真田幸村
さなだゆきむら
概要
本名は真田信繁(さなだ のぶしげ)。 父は謀将として知られた真田昌幸、兄は名藩主として知られた真田信之(信幸)。父と共に度々徳川家と相対した。その戦いぶりや結末から「日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)」と評された。
ただし大阪の陣以前ではこれといった活躍は記録されておらず、現在の「真田幸村」は後世の創作によって盛られた、独自のキャラクターといっていいほどに史実とはかけ離れてしまっている。
史実における真田信繁については当該項目参照。この項目では講談等で有名になった「真田幸村」について語るものとする。
一般には「幸村」の名は1672年成立の『難波戦記』が初出とされ、その後『真田三代記』等講談で広まってついには真田家本家たる松本藩の公式記録でも「幸村」として記録されるようになったという(平山優,2015『真田信繁』)。平山は否定的だが、高野山蟄居後に幸村と改名したという異説もある。
創作において
主役級の扱いである事が多く、戦国時代をテーマにした作品には度々登場しており、いずれも武将の能力的には超一級という扱いである(戦闘力、智謀の分野ではトップクラス。魅力も高い傾向にあり義理も固い、低いのは政治の分野)。
ゲーム、アニメ、大河ドラマ等でも「幸村」名義での登場が非常に多い。と言うより、信繁名義で登場する作品がほとんど皆無と言って良く、出たとしても精々「真田幸村(信繁)」のような表記で出ることが多く、それどころか正史準拠で語られるTV番組や歴史的史料な本でも「幸村」と書かれることが多い(信繁の知名度が幸村に比べて低いこともあり、商売的に幸村の名前を前に出した方が売れやすいという面もある)。
関ヶ原の戦いや大坂の陣を扱った架空戦記では、「架空故に史実を無視している事を前提としている」とはいえ、石田三成や大谷吉継やその子弟、直江兼続等と並んで大活躍することが多く、徳川家康を最大の怨敵として扱う等、とにかく判官贔屓的に持ち上げられる傾向がある。また、その結末も、最終的に勝利して真田家の当主となる、家康を討ち取るなど、優遇された展開が非常に多い。
作品によっては、関ヶ原や史実の初陣とされる小田原攻めどころか、本能寺の変や長篠の戦いにまで至っていない時期(三方ヶ原の戦いや桶狭間の戦い等。前者は1573年、後者は1560年に起きた戦いで、特に後者は生まれてすらいない)の作品においてまで、真田家総大将としてバリバリに活躍するなんて有り得ない展開もあり、史実年齢に関しても思いっきり無視されていたりする(三成や兼続とは7つも年下で、2人の存命時は大名や武将どころか馬廻り衆の一人に過ぎない為、本来なら対等な友人関係にはなり得ない)。
ここまでして真田幸村が厚遇されるのは、戦国物の作品の制作側が「戦国物と言ったら、やっぱり真田幸村が必要不可欠だろ!?」というある種の暗黙のルールがある故なのかもしれない。
そんな中、戦国無双シリーズの最新作である『5』では、「応仁の乱が描かれる」という時期を忠実に再現した設定から、初めて真田幸村の登場しないナンバリング作品となったのだが、これまでの人気シリーズからは考えられない位の不人気作品となってしまった。
2ちゃんねるにおける歴史系もしもスレなどでは関ヶ原で勝利した結果出世し、大大名となる、徳川方についた信之と戦いその強さに圧倒されるなどの展開も存在する。
真田幸村(創作)
戦国BASARAシリーズ
CV:保志総一朗
詳しくは真田幸村(戦国BASARA)を参照。
関連タグ
戦国BASARAシリーズ 戦国BASARA真田幸村伝 真田黒村 弁丸 天覇絶槍
甘味処「六文銭」:犬若あかね(アルカナハート)※他作品とのカップリング。
戦国大戦 ※封入特典のEXカードとして戦国数奇枠で参戦。
殿といっしょ
CV:前野智昭
髪の毛で目が隠れ、口数の少ない無表情で、今までにない(むしろ史実通りの?)幸村像が描かれた。仇名は「『働かないのに子だくさん』のムラ」。父・昌幸と組んで兄・信之とその家庭(及び江戸幕府)を掻き乱したり、たまに話す辛辣な台詞で困らせる。父からは「ユッキー」と呼ばれている。祖父・幸隆と髪の毛の色以外、姿・性格・言動も瓜二つで同一人物かもしれない場面もある。ちなみに息子・大助は昌幸の顔に信之の金髪をのっけただけの外見。
へうげもの
CV:佐々木啓夫
作中では史実に基づき「幸村」ではなく「信繁」。つながり眉毛。多くの間者を有する調略の名手。豊臣秀吉に仕え、九州攻めに同行。古田織部から戦功とは別のある頼みをされ、部下の間者を貸した。
歴史大戦ゲッテンカ
CV:田中真弓
熱血少年で口癖は「スーパー!」左頬にバッテン傷がある。六文銭のついた赤いヘアバンドに赤いサロペットを着用し、ワラジのようなスニーカーをはいている。右肩にだけ鎧がデザインされ、現代と戦国を混ぜたようなデザインのキャラクター。常に強いやつを求め戦っている。
