴史に学んで恥を知れ
- 中国よ、「アジア諸国にとっての脅威」はあなた方だ
- 我が祖国アメリカよ、いつまで「反日プロパガンダ」を続けるのか
- わが愛する日本よ、そろそろ「洗脳」から解放されよう
関連動画
WGIP(ウォーギルトインフォメーションプログラム)
英語訳:War Guilt Information Program
略称:WGIP(ウォー・ギルト・プログラムあるいはウォー・ギルト・インフォメーションとも)
太平洋戦争(大東亜戦争)終結後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による、日本占領管理政策の一環として行われた、宣伝を使った洗脳工作・愚民化政策の一つの名称。
この名称は1980年代後半に江藤淳氏(文学評論家、大衆迎合に属さない復古的な保守派として有名であり日本は実質的に独立国家ではなくなっていると主張したことでも知られる)が「GHQの内部文書に基づくもの」として自著にて発表したことにより明らかとなった。
実際にこの政策を行ったのはGHQの民間情報教育局 (CIE)であるとされ、1948年(昭和23年)2月6日付に、「ウォー・ギルト・インフォーメーション・プログラム」との表題の文書で民間情報教育局からCIS・参謀第2部民間諜報局(G-2)宛てに発せられた。
この工作は一連の工作に関しては敗戦国に対するプロパガンダであり、マインドコントロールの一種とされる。
具体的には戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるため、新聞社などの国民の情報機関を占領して乗っとり、GHQへの批判や日本の擁護を一切禁止させ、日本や日本軍(まとめて軍国主義者)が悪かったという一方的な宣伝を行わせたとされる。
この政策は「日本の「軍国主義者」が何を行い、それに対し連合国はどう立ち向かったか」ということを宣伝するための行為である。このほかにも『プレスコード』と呼ばれる検閲(すなわち「何を伝えてはいけないか」という方面からの規制)などの行為なども同時に行われた。
これらの宣伝行為は、GHQにより政策自体は行われているものの、現代までアメリカの公文書としてWar Guilt Information Programと記述されたものが発見されていないとして、発表者である江藤淳氏の作り話だと一部においては陰謀論扱いされることがあった。
しかし、2015年に近現代史研究家の関野通夫氏が公式文書を発掘し、同年3月に出版された著作『日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお続く占領軍の心理作戦』(自由社ブックレット)に公式文書を写真で掲載し、同年の月刊『正論』の5月号にも掲載された。
具体例
新聞
昭和20年の12月8日(1941年の真珠湾攻撃の記念日)から、GHQの命によって全国の新聞社に「太平洋戰爭史」という連載記事が10回にわたって掲載された。
その内容は張作霖爆殺事件(1928年に発生した中国大陸の軍閥指導者の暗殺事件)からミズーリでの降伏文書調印式(昭和20年9月2日、これによりポツダム宣言、すなわち全日本軍の無条件降伏を含む全13か条から成る宣言の受諾は外交文書上固定された)までを題材とした「日本の悪行(過剰な表現等を含む)」をことさらに強調されたものであった。
書籍
GHQはさらに太平洋戰爭史を昭和21年4月に単行本化し(この時点で「聯合軍總司令部民間情報教育局資料提供」としている)た。
また、昭和24年2月に発売された随筆集「長崎の鐘」にマニラ大虐殺(フィリピンのマニラにて庄和20年2月から3月にかけて発生した戦闘により日本軍による民間人の大量虐殺が発生したというものである、これにより無防備都市宣言しようとした山下奉文大将が絞首刑となった。ただし、アメリカ軍の戦闘行為、すなわちマニラに対する無差別砲爆撃等による死者も馬鹿にならないことを隠ぺいするための陰謀であるという意見もある)に関する資料を掲載させた。
教科書
「修身、日本歴史及ビ地理停止ニ関スル件」を昭和20年12月31日に出し、それまでの教科書を回収、当然新しい教科書準備は間に合わないため、先の太平洋戰爭史を教科書として使用させた。
教科書の検問基準は5つあり以下の通りである
- 天皇に関する言葉で「現御神(あきつみかみ)」「現人神(あらひとがみ)」「大君(おおきみ)」などを扱ってはならない
- 国家的拡張に関する言葉で「八紘一宇」「皇道の道」「肇国の精神」などは扱ってはならない
