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多面体の編集履歴2020/01/30 00:34:05 版
編集者:テョ
編集内容:少し追加。

概要

立体の一種で、頂点)と直線)と平面で構成されている。

円柱のような曲面を持つものは含まれない。

最小の多面体は四面体三角錐)であり、4つの頂点と4つの三角形から成る。

多角形三次元版であるが、多角形は頂点の数と辺の数が常に等しいため「n角形=n辺形」であるのに対し、多面体の場合は頂点の数、の数、そして辺の数がだいたいバラバラ

例え頂点・面・辺の数が全て等しくとも、全く違う構造となる事さえある。

英語ポリヘドロン(Polyhedron、複数形はPolyhedra)。

3DCGにおける同様のものはポリゴン(Polygon)と呼ばれがちだが、ポリゴンは多角形の事であり、ポリヘドロンを表現するためのパーツを意味している。

星型八面体のように複数の多面体に分解できる場合は、多角形の六芒星などの場合と同様、通常は多面体には含まないとされる(参考:正多面体と正多角形の多義性 - Polyhedronの日記)。

頂点同士でのみ繋がってる場合は不明だが、これも省くとなると、多面体の条件として「全ての面が辺同士での接続によって陸続きになっている事」という感じのものも加わると考えられる。

また、通常は全ての辺にきっかり2枚の面が集まった形となっている。

四次元版は多胞体と言い、多角形、多面体などもまとめてポリトープと言う。多面体は三次元におけるポリトープである。

多面体における「辺」の類義には「」が存在し、そう言った場合には、辺の両脇の面が成している(二面角)を含んだ意味合いが強めになる。

稜は一方で、Wikipediaによればポリトープにおけるn-2次元要素を意味する事もある(要出典扱いされている)。

主な多面体

※定義や名称に揺れが多いため注意。

角錐・角柱系

角錐や角柱は、共にどんな多角形に対しても考える事ができる。

各々、錐体・柱体の一種としての側面も大きい。

双角錐と角錐台も同様である。

一方、反角柱と反双角錐については、正多角形以外を底面とした場合の定義が不明となっている。

これらには、角錐に対する錐体のような拡張概念的なものは無く、あくまで多面体の枠組み内のものとなっている。

いずれも正多面体と密接であり、正四面体なら角錐の一種であるし、立方体は角柱と反双角錐の一種、正八面体は双角錐と反角柱の一種となっている。

立方体と正八面体が双対であるように、角柱と双角錐、反角柱と反双角錐も双対となっており、角錐は自己双対となっている。

正十二面体と正二十面体も、反双角錐・反角柱に少し手を加えたものの一種となっている。

角柱と反角柱は、底面も側面も全て正多角形である場合に特殊な呼び名が存在し、それぞれ「アルキメデスの角柱」「アルキメデスの反角柱」と言う。

これらは文字通りアルキメデスの立体(半正多面体)の性質を満たしているが、無限に種類が存在する都合によるのか、通常はこれに含まれない。

双角錐と反双角錐は、底面が正多角形で傾いていない場合はサイコロに向き、特に後者は10面ダイスでやや有名。

いずれも目の数があらゆる偶数の場合に利用できるが、面の部分が上を向くか否かの都合により、目の数が単偶数(4n+2)である場合は反双角錐の方が向き、全偶数(4n)である場合は双角錐の方が向く。

菱形多面体

この呼び方は、検索候補には挙がるものの正式名称としては見当たらない。

ここでは「菱形のみで構成される多面体」と解釈して記述する。

無数に存在しているが、代表的なものとしては以下がある。

この場合の「菱形~」は「りょうけい~」とされている例がネット上では多く見られるが、「ひしがた~」としている書籍も無きしも非ずとの事であり、一方で凧形二十四面体などは普通に「たこがた~」とされており、どちらが正しいか未だはっきりしない部分もある。

ゾーン多面体

全体も構成面も点対象であるような凸多面体。

平行六面体や正六角柱、等面菱形多面体、および半正多面体の内の偶数角形のみで構成されているタイプなどが該当。

結果として、向かい合う面同士が平行移動で一致するような性質を持つ。

英語はZonohedron。

「向かい合う辺同士が平行な多角形のみで構成される多面体」という説明がなされる事もあるが、この説明では、向かい合う辺が平行なあらゆる偶数角形を底面とした角柱や(六角形以上の場合、向かい合う辺が平行でも、長さが等しくなるとは限らない)、切頂八面体などの切り込みの深さが異なるバージョンも該当する事になってしまうため注意が要る。

また、「向かい合う辺が平行な多面体」というだけでは、正八面体も該当して来る事になるが、正八面体はゾーン多面体には含まれない。

非凸な場合に対してもこの表現が用いられることがある。

面の数による分類

多角形と同様、多面体にも五面体八面体のような分類の仕方も存在しているが、先述のように面の数は多面体の一要素に過ぎないため、多角形の場合とは異なり、このような分類の意義は薄め。

八面体と言った場合には、正八面体の略という意味合いとなる事もままある。

頂点の数や辺の数による分類も可能であるが、名称は不明。

n面体の場合、n辺形(=n角形)の三次元版という見方ができるが、n角形の場合はどんなものでも頂点の位置を変えれば正n角形になるのに対し、n面体の場合はそうとは限らない。

例えば、四角錐も三角柱も五面体であるが、片方の頂点の位置をどう変えても他方にはならない。

これはグラフ理論的な構造の違いによるもので、これによって四面体は1タイプ、五面体は2タイプ、六面体は10タイプに分けられており、八面体では凸型だけで257タイプとなるという。

前述ように、頂点の数と辺の数が一致してても同じタイプであるとは限らず、七面体以上になると、含まれる多角形の種類と数が同じであっても、タイプが異なるというケースも出て来る。

切頂四面体三方八面体のように、名前にn面体と付きながらn面体では無いようなものも存在するが、そういう場合は大抵「正n面体に対して何かしらの操作を行って出来たもの」を意味している。

双対関係

立方体の各面の中心を結ぶと正八面体になり、正八面体の各面の中心を結ぶと立方体に戻る。

このように立方体と正八面体は表と裏陰と陽のような、「まさに双対!」という関係にある。

本当に双対関係と言い、片方を片方の双対多面体と言う。

英語ではデュアル(Dual)。

同様の関係は正十二面体と正二十面体の間にもある。

正四面体の場合は自分自身が双対であり、こういう性質を自己双対と言う。

ただし、これ程綺麗な関係は双対関係の中でも特殊なものであり、通常はこのような簡単な方法では双対多面体は得られない。

あくまで最も解り易い例である。

双対多面体においては、面の数と頂点の数、構成面の角数と頂点に入る辺の数とが入れ替わっており、辺の数は同じである。

この辺りはグラフ理論や電気回路にも密接に関わっており、これらにも同様の双対の概念が存在している。

電気回路の場合、双対となる回路では、抵抗の値が逆数となる他、コンデンサコイル、電圧源⇔電流源といった反転も起こる。

ただ、グラフ理論や電気回路の場合は長さや角度の概念が無いのに対し、多面体の場合は一般的に、長さや角度なども考慮せねばならない。

ジョンソンの立体のように対称性が乏しいものになって来ると、それが困難になるためか、双対多面体の存在は語られなくなって来る。

陰陽説の時代には知られていなかったためか、どちらがでどちらがなのかの定まった見解は今の所見られない。

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