∈(当)∋<なめたらあかんでよ!
概要
『トランスフォーマー』シリーズに多く登場するが、技術者かどうかは結構ばらばら。
G1、スーパーリンク、プライムでは基本的に黒あるいは灰色の頭部に特徴的なレーダー状の耳とマスク、そして白をベースとした赤と緑のアリタリアカラーの車体が特徴。
G1
初代アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』ではサイバトロン軍団の発明家にしてエンジニア。
ただしマッドサイエンティストかつトラブルメーカーの肩書きがより正確である。
「吾輩」が一人称で、喋ると何故か耳が光って、ガニ股歩きで、さらに声の人が大阪出身だったために、たまに関西弁を織り交ぜて喋るというキャラづけまで途中から追加されたという、サイバトロン屈指の個性を持つオッサン。
彼の作るものはどれもこれも科学的にすごいものばかりで、セイバートロン星にある彼の研究所はストーリー内で敵味方関係なく妙に重宝されるなど、発明家としての腕が信用されている事には間違いない。
だが、人間の意識をロボットに移す、物体を氷結静止させる、標的を跡形もなく抹消する、登場する度にほとんど毎回基地を破壊するお馬鹿集団を作り上げるなど、味方にとって迷惑極まりない損害を与えてしまうものばかり作る。
しかし彼自身に悪気は全くまったくない。むしろ懲りない悪びれない。
もちろんサイバトロン戦士としての正義の心は持ち合わせており、身を挺して仲間を逃がすため孤軍奮闘したこともあったし、また、後年ダイノボットのとあるメンバーが宇宙の救世主になったこともあって、ある意味、間接的に宇宙を救ったとも言えよう。
……だから、それ以外の事は大目に見てあげてほしい。たとえ味方がどんな迷惑を蒙っていたとしても。
発明品の数々
マインド転送装置
意識を一時的に移す装置。
スパークプラグがサイバトロンのスペアパーツで作ったサイバトロンXに負傷したスパイクのものを移すのに使われた。自らをフランケンシュタインの怪物に重ね合わせたスパイクは大騒ぎ。
何とか騒ぎは収まったものの、ホイルジャックは性懲りもなくロボットの意識を人間に移すことまで考える。実際に研究して、後にクロスオーバー編のキャラが悪用した可能性もセキュリティのなさを考えると、なきにしもあらず。
イモビライザー
光線を当てた物質を完全に凍結させてしまう兵器。
ホイルジャック自身が凍結させられた上、デストロンに奪われやりたい放題されてしまう。改造はとても簡単なようで、カーリーですらいじくれてしまう。
ネガベイター
戦車に似た姿をしており、光線を当てた相手を消滅させてしまうという、ホイルジャックの発明の中でも特にヤバイ代物。デストロンが難なく入れる点でも。
デストロンと奪い合いになった挙句、アラートの手によって自爆。
ホイルジャックお手製の恐竜型トランスフォーマー部隊。
変形すると飛び道具をことごとく無効化する、パワーは劇中においてほぼ最強などと無類の強さを誇るが、頭が猛烈に悪く、漏れなく味方も迷惑を被るのがお決まり。
ただし、話が進むにつれて愛すべきバカへと変貌していった。また、彼らの活躍でサイバトロンや宇宙全体が救われたこともある。
初代アニメ以後
そんな彼もユニクロン戦争(ザ・ムービー)にて、自分の発明が爆発して仲間を巻き込ながら戦死してしまう。良いおっちゃんだったのに……黙祷。
…と思いきや、後年の『トランスフォーマーV』では何の前触れもなく生き返ってパーセプターやミネルバと共にゲスト出演を果たしており、戦死したゴッドジンライをビクトリーレオへと生まれ変わらせた。
当時の日本では『ザ・ムービー』が諸事情により公開されておらず、ホイルジャックが行方不明だからこそ実現したことかも知れない。
しかし、(声優が代役なのは置いといて)声質が若者っぽく、『ザ・ムービー』の亡骸共々そっくりさんだという説も持ち上がっていた。
これについて「LG-EX ビッグパワード」商品ページに掲載されたコミックでは、ザ・ムービーと分岐したバイナルテックの世界から迷いこんだホイルジャックが滞在するときに使ったボディであり、TFの生命の研究のために、自分の体からスパーク=魂を一時的に取りだしたせいで記憶喪失になったことが(公式設定かは不明だが)明かされた。
玩具
『ダイアクロン カーロボット』の仕様変更品で、ツインアイではなくスリット状となっていたり、肩のキャノン砲が1門多く装備されている(計2門)などアニメと異なる。