- 愛国心につながる用語を記載してはならない(愛国心がタブー視されていく源がここにある)
- 日本国の神話の起源、あるいは英雄及び道義的人物としての皇族、これを扱ってはならない
- 神道や祭祀、神社に関する言及をしてはならない(神道指令)
実際に禁止されたものに、以下のものがある。
- 国民から尊敬される天皇の歴史を教えてはいけない(天皇の負の面しか教えてはいけない)
- 国民から尊敬されるような英雄を教えてはいけない(日本人に誇りや勇気を教えてはいけない)
- 「我が国」という言葉を使ってはいけない(日本のことは「この国」としか呼んではいけない)
ラジオ
ラジオにおいてGHQ配下のCIEが作成した「太平洋戰爭史」を劇化した「眞相はかうだ」を昭和20年12月9日より10回にわたって放送させた。この番組はGHQが作成したことを隠匿していたため、この放送を行ったNHKに問い合わせ等が殺到したとされる。そこでCIEは反響を利用して新たな番組「眞相箱」や「質問箱」を作成し、昭和23年まで放送させた。
プレスコード
上述の通り、「何を伝えさせるか」という積極的な政策を行ったわけであるが、そのほかにも「何を伝えさせないか」という政策も同時に行われた。その中でも有名なものが、通称『プレスコード』と呼ばれる検閲である。
この『Press Code for Japan』と呼ばれ、日本名を『日本に与うる新聞遵則』という。この検閲は新聞のみならず雑誌や書籍などにも適用された。さらに放送においては日本放送遵則(英名:Radio Code for Japan)という同様の規制が存在した。
日本を占領したダグラス・マッカーサー元帥が1946年元日に声明を出す以前の1945年9月10日に『新聞報道取締方針』『言論及ビ新聞ノ自由ニ関スル覚書』を発令し、報道の自由と裏腹に、GHQ及び連合国批判および大東亜戦争の被害に関するものの報道を一切禁止させた。
更に9月21日より、日本における出版に対して検閲を行うことを定めた日本に与うる新聞遵則が成立し、第二次世界大戦中の検閲と異なる点は「削除の形跡が残らないこと」であったとされる。また30項目の記載してはならない点があった。
GHQが定めた30項目の報道規制(プレスコード)
- SCAP(連合国軍最高司令官もしくは総司令部)に対する批判
- 極東国際軍事裁判(東京裁判)批判
- GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判
- 検問制度への言及
- アメリカ合衆国への批判
- ロシア(ソ連)への批判
- 英国への批判
- 朝鮮人への批判
- 中国への批判
- その他連合国への批判
- 連合国一般への批判(国を特定しなくても)
- 満州における日本人の取り扱いについての批判
- 連合国の戦前の政策に対する批判
- 第三次世界大戦への言及
- 冷戦に関する言及
- 戦争擁護の宣伝
- 神国日本の宣伝
- 軍国主義の宣伝
- ナショナリズムの宣伝
- 大東亜共栄圏の宣伝
- その他の宣伝
- 戦争犯罪人の正当化および擁護
- 占領軍兵士と日本女性との交渉
- 闇市の状況
- 占領軍軍隊に対する批判
- 飢餓の誇張
- 暴力と不穏の行動の扇動
- 虚為の報道
- GHQまたは地方軍政部に対する不適切な言及
- 解禁されていない報道の公表
この検閲により7769冊もの書籍が出版されることなく没収され、焚書された。また、GHQ自体、あるいはその付属者や外国人などの悪事も報道されることがなかった。
この検閲における削除および発行禁止対象はアメリカ国立公文書館の資料に残されている。
その他の政策
そのほかにも日本人に対する「これまでやってきた戦争がが邪悪なものである」ということを証明する宣伝等を行ったとされる。
昭和20年12月15日、国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件を発表、これにより「大東亜戦争」や「八紘一宇」などの「国家神道、軍国主義、過激なる国家主義を連想する」言葉が使用禁止となり、神祇院(昭和15年に作られた国家機関)が解体され、国家神道(神道的な実践を国民統合の支柱とするシステム、この神道的なものは宗教かどうかは諸説あり)が廃止された。
昭和21年1月4日に公務従事に適しない者の公職からの除去に関する件を発表し、『公職追放』を行った。多くの公務員が一斉に職を追われ、その空いた席に、戦前は逮捕されていた過激な左翼思想者や、ソビエトなどで共産主義思想を叩き込まれた者たちが入り込んでいった。