関連タグ
信長の野望シリーズ
戦闘面においては最強クラスに入り、謀略面で最強の父昌幸、祖父幸隆と共にチート一族の名前を欲しいままにしている。パラメーター的には上杉謙信に劣るが、それぞれの活動時期がややずれる為、両雄が激突するという展開を見るのは史実シナリオ的には難しい。ついでに言えば、本作の主人公でもある信長と活動していた時期はほとんど重ならないため、1550年代を扱ったシナリオでのプレーでは登場することの方が稀である。
初登場は「戦国群雄伝」のシナリオ2の武田勝頼軍。時は1582年、長篠の戦いを経てまさに武田家滅亡(このシナリオでの信長は全国の過半以上を占めており、負ける方が難しいくらい)寸前だが、昌幸と幸村がいるおかげでなんとか戦えるという状況である。
作品によっては真田十勇士が登場する展開もある。
BRAVE10
上田城の城主。主人公・霧隠才蔵の使える主君。十の根源の力を持つ「十勇士」を捜している。豪放磊落としたスケベなオッサンだが、智将の名は伊達ではなく(伊達も出ますが)口が回る策士。夜の方も歴戦のくノ一をやりこめる(相手の演技の可能性も高いが)ほど達者。兄・信之を滅茶苦茶恐れている。同じ豊臣方である石田三成や直江兼続とは親友同士。
ガンリュウ
主人公であるガンリュウ=佐々木小次郎が身を置いていた紀州の武家屋敷の長。豪放磊落としたスケベなオッサンだが、智将の名は伊達ではなく…いや、伊達は出ませんがね、このマンガ。かつて自らの命を奪いに来た猿飛佐助を説得し、本当の息子のように可愛がっている。
戦国SANADA紅蓮隊
平松伸二によるこの漫画では主人公を務める。また、近年の説に基づき、「信之よりも少しだけ早く生まれたため『源次郎』の名を受けたが、母親が妾だったため名目上は信之の弟として育てられた」という設定が取られている。本人のリアルファイトとしての戦闘力も服部半蔵とガチで渡り合えるほど高く、徳川兵が打ち込んできた矢の雨を全て切り払って進むなどの人間離れした描写がある。
真田魂
主人公・真田昌幸の次男坊で、二代目主人公となることが示唆されている。はっきり言ってチート以外の何物でもなく、幼くして恐ろしい程のハイスペックを誇る末恐ろしい少年で天が贔屓したかのごとき存在。それ故に昌幸からは「有り余る才能故に家を滅ぼしかねない」と危惧されていた。
- 熊を棒切れ一本で倒し、落差192mの崖を神社の石段でも上るかのようにひょいひょい駆け上り、ワンパンで鎧をへこませるほどの身体能力
- 思い立ったら即行動する思い切りの良さ
- 真綿が水を吸うかのように知識を吸収していく好奇心と記憶力
- ウィットに富み明るく人懐っこい性格
- おまけにイケメンで女の子にモテモテ(後の正室・竹に関してもグイグイ行っている始末)
上杉景勝、豊臣秀吉の下を転々とする中、その溢れる好奇心故に戦場に出たくてたまらないという鬱憤を溜め、黒田官兵衛・小早川隆景・佐々成政ら先輩方に対しても敬意より先に戦闘欲が湧くというサイヤ人ぶりを発揮している。底抜けに明るい性格ゆえに秀吉からは年の離れた友人のように敬愛されているものの、一を聞いて十を知るような目ざとさ故にちょくちょく拍子抜けを喰らい、年長者としての格を示す機会が得られずにいる。
NHK大河ドラマ
絶大な知名度と人気を誇る割に、意外にも幸村や真田家が単独で主役になった大河ドラマ作品は2016年までなかった。(『真田太平記』は「NHK新大型時代劇」シリーズ)それでも、徳川家康が絡んだ作品ではほぼ確実に登場しており、誰が主人公かと疑いたくなるほど終盤の見せ場とばかりに本陣突入シーンを描く事が多い。
真田丸/2016年
演:堺雅人
本作の主人公。性格は実直な兄・信幸とは対照的に大胆不敵、戦では様々な奇策を提案する。ただし父・昌幸曰く「面白いが勘に頼りすぎる」と評されており、その言の通り失敗することも多いが、そうした出来事を経て成長していく。
劇中での動向は大まか史実通りであるが、豊臣家に人質に出された際に秀吉に気に入られ、馬廻衆に取り立てられて、豊臣政権の運営に携わる事になる。そして、茶々や石田三成、大谷吉継との出会いが信繁を大きく成長させていき、更には豊臣家への忠誠を確固たるものとさせていく。
当初は史実通り「信繁」を名乗っていたが、第40回において豊臣を滅ぼさんとする家康に対する決意をし、信之が捨てた「幸」の字と、息子・大助にくじで選ばせた九度山村の「村」の字を合わせ「幸村」と改名したという独自の経緯が描かれた。
なお、本作の脚本は過去に『新選組!(2004年大河ドラマ)』を手がけた三谷幸喜氏。信繁(幸村)役は、同ドラマで山南敬助を演じた堺雅人氏が担当し、当時の共演者も数多く出演している。因みに三谷・堺両者が一緒に仕事をするのはこの『新選組!』以来であり、12年ぶり2度目である。