ホイルジャックの基となったアリタリアカラーver.の他にも頭部の造型やカラーリングの異なるマルボロver.が発売されていた。
このマルボロver.は当時の『トランスフォーマー』シリーズのラインナップには組み込まれなかったものの、ハイエイジ向けの『マスターピース』では同シリーズのホイルジャックの仕様変更品としてマルボロver.の色彩と造形を再現し、「デストロン産業諜報兵・エグゾースト」という新たな性格や背景が与えられ発売された。
スーパーリンク
(※イラスト右)
CV:保村真
『スーパーリンク』ではスプラングのお供の一人として登場したサイバトロンの戦士。レーシングカーに変形。
G1の様に周囲に迷惑をかける事はないが、格好付けたがりな性格でナルシスト、おまけに「ホイルジャア〜ック」「トゥ↑ランスフォ〜ム」などと喋り方がやたらとわざとらしい。
でも姿形はホイルジャック。ただし喋っても耳は光らない。
海外版『Transformers: Energon』では前作『Armada』にホイルジャックの名を冠するTF(和名:ランページ)が既に登場していた為、ダウンシフトという名前になっている。
実写映画版
CV:辻親八
実写版3作目『ダークサイド・ムーン』に登場。メルセデスベンツE550クーペに変形。武器はスナイパーライフルなど。
劇中ではキューと呼ばれているが、キャストにはしっかりと「WheelJack」名義で記載されている。
胡散臭い発明品を作ったり、それがやたら性能が高いところはG1と同じだが、態度や物腰は似ても似つかない落ち着きのある老齢な科学者といった雰囲気。またその発明品は、スタースクリームを倒した上にそれを使った手法を元に米軍が戦果を挙げている。
劇中ではサム達に発明品を託した後にビーと共に捕まるが、サウンドウェーブから「戦利品」扱いされ、必死に降伏の意思を伝えようとするも殺害されてしまう。
小説版でもやはり最後には殺されてしまうが、こちらはオプティマスらと共に進軍中敵の罠にはまり橋から転落。川底で待ち伏せていたディセプティコン兵士数体と交戦するが、水中で思うように身動きがとれず、身体をバラバラに引き裂かれてしまう。だが、映画よりも戦績を挙げており、前述の最期も味方を巻き添えにしたくないと敢えて助けを呼ばず戦い抜こうとした末のものであり、オートボットの中でも特に周囲に好意的に接する彼らしい選択とも取れる。
ちなみに顔のデザインはかのアインシュタインがモデルらしいのだが、カラーリングやデザイン構造のためかどう見ても髑髏っぽく、T-800の様にも見えてしまう。
また、アインシュタインと違い頭頂部がハゲていることや、眼鏡の部分が比較的気付かれやすいのに対し、その下にある口髭部分が分かりにくい。そのため一部からは「志村けん」とも例えられたり…
プライム
CV:泰勇気
『プライム』では、従来の技術者から侍のような剣術使いに設定が改められた。初登場した際に「二刀流でディセプティコン兵士を次々と打ち倒す」シーンは多くのホイルジャックファンを唖然とさせたに違いない。
通常時は口が露出しているが、戦闘時になるとマスクを装着して戦うのも変更点の一つ。
愛称は「ジャッキー」(但し、原語版における愛称)。元レッカーズの一員で、かつての戦友であるバルクヘッドとは仲がいい。
原語版は粗暴な言動が目立つ荒くれ者だが、日本版では武器から連想したのか一人称が「拙者」であり、会話の語尾に「~で候」と付けて話す。
荒くれ者だが決して馬鹿ではなく、戦闘では刀の他にもグレネードを最大限活用した頭脳プレイを用いることも多い。
身内意識が非常に強く、レッカーズと認定した者には非常に気さくだがそれ以外には露骨に態度が悪くなる問題児。ここで言う「レッカーズ」とは実際に所属していたかどうかではなく、彼なりの「レッカーズ魂を持っているかどうか」という基準に合うか合わないかを指す。逆に言うと、一度レッカーズと認めた者には徹底してデレるツンデレ気質である。
自身の偽物騒動で初登場し、バルクヘッドと再会するがチームプライムには合流せずかつての仲間を探すために地球を後にした。
しかしその旅の道中で出会ったシースプレーをドレッドウィングに殺され、仇として追っていたところを図らずも地球に再び辿り着く。
後に明かされるレッカーズ解散の経緯からオートボット上層部に強い不信感を抱き、オプティマスのことも快く思っていなかったが、オプティマスに助けられて和解し、以後は地球に滞在するようになる。第32話のラストでスポーツカーをスキャンしてトランスフォームするようになった。