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これらの政策の影響
占領中は、これら日本を占領した連合国、特にアメリカ合衆国により、「戦争は犯罪である」という考えおよび「平和第一主義」などの考え方を植え付けられた。
その影響はその後の世界情勢、特に冷戦などに対してアメリカ合衆国にもかなりの悪影響を与え、現代にまで残ってしまっている。
原因
これら一連の占領政策については、連合国における日本占領の際、憎しみを感じたのは敗北した日本軍ではなく、占領軍であったことが手紙の検閲等で明らかになり、また、当時の日本人には戦争に対する贖罪意識はなく、ただ敗戦に関してはアメリカなどの産業、科学の劣性および原爆の所作であると思っていたたしい。
また、アメリカ合衆国をはじめとした連合国は東京大空襲や原爆投下で日本の罪無き民間人を大勢虐殺したため、こういった宣伝工作で自国の正当化を図る必要があったものの、南京大虐殺およびマニラ大虐殺はそのために過剰に宣伝されたものであるとされ、東京裁判において突然出てきたため当時南京にいた人々も身に覚えの無い話に驚いたという。
この状況では日本の占領に対して不都合であると考えたため、いわゆる正しい歴史認識を染み渡ら、戦争を起こさせる気力を奪い、そしてその後の統治を楽にするためにこの行動をとったと思われる。
余談
戦後、このWGIPによって、日本は大きく弱体化してしまったが、それで勝戦国扱いとなった連合軍側が何か得をしたのかというと、実はそうでもなかった。
日本が弱体化した結果、ソビエト連邦(ソ連)によって東欧のみならず中国大陸にまで共産主義の蔓延による共産化を招き、世界を二分する東西冷戦(冷戦)の構造を作り出してしまったのである。
アメリカとソ連の対立(米ソ冷戦)を軸に、アジア諸国や中東諸国などで代理戦争(朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガニスタン侵攻など)が勃発し、ソ連崩壊後もなおシリア内戦などの代理戦争は続き、中国が南シナ海の利権を奪おうとアメリカの友好国であるベトナムやフィリピンに圧力をかけていることから、米中冷戦という構造も出来てきている。
そもそも当時の日本は、ソ連が南下して大陸に入ってくるのを防ぐ役割を担っており、国土防衛も兼ねて満州・朝鮮・支那に軍を駐屯させていた。
日中戦争(支那事変)が始まった年である1937年10月には、当時のローマ法王で平和主義者として知られるピウス11世(ピオ11世)が、日本の行動に理解を示し、
「日本の行動は、侵略ではない。日本は中国(支那)を守ろうとしているのである。日本は共産主義を排除するために戦っている。共産主義が存在する限り、全世界のカトリック教会、信徒は、遠慮なく日本軍に協力せよ」
といった内容の声明を出し、全世界のカトリック教徒に対し日本軍への協力を呼びかけている。
もともと日本は明治維新以降ずっとアメリカに友好的な親米国だったのだが、第一次世界大戦の戦後処理のために開かれた『パリ講和会議』において、日本が「人種的差別撤廃提案」を唱えた以降、植民地の利権が奪われると感じたアメリカ側が、一方的に日本を敵と見誤って叩いてしまったのである。
未来を見据えずに目先の利益に目が眩んだ結果とも言える。
参考書籍
著述書
- 戦後 歴史の真実(著:前田徹 出版:扶桑社文庫)
- 日本が戦ってくれて感謝しています アジアが賞賛する日本とあの戦争(著:井上和彦 出版:産経新聞出版)
- 中国・韓国が死んでも隠したい 本当は正しかった日本の戦争(著:黄文雄 出版:徳間書店)
- 日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと(著:高橋史朗 出版:致知出版社)
- 日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお続く占領軍の心理作戦(著:関野通夫 出版:自由社ブックレット)
- まだGHQの洗脳に縛られている日本人(著:ケント・ギルバート 出版:PHP研究所)
漫画
関連動画
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外部リンク
wikipedia
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