その後もチームに合流して活動することはなく気ままな一人旅を続けていたが、アイアコンの遺産争奪戦でラチェットを援護したり、ミコと共にバルクヘッドに重傷を負わせたハードシェルに復讐を挑んだりした。
最終話では愛機スターハンマーでチームの援護に向かうも、多勢に無勢で、スタースクリームに撃墜された。
※以下、海外独自シリーズ『ビーストハンターズ』に関するネタばれ注意※
『ビーストハンターズ』において一旦はディセプティコンの捕虜になるも、脱獄に成功しチームプライムに合流する。
だが、かつてレッカーズ解散のきっかけとなったウルトラマグナスが加わったことで事あるごとに衝突して、必死で仲を取り持とうとするバルクヘッドにも当たり散らして決裂、遂には再び一匹狼に戻ろうとする。
その後任務を共にしたアーシーとの語らいで、その本心はウルトラマグナスへの嫌悪よりも、ホイルジャックから見ると何かとウルトラマグナスの肩を持ってすっかりレッカーズ魂を錆びつかせてしまったバルクヘッドへの苛立ちのほうが大きかったと吐露。アーシーに人は状況に合わせて変わっていかなければならないことと、それでもホイルジャックとバルクヘッドの絆は変わらないことを説かれ、自らの感情に折り合いをつけることができた。
ウルトラマグナスとも、その後のプレダキングとの戦いで共闘した事で、敗北はしたがその勇敢な戦いぶりにレッカーズらしく戦ったとレッカーズ認定、和解した。
なお今シーズンからウルトラマグナスが所有していたエナジーウィップを使用するようになる。
合流によってか、アクションシーン等見せ場も多い。
サイバーバース
CV:上田燿司
オートボットの技術者。髭面に見えるような顔のデザインが特徴。日本語版では鹿児島弁で話す。
初代アニメと同じく様々なアイテムを生み出す優秀な技術者で発明家だが、その発明がオートボットにも大きな被害をもたらしかねない騒動を起こすところまで共通している。
シャッタード・グラス
善悪逆転世界でもやはり彼はマッドサイエンティストだった。
自身の研究を嘲笑ったオプティマスプライムに対してダイノボットを作り出し反逆。
その後もステラースパンナー(次元転送装置)を造り他の世界に侵入したり、SG世界のウルトラマグナスの脱獄を手引きしたりと、極悪さも兼ね備えている。
カラーリングは、海外でのみ展開された玩具シリーズ『アクションマスター』のG1ホイルジャックの塗装を変え、ヨーロッパ限定で販売された、「ディセプティコン全面攻撃兵士スライサー」という超がつくほどマニアックな玩具がモデル。そのスライサーともボットコン限定コミックで出会い(前述の他世界への侵入の際)、所属が違う事を除けば姿かたちも瓜二つな二人が揃った瞬間が描かれた。
キュートランスフォーマー
CV:福島潤
『キュートランスフォーマー』ゲームアプリのCM及び、第6話のゲストキャラクターとして登場。
ロボット・ビークル両形態ともG1の姿を継承しており、ランチア・ストラトスターボに変形。G1で時々関西弁で喋った為か、本作ではバリバリの関西弁口調である。
ゲームアプリ『帰ってきたコンボイの謎』の開発スタッフの一員であるらしく、可愛いキャラクターと簡単な操作性にアレンジしつつ、ゲーム自体は敢えて鬼畜難易度に設定しギャップを強調したと暴露しており、ある意味本作の真の黒幕とも呼べる存在。
なお、最終回において番組中のテロップで…
“【ホイルジャックからのお知らせ】
なんやうるっさいメガトロンからの提案を受けてやな
せっかくの難易度を下げたおもんない“スペシャルステージ”を
アップロードしたりましたわ。
ついでにステージボスにはロックダウンのボケがやかましいさかい
“あのキャラ”も用意したりましてん!
ゲームアプリ画面トップページの「キュートランスフォーマー」ロゴを
9回タップすると遊べますさかい興味ある人は遊んでみてや!∈(当)∋ ”
…とステージ追加の報告が記載された(原文ママ)。
…ディセプティコンの方がマトモにみえるんですがそれは…
その他
- 『アニメイテッド』ではオートボット科学庁の一員で、研究のために自分の体を16342回も傷つけたというある意味G1よりもマッドサイエンティスト。本編にはラチェットの回想シーンでセリフ無しで登場した為、ほとんどモブ状態だった。
- 『ユナイトウォーリアーズ』にてスクランブル合体を備えた。スカイリンクス、ハウンド、ラチェット、トレイルブレイカーと合体してリンクスマスターが完成する。